14歳 δ月θ日 『サンヨウジム ガチ戦 VSポッド・コーン・デント 中編』
ポッドが負けたことで、応援団がショックを受けたように気落ちしているが、こちらの応援団であるラティとアイリスは両手を上げて喜んでいた。
男らしく言い訳はしないと、トレーナーゾーンからポッドが降りる。続いて、今度はコーンが優雅にトレーナーゾーンに上がり、再び観客席の応援団が黄色い悲鳴が上がった。
礼儀正しくこちらに一礼すると、コーンがモンスターボールを構える。対して、こちらも一番手であるウォッシュロトムのボールを構えた。
互いのボールがフィールドに投げ入れられると、こちらの場には洗濯機を被ったウォッシュロトム。コーンの場にはガマゲロゲがその姿を現す。
クールな見た目とは裏腹に、なかなか面倒なポケモンを出してきたな。ガマゲロゲは、ヌオーやラグラージと同じみず・じめんタイプでくさタイプ以外の弱点が存在しない。
おまけに、夢特性の『ちょすい』だった場合、こちらのみず技は封じられることとなり、じめんタイプが入っているのででんき技も効かないという、地味にウォッシュロトムのメタとなっていた。
まさか、コーンもこちらがウォッシュロトムを出してくるとは思わなかったようで、「ロトムとは、意表を突いてきましたね。残念なことに裏目に出てしまったようですが」と、なかなかに煽ってくる。が、その通りなので何も言い返せなかった。
はてさて、どうしたものか。コーンの言う通り、こちらには相手の弱点を突ける技はない。対するガマゲロゲはしっかりとこちらの有効打を持っていた。
ウォッシュロトムはでんき・みずタイプで弱点がくさとじめんタイプしかないが、ロトムの特性は『ふゆう』なのでじめんタイプの攻撃は効かない。
つまり、有効打はくさ技しかないが、ガマゲロゲが覚えられるくさ技には『パワーウィップ』と『くさむすび』があった。『パワーウィップ』は威力120だが命中率に難のある物理技、『くさむすび』は相手の重さが重い程威力が上がる特殊技だ。
とはいえ、ウォッシュロトムの体重は0.3㎏しかないので、『くさむすび』もダメージは最小――だが、得意の舌を利用した『パワーウィップ』には警戒が必要だった。
向こうがどう動くか探っていると、どうもコーンもこちらに先手を譲ってくれそうな雰囲気なので、開幕『おにび』で火傷を狙っていく。ガマゲロゲは攻撃も特攻もそこそこ高いが、物理寄りのステータスをしている。火傷による攻撃力半減は辛いはずだ。
コーンも「それは受けられませんね」と言って、『ねっとう』を指示して『おにび』を消火しに来た。水によって、火が消されていく――が、『ねっとう』もまた三割の確率で相手を火傷状態に出来る効果を持っていた。
重装備そうな見た目にそぐわず身軽にぴょんと横に飛び跳ね、ウォッシュロトムが攻撃を回避する。みずタイプの攻撃は半減な上、こちらは特殊型なので、火傷になってもそこまで痛くはないが、避けられる攻撃をわざわざ受けてやる理由もない。
と、いう訳で、攻撃を回避がてら『シャドーボール』で反撃を図った。ゴーストタイプの技は等倍だが、ガマゲロゲも耐久はそこまで高くないので悪くないダメージが狙えるはずだ。
しかし、当然ながらポッドもそう簡単に攻撃を受けてはくれなかった。予想していた通り『パワーウィップ』を指示し、ガマゲロゲが伸ばした舌で器用にシャドボを打ち返してくる。
跳ね飛ばされたシャドボは明後日の方向に飛んでいったが、問題はそこではなかった。
おそらくだが、これは打ち出すタイプの遠距離攻撃は効かないというアピールと、弱点技での脅しを兼ねた威嚇だろう。
穏やかな口調や貴公子っぽい雰囲気とは比べ物にならないくらいに気が強い。オラオラ系のポッドよりも喧嘩っ早そうだ。
だが、この程度で怯むほどニューサトシの肝っ玉は小さくなかった。ウォッシュロトムも、舐めんなよと言わんばかりにガマゲロゲとの距離を詰めていく。
