14歳 η月λ日 『ライモンジム ガチ戦 VSカミツレ』
ベル達を見送りガチ戦メンバーの調整を終えると、ライモンジムにやってきた。
どうやらカミツレは待っている間に俺のことを調べたようで、今期のチャンピオンリーグベスト4であることや、シンオウ地方のグランドフェスティバル優勝者であることもバレてしまったらしい。
まぁ、元々隠してはいないが、「これなら、手加減は不要のようね!」と言われれば、こちらも「勿論!」と気合を返す。
開幕、カミツレはやはりゼブライカを出してきた。しかし、ベルとバトルした時のとは別個体のようで、全身が黒ではなく紫色をしている。どうやら、色違いが相棒のようだ。
こちらも負けじと、前回はお預けになってしまったヘルガーを出していく。こちらは通常色ではあるものの、数多の修羅場を超えてきた数々の傷がその風格を醸し出していた。
カミツレが開幕、『ワイルドボルト』を指示してくる。ならばこちらも新技の『フレアドライブ』で迎え撃っていった。
向こうの『ワイルドボルト』は威力90のでんき物理技で、こちらの『フレアドライブ』は威力120のほのお物理技だ。
お互いにタイプ一致なので、一見するとこちらの方が有利に見えるが、ゼブライカの方が攻撃種族値が20高いこともあってほぼ互角の様子を見せていた。
お互いに全身をぶつけ合っていく。ガンガン――と、何度も額を叩きつけながら、何とか有利な状況を作ろうとするも、お互いに軽い反動ダメージを受けるだけに終わる。
とはいえ、この反動ダメージは『ワイルドボルト』は与えたダメージの1/4。『フレアドライブ』は与えたダメージの33%と、こちらの方が少しばかり不利だった。これによって、ゼブライカは体力の約1/4を超えるダメージを、ヘルガーは1/3近いダメージを受ける。
僅かな差だが、受けたダメージはこちらの方が若干多い。とはいえ、まだまだ勝負はこれからだ。
近距離が互角ならば遠距離で勝負すればいい。本来、ヘルガーは物理ではなく特殊の方が得意なタイプだ。何故か、俺のポケモン達は自身の得意をかなぐり捨てて近接戦をしたがる傾向にあるが、本当ならヘルガーだって遠距離の方が強いのである。
と、言う訳で、ここはタイプ一致『かえんほうしゃ』で仕掛けていく。カミツレもまた、受けて立つと言わんばかりに『10まんボルト』を指示してきた。
技の威力はほぼ同じ――だが、ゼブライカは特攻種族値が80とそこまで高くない。逆に、ヘルガーは110とステの中で一番特攻が高かった。当然、向こうの雷を飲み込んで、炎がゼブライカを襲っていく。
しかし、ゼブライカは電撃が飲み込まれた瞬間、攻撃を止めて回避に移っていた。ヘルガーよりも素早種族値が21も高いからこそ、こちらでは不可能な回避も間に合っている。
遠距離攻撃は当たらない。そう解釈したヘルガーが勝手に距離を詰めていく。また、向こうも近距離戦は望む所だと、再び『ワイルドボルト』を指示してきた。
先程のダメージから、自分達の方が有利だという確信がカミツレやゼブライカにも出来たのだろう。このまま主導権を奪おうという考えが透けて見える。だが、近距離戦の仕掛けはブラフ――向こうをその気にさせるための演技だった。
突如として、攻撃を仕掛けようとしていたゼブライカの顔面が跳ね上がり、カミツレが驚愕の表情を浮かべる。
まだゼブライカとヘルガーの間には距離があった。その距離がいつの間にかゼロに縮まっている。ここで、カミツレもこちらが『ふいうち』を仕掛けてきたことに気付いたらしい。
おいおい、まさかヘルガーが俺の指示を無視して勝手に攻撃を仕掛けるとでも本気で思ったのか? そんなこと有り得るはずがないだろう。あれは、相手の動きを誘導するというヘルガーからの提案だ。
同時に俺は、ヘルガーが『ふいうち』をしたがっていることをすぐに理解した。後はゴーサインを出すだけでいい。
声に出せば対応されるのはわかっているので、無駄な会話はしない――心と心が繋がっていれば、会話がなくても指示は伝わる。
予想外の一撃を受けて向こうに隙が出来た。このまま追撃でダメージを――と、思っていると、カミツレがこのタイミングでゼブライカを戻してくる。
動揺しながらもしっかりと状況は見えていたか。ならば、ここはこちらも一度ヘルガーを戻そう。代わりに、ピジョットをチョイスしていく。
カミツレはエモンガを出してきた。アイリスも持っているでんき・ひこうタイプのポケモンだ。奇しくも同じひこうタイプ対決になったが、まさかでんきタイプのジムにひこうタイプのポケモンを出してくるとは思わなかったようで、カミツレもかなり驚いている。
