14歳 δ月θ日 『サンヨウジム ガチ戦 VSポッド・コーン・デント 前編』
サンヨウシティに着いたので、早速ガチ戦を行っていこうと思う。ゲームと同じなら、サンヨウジムは三人兄弟のデント、コーン、ポッドの三人がジムリーダーをやっており、最初に貰ったポケモンで対戦相手が決まる。
が、当然、ニューサトシは三人全員と戦うつもりであり、2対2を3回行って楽しくバトルをする予定だ。本当なら3対3がいいのだが、基本的にトレーナーの手持ちは6体までなのでそこは妥協せざるを得ない。
ピカ様とゾロアを一時的に特殊枠に移動しつつ、フカマル、タツベイ、ミジュマル、ポカブをオーキド研究所に送る。
ミジュマルとポカブにはまだ早いかもしれないが、先輩達ももう後輩の扱いに慣れているだろうし、悪いようにはされないはずだ。ミジュマルがラティと離れるのが嫌でゴネる一幕もあったが、こういう手合いはメガニウムに任せておけば上手く躾けてくれるだろう。
あいつも昔は俺にくっついて離れたがらない寂しんぼだったが、今ではしっかりお留守番が出来るように成長したしな(なつき度は相変わらずだが)。
改めて、デントはくさタイプ、コーンはみずタイプ、ポッドはほのおタイプを使ってくるはずなので、こちらも今回はそれに合わせてメンバーをチョイスしていく。
デント戦ではハヤシガメとジュカイン、コーン戦ではウォッシュロトムとニョロトノ、ポッド戦ではワカシャモとヒスイバクフーンに決めた。ハヤシガメとウォッシュロトムは少しレベルが低いかもしれないが、戦い方次第でどうにでもなるだろう。
当然ながら、俺がハヤシガメを選んだということはそういうことだ。いろいろ頑張ったおかげで無事に『からをやぶる』を習得できたらしい。
そういえば、アニメではデントがタケシの代わりに旅の仲間になったような気もするが、まぁその辺は流れに任せればいいだろう。アイリスに関しても、別に俺が望んで同行者になった訳ではないし、向こうが来たいといえばこちらは受け入れるだけだ。
と、いう訳で、地図を眺めながらさっそくジムにアタックしに行こう――とした瞬間、目の前に執事服のようなものを着た男が、うっとりとした顔でこちらに近づいてきた。
「うーん、うんうん。若草のようにフレッシュな肌と、新芽を思わせるキバが、さわやかさと限りない未来を醸し出しているよ。自然な雰囲気の君には、とってもお似合いなパートナーだ」
と、よくわからないレビューのようなものをしながらキバゴとアイリスを褒めている。アイリスも、お似合いと言われて嬉しいようで、「そう? ありがとう」と笑顔を見せていた。
聞けば、こいつがデントのようで、ポケモンソムリエをしているのだという。ポケモンソムリエというのは、ポケモンとトレーナーの相性を見たり、もっと仲良くする方法をアドバイスしたりするという、イッシュ特有の職業らしい。
あのポエムみたいなレビューは、ポケモンソムリエとしての評価ってことか。まぁ、ぶっちゃけそんなことはどうでもいい。ここで会ったが百年目――ではないが、丁度いいので、早速ガチ戦の申し込みを行うことにした。
デントは、俺がチャンピオンリーグ経験者だということは知らないようだったが、こちらがガチ戦を望むと、アイリスがあれこれ話して俺の実力を伝えている。
基本的にチャンピオンリーグに参加するような人間がジムリーダーに真剣勝負を持ち掛けるようなことはないということで、「サトシはチャレンジ精神に溢れているね。今までにない未知の風味だ」と、デントも笑顔でガチ戦を承諾してくれた。
そんなこんなでサンヨウジムに連れていかれたのだが、何故かジムの中はレストランになっており、デントの兄弟であるコーンやポッドに連れられて、いきなりサイコソーダやらおすすめランチを勧められる。
正直、すぐにでもガチ戦がしたい気分なのだが、おすすめランチの話を聞いたラティが「おなかすいた!」というので、まずは腹ごしらえということで、そのままおすすめランチを頂くことにした。腹が減っては戦は出来ぬだ。