コーンは続けて『パワーウィップ』を連打してきた。舌を鞭のように振るってくるのを、ウォッシュロトムも体を器用に動かして直撃を避けていく。『パワーウィップ』の命中率85%が、この回避を手助けしてくれていた。
それならば――と、コーンが『ドレインパンチ』を指示してくる。当て辛い鞭ではなく、拳を使用した強力な一撃でこちらにダメージを与えに来たらしい。
ここだな。
「ロトム! 脱げ!」
こちらの指示に従って、ロトムが洗濯機から飛び出ていく。『ドレインパンチ』が洗濯機に命中するが、そこにもうロトムはいない。
そう、ゲームでは出来なかったバトル中の着脱――この世界ならばそれが可能になっていた。
当然、洗濯機から飛び出たロトムはでんき・ゴーストタイプに戻っており、これまで弱点だったくさ技は等倍になり、かくとう技に至っては無効となる。
流石にこの状況は予想外だったようで、コーンもガマゲロゲも一瞬動きが止まった。そこに、タイプ一致のゼロ距離『シャドーボール』をお見舞いしていく。
予想外の一撃を受け、ガマゲロゲが吹き飛んで行く中、こちらは再び洗濯機を身に纏い、ウォッシュロトムへと変身を遂げていた。
流石にサイズが大きすぎて他の電化製品を持ち歩くのは無理なので、イーブイの『アドバンスシフト』のように、様々な形態に変化することは出来ないが、それでも通常状態と変身状態の二つを使いこなすことで上手く場を荒らすことができている。
荒らしに荒らしきった所で、一度ウォッシュロトムをボールに戻した。奇襲で上手くダメージを与えられたものの、ガマゲロゲとの相性が良くないのは間違いないのだ。
それでも、一撃を与えられたのは事実。
コーンも、少し悔しそうな顔をしながら、「ガマゲロゲ、まだいけますね?」と声をかけていた。不意打ちの攻撃で体力は1/4は削ったが、それでもまだまだ余裕が見える。
ならば、こちらもカエルタイプのポケモンを出そうじゃないか。二体目として、ニョロトノを出していくと、リズミカルなステップと共にポーズを決めていく。
審判をしているデントが、「サトシのポケモンはユニークでいいね」と呟いた。ワカシャモといい、ニョロトノといい、コンテスト仕込みの動きは、普通のトレーナーからするとやはり目立つらしい。
特に、イッシュにはポケモンコンテストがあまり流行っていないこともあって、コンテストバトルの動きは未知の動きにしか見えないようだった。
再び、コーンが『パワーウィップ』を指示してくる。みず単タイプのニョロトノに、くさタイプの攻撃は当然のように効果が抜群だ。
対して、こちらはくさ技を覚えないので、ガマゲロゲに有効打はない。が、バトルとは、弱点技で相手を叩くだけがポイントではなかった。勿論、弱点を攻めた方が効率は良いが、それ以外にも立ち回り方は山のようにある。
くるりと身を翻し、ステップで鞭を避け、踊りながらニョロトノがガマゲロゲとの距離を詰めていく。同じ踊りでも、ウソッキーはラテン系の踊りを得意としており、ニョロトノはどちらかというとブレイクダンス系の踊りを得意としていた。
動き自体を比べるなら、ニョロトノの方が無駄が多くて勢いがある。しかし、その無駄がガマゲロゲの攻撃を惑わせていた。
その場で足を細かく動かしながら踊りを決めているのは間違いなく隙――の、はずなのに、いざ攻撃すると、気が付けば攻撃は回避されてニョロトノは別の場所で踊っている。
もし、ニョロトノのリズムに合わせて攻撃が出来るのであれば、攻撃を当てるのはそう難しくない。コンテストバトルであれば、それこそ熟練者なら誰だって攻撃を当ててくるだろう。
だが、コーンは当然として、イッシュのトレーナーにはコンテストの概念が薄い。それが、ニョロトノの踊りによる回避を際立たせていた。
しかし、コーンもされるがままではいない。何とか攻撃を当てようと『ドレインパンチ』に攻撃を切り替えてニョロトノを捕まえに来る。
