14歳 μ月τ日 『シンオウリーグ エキシビションマッチ VSシロナ』
表彰式が終わると同時に、フィールドの準備がされ、反対側のトレーナーゾーンにシロナが現れる。
俺もまた悠然と歩みを進めていく。今回のバトルに選ぶのはミュウツーだ。おそらく、シロナはガブリアスを出してくるので、長年の引き分けに決着をつけてやる。
と、思いながらトレーナーゾーンに着くと、マスターボールに手をかけた瞬間、モンスターボールの中からラティが飛び出してきた。
どうやらタクト戦で活躍したことに味を占めたようで、隠れて乱入する準備をしていたらしい。
すぐに戻そうとするが、実況が『サトシ選手は、またまた伝説のポケモンのラティアスを出してきたー!』と声を上げてしまったせいで、観客も大盛り上がりになってしまい、今更間違いでしたと戻すことも出来なかった。
ミュウツーには悪いが、決着はまた次の機会だな。まぁ、こいつもタクト戦で大暴れしたし、しばらくは満足してくれるだろう。この先、チャンピオンリーグも残ってるしな。
それに、別にラティが出て来て問題がある訳でもない。ラティはコンテストの練習だけでなく、バトルの練習も一生懸命やっていたのは俺が一番よく知っている。シロナにもいろいろ教えて貰っていたし、タクト戦に続いて成長を見せる(ラティの)絶好の機会なのは間違いなかった。
と、いう訳で、こちらはラティでいく。
シロナはこちらがラティで来るとわかると、少し悩んだ末にイーブイを出してきた。
おそらく、レギュラーメンバーだとラティにはまだ少し荷が重いので、レギュラーメンバーではないが、そのうちレギュラー入りするかもしれないというレベルの、育成中のポケモンを出してきたのだろう。
とはいえ、シロナが育てているイーブイだ。見た目が可愛いからと言って油断は禁物である。
とりあえず、開幕はラティお得意の『ミストボール』で様子を見ていく。シロナも『シャドーボール』で反撃してきた。
二つの玉がぶつかり合って相殺される――威力がそこそこ高いな。タイプ一致の『ミストボール』を余裕で相殺して来やがった。
良く育てられているイーブイなのは間違いない。ラティも向こうが強敵だとわかったようで気合を入れている。
では、見えない技ならどうだ――と、『サイコキネシス』を指示していく。向こうは、『かげぶんしん』で攻撃を回避してきた。分身の精度が高くて、本体を見抜けない。的が絞れない以上、攻撃を当てることが出来ずに、ラティもとりあえず攻撃回避のために急上昇した。
空を飛べるというのは、こちらの大きなアドバンテージだ。これを上手く使って対処していこう。と、考えていると、イーブイが『かげぶんしん』を維持したまま、『シャドーボール』を撃ってきた。
数は多いが本物は一つしかない。しかし、どれが本物かもわからない以上、全て避けるしかなかった。急旋回しつつ、空を大きく使って全ての攻撃を回避していく。
コンテスト仕込みの見事な空中機動――だが、ラティは回避に夢中になりすぎて高度が低くなっていることに気付かなかった。
ギリギリ、ジャンプで攻撃が届く距離に降りてきた瞬間をシロナは見逃さない。イーブイもまた、指示に素直に従い、『アイアンテール』でラティに追撃してくる。
ラティもすぐに気づいたが、イーブイの攻撃タイミングが的確過ぎて回避は間に合わない。ならば迎撃ということで、『ドラゴンクロー』でイーブイの一撃を受け流した。
「この不意の一撃を受け流すなんて……コンテストだけじゃなくて、バトルの腕もしっかり上げているわね」
「まぁ、何だかんだ伝説と呼ばれてるポケモンだからな」
「前にも言ったけど……伝説のポケモンだって、使うトレーナーが未熟ならたいしたことはないわ。ここまで戦えているのは貴方達の実力よ」
褒めてくれるのは嬉しいが、別に勝っている訳ではない。そもそも、ラティアスとイーブイの種族値差を考えれば、こうして互角の勝負をしているのがおかしいのだ。
本来なら、ラティが一方的に勝っているべき場面――実力が拮抗しているのは、それだけイーブイとラティにレベル差があるということでもある。油断をすれば即座に勝負が決まってもおかしくなかった。
