ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#031 『我輩もビックリである』

 11歳 μ月ξ日 『お前はコナン!!』

 

 オーキド博士とママさん、さらにはナナミさんまでもが応援に来てくれたので一緒に食事を取ったのだが、その後にサトシ君のコンパチキャラであるヒロシ君にあった。

 正直、声までは覚えていなかったのだが、「真実はいつも一つ!」とか言いそうである。

 アニメではロケット団の罠によって、五回戦でこいつに負けるサトシ君だが、今回はロケット団も五回戦まで進出しているし、原作通りの展開にはならないはずだ。

 

 対戦相手の抽選は明日だが、もしヒロシ君が相手なら出してくるポケモンはアニメと同じと見て良いだろう。ピカチュウ、ヒトカゲ、バタフリーが相手なら、ドサイドンを出せばまず負けないし、一体目はドサイドンで確定だな。

 後は万が一、みずタイプが来た時のためにピカ様と、切り札としてリザードンを登録しておけば大丈夫だと思うが、相手はアニメでサトシ君に勝ったヒロシ君だ。油断せずに行こう。

 

 

 

11歳 μ月ο日 『ロケット団の快進撃』

 

 原作通り、対戦相手がヒロシ君に決まった。俺とヒロシ君、勝った方がAブロックの3の椅子を手に入れ、六回戦でA-4を勝ち進んだ奴と戦うことになる。ちなみにシゲルはA-2、ブルーはB―3、ロケット団のムサシはB-4だった。

 五回戦からはメインスタジアムでのバトルとなるので、一日の試合数も四回と少ない。一つのブロックが四試合なので、これに勝てば明日は休みである。

 

 組み合わせを見る限り、俺とシゲルが戦うには準決勝まで行く必要がありそうだ。

 残念ながらムサシとは決勝まで勝ち上がらないと戦えそうにない。しかし、ムサシのいるブロックには優勝候補のブルーもいるようなので、まず決勝まで来るのは無理と見ている。

 ただ、五回戦が終われば、六回戦からは6対6のフルバトルだ。ここまで来たらフルバトルするロケット団を見てみたいので、ムサシには頑張ってほしいものである。

 

 

 

 11歳 μ月π日 『ヒロシ抹殺!!』

 

 五回戦はドサイドンで全てを蹂躙して終わった。

 二回戦で出した時もそうだったのだが、カントーでドサイドンを持っているのは今の所は俺だけのようで、その珍しさに観客の歓声が止まらなかったのだ。おかげで、ドサイドンもテンションが上がったのか、気合い十分でヒロシのポケモンを倒してくれた。

 

 ヒロシ君も悔しそうだったが、「僕の分も勝ち上がってくれよ」とエールを送ってくれる。

 アニメではサトシ君のライバルだったヒロシ君も、ニューサトシを相手にするには少しばかり力が足りなかったようだ。君はとりあえず、強ポケをゲットする所から始めるといいよ。

 

 

 

 11歳 μ月ρ日 『意外と頑張るロケット団』

 

 今日はBブロックにいるムサシの試合を見に来た。

 何だかんだ今まではすぐに負けると思ってあまりバトルに目を通すことはなかったが、こうしてメインスタジアムで試合をする所まで来たのだ。目を通しておいて損はあるまい。

 見れば、コーチコーナーにはコジロウとニャースもいる。まさかあいつらもこんな所までくると思っていなかったのか、今では本気でムサシのことを応援しているようだ。

 

 見ると、ムサシの対戦相手は、バトルブリッジでプテラを倒したトレーナーだった。

 向こうの一体目はサイドン。ムサシはウツボットを出している。相性はムサシ有利だ。相手のサイドンが『つのでつく』を仕掛けてこようとしているのを見て、ムサシは『ねむりごな』指示してサイドンを眠らせていく。

 さらに、眠った所で『つるぎのまい』で自身の攻撃を上げて行き、起きた瞬間に『リーフブレード』で相手のサイドンをワンキルしていた。

 

 何か、俺の戦い方に似てるな。

 まぁ、あれだけ戦えば覚えるもんか。

 

 相手の二体目はキュウコンだった。相性不利と判断したのか、ムサシがウツボットを戻す。

 ムサシの二体目はサワムラーだった。結局、P-1で奪ってからずっと連れてきているが、あいつも今では立派なロケット団になっちまったなぁ。

 