それでも、ガマゲロゲはニョロトノを捕まえることが出来ずにいた。普段、オーキド研究所にいるかくとうタイプ達と殴り合いのような練習をしているニョロトノにとって、ガマゲロゲのドレパンなど回避するのはそう難しいことではない。
おまけに、相手はニョロトノの動きに惑わされているのだ。これで攻撃を食らいましたなんて言えば、マサラタウンにいる仲間達に笑われるのは間違いない。
意地でも攻撃を食らわずに距離を詰め続ける――気が付けば、ニョロトノは既にガマゲロゲに近接攻撃が当たる位置についていた。『のしかかり』を指示し、自慢のヒップでガマゲロゲを下敷きにしていく。
どうやら運はこちらに味方したようで、三割の麻痺を引いてガマゲロゲが麻痺していた。動きが鈍くなったこともあり、攻撃後という最大の攻撃チャンスを逃してニョロトノを捕まえ損ねてしまう。
コーンは、流れを変えるべきだと判断したようで、ここでガマゲロゲをボールに戻した。麻痺してしまったが、まだ体力は半分以上残っているし、勝負はこれからと考えているのだろう。
二体目として出してきたのはヒヤッキーだった。こちらも、ポッドと同じく、ゲームで使っていたヒヤップの進化系である。こいつもバオッキーと同じく、石での進化であり、みずの石を使うことで進化するポケモンだ。
先程も書いた通り、進化するとレベルで技を覚えないので、ヒヤップの時にしっかり技を覚えさせないといけないが、兄弟であるポッドが出来ていたのであればコーンもしっかりヒヤッキーを育成していると見て良かった。
「『くさむすび』です!」
威力よりも、技を当てることを選んだようで、ニョロトノの足元から伸びてきた草がニョロトノの足に絡んで動きを封じてくる。
流石にこれは回避できず、ニョロトノの動きが止まった。その隙を逃さないように、ヒヤッキーがニョロトノとの距離を詰めてくる。
「ニョロトノ、『じしん』だ!!」
ならば、無理やり草を引きちぎりつつ、相手の足を止めるまで――『じしん』の衝撃でヒヤッキーの足を止めつつ、足元の草を排除していく。
「『ギガインパクト』!!」
しかし、コーンはさらに攻めの動きを見せてきた。こちらが『じしん』を発動すると同時に、『ギガインパクト』を発動させてジャンプで一気にニョロトノに突進してくる。
こちらは『じしん』発動中故に動けない。真正面から『ギガインパクト』の直撃を受けざるを得なかった。タイプ不一致とはいえ、高威力の物理技を受けてニョロトノもふらついていた。
ここは無理をせず、一旦ニョロトノを戻していく。
続けて、再びウォッシュロトムを送り出した。とはいえ、隠し技だった洗濯機分離攻撃は見せてしまったので、ここからはより一層気を引き締めていかないといけない。
「ヒヤッキー! 『がんせきふうじ』!」
コーンは意外にもヒヤッキーを戻さなかった。相性を考えれば、ガマゲロゲとの方がウォッシュロトムに強く当たれるはずだが、麻痺したことで動きが鈍っていることを考えて少しでも回復の時間を稼ぎたいのかもしれない。
いわ技であり、『いわなだれ』よりも威力こそ低いが、一発の操作性が高い『がんせきふうじ』でウォッシュロトムを狙ってくる。
当たれば、確定で素早を一段階下げられるというのは地味に嫌な効果だ。ここは、ピカ様仕込みの『10まんボルト』によるカウンターシールドを使って岩を打ち落としていく。
ウォッシュロトムが洗濯機の角を起点に体を回転させて電撃で岩を弾いた。それならば――と、コーンは再び『くさむすび』でウォッシュロトムの動きを封じようとしてくる。
しかし、同じ手は何度も通じない。草が洗濯機に絡みそうになった瞬間、中からロトムが飛び出して攻撃を回避していく。
だが、コーンはそれを待っていたと言わんばかりに、そのまま洗濯機を草で雁字搦めにしてきた。しまった。これでは、また洗濯機に入ったとしても動くことが出来ない。
否、ここで決めればいい話だ。再び、『10まんボルト』を指示して、ヒヤッキーに大ダメージを与えていく。