と、いう訳で、おすすめランチを頂いていく。
その間に、デントを通じて、俺の情報がコーンやポッドにも伝わったようで、向こうもガチ戦の準備を始めてくれていた。
また、俺のことを知っているお客もいるようで、何故かサインを強請られる一幕もあったが、注目されるのは嫌いではないのでサッとサインを書いてやる。普通ならマサラタウンのサトシと書く所だが、ニューサトシのサインはN/Satoshiだ(当然、NはニューサトシのNである)。
腹ごなしが済むと、ジムのバトルフィールドに案内された。お客達もバトルを見ていくようで、なかなかに盛り上がっている。大半はジムリーダーであるデントたちのファンのようだが、その人気も一気に奪い去ってやるぜ。
と、いう訳で、こちらも準備を始めていく。
ガチ戦の話を聞いて、コーンやポッドは、俺のように三人全員とバトルを望むトレーナーは初めてだと笑みを浮かべていた。
また、俺の要求は全て飲んでくれるということで、基本的に2対2の交代有りのバトルを三試合し、2勝したら俺の勝ちということになっている。
「まずは俺から行かせて貰うぜ!」
向こうのトップバッターはポッド――ほのおタイプの使い手だ。相性を考えればみずタイプをぶつけるのがセオリーだが、前にも書いた通りこのバトルでは同じタイプをぶつけていくつもりでいる。
こちらが一番手としてワカシャモを出していくと、ポッドはヒヒダルマを出してきた。
体力が半分になると、『ダルマモード』というエスパータイプが付与される姿に変化し、ステータスも大きく変化する割と有名なポケモンだ。
特性のもう一つが技の追加効果を無くす代わりに、攻撃が倍になる『ちからづく』なので、『ダルマモード』ではない可能性もあるが、その場合は通常の物理型ほのおポケモンとして対処すればいい。
だが、もしポッドがヒヒダルマを両刀として『ダルマモード』を使ってくるのであれば注意が必要だ。
ゲーム版の『ダルマモード』はターンの終わりに効果が発動するため、使い勝手が死ぬほど悪かった。合計種族値は『ダルマモード』の方が60程高くなるが、体力半分を維持しないと元の状態に戻ってしまうこともあって運用法が難しい。しかし、この世界ではその辺がどう変わっているかわからなかった。
とはいえ、ポッドのあの表情――こうして自信満々に出してきたということは、このヒヒダルマは前世のような悲しき獣ではない可能性が高い。ポッドのお手並み拝見だな。
こちらがワカシャモ。ポッドがヒヒダルマを出して、ガチ戦がスタートしていく。ポッドはこれまでの会話からもかなり熱い性格をしているし、すぐにでも仕掛けてくるかと思ったが、意外にもこちらが動くのを待つつもりのようで様子を見てきた。
ならば、先手必勝と行こう。
ワカシャモに『かわらわり』を指示する。基本的に足技が得意なうちのワカシャモは、最近だと手を使用する技も足で使えるように特訓していた。
この『かわらわり』も本来であれば、手を使って攻撃する技だが、よくよく考えてみるとピカ様は尻尾を使っているし、ミュウツーなんかスプーンを使っている。当然、ワカシャモだけが手を使わなくてはいけないというルールはないので、足でも使えるように努力したのだ。
結果、『かわらわり』だけでなく、他の技も足で使用することが可能になっている。むしろ、腕よりも精度が良く、本格的に足技マスターへの道へと進み始めていた。
ワカシャモがお得意の俊足を生かして、ヒヒダルマとの距離を詰めていく。そのまま、かかと落としの要領で『かわらわり』をお見舞いしていくと、ポッドは『しねんのずつき』を指示してきた。
こちらのかかと落としに合わせて、ヒヒダルマが頭をぶつけてくる。『しねんのずつき』はエスパータイプ故にワカシャモの弱点技ではあるが、こちらはタイプ一致ということで技の威力も上がっていた。