 サワムラーが『とびひざげり』で攻撃を仕掛けていくが、キュウコンは『あやしいひかり』で混乱させた。そのせいか、攻撃が外れ、サワムラーが自滅で大ダメージを受けている。とびひざは威力こそ高いが、外れると最大HPの半分を失う技だからなぁ。

 そのまま畳みかけるように、相手のキュウコンが『だいもんじ』を放ち、ムサシのサワムラーが戦闘不能になった。

 

 これで1対1、意外と良い勝負をしている。

 ムサシは三体目にアーボックを出してきた。再び来るキュウコンの『あやしいひかり』を避けるために、『あなをほる』で地中へ潜っていく。攻撃の避け方が上手い。おまけにじめんタイプの技はほのおタイプのキュウコンに効果抜群だ。

 キュウコンがアーボックの『あなをほる』でダメージを受ける。体勢が崩れた所で、ムサシが『へびにらみ』を指示してキュウコンを麻痺させていた。

 

 想像以上に上手く戦っているな。

 キュウコンが再び『だいもんじ』を打ってくるも、蛇特有の蛇行した動きで上手くかわし、そのまま『かみくだく』でキュウコンに噛み付いていく。

 麻痺もあって、キュウコンはもうアーボックを振り払えそうにない。ダメージ的にもう耐えないと思ったのか、相手のトレーナーが『おんねん』を指示していた。

 キュウコンが戦闘不能になるが、『おんねん』の効果で、自分の倒した技のPPがゼロになる。つまり、この試合ではもう『かみくだく』は使えないということだ。

 

 ムサシはどうやら『おんねん』の効果を知らないらしい。アーボックにも特にダメージがないということで完全に調子に乗っていた。

 

 相手の最後のポケモンはスリーパーだった。

 成程、エスパータイプにあくタイプの技は効果抜群だ。だから『かみくだく』を封じてきたのか。

 コーチにいるコジロウも、あくタイプの技がエスパータイプに効くことは知っているようで、『かみくだく』で攻めるように言っている。

 だが、ムサシがアーボックに『かみくだく』を指示するも、『おんねん』の効果で封じられているため、アーボックも困った顔をして動けずにいた。

 

 それを見た相手が、ドヤ顔で『おんねん』の効果を説明している。ようやく、技が使えないとわかったムサシが、『あなをほる』を指示したが、それより先に、スリーパーの『サイコキネシス』が決まり、アーボックが壁に叩き付けられた。

 いつも俺にやられているだけあって耐久力だけはあるのか、アーボックも弱点攻撃をくらったが何とか耐えている。ムサシももうアーボックが耐えられないと思ったのか、一か八かというような感じで『ダストシュート』を指示していた。

 

 アーボックが再び『サイコキネシス』を受けながら、スリーパーに『ダストシュート』を放とうとする。あんな技、俺と戦っている時に使ったことはなかった。ということは、この大会中に練習した技と見て良いだろう。

 ムサシやコジロウの表情から見て、多分実戦で使ったのは初めてのようだ。しかし、アーボックは気合いで『ダストシュート』を成功させた。アーボックは戦闘不能になったが、良いダメージを残していったな。

 

 これで残りは1体ずつ。だが、ウツボットはくさの他にどくタイプも複合しているので、エスパータイプのスリーパーとは相性が悪い。

 ただ、アーボックのおかげで、ダメージと毒も受けているので可能性はまだまだあった。

 

 ムサシがウツボットに『ねむりごな』を指示する。

 しかし、相手のスリーパーの特性は『ふみん』のようで、スリーパーは元気なままだった。相手もムサシが粉を使ってくるのは読んでいたのか、『わるだくみ』を指示して、特攻を2段階上昇させている。こりゃ、次の『サイコキネシス』で終わりだな。

 

 半ば諦めの気持ちで見ていると、相手が『サイコキネシス』を指示した。スリーパーとの距離を考えれば、ウツボットより早く攻撃が当たる。

 まぁ、ロケット団にしてはよく頑張ったな。何せ、セキエイ大会ベスト16だ。アニメのサトシ君と同レベルである。

 

 だが、スリーパーが『サイコキネシス』を放とうとした直前、ウツボットのツタが伸び、スリーパーの顔に巻き付いた。

 そのままツタで自身を引っ張り、ロケットのようにウツボットがスリーパーへ突撃していく。まさか『つるのムチ』を使った突撃か? いや、違うあれは――

 

