11歳 κ月κ日 『リゾート地ビンヌ 波乗りピカチュウの伝説』
どうやら誕生日だったらしい。ママさんにお祝いされるまで忘れていたが、一年経った割に成長していない気がする。髪の毛も伸びないし。サイヤ人みたいだな。
まぁ、だからといって何かが変わる訳ではない。とっととマサラタウンに帰ってトレーニングに戻ろう。と、思ったのだが、「今日くらいは遊んでいきなさい」とママさんに言われたので、少し遊んでいくことにした。
俺が意外とママさんに弱いことにタケシとカスミさんも驚いていたが、ニューサトシになってからママさんにはかなり迷惑をかけたので強く出られないのである。
今回、ビンヌに来るにあたって、ピカ様、トゲ様以外、手持ちはみずタイプにしていた。ビーチで遊ぶことになったので全員を出して遊ばせる。
ゼニガメ、クラブ、ヤドラン、そしてゲットしたばかりのラプラスを出して自由に遊ばせることにした。
全員に「自由にして良いぞ」と言うと、各々勝手に行動を始める。ゼニガメはいつものように『ハイドロカノン』の練習を始め、クラブは砂浜で遊んでいた。
ヤドランは波打ち際でボーッとしており、ラプラスは大きな海に来るのは随分久しぶりなようで大喜びしている。ピカ様はお兄ちゃんらしく、あっちこっちに歩いて行くトゲ様の面倒を見ていた。
そんなポケモン達の遊ぶ姿を見て、たまにはリフレッシュしないとダメだな。と思った。
改めて、最近はポケモンリーグやバトルのことばかり考えていて余裕を持てていなかった気がする。
もしかしたら、ママさんもそういう、俺の見えなかったものが見えていたのかも知れないな。やはり、あの人には頭が上がらない。
そのまま海で遊んでいると、20年に一度来るという大波が来たようで、浜辺から避難することになった。
見ると、サーファー達がその大波を乗りこなそうとして、次々と海に飲み込まれていく。
そんな中、ボードに青い目のピカチュウを乗せたおじさんが、見事波を乗り切って、大岩に旗らしきものを刺していた。よくわからないが、凄いことのようなので拍手しておく。
それを見ていたキッズに「次は君達の番だ(キリッ)」とドヤ顔し、ピカチュウを連れたおっさんサーファーはどこかに去って行った。何かアニメでこんなの見たような気がする。
11歳 κ月μ日 『きずなリザードン?』
オーキド博士に、ミュウツーと戦った時にリザードンに起きた現象について聞いてみると、カロス地方にあるメガシンカではないかと答えが返ってきた。しかし、俺の記憶にあるメガリザードンはXもYも、あんな真っ赤にはならない。
ただ、あの現象には少し心当たりがあった。
ポケモンと感覚を共有し変化するあの状態は、アニメのXY編でゲッコウガとサトシ君に起きていた変化と似ているような気がする。
きずな現象とかいうやつだ。
もしかしたら、俺が知らないだけできずな現象で変化するリザードンがいるのかもしれない。いわば、きずなリザードンである。
だが、俺のリザードンの特性は『もうか』のはずだ。特性が二つあるとは思えないので、何か原因があるはずなのだが、メガシンカですら浸透していないカントーの現状では謎のままになりそうだった。
11歳 κ月ν日 『イーブイ頑張る』
最近、イーブイのやる気が凄い。どうやらシゲルに勝ったことでバトルに自信が持てたらしく、事あるごとにバトルに出してくれと訴えてくるようになった。
お調子に乗っていいことはないので釘を刺してやりたいのだが、どうにもイーブイには強く言えない。ママさん以外だとこいつが一番強く出られない相手である。
ただ、レベリングをする必要があるのは確かなので、そこで上手く制御することにした。
イーブイのやる気をキープしつつ、バトルは簡単なものじゃないということをわからせる。時には挫折することだって有り得るので、実際に挫折したことがあるフシギダネやプテラにも頼んでイーブイにバトルの厳しさを教えていった。
ちなみに、特性の『アドバンスシフト(オーキド博士による呼称)』は、一試合に一回のみ使うという制限をしている。体にかかる負担も理由の一つだが、一番は技のスロットの問題だ。
