ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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♯273 『切り札はこちらにもある』

 14歳 ε月ν日 『ヒウンジム ガチ戦 VSアーティ』

 

 流石にロケット団云々で疲れたので、中一日しっかり休んでガチ戦にやってきた。

 アーティも、ヒウンシティのみならず、イッシュの危機を救ったニューサトシに感謝してくれているようで、ガチ戦に関しては最優先で予約をしてくれている。

 

 ルールはいつも通りの入れ替え有り3対3で、レベル制限は無しでやっていく。

 

 今回は事前に約束していた通り、ピカ様をチョイスしていた。それも、トップバッターから出していくつもりだ。

 イッシュに来てから、ゼクロムのちょっかいででんき技を封じられ、何とか克服したと思った先にメテオナイトの影響を受ける――という、謎の事態が連発していたが、その結果、いろいろとまたピカ様も変化していることがわかった。

 

 今日は、その力を存分に振るわせて貰うつもりでいる。と、いうことで、トップバッターとしてピカ様を出していくと、アーティはイワパレスを出してきた。

 イワパレスは、前にデントがゲットしたイシズマイの進化系で、むし・いわタイプのポケモンだ。特性は『がんじょう』か『シェルアーマー』、夢特性が『くだけるよろい』で、足は遅いが物理の火力と防御が高めのポケモンとなっている。

 

 ピカ様との相性は普通。どちらも等倍なので、普通なら火力のあるイワパレスの方が有利って所か。

 

 まずは挨拶がてら、『ばちばちアクセル』で先制していく。イワパレスは即座にガードの体勢に入った。

 技が急所に当たらなかったのを見ると、どうやらアーティのイワパレスの特性は『シェルアーマー』らしい。しかし、なかなか固いようで、一撃を決めたはずなのにたいしたダメージが入っていなかった。どうやらかなり物理に固く育てているようだ。

 

 とはいえ、アーティはそのままガード戦法で来る気はないらしく、すぐに『からをやぶる』を指示してきた。前にうちのドダイトスも使ったが、これにより攻撃・特攻・素早が2段階上がり、防御・特防が一段階ダウンする。

 イワパレスは特防がほぼ紙なので、これで等倍の『10まんボルト』でも大ダメージになりそうだった。とはいえ、あからさまに速度を上げてきた以上、真正面からの素直な攻撃はそう簡単には通用しないと見て良いだろう。

 

 さて、どうするか――と、考えていると、アーティが『じしん』を指示してくる。

 でんきタイプにはじめんタイプというセオリーを突いてきた形だ。当然ながら、このまま受けてやる気はなく、ピカ様が尻尾をバネにその場から跳び上がり攻撃を回避していく。

 

 しかし、それと同時に、ピカ様へ向かってイワパレスが岩のようなものを投げてきた。

 咄嗟に『アイアンテール』で岩を叩き落とす。

 どうやら、下半身で『じしん』、上半身で別の技を同時に使ったようで、跳び上がったピカ様を自慢の岩で叩き落とそうとしたらしい。

 

 岩を投げてきたということは、『うちおとす』か――本来であれば、特性『ふゆう』やひこうタイプのポケモンにじめんタイプの技が当たるようになるいわタイプの威力50の物理技だが、これで空中のピカ様を叩き落として『じしん』を当てようとしたのだろう。

 

 ベテラン勢になるほど、『じしん』に合わせてジャンプでの回避を選びがちだ。『うちおとす』で空中に逃げた相手を地面にぶつけるこの同時攻撃は、『じしん』を相手に当てるためのコンボとしては完成形と言っても良い。まぁ、ピカ様には効かなかったけどな!