「ウツボット、『ふいうち』!!」

 

 まさかのあく技をウツボットも所持していた。それも、先制技である。確かに、ゲームではウツボットが『ふいうち』を覚えるシリーズもあった。かくいう、俺のピカ様も一部のシリーズでしか覚えない『にどげり』を覚えている。

 しかし、ここで『ふいうち』が来るとは、このニューサトシを以ても気付けなかった。苦手な高威力のあく技を受けて、スリーパーが倒れる。

 アーボックから受けたダメージも重なり、もう立ち上がることも出来なかったようで、そのままスリーパーが戦闘不能になった。まさかのムサシ、ベスト8である。

 

 カスミさんとタケシも、使っているポケモンがロケット団っぽいことは気付いたようだが、どうやら本人だとは思っていないようで、素直に勝利を喜んでいた。

 ぶっちゃけ、この勝利には我輩もビックリである。何せ、あいつらはプテラ矯正のためとはいえ、俺が負けた相手に勝ったのだ。

 だが、一番ビックリしているのは勝った本人達のようで、コジロウがムサシを抱き上げて大喜びし、隣でニャースも小躍りしていた。

 

 

 

 11歳 μ月σ日 『六回戦 フルバトル6対6 前編』

 

 Aリーグ六回戦。俺の対戦相手は、サユリとかいう名のエリートトレーナーらしい。この試合からポケモンの使用数が6体になる。実にサカキ様ぶりのフルバトルだった。

 ちなみにシゲルは一足先に準決勝進出を決めている。前の試合を見ていた限り、シゲルもかなりポケモン達を仕上げてきているようで、残りポケモンを4体も残しての圧巻のバトルだった。

 

 今回エントリーしたポケモンはゼニガメ、ベトベトン、ジバコイル、ケンタロス、バリヤード、リザードンの6体である。

 アニメのサトシ君よりも多くのポケモンを捕まえているが故に、選択肢は山のようにあった。悩んだが、出番がなかった奴らでやる気がある奴らの気合いを買った形だ。

 ピカ様がとても出る気満々だったが、『かわらわり』や『なみのり』といった技の存在をシゲル戦まで隠しておきたいので、申し訳ないが今回はお留守番でお願いします。

 

 ピカ様とトゲ様を、タケシとカスミさんに預けてフィールドに向かう。実はピカ様とトゲ様を含めるとポケモンを8体所持していることになっているのだが、ボールをオーキド研究所に預け、中身だけこちらにいるという裏技で凌がせて貰っている。サカキ様の時もこれで凌いだ。

 

 応援席の方へ視線を向けると、オーキド博士、ママさん、ナナミさん、そしてヒロシ君の姿が見えた。

 ヒロシ君は控え室で待機している時も応援に来てくれており、「絶対に優勝してくれよな」という熱いエールを送ってくれている。

 オーキド博士も、マサラタウン出身のトレーナーが二人もベスト8まで来ているということにとても大喜びしていて、どちらかが優勝すると固く信じているようだった。

 

 その期待に応えるためにも、ここで負ける訳にはいかない。Aリーグ第二試合が始まり、相手のサユリがニドクインを出してくる。俺はゼニガメだ。相性では有利だが、相手は最終進化形でもある。油断したら、種族値の差で叩かれそうだった。

 サユリがニドクインに『かみなりパンチ』を指示してくる。やはり、ここまで来るトレーナーだけあって、しっかり弱点タイプのポケモンへの対策は出来ているようだ。

 

 対するこちらは『ロケットずつき』で反撃する。フィールドが広いので、距離が詰まるまでの間に防御を一段階あげて、ニドクインの『かみなりパンチ』を迎え撃った。

 ゼニガメの『ロケットずつき』がニドクインに直撃したが、ニドクインが振り下ろすように拳を甲羅に叩き付ける。防御を一段階上げているおかげもあり、即戦闘不能という訳ではないが、やはり弱点だけあってダメージを受けていた。

 

 そのままサユリが追撃の『かみなりパンチ』を打たせようとしてくるので、『こうそくスピン』で攻撃を回避させる。おまけで『ハイドロポンプ』を指示し、カスミさん直伝のユナイトコンボで、ニドクインにタイプ一致の効果抜群攻撃で大ダメージを与えた。