例えば、イーブイの状態で『すなかけ』、『でんこうせっか』を使い、ブラッキーに進化して、『しっぺがえし』、『つきのひかり』を使うと、技スロットを既に4つ使っていることになる。だが、その後、ブースターに進化して『フレアドライブ』を使ったら、5つ目の技を使ったという判定になるのではないかという疑問が出たのだ。
ブラッキーとブースターでは当然使える技が違うので、もしかしたらイーブイの時以外の進化先で使った技はスロットにカウントされないかもしれないが、これを悪用するとイーブイだけで山のように技を使えてしまうという状況が生まれる可能性がある。それは、俺のトレーナーとしての理念に反する気がしたのだ。
イーブイも俺が心配していることや、ずるになる可能性があるというのは理解してくれているので、特に反抗することもなく言うことを聞いてくれている。
しかし、本当にやる気が凄いので少し怖い。
ただ、それがイーブイのやりたいことなら尊重していこうということで、各進化先でも戦えるように訓練していく。
イーブイは特性のおかげもあり多彩に戦えるが、進化先の数だけ戦い方を覚える必要があるので、当然他のポケモンよりも頭を使うし、状況に応じた動きを覚えるのは大変だった。
だが、持ち前のやる気は折れず、こちらの指示に死ぬ気で食らいついてくる。ここまで来ると遠慮する方がイーブイに悪いと思い、俺も本気でイーブイと向かい合ってバトルの特訓を繰り返して行った。
11歳 κ月ο日 『センスのあるバリヤード』
アニメではママさんに懐いて家事をしていたバリヤードだが、この世界では出会って早々に俺が捕まえたことでしっかりとバトルのトレーニングをしている。
こいつは原作通り、とてもセンスがあるので練習を見ているだけで楽しかった。
壁系の技である『リフレクター』や『ひかりのかべ』を超能力で物理的に相手にぶつけたり、逆に壁を何重にも出して攻撃を完全に防いだりしている。
また、かくとうタイプの技に興味があるのか、エビワラーやオコリザルに聞いていろいろ技を習得していた。こいつも才能がある方なようで、『きあいパンチ』をすぐに覚えている。
そんな光景を見ていると、アニメではカンフー体操をしている描写があったのを思い出したので、見よう見まねでバリヤードに動きを伝えた。最初は首を傾げていたが、すぐにコツを掴んだらしく、やりやすい自己流の動きを確立したようだ。
それがきっかけになったのか、ポケモン達の中でカンフー体操が大流行していた。
また、バリヤードがかくとう技の練習をしていたのに触発されてか、ピカ様も『かわらわり』の練習をしている。どうやら、前にシゲルのエレブーが使っているのを見て覚えたくなったらしい。でも、手は多分無理なので尻尾にしておいた方がいいぞ。
11歳 κ月ρ日 『ポケモン達の教え合い 前編』
ピジョットが『ねっぷう』の練習をしながら、バタフリーに『ぼうふう』を教えていた。
俺のピジョットは基本的に特殊型なので、苦手なはがねタイプを突破するのに『ねっぷう』があると楽だねと話したのがきっかけである。
バタフリーにも、『ちょうのまい』を生かす、タイプ一致の高威力ひこう特殊技があるといいねと話したらピジョットに相談に行った。古株だけあって、この二体は仲が良いのだ。
ドサイドンは物理の択を増やしたいようで、エビワラーに三色パンチを習っている。どうやら、オコリザルも一緒のようで、二体一緒に三色パンチを覚えようとしていた。
講師であるエビワラーは技を教えながら、自分は特殊タイプの相手と戦った時の動きを対策しているようで、いつものカウンターではなく立ち回りを研究している。
御三家のうち、フシギダネとゼニガメは今日も今日とて究極技の練習に励んでいた。二人共、かなり頑張っているが、まだ完成には至っていない。
最後の御三家であるリザードンは『りゅうのはどう』の練習をしているが、きずな現象(憶測)が気になっているのか、訓練に気合いが入っていないようだった。
11歳 κ月σ日 『ポケモン達の教え合い 中編』
他のポケモンが技習得に励む中、クラブが進化しないことを気に病んでいる。後輩であるヤドランが進化したのも原因かもしれない。
クラブもレベル技は全て覚え、今はドサイドンに『いわなだれ』を習っていた。しかし、センスだけはあるので、既に技が形になっている。本当に何で進化しないんだろうな?