どうも、レベルでは少し負けているようだが、何とか技を相殺し、ワカシャモがヒヒダルマから距離を取るために、華麗にバク転を繰り返してこちらに戻ってくる。これも、コンテストで覚えた動きの一つだ。
ワカシャモの魅せる動きに、観客が歓声を起こす。それに釣られて、ワカシャモがサービスでその場で演武を始めた。騒がれるのが大好きなのは間違いなく俺に似たな。
ポッドも「やってくれるぜ」と笑みを浮かべた。開幕は互角と言っていい――だが、こちらの本領はここからだ。夢特性の『かそく』によって、ワカシャモの速度が上がっていく。時間が経てば経つほど、こちらの動きは早くなる。
対するポッドは『サイコキネシス』を指示してきた。エスパータイプの特殊技を採用しているということは、やはりこのヒヒダルマの特性は『ダルマモード』の可能性が高いな。
と、考えつつも、ワカシャモに回避を指示する。『かそく』によって上がったスピードを駆使して、ワカシャモが『サイコキネシス』に捕まらないように全力でフィールドを走り始めた。
ポッドはほのおタイプ使いということで、ワカシャモの早さの秘密にすぐに気が付いたらしく、「おいおい、『かそく』のワカシャモかよ!?」と驚いた声を上げている。
その速度を見て、まだ『ダルマモード』前でエスパータイプが付与されていない今のヒヒダルマのサイキネでワカシャモを捕まえるのは無理と判断したようで、ポッドが「仕方ねぇ」と小さな呟きを零した。
「ヒヒダルマ、変身だ!」
ポッドの掛け声と共に、ヒヒダルマの姿が変化していく。真っ赤だった体は青系の色に変化していき、まるでダルマのように手足を引っ込める。
恐れていた『ダルマモード』だ。
この状態になると、ヒヒダルマはエスパータイプが追加され、攻撃と特攻の種族値が入れ替わり、素早が40下がる代わりに防御と特防が50ずつアップしていく。総合的な数値では、変化前よりも種族値が60高くなっていた。
しかし、特性の発動条件は体力が半分以下になったらというもののはずだが、体力は間違いなく余裕で半分以上ある――つまり、ポッドのヒヒダルマは任意で『ダルマモード』をコントロールできる個体ということだ。
「なんだ? あんまし驚いてねーな」
「いや、そうでもない」
ただ、その可能性もあるかもしれないと考慮していただけで十分に驚いてはいる。だが、これまでの旅でも、特性の使い方が通常と大きく違うポケモンはたくさん見てきた。
俺の手持ちで言えばベトベトンがそうだし、ホウエンではセンリのケッキングが『なまけ』を克服して常時動き回っている。
シンオウのメリッサだって、『ゆうばく』を物理技だけでなく、特殊技で倒された時に発動できるようにしていたし、この世界では技だけでなく特性すらも育成次第で強化が可能なことは既に把握していた。
しかし、『ダルマモード』のオンオフが自由に可能なヒヒダルマ――これは間違いなく強敵だ。
前世でヒヒダルマが使いにくかった最大の理由は、『ダルマモード』による変身がターンの終わりで発動するため、動き出しがどうしても後手になるからである。
また、体力を半分にするというのが発動条件である以上、耐久が上がっても耐えきれない場合が多く、素早が遅くなる使い勝手の難しさからも、それならビクティニやマフォクシーで良くね? と、いう、弱くはないがわざわざ使う必要がないポケモンとして認識されていた。
だが、『ダルマモード』が任意で使用できるなら話は変わってくる。攻撃や防御の一瞬だけダルマ化し、すぐに通常状態に戻って素早を維持できるのであれば、使い勝手は格段に良くなったと言って良いだろう。
前世の問題点だった、『体力を半分にするため耐久出来ない』、『回復するとダルマ化が解除される』、『ダルマ化するとスピードが遅くなる』、『ターンの終わりに発動するため動き出しが遅い』、これらが全て解消されるのだ。