だが、うちのピジョットはもう弱点対策は万全と言って良い。むしろ、弱点を突けるくらいで勝てると思っているのなら、こちらを甘く見るなと言ってやりたいくらいだ。
とはいえ、そんなことは初対面のカミツレにわかるはずもなく、百聞は一見にしかず――先制の『でんこうせっか』で攻撃を仕掛けていく。実は種族値的にはエモンガの方が素早が高いが故の先制だ。
それを見て、カミツレは『10まんボルト』を指示し、エモンガ自身に電気を帯電させることで対応してきた。
電気を鎧のように纏っており、これでは攻撃できない――のは二流だ。でんきタイプを相手にするのに電気を纏ってくるのは当然のこと、対策はしっかりしてある。『でんこうせっか』の直撃と同時に、ピジョットの羽根が赤い熱に包まれていく。『ねっぷう』だ。
昔、グレンジムでカツラと戦った時、『ほのおのパンチ』の空気レンズで電撃を弾くという荒業を使われたのを覚えているだろうか?
あの頃、俺はまだアニポケ世界に順応しておらず、現実的に不可能だと断じていたが、最近になってもしかしたらあれも再現できるのではないかと思い直してきたのだ。
そして、何度か練習をしているうちに、高温の『ねっぷう』を体に纏い、超高速で移動することで電撃を弾けるようになった。
風と熱の二段防御が電撃を弾いているのだろう。
しかし、本来放つ技である『ねっぷう』を体に纏い、さらに『でんこうせっか』を同時に使わないといけないので、技の難易度としてはかなり高い――が、ひこうタイプのリーダーであるピジョットはこれを完成に至らしめた。
カミツレはこちらが攻撃を中止すると思っていたのか、『10まんボルト』を指示していても、エモンガは攻撃態勢に移っていない。こちらの一撃をほぼ無防備に受けて、エモンガが後方に吹き飛んでいく。
対するこちらは、『でんこうせっか』と『ねっぷう』のコンボ攻撃により、電撃による反撃を防ぎながら攻撃を仕掛けることが出来ていた。勿論、威力は元の『ねっぷう』よりも下がってはいるが、それでも電撃を防いで攻撃を仕掛けられるのは大きい。
それならばとカミツレは今度こそ『10まんボルト』を指示してきた。遠距離からの電撃でダメージを稼ごうという狙いだろう。
とはいえ、こちらの対策がこれだけだと思われるのは癪だ。これまでの経験を利用し、こちらも『ぼうふう』を竜巻のように発生させて相手の電撃を防いでいく。
放たれた電撃は暴風に巻き込まれ、その勢いを失う――それを見て、カミツレは『アンコール』を指示してきた。これにより、ピジョットは最後に使った技である『ぼうふう』に使用技を固定される。
これはよろしくない。『ぼうふう』はPPが10しかない上、おまけに命中率が70しかない技だ。当然、『ぼうふう』が来るとわかれば避けるのはそう難しくない。
下手に足掻いても後に響く。ここはこちらもピジョットを戻さざるを得なかった。
こちらがピジョットをボールに戻すと同時に、カミツレはエモンガに『じゅうでん』を指示する。これで、次に使用するでんき技の威力は2倍になり、特防も1段階上昇した。
ならば――と、こちらは最後のユキノオーを出していく。特性の『ゆきふらし』によって天候を雪に変更する。
霰のダメージも捨てがたいが、これでこおりタイプであるユキノオーの防御は1.5倍になった。これで多少はレベル差もある程度埋められるだろう。
カミツレが「上手いわね」とこちらを褒める。
ユキノオーはくさタイプも持っているため、でんき技は効果が半減する――つまり、『じゅうでん』で威力を上げても等倍の火力しか出ないということだ。
また、こおりタイプも持っているが故に、ひこうタイプであるエモンガの弱点を突くことも出来た。雪状態で必中となった『ふぶき』で攻撃を仕掛けていく。
カミツレは『ほうでん』を指示してきた。全体攻撃技であり、さらに追加効果で三割の確率で相手を麻痺に出来る技だ。
全体攻撃技ということもあり、上手いこと『ふぶき』を相殺してきた。いや、逆に『ふぶき』を押しのけて、電撃がユキノオーに直撃する。
運よく麻痺にはならなかった。おまけに、『ふぶき』でかなり威力が落ちていたことも有り、効果今一つの電撃はユキノオーにたいしたダメージを与えていない。
こちらが『ふぶき』を選んだのは、相手に特殊技を使わせるためだった。カミツレが雪時のこおりタイプの仕様を知っているかどうかは知らないが、知っていれば物理技で攻撃するのを躊躇うだろうし、特殊技を使ってくるなら『ふぶき』で相殺できる。