こっちでは、カモネギが『ブレイブバード』の練習をしていた。ひこうタイプ最強の物理技ということもあってか、習得には苦労しているようだ。
プテラもブレバに興味があるようだったが、確かプテラは覚えられないはずなので、素直に『じしん』の練習をするようにお願いする。
じめん技の得意なケンタロスが先生になって技を教えており、ケンタロスもプテラから『ストーンエッジ』を習っていた。いい相互関係である。
ゲンガーはベトベトンにどくタイプの技を習っているようだった。逆にベトベトンは『かげうち』を覚えたいのか、ゲンガーにゴーストタイプの技について習っている。こちらも良い関係かと思ったが、ゲンガーは『かげうち』を覚えない。
仕方ないので、『シャドーパンチ』を教えてそこから派生させていく方法を教えた。少し大変かも知れないが、先制技はあって困らないので頑張ってくれベトベトン。
11歳 κ月τ日 『ポケモン達の教え合い 後編』
ジバコイルが技の練習をしている。ぶっちゃけ、こいつはもう必要な技を覚えきっているので、後は精度を高めていくくらいしかやることがないのだ。
他のみんなのように技を教え合えないことを残念に思っているのか、少し寂しそうである。
空気を読んだゲンガーがジバコイルから『10まんボルト』を習っていた。お前、他にも技を練習していると言うのに。本当に良い奴である。
こっちでは、ヤドランとラプラスが二人で『れいとうビーム』の練習をしていた。
ヤドランも進化したことでかなり動きが機敏になり(気のせい)、ラプラスにもいろいろ教えているようである。ただ、『れいとうビーム』の完成度はラプラスの方が進んでいた。
ストライクには『ダブルウイング』の練習をさせている。
これは、いつも使っている『ダブルアタック』と『つばさでうつ』のアニポケ殺法の本家のような技なので、覚えると技スロットが一つ空くので是非頑張って欲しい。
最後にマスターボール内にいる暴君なのだが、意外と面倒見がいいのか、技の習得に手こずっているポケモン達にアドバイスを飛ばしていた。想像以上にいい奴である。
11歳 κ月φ日 『トゲ様の嫉妬』
最近、イーブイばかりに構っているせいか、トゲ様がすねてしまった。
こっちはまだ赤ちゃんということもあり、本格的なバトル練習はしていなかったのだが、どうやらそれが贔屓に見えたようである。
確かに、生まれてから結構経ったし、いい加減本格的に練習してもいいのかもしれない。
トゲ様に謝罪し、これからはみんなと同じように練習することを約束すると、許してくれたようでいつものように可愛い笑顔を向けてくれた。
何だか、トゲ様が少し大人になったようで少し寂しい気もする。
11歳 κ月ψ日 『きずな現象の条件』
リザードンがトレーニングに集中できないようなので、きずな現象(多分)について少し調べてみることにした。とはいえ、専門家でもない俺にわかることなどたかが知れているが。
とりあえず、今の段階でわかったことは二つ。
一つ目は、発動すると感覚や思考を全て共有するということ。視覚の共有は当然として、リザードンがダメージを受ければ俺にも痛みがフィードバックされた。サカキ様とのバトルで俺が痛みを感じたのは、リザードンのダメージを感じ取っていたからのようだ。
また、思考を共有しているからか、言葉にしなくてもお互いの考えていることが手に取るようにわかった。今までもそういうことはあったが精度が全く違う。指示のタイムラグがなくなり、動きは最適化され、あのミュウツー相手でも互角に戦うことが出来た。
二つ目は、危機的状況じゃないと発動しないということ。今現在のリザードンではあの変化を自由にコントロールできないようで、絶対に負けたくないというような状況にならないとあの変化は起きなかった。
おまけに変化していられる時間は一分が限界で、それを越えると元の状態に戻る上、尋常ではない疲労が襲ってくる。本当に切り札としてしか使えない性能だった。
確かアニメでは絆が深まって、サトシ君とゲッコウガの気持ちが一つにシンクロすると発生すると言っていた気がする。俺達がこの力を自由に発動できないのは、もしかしたら俺とリザードンの気持ちが一つになっていないからかもしれないな。
尚、これがわかったのはミュウツー君が『あの変化には少し興味がある』と言って、検証に協力してくれたおかげである。
だが、いくらなんでもあそこまで本気でやらなくてもいいだろう。なかなか変化しないリザードンに業を煮やして戦闘不能寸前まで追い込まれ、おかげで変化した頃には大ダメージだった。
原作との変化点。
・第67話『波乗りピカチュウの伝説』より、サーファーのビンセントに出会わなかった。
アニメではサトシ君が海で足をつった所で出会ったが、ニューサトシは普通に遊んでいたので出会うきっかけがなかった。
・イーブイの特性による進化に制限をかけた。
無制限は強すぎるのと、体にも良くないので。
・バリヤードがバトルに集中している。
家事よりもバトル。本人もニューサトシの教えを忠実に守っている。
・技の習得やレベリングに励んでいる。
ポケモンリーグまでは自主トレメインだが、全員でトレーニング出来るので効率が少し上がった。
・トゲ様が自分をないがしろにしたことを怒った。
赤ちゃん扱いされることに怒った。バトルをさせてくれと訴えているが、まだ低レベルなので練習のみにしている。それでも放置しなくなったので、レベルは上がった。
・きずな現象(仮)について調べた。
基本的にミュウツーは興味を持ったことにだけ手伝いをしてくれるので、これについては手助けしてくれた。ただ、飲み込みが悪いせいで戦闘不能一歩手前まで持っていかれた。
現在ゲットしたポケモン。
ピカチュウ Lv.50
ピジョット Lv.44→45
バタフリー Lv.43→44
ドサイドン Lv.50
フシギダネ Lv.46→47
リザードン Lv.51
ゼニガメ Lv.46→47
クラブ Lv.43→44
カモネギ Lv.43→44
エビワラー Lv.45→46
ゲンガー Lv.48
オコリザル Lv.44→45
イーブイ Lv.26→32
ベトベトン Lv.41→42
ジバコイル Lv.43→44
ケンタロス Lv.42→43
ヤドラン Lv.42→43
ストライク Lv.42→43
トゲピー Lv.2→4
プテラ Lv.42→43
ラプラス Lv.39→41
ミュウツー Lv.70
バリヤード Lv.38→40