「んじゃ、追撃と行くぜ! 『サイコキネシス』!!」
ワカシャモの『かそく』が二段階目に入ると同時に、ポッドは追撃を指示してきた。再びサイキネで、こちらの動きを捉えようと仕掛けてくる。
先程までは逃げきれていた――が、今のヒヒダルマはダルマモードになったことで、エスパータイプが追加されている。サイキネの精度は格段に上昇しており、特攻種族値140の高火力サイキネがワカシャモに襲いかかってきた。
ワカシャモもなりふり構わず走り回っているが、ヒヒダルマは完全にワカシャモを射程に捉えている。これは、逃げきれない。
仕方なく、『まもる』で一撃を防いだ。同時に、ワカシャモをモンスターボールへと戻す。
かくとうタイプを合わせ持つワカシャモではエスパータイプの相手は厳しい。ここは素直にこちらも相性で攻めるべきだろう。
続けて、二体目としてヒスイバクフーンを出していく。流石のポッドもヒスイ種のバクフーンは見たことがないようで、「なんだ、そのバクフーンは!?」と驚いた声を出していた。大変、気分がいい。
勿論、バトル中であるため、わざわざネタばらしをするつもりなどなく、そのままわからん殺しは継続である。まずは専用技である『ひゃっきやこう』で先手を取っていく。
とはいえ、ほのおタイプが相手である以上、追加効果である三割の確率で火傷状態にするという効果は無効になっていた。
それでも、純粋にゴーストタイプの技はエスパータイプに効果抜群だ。ポッドも初見の技に首を傾げつつ、再び『サイコキネシス』で技の相殺を狙ってくる。
前にも記載したが、『ひゃっきやこう』は手数が多くて操作性に長けていた。一度に三つの怨霊を投げ飛ばし複雑な操作も可能で、流石のサイキネでも全ての弾を打ち落とすには至らない。三発の内、二発の『ひゃっきやこう』は防がれてしまったが、それでも最後の一つがヒヒダルマに命中した。
たった一発ではそこまで大きなダメージにはならないが、それでも弱点攻撃だ。ポッドもヒヒダルマのダメージの受け方を見て、『ひゃっきやこう』がゴーストタイプの技だということは悟ったようで、即座に『ダルマモード』を解除して通常のモードに戻している。
「バクフーンのリージョンフォーム……ほのお・ゴーストってとこか」
ほのおタイプのジムリーダーだけあって、今の一連の流れだけでしっかりと秘密を暴かれてしまったな。
とはいえ、『ひゃっきやこう』には、まだ隠された能力として、状態異常の時に威力が二倍になるという効果がある。火傷には出来ずとも、猛毒か麻痺に出来れば、この技はさらに強くなるのだ。
こちらが『どくどく』を指示――しようとすると、ポッドは素早くモンスターボールを出してヒヒダルマを戻してくる。相性の悪さを察してヒヒダルマを戻したらしい。
交換有りのバトルだからこその利点をしっかり使ってくれてこちらも嬉しい限りだ。普通のジム戦のように交換縛りがあると、どうしてもこちらが有利になり過ぎて面白くないからな。
ポッドはヒヒダルマを戻すと、続けてバオッキーを出してきた。ゲームでも、この三兄弟はバオップ、ヒヤップ、ヤナップを出してくる。やはり、相棒はバオッキーだったか。
バオッキーは攻撃も特攻も種族値98とそこそこ高いが、素早が101と器用貧乏なイメージがある。
しかし、この世界では両刀というのはそう珍しいことではない。むしろ、どちらかに偏らないということはメリットであり、どんな攻撃を仕掛けてくるか予測がしにくかった。
「バオッキー! 『かみくだく』だ!!」
バオッキーは、バオップにほのおの石を使うと進化するのだが、石進化系のポケモンにたまにある進化するとレベル技を覚えなくなるタイプのポケモンだ。
つまり、バオップの状態で技を覚えさせてから進化させないと、教え技や技マシン・レコードで技を覚えさせなければいけなくなるのだが、流石にジムリーダーのポケモンだけあってしっかりと技を覚えさせているらしい。