そして、今、『じゅうでん』で火力が上がった『ほうでん』で、ギリギリ『ふぶき』を押し切れるという結果が出た以上、通常の『ほうでん』では必中『ふぶき』は受けきれないことも判明した。
当然、必中である以上、『アンコール』で技を固定しても意味がない。ここでカミツレは、エモンガを戻す選択肢を選んだ。
ここでユキノオーに『せいちょう』を指示する。この間に、ユキノオーの攻撃と特攻は一段階上昇した。これで、火力も十分相手に負けないものになった。
カミツレは再びゼブライカを出してくる。
ここは弱点を突いて『じしん』を指示した。タイプ不一致技だが、やはり威力100で効果抜群が取れるのは強い。それに、交換時に『せいちょう』を使って攻撃が一段階上がっていることもあって、相手もそう簡単には受けられない威力になっていた。
だが、流石にカミツレもでんきタイプのスペシャリストだ。必然、苦手なじめん技の対策はしっかりしている。
ゼブライカに指示を出し、当たり前のようにこちらの攻撃に合わせ、地面を踏みしめて大ジャンプで上手く攻撃を躱してきた。おまけに、そのまま『ニトロチャージ』を指示して追撃をかけてくる。いやらしいことに、ユキノオーの苦手なほのお技だ。
とはいえ、この状況は読めていた。
こちらが弱点を突いて『じしん』を指示すれば、カミツレはまず間違いなく回避してくる。だが、まだユキノオーは『じしん』を使いながら他の技を同時に使えないので、こちらに突っ込んでくるゼブライカを迎え撃つのは難しい。
――が、先制技なら話は別だ。
ここで、最後の技である『こおりのつぶて』を指示する。本来であれば、『じしん』発動直後は他の技発動は間に合わない。
しかし、ゼブライカとユキノオーの間に距離があること。向こうがジャンプしたことで失速したこと。このおかげで、先制技ならばギリギリで発動が間に合った。こちらに突っ込んでくるゼブライカの顔面に氷がぶつかっていく。
だが、ここで二つの誤算が起きた。
一つ目は、全身に炎を纏っていることもあり、『こおりのつぶて』のダメージが軽減されてしまったことだ。いくら、『せいちょう』で火力が上がったタイプ一致『こおりのつぶて』とはいえ、苦手な炎の影響を受ければ解けてしまう。必然的にダメージは下がる。
二つ目は、『ニトロチャージ』の追加効果で素早が一段階上がっていたことだ。これにより向こうの突っ込んでくる速度がこちらの予想を超えて早く、『こおりのつぶて』で撃墜しようとしたが、撃墜して尚もつれ合う形でゼブライカはユキノオーにぶつかってきた。
ゼブライカはでんきタイプだ。ほのお技はタイプ不一致で、『こおりのつぶて』で威力が軽減しているとはいえ、それでも四倍弱点の一撃を受けたのは大きい。雪で防御が1.5倍になっていて尚、体力は軽く1/3は奪われた。
不一致のほのお技、しかも威力50でこれか。もしこれが『フレアドライブ』だったらほぼ瀕死だったな。
しかし、ゼブライカも軽減したとはいえ、火力の上がったタイプ一致『こおりのつぶて』の直撃を受けている。交換前にはヘルガーがダメージを与えていたし、ダメージレース的にはこちらが有利だ。
「決めるぞ、ユキノオー!」
やる気満々のユキノオーが腕を振り上げる。
そろそろ天候も収まってしまいそうなので、ここで再びタイプ一致『ふぶき』を指示して勝負を決めに行く。仮に、この一撃で決められなくても、先制技の『こおりのつぶて』範囲までダメージを与えられればこちらの勝ちだ。
対するカミツレは再び、『ニトロチャージ』を指示してきた。ほのお技でこおり技を軽減しようという狙いか――だが、いくら速度が上がっているとはいえ、威力の上がっているこちらのタイプ一致『ふぶき』を威力50の不一致技で受けきれるとは思えない。
否、受けきれないことはカミツレもわかっていたのだろう。故に、『ニトロチャージ』の全てを攻撃ではなく、防御に回すことでダメージを最小に抑えに来た。
まさか攻撃を完全に捨ててくるとは――と、驚いていると、二段階上昇した素早を利用してゼブライカがユキノオーとの距離を詰めてくる。
こちらの『ふぶき』も思った以上にダメージが与えられなかった。ゼブライカの残りの体力を『こおりのつぶて』一回で削り切れるか? だが、向こうは『ニトロチャージ』の効果で素早が二段階上がっている。他の攻撃では先手は取れない。
一瞬の思考――ここでカミツレは最後の技として『オーバーヒート』を指示してきた。
ここで、ゼロ距離でのオバヒ!?