 

 自慢のコンボを透かされて、流石のアーティも苦笑いをしている。実際、初見殺しとしては最強クラスだった。ピカ様の反応速度が異常だったのだ。

 

 これも、メテオナイトで上の感覚を味わった弊害かもしれない。パワーやスピードは元に戻っても、あの時の感覚をピカ様は覚えている。

 だからこそ、今まで限界だと思っていたパワーやスピードにまだ上があることを知った。

 力の枠が広がったとでも言えばいいのか。これまでの上限が更新されたことで、ピカ様は今まで以上に、自分がもっと力が出せることを理解した。

 

 それはメテオナイトなど関係ない。ピカ様が本来持っている力――しかし、意図して使えていなかった力だ。

 

 分かりやすく言えば、これまでの全力を数値にして40%として、メテオナイトの力を得たピカ様が120%だったとする。

 あの力を失ったことでまた全力が40%に戻ったが、感覚としては120%を出していた頃の力の使い方を覚えているため、今まで上限だと思っていた40%以上の力の出し方を理解したのだ。

 

 故に、力の上限が50~60%くらいまで上昇した。

 

 メテオナイトがないので流石に120%の力を出すのは無理だが、今まで使いきれていなかった力を余すことなく使えるようになった――それが、今までにない超反応の理由である。

 

 純粋な比力や速度だけでなく、反応速度や反射神経なども上がっているので、今までならくらっていた攻撃にも対応できるようになったのだ。

 流石に中一日の調整ではまだ完璧に感覚を掴み切れていなかったようだが、実際にバトルをしていく中で徐々に更新された自分の力を理解して来たらしい。

 

 バトルはまだ始まったばかりからだ――と、ピカ様が楽しそうな笑みを浮かべる。

 

 再び、『ばちばちアクセル』を指示すると、アーティは『ストーンエッジ』を指示してきた。地面から突き出る岩山が、高速で移動しようとするピカ様の動きを阻害してくる。

 スピードタイプのポケモンは、自身の速さが災いして動きが単調になりやすい。だから、こうして動きを妨害されると、自慢のスピードを封じられてしまう。

 何というか、アーティは行動こそ才能のある芸術家にありがちな意味不明な感じだが、バトルは基本に忠実というかスタンダードな感じだ。いや、基本が大切なのは正しい。

 

 だが、その手は既に見たことがあった。

 

 岩の間に『エレキネット』を張り巡らせ、トランポリンのように利用することで、弾性を利用し軌道を不規則に変化させて距離を詰めていく。気が付けば、アーティの認識も追いつかない超神速で、イワパレスの背中の岩にピカ様が立っていた。

 

 アーティの視線が遅れてイワパレスに移り、イワパレス自身の意識も自身に向くと同時に、『10まんボルト』――PPを5も使ったゼクロムから盗んだ青い稲妻を使っての高威力『10まんボルト』をぶつけていく。

 

 特防が一段階下がっていたこともあり、一撃でイワパレスの体力を2/3以上奪っていった。

 おまけに麻痺したようで、動きが鈍くなっている。アーティは『うちおとす』を指示したが、それより先にとどめの『アイアンテール』が決まる方が先だった。

 

 しかし、この青い『10まんボルト』――一見強力だが、実は通常の『10まんボルト』に比べて発動までに若干のタメがいるという弱点を抱えていた。

 今回は、『エレキネット』を利用した超神速で移動したことで、相手が反応するまで間があったのでチャージが間に合ったが、本当はそうほいほい使える技ではないかもしれない。

 

 しかし、火力不足のピカ様にしてみれば、やはり技枠を使わない強化というのは有難かった。

 

 アーティも、まさかこんなに簡単にイワパレスを倒されるとは思わなかったようで驚いた素振りを見せたが、今回は特殊に弱く、はがね技が弱点とピカ様の得意が勝っている。

 とはいえ、まだまだバトルはこれからだ。アーティが二番手にペンドラーを出してくる。

 このペンドラーは、俺が捕まえたフシデの最終進化系だった。むし・どくタイプという、割とオーソドックスなむしタイプで、手足こそ短いが素早112族と意外と足が速い。

 