バオップが『かみくだく』を覚えるのは、レベル通りなら一番最後だ。つまり、あのバオッキーはレベル技を全て覚えてから進化している可能性が高い――と、ゆっくり考察している場合ではなかった。『かみくだく』はあくタイプの技故、ゴーストタイプを持つヒスイバクフーンには効果が抜群だ。
素直に直撃を受けてやる必要はないので、こちらも『ころがる』を使って攻撃を回避していく。ほのお単タイプのバオッキーに、いわ技である『ころがる』は効果が抜群だった。
攻撃を避けつつ、そのままUターンして、一気に攻撃をぶつけにいく――と、攻撃が当たった瞬間、バオッキーの姿が煙のように消える。Uターンの隙に『みがわり』を使って攻撃を避けたか。
続けて、こちらの攻撃が外れて隙を晒している間に、再び『かみくだく』で攻撃を仕掛けてくる。流石にこれは回避しきれないので、甘んじて攻撃を受けた。
が、ただで攻撃を受けてやるほど甘くはない。
バオッキーがこちらに『かみくだく』でダメージを与えてくるのと同時に、バクフーンはガシッとバオッキーの肩を掴んで動きを封じる。そのまま、逃げられなくなったバオッキーに『どくどく』を当てて猛毒状態にしてやった。
こちらも『かみくだく』の直撃で、体力を1/3近く削られてしまったが、向こうは『みがわり』で体力が1/4削れた上に、猛毒状態になっている。状況はこちらが有利だ。
だが、ポッドもここで引くことはしなかった。それならと言わんばかりに、二度目の『かみくだく』で追撃のダメージを与えてくる。これで、こちらの体力は残り1/3程になってしまったが、向こうがその気ならこちらもゼロ距離『ひゃっきやこう』で追撃をかけにいく。
本来であれば威力60だが、相手が猛毒の状態異常になったことで、威力は倍の120になっていた。これならば、等倍でも大ダメージを与えることが出来る。
ポッドも、ヒヒダルマが受けたダメージから、等倍の『ひゃっきやこう』なら受けても問題ないと判断したのだろうが、隠していた刃が刺さった。
予想外のダメージを受けて、流石のバオッキーもたたらを踏む。パッと見た感じ、体力は残り1/4あるかないか、上手くすれば猛毒のダメージだけで戦闘不能に持っていける。
「『ねむる』!」
と、思っていると、ポッドが『ねむる』を指示して猛毒状態を回復しつつ、体力も回復してきた。上手い一手だが、『ねむる』は眠りに入る以上、相手に晒す隙が大きい弱点がある。
こちらは当然のように、『ひゃっきやこう』で追撃をかけた。眠り状態も状態異常であることに変わりはないので、威力は二倍になったままだ。
ポッドは一か八か、最後の技として『ねごと』を指示してくる。この世界の『ねごと』は習得している技からランダムに技が出るため、何が発動するか本当に読めないガチャ技だった。
発動したのは『したでなめる』――運悪く、ヒスイバクフーンの苦手なゴースト技だ。この技は威力30とそんなに強くないのだが、三割の確率で相手を麻痺にさせるという隠れた効果がある。
さらに、『ねごと』での技発動はランダム性が高いせいで動きを読みにくく、ヒスイバクフーンも攻撃を回避することが出来なかった。
奇襲に近い一撃を受け、体力が残り1/4以下まで削られる。運よく麻痺は発動しなかったが、まだバオッキーは眠り状態のままだ。二度目の『ひゃっきやこう』をぶつけて相手を吹っ飛ばし、体力を一気に半分以下まで持っていく。
ポッドもバオッキーを戻すつもりはないようで、再び『ねごと』を指示してくる。出てきたのは、まさかの『かえんほうしゃ』だった。
ほのおタイプにほのお技は威力半減とはいえ、今のヒスイバクフーンの体力ではバオッキーの『かえんほうしゃ』など受けきれない。
先程の『ひゃっきやこう』で距離が出来ていたおかげもあり、直撃ギリギリでこちらも最後の技である『まるくなる』を使って体を小さく丸めることで何とか攻撃を回避していった。