タイプ不一致でも四倍弱点で威力は520相当だ。今の体力でそんな攻撃を受ければ、ユキノオーに耐えられるはずがない。
とはいえ、距離が近すぎてもう回避も交換も不可能だった。ユキノオーもこれで倒れると覚悟したようで、せめてもと『こおりのつぶて』をゼブライカにぶつけていく。
やはり、ギリギリで体力は削り切れなかった。
攻撃を完全に捨てた、『ニトロチャージ』の防御がこちらの計算を狂わせたのだ。反撃の『オーバーヒート』の一撃を受けてユキノオーが沈む。しかし、ゼブライカの残り体力もミリだ。ほぼ相打ちと言って良かった。
頑張ったユキノオーを労ってボールに戻す。
いろいろ誤算はあったが、それでもユキノオーは十分に仕事をした。再び、カミツレがゼブライカを戻してエモンガを出してくる。こちらも、ピジョットを送り出した。
ひこうタイプ対決ではあるが、でんきタイプである向こうの方が若干有利だ。だが、特に注意すべきは『アンコール』だった。あれを受けたら、交代せざるを得なくなる。出来れば、ピジョットにはここでエモンガを倒して欲しい。
と、考えていると、カミツレが『ほうでん』を指示してきた。全体攻撃の『ほうでん』ならば、こちらは『ぼうふう』で受けていく。
雷を竜巻で束ねてエモンガに返すと、ここでカミツレは『アンコール』を再び指示してきた。先程は初見だったから回避が間に合わなかったが、来るとわかっていれば対応は難しくない。
エモンガは『ぼうふう』を受けながらも、『アンコール』を仕掛けてくる。が、ここで、こちらは先程仕掛けた『ねっぷう』『でんこうせっか』の同時技を指示して追撃をかけた。
この同時技――というのがミソだ。
この『アンコール』という技は、最後に使用した技しか使えなくなるという効果であり、相手の技を一つしか使えなくさせるという効果ではない。つまり、同時攻撃に『アンコール』をぶつければ、こちらは『でんこうせっか』と『ねっぷう』の二つが使えるのだ。
技が二つあれば、どうとでも戦える。
おまけに、エモンガは先程のバトルでのダメージに加え、今の『ぼうふう』と『ねっぷう』『でんこうせっか』の直撃を受け、体力が一気に半分以上削れていた。
まぁ、その結果――こちらも使える技の選択肢を二つだけに絞られてしまったが、エモンガの削られた体力に見合った成果かどうかと言われると怪しい部分がある。
カミツレはどうやら『でんこうせっか』に『アンコール』を当てたと解釈したのか、ここで『じゅうでん』を指示してきた。残り体力はまだ半分近くあるし、『でんこうせっか』の連打くらいなら大したことないと考えたのだろう。
舐めるなと、ここで『ねっぷう』を指示する。
まさか、ここで特殊技が来ると思わなかったのか、エモンガはこちらの技をもろに受けた。『じゅうでん』には特防一段階アップの追加効果もあるが、それよりも先にこちらの攻撃が決まっている。これで、エモンガの残り体力も1/3以下まで削られた。
それならばと、カミツレはここで『ほうでん』と『10まんボルト』のコンボ技を指示してくる。クチバジムのマチスが愛用し、俺もたまに使う全体攻撃コンボだ。
これではピジョットがどう逃げても攻撃は避けきれない。おまけに、『じゅうでん』で火力が上がっているため、かなりのダメージが期待できた。
流石にこの出力の電撃を防ぎながら攻撃するのは難しいため、『ねっぷう』『でんこうせっか』の防御で全体攻撃を凌いでいく――が、それでも防ぎきれない。
いくら、アニポケ再現とはいえ万能防御ではないのだ。熱と風の二段防御と言っても『でんこうせっか』の速度で回避しているから成立しているのであって、高出力や一点集中タイプの攻撃は余裕で貫通してくる。