 だが、イワパレス程物理が固くなかった。脆い訳ではないが、耐久も凄く高い訳ではないので、ピカ様との相性はそこまで悪くないはず――と、考えながら、とりあえずノータイムで『ばちばちアクセル』を指示すると、『まもる』で攻撃を防がれた。

 

 続けて、『ころがる』を指示してきたのだが、これが早い――どうやら、アーティのペンドラーの特性は夢特性の『かそく』のようで、超スピードで地面を転がってきた。

 思わぬ速さに『ばちばちアクセル』を回避に使用して何とか攻撃を躱していく。しっかし、流石はジムリーダーだな。しっかり、『かそく』のペンドラーを持ってやがる。

 

 こちらが攻撃を避けたことでペンドラーも停止したが、その頃にはさらにもう一段階素早が上がっていた。これは時間をかければかけるだけ、こちらが不利になっていくな。

 だが、動きを封じるのは、実はそこまで難しくない。向こうが再び、『ころがる』でこちらに仕掛けてくるのに合わせて『エレキネット』で足を止めに行く。確かに動きが早いのは脅威だが、早すぎる動きは直線的になりやすいという弱点があるのは先程言った通りだ。

 

 進路に『エレキネット』を置いておけば、絡まって動きを止められるという寸法――だったのだが、ペンドラーが『エレキネット』に引っかかって動きが止まった瞬間、ペンドラーは丸状態から体を元に戻して大の字で地面に倒れてきた。『じしん』だ。

 

 動けなくなるなら、動かずに攻撃すれば良いって? ワイルドな答えをありがとさん!

 

 当然、でんきタイプのピカ様は、不一致でも『じしん』は大ダメージ間違いなしなので、ここはジャンプして躱していく。

 流石にペンドラーはイワパレスのように空中の相手を打ち落とすことなど出来ないようで、何とか攻撃を回避することが出来た。

 

 しかし、こちらが着地する頃にはペンドラーも『エレキネット』から脱出している。

 

 それなら、相手が転がる前に一撃を入れようと、『ばちばちアクセル』を指示する。

 おそらく、アーティは『まもる』で防いでくるので、その弾かれた反動を利用して『アイアンテール』を叩き込んで、通常の発動の早い『10まんボルト』で追撃――と、予測していると、アーティはここで最後の技である『どくづき』を指示してきた。

 

 真っ直ぐ突っ込んでくるピカ様へ、安全策の『まもる』ではなく、まさかのカウンターを狙ってくるとは!

 

 しかし、ここでピカ様は咄嗟に身を反らして『どくづき』を回避した。これが手足を使うタイプの『どくづき』だったら、避けられなかったかもしれないが、ペンドラーはムカデポケモン故に基本的に手足が短い。

 だからこそ、『どくづき』は自ずと頭を使った頭突きのような形になる。素早く繰り出せる手足の攻撃と違って、頭での攻撃は僅かながらに隙が出来てしまう。そのため、ピカ様もギリギリで回避が間に合った形だ。

 

 紙一重で攻撃を回避して、ペンドラーの背中に着地する。そのまま、体を横に振って『アイアンテール』と技を繋げていくと、そのタイミングでアーティは『まもる』を使ってきた。

 

 ここで『まもる』!?

 

 この高速戦闘中に『まもる』を合わせて来るのかよ。おまけに、攻撃を弾かれたピカ様はバランスを崩している。当然、ペンドラーは頭を振りかぶるように、『どくづき』で追撃してきた。

 だが、ここでピカ様の技が光る。『アイアンテール』状態の尻尾をそのまま維持し、盾にするように構えて攻撃を受け――攻撃の勢いに逆らわず吹き飛ばされていった。受ける衝撃を最小に抑えようという狙いだろう。

 

 また、後方の状態もしっかり確認しており、先程イワパレスが『ストーンエッジ』によって作っていた岩山の間に『エレキネット』を張って、ピカ様は『どくづき』のパワーを推進力へと変化させていった。