続けて、そのまま『ころがる』でバオッキーを吹っ飛ばしていく。『まるくなる』からの『ころがる』は威力が二倍になるため、初段でも大ダメージを与えている。
だが、流石にバオッキーも目が覚めたようで、ポッドが『かみくだく』を指示してきた。真っ直ぐ転がってくるヒスイバクフーンを受け止めて、『かみくだく』で反撃してくる。
残り体力1/4もないヒスイバクフーンにこれを耐える余裕はない。しかし、回転中のヒスイバクフーンに無理やり攻撃したことで、バオッキーもダメージの限界が来たようで、そのまま戦闘不能になっていた。
まさかのダブルノックアウトで、勝負はワカシャモとヒヒダルマに託される。相性で言えばこちらが不利だが、ワカシャモには自慢の負けん気と足技があった。まだまだ勝負はこれからだ。
ワカシャモがボールから飛び出し、元気にポーズを決めていく。こちらはまだノーダメージではあるものの、『かわらわり』と『まもる』を使っている。
向こうは『ひゃっきやこう』で軽くダメージを受けているが軽傷。技も『しねんのずつき』と『サイコキネシス』だけで、こちらと同じく余裕を残していた。
この勝負――どちらが先に有効打を入れるか。それは勝敗の分かれ目になると踏んだ。
ポッドは先手必勝とばかりに『いわなだれ』を使ってくる。全体攻撃の弱点技で逃げ場を封じるつもりだろう。
仕方ないので、こちらは『まもる』で攻撃を防いでいく。加速による素早上昇がリセットされてしまった以上、自慢の足を使っての回避が出来ないので防ぐ以外にない。
しかし、ポッドは読んでいたと言わんばかりに『ダルマモード』を発動させてきた。『まもる』は連続で使用するのが難しい技だ。これで、こちらの逃げ道を塞ぐつもりなのだろう。
放たれる『サイコキネシス』――ならば、『あなをほる』で地面に潜って回避していく。フィールドから姿を消したワカシャモを捉えるのは、いくらエスパータイプが追加されたヒヒダルマでも難しいはずだ。
「甘いぜ、『じしん』!」
ヒヒダルマの『ダルマモード』を解除して、最後の技である『じしん』で追撃をしてくる。そうだよな――ジムリーダーともなれば、地面にいる相手に『じしん』の威力が二倍になることなど百も承知だろう。
さらに、通常状態のヒヒダルマは『ダルマモード』時とは正反対に攻撃種族値が高い。タイプ不一致でも、物理攻撃技である『じしん』の高火力を押し通すことが出来る。とどめの技としては申し分なかった。
だが、残念だったな。
俺はその『じしん』の対処法を既に学習済みなんだ。地面の中で揺れを感知したワカシャモは『まもる』を使って攻撃を防いでいく。
まさか、そんな防がれ方をされるとは思っていないポッドは、いつまでも地面から出てこないワカシャモに首を傾げるが、すぐにその表情は驚きに変化した。
ヒヒダルマの顎を貫くように、地面から飛び出したワカシャモが『あなをほる』による昇竜拳を決めていく。
当然、じめん技はほのおタイプに効果抜群――続けて、顎を跳ね飛ばされて隙だらけのヒヒダルマに最後の技である『つじぎり』で追撃をかけ、一気に勝負を決めに行った。
ポッドも咄嗟に耐久を上げるべく、追撃を受ける前に『ダルマモード』を指示している。どうやら、『かわらわり』が来ると思っていたのだろう。予想が外れて顔を顰めている。
ヒヒダルマも『ダルマモード』になったことで耐久が上がったが、同時にエスパータイプが追加されたことで、あく技は弱点になっていた。ポッド程の実力者なら、必ず『ダルマモード』を使って防御を固めてくると読み切ったこちらの勝ちだ。
弱点であるじめん技――そして、弱点になってしまったあく技の連続攻撃を受けて、ヒヒダルマが吹き飛ばされていく。さらには『つじぎり』の追加効果で、運よく急所を引いたようで倒れたヒヒダルマはそのまま戦闘不能になっていた。