今回は前者だ。『じゅうでん』で威力を二倍にした状態で、『ほうでん』と『10まんボルト』というコンボで全体攻撃の威力を上げている。回避不能の全体攻撃はピジョットの防御を超えてこちらにダメージを与えてきた。
それこそピジョットの体力を一気に半分近く削る勢いであり、熱と風の二段防御も半分意味を成していない。
おまけに、追加効果で麻痺状態になってしまった。これを機と見たカミツレは再び、『じゅうでん』を指示してくる。麻痺状態でこちらの動きが鈍った今、『ねっぷう』『でんこうせっか』の図式は崩れつつあった。次の一撃でトドメ――そう考えての『じゅうでん』択。
ならば、こちらは風を味方につけるまで。
相手が『じゅうでん』をチョイスしている間、ピジョットにはギリギリまでエモンガと距離を取らせた。同時に、『アンコール』の効果が切れて、技が再び使用可能になる。
ここで、『ぼうふう』を指示していく。
自身の身を包むように竜巻を展開させ、雷から身を守る盾とする。カミツレは一瞬迷いを見せたが攻撃を続行してきた。再び、『じゅうでん』で威力の上がった『ほうでん』『10まんボルト』を指示してこちらの風の防御を突破しようとしてくる。
こちらは風を纏ったまま、最後の技として『ブレイブバード』を指示した。
ピジョットは『ぼうふう』で発生させた竜巻の矛先を相手に向けるように動かし、その風に乗るように勢いよく突っ込んでいく。
まるで螺旋を描くように回りながら、風で雷を防ぎながら突っ込んでいく。当然、向こうの攻撃の方が威力が高いので雷は風を貫通してくるが、勢いに乗ったピジョットは止まらない。
そのまま、加速の勢いをプラスして、放電中のエモンガにぶつかっていく。当然、電撃のダメージも受けるが、それよりも先にこちらの一撃がエモンガの体力を削り切った。
が、麻痺状態だったのが唯一の問題点だったようで、本来であればぶつかってすぐに離脱するはずが離脱までに時間がかかり、ピジョットもまた戦闘不能になってしまっている。
攻撃がぶつかった瞬間に麻痺が発生して体の力が抜けてしまったのだろう。こればかりは運なので仕方ない。空を飛べるエモンガを倒しきったことは十分に仕事をしたと言ってよかった。
とはいえ、これでこちらの残りは体力の削れたヘルガーのみ。対するカミツレはミリのゼブライカに、体力フルでもう一体のポケモンを残していて数の差が出来ている。
さて、どうなるか――と、思いながら、ヘルガーを送り出すと、向こうはシビルドンを出してきた。
シビルドンはでんき単タイプだが、特性『ふゆう』を持っているので弱点のじめん技が効かない。つまり、実質的に弱点がないポケモンだ。こちらに有効打がない以上、自分の強みをぶつけてダメージを稼ぐ以外にない。
と、考えていると、カミツレが『アクアブレイク』を指示してくる。こちらに有効打はないが、向こうは結構多彩に技を覚えるんだよなぁ。
体力が残り僅かとはいえ、奥にゼブライカも控えている以上、ここは出来れば最低限のダメージで凌ぎたい。
当然ながら、弱点技を受けている余裕などないということで、ギリギリで攻撃を見極めて回避し、ゼロ距離『かえんほうしゃ』で反撃を仕掛けていく。うちのポケモン達は例外なく、近接戦慣れしているのでヘルガーも当然のように攻撃を回避していた。
しかし、カミツレとしてもそう簡単にこちらが攻撃を食らうとは思っていなかったようで、そのまま『とぐろをまく』で攻撃・防御・命中を一段階上げながら、シビルドンの体をヘルガーに巻き付けてくる。
こちらが特殊攻撃を仕掛けているのに『とぐろをまく』? 動きを封じたいというのはわかるが、拘束とバフの両立させるにしても、このまま連続で『かえんほうしゃ』を受けるリスクを抱えて?