再び、イーブイが『かげぶんしん』からの『シャドーボール』でラティを惑わせてくる。
ならばこちらは、『ミストボール』を『サイコキネシス』で操作することで、向かってくるシャドーボールを全て薙ぎ払っていった。
遠距離での攻撃が決まらないとわかると、今度は近接戦に切り替えてくる。イーブイの『アイアンテール』と、ラティの『ドラゴンクロー』がぶつかり合い、再び互角の立ち回りを見せた。
とはいえ、のんびりもしていられない。
ジョウトの時はブルーがルール無用にしたから大丈夫だったが、実はエキシビションマッチには五分の制限時間がある。これを過ぎた場合、残り体力の差で勝敗が決まるのだ。
残りは約一分――互いに残り一つの技という切り札を残しており、この札の切り時をミスった方が負ける。
俺もシロナも、どうにかして相手の隙を突きたい場面だが、ラティとイーブイの技術はほぼ互角であり、レベル差は種族値の差が埋めていてミスらしいミスもしていないので、付け入る隙が存在していなかった。
しかし、それで諦める俺――否、俺達ではない。
「「隙がないなら作るまで!」」
と、動き出したのは互いに同時だった。
残り時間が30秒を過ぎた瞬間、イーブイは『シャドーボール』を、ラティは『ミストボール』を、ゼロ距離で炸裂させて互いに距離を取っていく。
当然ながら、ゼロ距離での爆発で互いにダメージを受けていた。イーブイにゴースト技は効果がないとはいえ、ゼロ距離で爆発した爆風はイーブイにも効果がある。おまけに、互いの技がぶつかり合うことで、自傷ダメージは向上していた。
ここで、こちらは最後の技として『りゅうせいぐん』を指示する。同時に、ラティが急上昇し、流星を身に纏った――必殺の流星ダイブで勝負を決めに行く。
対するシロナは、イーブイに『とっておき』を指示してきた。この技は、他の三つの技を使っている場合のみに使用できる威力140のノーマル物理技であり、イーブイの特性『てきおうりょく』(推測)によって、タイプ一致技のダメージは1.5倍ではなく2倍になる。
上空からダイブしてくるラティに負けじと、イーブイも真っ直ぐにぶつかっていく。
だが、シロナは見逃していた。
流星ダイブは『りゅうせいぐん』という技を纏った突進であって、それ自体に攻撃判定がある訳ではない。あくまで、流星のエネルギーをラティのボディに集束させて相手にぶつけているだけだ。
つまり、ラティにはまだ攻撃が残っている。
もし、シロナが去年のポケモンコンテストトネリコ大会や、今年のミクリカップのラティの演技を見ていれば、こんな手には引っかからなかっただろう。
しかし、最後の最後、お互いの切り札がぶつかり合ったという思い込みが、シロナの判断を一瞬だけ遅らせた。
「――切り札は先に見せるな」
ゼロ距離からの『ドラゴンクロー』で、イーブイを追撃していく。イーブイは『とっておき』に全てをかけていたようで、まさか追撃がくるとは思わずにそのまま一撃を受けて吹き飛んでいった。
「見せるなら、奥の手を持て――前にも言ったはずだけどな」
まぁ、前と言っても、それこそ十数年前のことなんだが――と、シロナには聞こえない声で呟くと同時に、制限時間が来てバトルが終了となる。
勿論、この程度の一撃でイーブイは戦闘不能に等ならない。しかし、タイムアップの場合は、互いの残り体力の多い方が勝者となるのが、このエキシビションのルールだった。
終盤まで互角の立ち合いを見せ、流星ダイブと『とっておき』も互角のぶつかり合いだった――だが、最後の『ドラゴンクロー』の一撃が、僅かにイーブイの体力を削っていた。
これにより、エキシビションマッチは俺の勝利が決定する。スッキリした勝利とは言えないが、勝ちは勝ちだ。
少し前までの俺だったら、完全勝利を求めてもっと無理なバトルをしていたかもしれない――が、コンテストでの経験上、ルール上勝利であれば大人な手段も取るのが今のニューサトシでもあった。