先に全てのポケモンが戦闘不能になり、初戦は俺の勝利となる。ポッドも「あそこで『つじぎり』かよ。てっきり、得意のかくとう技で来ると思って騙されちまったぜ」と、悔しそうな表情を浮かべていた。
後半の読み合いは完全に俺の勝ちだったな。『じしん』を防御したことで、こちらが流れを掴んだのも大きかったが、序盤に足技を印象付けていたことで追撃はかくとう技という刷り込みが出来ていたのが勝敗を分けた。
あそこでもしポッドがあく技を警戒せずに『ダルマモード』を使っていなければ、まだギリギリでヒヒダルマも耐えていただろう。そうなれば、勝敗はまだわからなかったが、相手の動きを読んで有利な状況を作る――これまでの経験を上手く生かせた最後だったな。
原作との変化点。
・第5話『サンヨウジム! VSバオップ、ヒヤップ、ヤナップ!!』より、ガチ戦を仕掛けた。
原作ではバオップ、ヒヤップ、ヤナップの三連戦だが、ニューサトシは二対二の三連戦を要求している。
・アイリスとラティは応援ガールになっている。
原作では興味本位くらいだが、この世界だと地味に仲がいいので素直に応援してくれている。
・ニューサトシは地味に人気。
原作ではサトシ君がイケてないと酷評されているが、流石にチャンピオンリーグトレーナーを酷評するやつはいなかった。
・ダルマモードの任意発動個体。
ゲームもキングシールドみたいにモードチェンジ出来るようにしてくれぇ。メガマフォクシーのせいで居場所がないんだぁ。
・ロケット団について。
イッシュ編では基本的に裏で暗躍していることも有り、一人称視点のニューサトシ本編ではほぼ出てこない。なので、あとがきで何をしているか語ることになる。基本的には原作通りで、今はサカキの指示で夢の跡地で暗躍するための準備中。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.66
ピジョット Lv.61
バタフリー Lv.61
ドサイドン Lv.64
フシギバナ Lv.61
リザードン Lv.66
カメックス Lv.61
キングラー Lv.61
カモネギ Lv.61
エビワラー Lv.61
ゲンガー Lv.63
コノヨザル Lv.61
イーブイ Lv.61
ベトベトン Lv.61
ジバコイル Lv.61
ケンタロス Lv.61
ヤドラン Lv.61
ハッサム Lv.61
トゲキッス Lv.61
プテラ Lv.61
ラプラス Lv.61
ミュウツー Lv.76
バリヤード Lv.61
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.60
カビゴン Lv.61
ニョロトノ Lv.60
ヘラクロス Lv.60
メガニウム Lv.59
バクフーン(ヒスイの姿) Lv.59→60
ラティアス Lv.56
ヘルガー Lv.58
ワニノコ Lv.58
ヨルノズク(色違い) Lv.57
カイロス(部分色違い) Lv.57
ウソッキー Lv.58
バンギラス Lv.62
ドンファン Lv.58
ギャラドス(色違い) Lv.58
ミロカロス Lv.53
ラグラージ Lv.53
オオスバメ Lv.53
ジュカイン Lv.53
ヘイガニ Lv.53
フライゴン Lv.58
コータス Lv.51
サーナイト(色違い) Lv.46
オニゴーリ Lv.51
ワカシャモ Lv.50→51
メタグロス(色違い) Lv.49
エテボース Lv.47
ムクホーク Lv.46
ハヤシガメ Lv.46
ブイゼル Lv.47
ムウマージ Lv.50
カバルドン LV.45→46
ミカルゲ Lv.57
グライオン Lv.44→45
ロトム Lv.46
ユキノオー Lv.42→43
フカマル Lv.37
ゾロア(ヒスイの姿) Lv.3→5
タツベイ Lv.35
カイリキー(変異体) Lv.32
ミジュマル Lv.8→10
ポカブ Lv.8→10