何を考えている――と、訝しみながらも、こちらは『かえんほうしゃ』を連打していく。
タイプ一致で火力も上がっているし、『とぐろをまく』で上がるのは防御なので特殊攻撃で攻めるのは当然の択だ。実際、これでシビルドンの体力は一気に半分まで減っていた。
あからさまにこちらに有利状況だ。カミツレの行動の意味が読めない。そのまま、何をするつもりでいるのか目を凝らしていると、カミツレはここでゼロ距離の『でんじほう』を指示してきた。
成程な。こちらにダメージを与えるリスクを許容しての、肉を切らせて骨を断つ戦法か。
ゼロ距離なので、命中率は関係なく、威力120のでんき特殊技がヘルガーに向かって放たれる。さらには追加効果で確定麻痺。多少のダメージを受けることを覚悟して、ヘルガーの機動力を奪いに来た訳だ。
だが、ここでそんな攻撃を受けたら終わりである。こちらも最後の技とも威力100・命中50の『れんごく』で『でんじほう』を無理やり相殺させていく。
威力はこちらの方が若干低いが、特攻の種族値はヘルガーの方が少しだけ上なのでギリギリで相殺することが出来ていた。
お互いの『でんじほう』、『れんごく』共にPPは5だ。仮にこのまま連打されても全てを防ぎきることが出来る。
それならばと、カミツレはゼロ距離『アクアブレイク』でヘッドバッドを仕掛けてきた。タイプ不一致技ではあるが、弱点だし『とぐろをまく』で火力も上がっていた。
拘束されていることもあり、回避も防御も出来ずにそのままダメージを受ける。
だが、このままやられるつもりはなかった。こちらも『かえんほうしゃ』で反撃していく。運が良いことに一割の火傷という追加効果を引いたことで、『アクアブレイク』のダメージも次からは軽減することが出来るようになった。
しかし、距離を取れない以上、ここからは殴り合いだ。『れんごく』を混ぜることも考えたが、『でんじほう』のことを考えると、このまま『かえんほうしゃ』と『アクアブレイク』をぶつけ合った方がこちらとしても都合が良い。
一撃目の『アクアブレイク』で体力を1/3程まで削られたが、二度目は1/4程までで抑えきれている。逆に、シビルドンは二度の『かえんほうしゃ』で体力がミリまで削れていた。
このまま『ふいうち』でこちらの勝ちだ――と、考えていると、ここでカミツレは『でんじは』を指示してくる。まさか、変化技が来るとは思わず、『ふいうち』を外されてしまった。
ヘルガーが麻痺状態になってしまうが、火傷の固定ダメージでシビルドンも一気に戦闘不能になる。しかし、こちらは麻痺という一番嫌なものを貰ってしまった。
カミツレもシビルドンを戻すと、最後のゼブライカを出してくる。向こうも休んで体力が僅かに回復したようだが技は全て使っていた。
今回ゼブライカの使った技は『ワイルドボルト』、『10まんボルト』、『ニトロチャージ』、『オーバーヒート』の四つ。その内、二つはほのお技故にヘルガーには使えない。
対するこちらは残り体力約1/4で麻痺状態、技は『フレアドライブ』、『かえんほうしゃ』、『ふいうち』、『れんごく』である。
先制技の『ふいうち』があるので若干有利だが、既に『ふいうち』は見せたので警戒はしているだろう――と、すると、どちらが先に技を通すかの勝負になる。
カミツレは先制で『10まんボルト』を指示してきた。しかし、攻撃ではなく、エモンガがやったように、自身に電気を帯電させている。
これでは下手に『ふいうち』攻撃を仕掛ければ電撃の反撃でKOされかねない。つまり、『ふいうち』を封じようという狙いだ。ならば、ここはパワー勝負と行こう。
こちらも『かえんほうしゃ』を指示し、炎を身に纏っていく。続けて、『フレアドライブ』を指示して、そのままコンボ攻撃で一気に勝負を決めに行った。
カミツレも、こちらが真っ向勝負を仕掛けてきたとわかると、『ワイルドボルト』を指示して帯電中の『10まんボルト』とのコンボ攻撃を仕掛けてくる。
お互いに全速力で走って行く。
が、麻痺していることも有り、ヘルガーの動きは鈍かった。それを見てカミツレはニヤリと笑みを浮かべる。