ただ、コーンも引かなかった。最後の技として『ハイドロポンプ』を指示してくる。ヒヤッキーもタイプ一致の『10まんボルト』を受け、かなりのダメージを受けているはずだが、そんなものは知らんとばかりに、気合で『ハイドロポンプ』を放ってきた。
洗濯機から出てノーマルな状態に戻ってしまったが故に、ロトムのタイプはでんき・ゴーストに戻ってしまっている。そのせいで、みず技は等倍になり、『ハイドロポンプ』はロトムに大ダメージを与えてきた。
お互いにかなりのダメージを受けたが、ここでコーンはヒヤッキーを戻して再びガマゲロゲを出してくる。これで、でんき技は封じられ、麻痺している以上、『おにび』も使えないので、『シャドーボール』しか技の択がなくなってしまった。
しかし、相手も麻痺して体力は半分。こちらも体力は1/3以上削られたが、まだ余裕があった。
コーンが『ねっとう』を指示してくる。こちらも洗濯機から出てしまったことで、みず技は等倍になってしまったが、単純な遠距離攻撃なら『10まんボルト』のカウンターシールドで防げた。でんき技はガマゲロゲには効果がないが、相手の技を相殺する分には十分使える。
だが、コーンはこれを狙っていた。
カウンターシールドは確かに強力だが、回転を使用する都合上、技の終わりから体勢を立て直すのに僅かに時間がかかる弱点がある。
ロトムが『ねっとう』を相殺した瞬間、コーンは技をキャンセルしてガマゲロゲをロトムの元に走らせた。電撃の鞭は、じめんタイプであるガマゲロゲには効果がなく、こちらもすぐにロトムにカウンターシールドを止めるように指示したが、それよりもガマゲロゲが距離を詰める方が早い――いや、麻痺のおかげで反撃がギリギリで間に合った。
咄嗟に『シャドーボール』を指示して、ガマゲロゲにダメージを与える。しかし、コーンはそれすらも予定通りと言わんばかりの笑みを浮かべていた。
「『しっぺがえし』!」
最後の技として、『しっぺがえし』がロトムに直撃する。通常状態のロトムの弱点であるあく技――おまけに、『しっぺがえし』は後攻の時に威力が倍になるという効果を持っていた。
通常時は50しか威力がないが、こちらが反撃をしたことにより威力100の大技となってこちらに大ダメージを与えてくる。今回は俺の方がコーンに完全に動きを先読みされてしまった。
弱点技の一撃を受けて、苦しそうにロトムが起き上がる。残り体力は1/4あるかないかって所か。しかし、ガマゲロゲも似たようなものだ。後一発『シャドーボール』をぶつければ、もう耐えることは出来ないだろう。
再び、コーンが『ねっとう』を指示してくる。カウンターシールドが攻略されてしまった以上、回避に専念するしかない。
だが、コーンは攻め手を止めるような緩い手は打ってこなかった。遠距離攻撃が駄目なら近距離と言わんばかりに、今度は『しっぺがえし』を混ぜてロトムを追いかけてくる。
ガマゲロゲが麻痺してくれているから何とか回避できているが、どこかで反撃しないとじり貧だ。かといって、迂闊に『シャドーボール』を撃てばおそらくは『パワーウィップ』で跳ね返される。バトルの序盤に、ガマゲロゲがシャドボを跳ね返してきていたのはまだ記憶に新しかった。
先程はギリギリの状況だったことや、向こうが『しっぺがえし』のダメージを狙っていたから何とかシャドボが命中したが、今の状況で迂闊に撃てば弾き返されるのは目に見えている。何とかして、勝負を決める一撃を叩き込まないといけない。
と、考えていると、コーンが勝負を仕掛けてきた。『ドレインパンチ』を指示して、草で雁字搦めになっている洗濯機を殴り飛ばしてきたのだ。
洗濯機がロトムの前方に吹っ飛ばされたことで、一瞬だがこちらの足が止まる。その隙を逃さず、コーンは『ねっとう』でとどめを刺しに来た。
これは、回避できない――いや、まだだ。
向こうもこちらの不意を突いたつもりだろうが、洗濯機がこちらに飛んできたのはむしろ有難かった。