シロナは負けてプクーと頬を膨らませる仕草を見せたが、ラティが大喜びしているのを見て、すぐに矛を収めている。ラティも、シロナに「凄かったわよ」と褒められると、嬉しそうに抱き着いていた。
改めて、優勝トロフィーを手に仲間達の元に戻ると、タケシが「良いバトルを見せて貰ったよ」と、いつものように声をかけてくる。
カスミさんは「まぁ、地方リーグで負けてたら話にならないけどね」と、いつものように憎まれ口を叩いていたが、ラティには「最高のバトルだったわよー」と甘やかす姿を見せていた。解せぬ。
ハルカとマサトも、わざわざ応援しに来た甲斐はあったようで、「また一段とレベルアップしてたかも」、「僕だったらもっと押してたけどね」と、各々感想を口にしている。
ヒカリは「もう凄すぎて何も言えないわ」と笑っており、ノゾミは「本当に、リーグとコンテストを両立させちゃうとはね」と、驚きを通り越して呆れたような顔をしていた。
いつの間にか来ていたミツル君やヒロシ君も「良いバトルでした!」、「凄い攻防だったよ!」と、こちらを絶賛しており、罰金野郎は「本当に優勝しちまうなんて! 今度は俺がぶっ飛ばしてやるからな!」と、叫んでいる。お前には、当分無理だろうけど。
聞けば、この三人はしばらく一緒に旅をするということで元気よく旅立っていった。
これで、俺のシンオウリーグスズラン大会は完全に閉幕となる。次は、約ひと月半後のチャンピオンリーグを目指して修行の日々だ。
シロナも、四天王リーグの調整(俺の修行)のために、リーグの後始末が終わったらマサラタウンに来ると言っており、まだまだハードな日々が続きそうだった。とりあえず、アイス禁止な!
14歳 μ月υ日 『ポケモンドクター・タケシ』
リーグも終わり、ノゾミはそろそろ地元に戻るということで、スズラン島で別れることになった。チャンピオンリーグも応援しているとエールを送ってくれており、「またいつか、一緒にコンテストバトルをしよう」と言って別れている。
ヒカリはとりあえず地元であるフタバタウンに戻ると言っており、俺達もカントーに戻る前にフタバタウンに寄っていくことにした。
その後、タケシは一旦、ニビの実家に帰ってからまた顔を出すと言っている。が、カスミさん、ハルカ、マサトの三人はこのまま俺の家まで来るつもりらしい。
どうやら最初からチャンピオンリーグを見物していくつもりで予定を組んでいたようだ。まぁ、仮に俺が地方リーグで負けても、チャンピオンリーグの参加権利が取り消される訳でもないからな。
ラティはまたしばらくみんなと一緒に居られるとわかると大喜びしており、それを見て少し疎外感を感じたのか、ヒカリも一緒にマサラタウンに来ることになった。
後はフタバタウンまでフェリーでのんびり船旅――と、思っていると、急にドククラゲの群が船を襲って、人やポケモン達を襲っているのを見つけた。
見れば、先頭にはロケット団が走っており、どうやらあいつらのせいでドククラゲ達は船までやってきたらしい。とりあえず、サクッとやなかんじーにして、あいつらがドククラゲ達から奪ったものを返すと、ドククラゲの群れも海に戻って行った。
しかし、今の騒ぎで幼いポケモン達が毒状態になってしまったようで、タケシが状態を見ながらこおり技で氷嚢を作ったり、パラセクト印の毒消しを煎じて飲ませたりしている。
だが、毒が消えても体力がまだ戻らず、小さなポケモン達は苦しそうにしていた。ならばニューサトシの波動で――と、思った瞬間、苦しむポケモン達を見て、タケシのピンプクがラッキーに進化を果たし、『たまごうみ』で体力を回復させている。タケシの懸命な姿に、ピンプクも応えたいと思ったのだろう。
それからしばらくして、ジョーイさんがやってきたことで事件は一件落着となった――が、タケシの処置がほぼ完ぺきだったため、殆どすることがないと嬉しそうにお礼を言ってくる。
その時、ジョーイさんに「とてもいいポケモンドクターになれそうですね」と言われて、タケシも興味を持った様子だった。そうか、今回の事件が、タケシがポケモンドクターになろうとするキッカケだったのか。もう殆ど記憶がないから忘れていたぜ。