 再び、バネに弾かれるように、ピカ様が戻って来る。しかし、アーティも二度も受けるつもりはないと、『まもる』で攻撃をさらに防いできた。だが、『まもる』は失敗に終わる。

 

 何故なら、ピカ様は『エレキネット』の弾性を利用して戻ってきただけで、技を使っている訳ではないからだ。当然、技を使わなければ『まもる』は失敗に終わる。勿論、技を使っていないので、ピカ様がペンドラーにぶつかってもダメージはない。

 

 しかし、再びペンドラーの背中に張り付いたピカ様は、ニヤリと極悪な笑みを浮かべた。

 

 ペンドラーは手足が短いので、背中まで手が届かない。当然ながら、この状態のピカ様を排除する手段がなかった。

 余裕を持ってチャージをし、青い『10まんボルト』でゼロ距離ダメージを与えていく。

 アーティは即座に『ころがる』を指示し、ピカ様を引き派がすように指示を出すが、丸まった瞬間に背中から降り、追撃の『ばちばちアクセル』を側面に決めさせて貰った。

 

 タイヤの側面を蹴れば横に倒れるのと同じく、ペンドラーもまた丸まったまま横に倒れる。すぐに立ち上がろうとするが、ペンドラーは手足が短いが故に転ぶとそう簡単には立ち上がれなかった。

 

 ピカ様がジャンプし、そのまま上空からの落下の勢いをプラスした『アイアンテール』を決めていく。

 流石に、『エレキネット』の一撃に加え、通常よりも強い青い『10まんボルト』からの『ばちばちアクセル』急所。追加に、勢いを付けた『アイアンテール』の前にはペンドラーも耐えきれなかったようで、一気に体力がゼロになり戦闘不能となった。

 

 これで二連勝。

 

 が、既に肩で息をし始めている。今の所は『どくづき』で軽くダメージを受けたくらいであり、いつものピカ様のスタミナならまだそこまで息が上がる程ではないはずだが、やはり青い雷はPP以外にも神経をすり減らすのかもしれない。

 

 だが、得られているものも大きかった。ゼクロムの雷による電撃強化と、メテオナイト騒動による感覚の強化が、間違いなくピカ様を強くしている。

 

 とはいえ、疲れが見えている以上、本来であればスタミナを考慮して一度戻すべき場面――だが、自分のポケモンが戦えば戦うだけ強くなっていくのを見て、引き下がれるポケモントレーナーなど居ないだろう。

 

「ピカチュウ、行けるな?」

 

 疑問に対する問いは、頬袋のスパークだった。

 

 肩で息はしているが、それでも戦意だけは戦えば戦うだけ上がっていく。

 この時、俺にはピカ様の後姿しか見えなかったのでわからなかったが、真正面から見ていたアーティ曰く、俺とピカ様は同じ笑みを浮かべていたらしい。

 

 ここで引かせれば、この熱が冷めてしまう。せっかく調子がいいのに、その流れを切るのは良くない。ここは行ける所まで行ってしまうべきだろう。

 

 アーティは最後の一体として、ハハコモリを出してくる。こいつは、俺がゲットしたクルミルの最終進化系だ。

 むし・くさタイプで、器用貧乏というイメージが強いが、アーティが切り札として出してきた程のポケモンである以上、油断は禁物だろう。

 

 アーティは開幕、『ねばねばネット』を指示してきた。『エレキネット』と違って、相手にダメージは与えられないが、相手はポケモンを交代する度に新しく出てきたポケモンへ素早を一段階下げるデバフを与える技だ。

 しかし、開幕で使ってきた以上、おそらくゲームとは違う効果があると見てよかった。下手に掴まれば、交代云々関係なく動きを封じられるだろうと判断し、『エレキネット』を指示して『ねばねばネット』を相殺していく。

 

 ならばと、今度は『いとをはく』を使ってくる。本来であれば、これも相手の素早を下げる技であるが、うちのクルミルが縄代わりに使っており汎用性が高い。この攻撃も、通常の『いとをはく』ではなく、糸を使ってこちらの動きを阻害しようという狙いと見た。