「ロトム! フォルムチェンジだ!!」
咄嗟にロトムに洗濯機に入るように指示し、フォルムチェンジを利用して『ねっとう』を回避していく。続けて、『おにび』で草を焼き切って再びウォッシュロトムに換装した。
しかし、コーンは「まだまだ!」と、追撃の『パワーウィップ』を指示してくる。ウォッシュになったことで、みずタイプになった今、くさ技は効果抜群――一気にとどめをさそうという狙いだろう。
だが、動けるようになったウォッシュロトムは囮だ。相手の『パワーウィップ』に合わせて、再び洗濯機から飛び出して距離を詰めていく。
まさか、また飛び出してくるとは思わなかったようで、コーンもガマゲロゲも完全に不意を突かれた。そのまま、最後の技である『たたりめ』で勝負を決める。
この技は『ひゃっきやこう』と似たような効果で、相手が状態異常の時に威力が二倍になった。元の威力は65であり、倍になれば130の大技と化す――そして、通常フォルムのロトムはゴースト技がタイプ一致。等倍でも十分にガマゲロゲの残り体力を吹き飛ばすことが出来た。
「……『おにび』と『10まんボルト』を封じ、ゴーストタイプのままではこちらの『しっぺがえし』で痛い目を見るとわかっていて尚、真っ直ぐ突っ込んでくるとは流石に予想外でしたよ」
確かに、『ねっとう』と『しっぺがえし』の威力が下がるウォッシュの方が有利に立ち回れたのかもしれない。
しかし、流れを掴まれて動きを読まれていたあの場面、状況をひっくり返すには、相手にまさかと思わせる一手が必要だった。せっかく草を排除してウォッシュロトムに戻れたのに、まさかまた通常状態に戻るはずがない。その一瞬の思い込みが欲しかったのだ。
肩で息をしているロトムをボールに戻す。何だかかんだ格上との戦いでロトムももう限界が近い。ニョロトノからの麻痺と言う手助けがあったとはいえ、ガマゲロゲを倒しきれたのは十分すぎるジャイアントキリングだ。
コーンがヒヤッキーを出してくる。こちらも再びニョロトノを送り出した。ヒヤッキーは、先程のバトルで『10まんボルト』の直撃を受けて体力が残り2/3程。技は『くさむすび』、『ギガインパクト』、『がんせきふうじ』、『ハイドロポンプ』と全て使い切っている。
対するこちらは、『くさむすび』と『ギガインパクト』の直撃で体力が半分近く削れてはいるものの、使った技は『のしかかり』と『じしん』だけで、後二枠の余裕が残っていた。
こちらの技に余裕があり、逆に向こうは手札を全て晒している。体力の差以上に、この差は大きい。この世界はゲームとシステムが違って、バトル中に技を選択するからこそ、状況を打開する一手を打ちやすかった。
俺はそれを後二つも残している。この意味がわかるな? つまり、バトルを有利に展開しやすいということだ。
まずは様子見とばかりに、コーンが『がんせきふうじ』を指示してくる。動きの読みにくいニョロトノの足をどうにかして止めたいのだろう。
ニョロトノも相変わらずのステップで攻撃を躱して距離を詰めにいくが、流石にコーンも少しずつ動きに慣れてきたようで、ダンスの合間を狙って攻撃を仕掛けてくる。ニョロトノも意地で躱すが、岩が地面に詰み上がることで隙間が少なくなり、避けるのに必死である程度の距離からそれ以上近づくことが出来なくなってしまった。
それなら、今度はこっちから仕掛けてやる。『ハイパーボイス』を指示して、岩の影から音波でヒヤッキーを攻撃してやった。
威力90のノーマル特殊技。タイプ不一致で等倍だが、想定していない攻撃を受けてヒヤッキーの攻撃が止まる。その隙を突いて、『じしん』で追撃をかけていく。しかし、当然されるがままのはずがなく、歯を食いしばりながらヒヤッキーが『くさむすび』でニョロトノの動きを止めに来た。
向こうの残り体力は後1/3ちょっと――だが、こちらの足が止まると同時に、『がんせきふうじ』で積み上げた岩の上からヒヤッキーがジャンプでこちらに飛び掛かってくる。上空からの落下の勢いもプラスした『ギガインパクト』でニョロトノにとどめを刺しに来た。