 予想外の攻撃に、ニドクインが膝をつく。

 サユリがニドクインを戻そうとボールを出したが、その前に『ハイドロカノン(完成度八割)』で一気に戦闘不能まで持って行った。これでゼニガメは技を四つ全て使ってしまったが、元々ゼニガメはあまり幅広い技を覚えていないのでこれでいいのだ。

 

 サユリはニドクインを戻すと、次にサンダースを出してきた。無難に弱点を突いてきたな。

 流石にサンダース相手は分が悪いので、ゼニガメを戻して二体目のベトベトンを出す。俺のベトベトンは電気が効きにくいので、有利に立ち回れるだろう。

 サユリが『10まんボルト』を指示してきたので、こちらは『どくどく』でサンダースを毒状態にしていく。自慢のでんき技の効果がないことに驚くサユリだが、そういう個体もいるという可能性にすぐに思考が行き着いたようで、すぐにサンダースを戻していた。

 まぁ、サンダースじゃどうやってもベトベトンには有効打はないだろうしな。こっちとしては、毒をただで入れられただけで十分にアドが取れたし問題はない。

 

 サユリは三体目にキュウコンを出してきた。キュウコンはエスパー技を覚えるので、相性を考えてベトベトンを戻す。実況が「サトシ選手はまたもポケモン交代だー!」とか言っているが、ポケモンバトルってのはそういうもんなんだよ。

 

 こっちは三体目にケンタロスを出した。

 俺のケンタロスはじめん技を覚えているので、キュウコンにもダメージが期待出来る。当然、こちらは『じしん』を打つが、こちらの動きを読んでいたのか、サユリは『おにび』でこちらを火傷状態にしようとしてきた。

 

 ケンタロスはじめん技を打つために足を止めていたこともあり、『おにび』が直撃する。火傷状態になったことで、痛みを意識してしまい、ケンタロスの攻撃力が下がった。

 キュウコンも『じしん』のダメージを受けるが、火傷のせいもあり予定よりもダメージが入っていない。サユリはキュウコンのダメージからまだ耐えられると判断したのか、『わるだくみ』を積んできた。こちらは『ギガインパクト』で一か八か体力を削りに行く。

 

 しかし、火傷の影響が大きいのか、キュウコンの体力はギリギリ残ったようだった。追撃したいが、ケンタロスは『ギガインパクト』の反動で少しの間は動けない。

 サユリは念には念を入れ、さらに『わるだくみ』を積んできた。特攻を4段階上げたキュウコンが『だいもんじ』を打ってくる。こちらも『じしん』を指示するが、向こうの『だいもんじ』が当たる方が早くケンタロスが戦闘不能になった。

 

 

 




 原作との変化点。

・第78話『ライバル登場!』より、ロケット団が大会に参加しているので、ポケモンを盗むイベントが起きなかった。
 アニメより仲良くなっていない。ただ、良い声なので、ニューサトシはヒロシ君を気に入っている。

・第79話『セキエイスタジアム! VSヒロシ!』より、ヒロシに勝った。
 ロケット団の妨害や、リザードンの反抗という要素が何一つとして存在していないので、負ける訳がなかった。

・ロケット団がベスト8に進出した。
 勝っちゃったわ。

・六回線でフルバトルをすることになった。
 勝てばシゲル戦。ちなみに相手はアニメでヒロシ君を倒した相手である。フシギソウ以外は適当にポケモンを選んだ。


 現在ゲットしたポケモン。

 ピカチュウ Lv.51

 ピジョット Lv.46

 バタフリー Lv.46

 ドサイドン Lv.51

 フシギダネ Lv.49

 リザードン Lv.52

 ゼニガメ  Lv.48→49

 キングラー Lv.46

 カモネギ  Lv.45

 エビワラー Lv.47

 ゲンガー  Lv.49

 オコリザル Lv.46

 イーブイ  Lv.41→42

 ベトベトン Lv.43→44

 ジバコイル Lv.45

 ケンタロス Lv.44→45

 ヤドラン  Lv.45

 ストライク Lv.44

 トゲピー  Lv.10→12

 プテラ   Lv.44

 ラプラス  Lv.44

 ミュウツー Lv.70

 バリヤード Lv.42→43



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