 

 糸を回避して、『ばちばちアクセル』で距離を詰めていく。しかし、ハハコモリは『リーフブレード』で簡単に、こちらの攻撃を防いできた。

 おそらく、イワパレスやペンドラーがスピードタイプ故に、足の速いポケモンの動きになれているのだろう。そのまま、『アイアンテール』に派生して、攻撃を仕掛けていくも腕の『リーフブレード』で容易く受け流してきた。

 

 近距離技の捌き方が鬼だ。

 

 こちらもかなりの速度で尻尾を振っているのに、全てを軽く受け流している。いや、受け流しているだけでなく、反撃しようとして来ていた。こちらの『アイアンテール』と『リーフブレード』がぶつかって弾かれた瞬間、『いとをはく』で尻尾を掴まれる。

 

 咄嗟に、出の早い通常の『10まんボルト』で反撃するも、でんき技はくさタイプには効果今一つということもあり、ハハコモリは特にダメージを気にした様子もなく『ねばねばネット』でさらに動きを封じてきた。

 流石のピカ様も『いとをはく』と『ねばねばネット』で二重に掴まっては簡単には抜け出せない。その隙を突いて、ハハコモリは『リーフブレード』でとどめを刺そうとしてきた。身動きが取れないピカ様に、草の刃が振り下ろされていく。

 

 しかし、ピカ様は諦めなかった。

 

 咄嗟に、『エレキネット』を放って『リーフブレード』の腕を封じる――同時に、『10まんボルト』を自身に帯電させて、雷の熱で『いとをはく』の糸を燃やして尻尾を解放した。

 

 ハハコモリも即座に反対の手で『リーフブレード』を繰り出してくるが、『エレキネット』の追加効果である素早一段階ダウンのせいで動きが鈍い。

 対するピカ様は、尻尾が出ればこちらのものだと、『アイアンテール』で『リーフブレード』を受け、そのまま自身の体に絡んでいる『ねばねばネット』をも切り裂いていった。

 

 再び、ピカ様に自由が戻る。

 

 それならば――と、ここでアーティは切り札を切ってきた。右手に『リーフブレード』、左手に『シザークロス』という技の二刀流を使ってきたのである。

 基本的に一つ技を使えば、その後に次の技を使うまでは少し間が空く。しかし、『リーフブレード』の終了に合わせて、無理やり『シザークロス』を発動させることで、技後硬直を無視して技を連続発動させることが可能だった。

 

 当然、超高等技術であり、純粋に手数が二倍になれば流石のピカ様も全ては防げない。

 何せ自由になったとはいえ、『いとをはく』の素早ダウン効果は有効だ。ピカ様ももうかなりスピードを殺されてしまっている。事実、今も回避はほぼ出来ず防御で手一杯だった。

 

 ――だが、切り札はこちらにもある。

 

 二刀の攻撃を回避しながらチャージを始め、自身の体に青い雷を帯電させていく。

 動きながらのチャージという荒業。そのまま、帯電による疑似『ボルテッカー』状態を作り出し、先制技の『ばちばちアクセル』からの『エレキネット』で高く跳び上がった。

 

 ――ジャンピングの勢いと疑似『ボルテッカー』の力をプラスした『アイアンテール』、レッド戦で初披露した必殺のJVAで、一刀の元ハハコモリを切り伏せていく。

 

 メテオナイトを砕いた時と違い、技制限があるので威力はかなり下がっているが、それでも今使える技をフルに使った切り札のJVA(ジャンピング・ボルテッカー・アイアンテール)で、向こうがこのまま二刀流でこちらを追い込んで来る前に一気に勝負を付けにいった。

 

 ――振り下ろす一刀を、ハハコモリが腕をクロスさせて受ける。

 