「これで終わりです!」
「まだだ! 跳べ、ニョロトノ!」
向こうがジャンプ攻撃を仕掛けてくるのなら、こちらはさらにその上を行けばいい。最後の技として『とびはねる』を指示して、草を無理やり引きちぎりながらニョロトノがヒヤッキーの上を取った。
まさか、足を取られているニョロトノがヒヤッキーのさらに上を取ってくるとは思わなかったようで、コーンの表情が驚きに染まる。しかし、すぐに技をキャンセルして、上に向かって『ハイドロポンプ』を指示した。
だが、いくらヒヤッキーとはいえ、空中では上手く姿勢が変更できない。その間に、こちらは『とびはねる』の落下に合わせた『のしかかり』の二重攻撃で一気にヒヤッキーを戦闘不能に持っていった。
これでコーンも手持ちが全て戦えなくなり、俺の勝利が確定する。先に二勝が決まったことで俺の勝ちではあるが、重要なのは勝利よりも内容なので当然のようにデントにもバトルを要求した。
「……わかったよ。では、三番手はこの僕、デントが最高のチャレンジャーである君のお相手をしよう!」
と、優雅に一礼すると、再び観客席のお客達から黄色い悲鳴が飛び交う。アイリスはもう勝ちが決まっているのに、もっと強くなりたいニューサトシの貪欲さを見て、「欲張りねぇ」と肩を竦めていた。へっ、男は欲張ってなんぼよ!
原作との変化点。
・バトル中にロトムがフォルムチェンジした。
ウォッシュと通常を交互に変換している。流石に他のパーツはかさばるので持ち込めないが、タイプがコロコロ変わるので相手も戦いにくい。
・二連勝したが、デントとのバトルも要求した。
目的はバッジではなく、強者とのバトルなので当然の如くバトルを要求している。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.66
ピジョット Lv.61
バタフリー Lv.61
ドサイドン Lv.64
フシギバナ Lv.61
リザードン Lv.66
カメックス Lv.61
キングラー Lv.61
カモネギ Lv.61
エビワラー Lv.61
ゲンガー Lv.63
コノヨザル Lv.61
イーブイ Lv.61
ベトベトン Lv.61
ジバコイル Lv.61
ケンタロス Lv.61
ヤドラン Lv.61
ハッサム Lv.61
トゲキッス Lv.61
プテラ Lv.61
ラプラス Lv.61
ミュウツー Lv.76
バリヤード Lv.61
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.60
カビゴン Lv.61
ニョロトノ Lv.60
ヘラクロス Lv.60
メガニウム Lv.59
バクフーン(ヒスイの姿) Lv.60
ラティアス Lv.56
ヘルガー Lv.58
ワニノコ Lv.58
ヨルノズク(色違い) Lv.57
カイロス(部分色違い) Lv.57
ウソッキー Lv.58
バンギラス Lv.62
ドンファン Lv.58
ギャラドス(色違い) Lv.58
ミロカロス Lv.53
ラグラージ Lv.53
オオスバメ Lv.53
ジュカイン Lv.53
ヘイガニ Lv.53
フライゴン Lv.58
コータス Lv.51
サーナイト(色違い) Lv.46
オニゴーリ Lv.51
ワカシャモ Lv.51
メタグロス(色違い) Lv.49
エテボース Lv.47
ムクホーク Lv.46
ハヤシガメ Lv.46
ブイゼル Lv.47
ムウマージ Lv.50
カバルドン LV.46
ミカルゲ Lv.57
グライオン Lv.45
ロトム Lv.46→47
ユキノオー Lv.43
フカマル Lv.37
ゾロア(ヒスイの姿) Lv.5
タツベイ Lv.35
カイリキー(変異体) Lv.32
ミジュマル Lv.10
ポカブ Lv.10