タケシも、これまでの旅や、ポケモンブリーダーとしてポケモン達を育ててきた経験があったからこそ、今回幼いポケモン達を救うことが出来たと実感できたようで、本格的にポケモンドクターの勉強を始めてみるつもりのようだった。
14歳 μ月χ日 『行ってきます』
昨晩、フタバタウンに到着し、ヒカリの家で一泊させて貰った。俺、ラティ、タケシだけでなく、カスミさん、ハルカ、マサトと大所帯だったが、ヒカリのママさんは笑顔で受け入れてくれている。ヒカリの家が豪邸で助かったな。
改めて、ヒカリはママさんに、俺のチャンピオンリーグ応援のためにマサラタウンに行くと話しており、終わったら戻ってくると言っていた。
あっさり別れを告げるヒカリだが、多分ヒカリもポッチャマもまだ真にその意味を理解していない。
ママさんもヒカリがまだ実感が湧いていなさそうなのを見て、「ちゃんと、考えなさいね」と声をかけている。首を傾げるヒカリだが、カスミさんやハルカはわかったように頷いていた。
追記。カントーに戻ると、トキワシティで一度タケシとは別れた。その内、顔を出すと言っているので、暇が出来ればまたやってくるだろう。
原作との変化点。
・ニューサトシVSシロナ、エキシビションマッチ。
ラティVSイーブイというカード。時間制限5分。判定勝ち。正直、ミュウツーVSガブリアスを書くだけの体力がなかったので次回に持ち越し。
・アイス禁止。
本人は寒い時に食べるアイスは最高なのよ! と供述しており、こちらの言い付けを守るつもりがない模様。
・ヒロシ君一行にジュンが追加された。
次はどこにいくのやら。
・第190話『ポケモンドクター・タケシ!』より、ニューサトシが原作を思い出した。
タケシがポケモンドクターになるとだけは覚えていたが、いつなのかは忘れていた。
・ヒカリとポッチャマがまだ別れを完全に理解していない。
まだニューサトシのチャンピオンリーグがあるので、まだもう少し続く。そのため、ヒカリもポッチャマも寂しいという感情が浮かんでいなかった。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.65
ピジョット Lv.60
バタフリー Lv.60
ドサイドン Lv.63
フシギバナ Lv.60
リザードン Lv.65
カメックス Lv.60
キングラー Lv.60
カモネギ Lv.60
エビワラー Lv.60
ゲンガー Lv.62
コノヨザル Lv.60
イーブイ Lv.60
ベトベトン Lv.60
ジバコイル Lv.60
ケンタロス Lv.60
ヤドラン Lv.60
ハッサム Lv.60
トゲキッス Lv.60
プテラ Lv.60
ラプラス Lv.60
ミュウツー Lv.76
バリヤード Lv.60
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.59
カビゴン Lv.60
ニョロトノ Lv.59
ヘラクロス Lv.58
メガニウム Lv.58
バクフーン(ヒスイの姿) Lv.58
ラティアス Lv.55
ヘルガー Lv.57
ワニノコ Lv.57
ヨルノズク(色違い) Lv.56
カイロス(部分色違い) Lv.56
ウソッキー Lv.57
バンギラス Lv.61
ドンファン Lv.57
ギャラドス(色違い) Lv.56
ミロカロス Lv.51
ラグラージ Lv.52
オオスバメ Lv.52
ジュカイン Lv.52
ヘイガニ Lv.52
フライゴン Lv.57
コータス Lv.50
サーナイト(色違い) Lv.45
オニゴーリ Lv.49
ワカシャモ Lv.48
メタグロス(色違い) Lv.45
エテボース Lv.43
ムクホーク Lv.42
ナエトル Lv.42
ブイゼル Lv.43
ムウマージ Lv.46
カバルドン LV.41
ミカルゲ Lv.56
グライオン Lv.40
ロトム Lv.42
ユキカブリ Lv.38
フカマル Lv.28
タマゴ 何が生まれてくるのかな? 生まれるまでまだまだ時間がかかりそう