このまま、先程のように組合になり、先に体力を失った方の負け――だが、今のヘルガーのスピードならばゼブライカの方が先に攻撃を決められると思ったのだろう。シビルドンの置き土産がここにきて効いていた。
素直に言おう。カミツレのその考えは間違っていない。ただし、こちらが本当に真正面からぶつかるつもりなら――だが。
ご存知の通り、真正面からぶつかるように見せて、ぶつからないのがニューサトシの流儀でもある。ぶつかる直前、ギリギリでヘルガーがその場で一回転して尻尾をゼブライカの目にぶつけていく。
突然目つぶしを食らったゼブライカは転倒するが、カミツレは咄嗟に『10まんボルト』で反撃を指示した。おそらく『ふいうち』を警戒したのだろうが、こちらもこんな隙だらけの相手に警戒されている『ふいうち』など使わない。
冷静に距離を取って電撃を回避し、『かえんほうしゃ』をぶつけて、ゼブライカの体力をゼロにしていく。
あのまま真っ向勝負していた場合、まず勝てないことはこちらもわかっていた。ならば、真っ向勝負を誘って、不意を打つのがニューサトシのやり方だ。
カミツレも少し悔しそうな顔をしているが、自分が読み合いに負けたことをしっかりと認めると、俺の勝利を称えてボルトバッジを渡してくる。今回もなかなか良いバトルが出来たな。
原作との変化点。
・第50話『ライモンジム! 華麗なる電撃バトル!!』より、ギリギリのバトルを勝利した。
ジム戦の途中にポケモンを取りに行ったり、同性にメロメロをしたりはしていない。
・ピジョットの疑似空気レンズ。
でんこうせっかによる風と、ねっぷうの熱で、カツラが使っていた空気レンズを疑似的に再現している。ただし、高速で動かないと意味がないので、動きを止められると使えないという弱点もある。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.67
ピジョット Lv.61
バタフリー Lv.61
ドサイドン Lv.64
フシギバナ Lv.61
リザードン Lv.66
カメックス Lv.61
キングラー Lv.61
カモネギ Lv.61
エビワラー Lv.61
ゲンガー Lv.63
コノヨザル Lv.61
イーブイ Lv.61
ベトベトン Lv.61
ジバコイル Lv.61
ケンタロス Lv.61
ヤドラン Lv.61
ハッサム Lv.61
トゲキッス Lv.61
プテラ Lv.61
ラプラス Lv.61
ミュウツー Lv.76
バリヤード Lv.61
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.60
カビゴン Lv.61
ニョロトノ Lv.60
ヘラクロス Lv.60
メガニウム Lv.60
バクフーン(ヒスイの姿) Lv.60
ラティアス Lv.58
ヘルガー Lv.59
ワニノコ Lv.59
ヨルノズク(色違い) Lv.58
カイロス(部分色違い) Lv.58
ウソッキー Lv.59
バンギラス Lv.62
ドンファン Lv.59
ギャラドス(色違い) Lv.59
ミロカロス Lv.55
ラグラージ Lv.54
オオスバメ Lv.54
ジュカイン Lv.54
ヘイガニ Lv.54
フライゴン Lv.59
コータス Lv.52
サーナイト(色違い) Lv.48
オニゴーリ Lv.52
ワカシャモ Lv.51
メタグロス(色違い) Lv.51
エテボース Lv.49
ムクホーク Lv.48
ドダイトス Lv.47
ブイゼル Lv.48
ムウマージ Lv.51
カバルドン LV.47
ミカルゲ Lv.57
グライオン Lv.46
ロトム Lv.47
ユキノオー Lv.45→46
ガバイト Lv.42
ゾロア(ヒスイの姿) Lv.27
コモルー Lv.40
カイリキー(変異体) Lv.40
ミジュマル Lv.34
ポカブ Lv.34
ツタージャ Lv.34
ズルッグ Lv.23
クルマユ Lv.31
ペンドラー Lv.34
エルフーン LV.34
ダンゴロ Lv.32