 このJVAはレッド戦で使ったものとまた別モノになっていた。今までは電気のエネルギーを尻尾に集中させていたが、メテオナイトのエネルギーを使用した経験により、ピカ様は技のエネルギーのみを抽出して技を強化できるようになっていたのだ。

 

 これにより、火力は四つ技でも上がる。

 

 また、JVAの隠れた利点は、直接攻撃するのは『アイアンテール』なため、はがねタイプ扱いされる点だ。つまり、ハハコモリも軽減無しで攻撃を受けるということである。

 

 切り札の一撃だけあって、威力は通常の技をはるかに凌ぐ。ハハコモリも膝を付き、ピカ様は無理やり尻尾を振り下ろした。

 だが、やはり二刀で防がれたこともあってダメージも半減したのか、思った以上に体力が残っている。パッと見、残り1/4くらいか? ハハコモリも、まだこれからだと顔を上げ、必殺の二刀流連打で反撃しようと体を起こそうとしていた。

 

 しかし、ここでピカ様は振り下ろした勢いをそのままに空中でもう一回転して、ハハコモリの脳天に『アイアンテール』の追撃を決めていく。

 

 JVAの勢いを利用した二撃目――また、ハハコモリもまさか追撃が来るとは思っていなかったこともあり、防御すらできずに直撃を受けてしまう。

 半減とはいえ、『10まんボルト』と『エレキネット』を受け、防いだとはいえJVAから『アイアンテール』の脳天直撃――特に最後の一撃はハハコモリの意識外からの一撃だった。

 

 前にもどこかで書いたが、人間もポケモンも意識外からの攻撃には対応できない。踏ん張ることも、受け流すことも出来ずに、ハハコモリは残りの体力を失ったのだ。

 

 アーティが全てのポケモンを失ったことにより、このガチ戦は俺の勝利で終わる。

 ピカ様を迎えに行くと、肩で息をしながらも、どや顔でこちらを見ていた。思えば、こうしてガチ戦を一人で勝ち抜いたのはピカ様が初めてかもしれない。前にミカンちゃんをリザードンで蹂躙したが、あの時はきずな化も使ってギリギリの勝利だった。

 

 しかし、今回のピカ様はまだ体力を半分以上残しての余裕の勝利を見せている。

 

 勿論、まだいろいろと反省点もあるが、それでもやはりゼクロムの雷を使えるようになったことや、メテオナイトの感覚のおかげで全力が更新されたことなど得られたものは大きかった。

 前々から強かったが、ピカ様もここでさらに一皮剥けたような感じだ。今なら、かつて惨敗したレッドのピカチュウにも勝てるかもしれない。少なくとも、前のように惨敗することはないと思えるくらいにはピカ様は強くなっていた。

 

 アーティも、まさかピカ様一人に負けるとは思わなかったようで、少し悔しそうな表情を浮かべている。

 とはいえ、アーティは十分に強かった。ピカ様が強くなっていたから割と余裕で勝てたように見えるが、他のポケモンを使っていたらいつも通りギリギリの勝負だっただろう。

 

 特に、最後のハハコモリ戦では、ハハコモリが最初から二刀流でこちらを潰しに来ていれば、JVAを使う前に倒されていてもおかしくなかった。それだけ、ハハコモリの二刀流は速く、ピカ様も避けるのにもかなり苦労させられていたのだ。

 

 むしろ、早々にJVAを使っての短期決戦以外、ピカ様に勝機はなかったと言える。

 

 それに、まだゼクロムの雷も、メテオナイトの感覚も完全には使いこなせていない。この勝ちに慢心せず、もっとピカ様の力を引き出せるようにならねば――と、思いながら、アーティからビートルバッジを受け取った。

 

 これで三つ目。ペースとしてはかなり早い部類だと思うが、別にイッシュリーグに出る訳でもないし、これからも自分のペースでやっていけばいいだろう。

 

 

 追記。先日のメテオナイトの一件もあって少しは雷に慣れたのか、ゾロアが少しずつピカ様に歩み寄りを見せた。今日のジム戦も、へっぴり腰ながらもちゃんと見学しており、バトルの後はピカ様を労う姿を見せている。ピカ様も死ぬほど大喜びしていた。

 

 

 




 原作との変化点。

・第23話『ヒウンジム戦! 純情ハートの虫ポケモンバトル!!』より、ピカ様で三タテした。
 余裕そうに見えるが実は紙一重。何かをミスっていたら普通に負けていた危ないバトルではあった。が、結果はしっかり出している。

・JVA(ジャンピングボルテッカーアイアンテール)完成版。
 今までは帯電した電気を尻尾に集めてパワーを上げていたが、メテオナイトのエネルギーに触れたことでエネルギーの本質を理解し、電気のエネルギーのみを抽出してアイアンテールを強化している。が、ばちばちアクセルの影響で結局電気は発生しているので、帯電状態も基本的にそのまま。純粋に火力が上がったと解釈してくれればOK。

・エネルギーの強化について。
 通常の10まんボルトによる技の強化が約1.5倍。青い10まんボルトによる技の強化が約2倍。四技JVAが約2.25倍にスピードや重力などの要素をプラスしている。フルパワーは基本的にバトルでは使えないので測定無し。

・ゾロアが頑張ってピカ様を応援していた。
 お姉ちゃんになったことで、恥ずかしい姿を見せられないと奮起した。めちゃくちゃ腰は引けているが頑張って応援している。が、隣のズルッグの手をずっと握っていた。

・ロケット団について。
 改めて自由行動を命じられた。また、服装も白に戻っており、コジロウがデスマスを捕まえている。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.67

 ピジョット Lv.61

 バタフリー Lv.61

 ドサイドン Lv.64

 フシギバナ Lv.61

 リザードン Lv.66

 カメックス Lv.61

 キングラー Lv.61

 カモネギ  Lv.61

 エビワラー Lv.61

 ゲンガー  Lv.63

 コノヨザル Lv.61

 イーブイ  Lv.61

 ベトベトン Lv.61

 ジバコイル Lv.61

 ケンタロス Lv.61

 ヤドラン  Lv.61

 ハッサム  Lv.61

 トゲキッス Lv.61

 プテラ   Lv.61

 ラプラス  Lv.61

 ミュウツー Lv.76

 バリヤード Lv.61

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.60

 カビゴン  Lv.61

 ニョロトノ Lv.60

 ヘラクロス Lv.60

 メガニウム Lv.60

 バクフーン(ヒスイの姿) Lv.60

 ラティアス Lv.57

 ヘルガー  Lv.59

 ワニノコ  Lv.59

 ヨルノズク(色違い) Lv.58

 カイロス(部分色違い) Lv.58

 ウソッキー Lv.59

 バンギラス Lv.62

 ドンファン Lv.59

 ギャラドス(色違い) Lv.59

 ミロカロス Lv.54

 ラグラージ Lv.54

 オオスバメ Lv.54

 ジュカイン Lv.54

 ヘイガニ  Lv.54

 フライゴン Lv.59

 コータス  Lv.52

 サーナイト(色違い) Lv.47

 オニゴーリ Lv.52

 ワカシャモ Lv.51

 メタグロス(色違い) Lv.50

 エテボース Lv.48

 ムクホーク Lv.48

 ドダイトス Lv.47

 ブイゼル  Lv.48

 ムウマージ Lv.50

 カバルドン LV.46

 ミカルゲ  Lv.57

 グライオン Lv.45

 ロトム   Lv.47

 ユキノオー Lv.44

 ガバイト  Lv.40

 ゾロア(ヒスイの姿) Lv.16

 コモルー  Lv.38

 カイリキー(変異体) Lv.37

 ミジュマル Lv.22

 ポカブ   Lv.22

 ツタージャ Lv.22

 ズルッグ  Lv.5

 クルミル  Lv.18

 フシデ   Lv.18

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