14歳 θ月λ日 『ちゃうねん!』
当然だが、よく大会などで優勝して〇〇一年分とか貰っても、旅で持ち歩くことはできない。それは今回の件も同じであり、努力値を上げる各栄養ドリンクはマサラタウンの実家に送られることになった。
久しぶりの連絡ついでにママさんにその連絡をすると、「もう、また変なモノばかり送って!」と怒られる。いや、確かにポケモン用の栄養ドリンク各6種類一年分(一個9800円)なんて、変なものと言われても仕方ないけど大事なもんなんやって!
14歳 θ月μ日 『もしもしヒトモシ』
同じイッシュのほのおタイプポケモンということも有り、ポカブとヒトモシは割と仲がいい。当然、ポカブの方が先輩なので、いろいろとレクチャーしてあげている姿も有り、ポカブも大きくなったなぁ――と、実感する。
とはいえ、ヒトモシもいずれはシャンデラへと進化してくれれば、特攻種族値145のお化けになる。タイプはヒスイバクフーンと被るが、あいつは物理もできる両刀だし、シャンデラとの住み分けは容易に出来るだろう。まぁ、まずは何よりも進化だな。
14歳 θ月ν日 『そんな簡単に時間って行き来できるもんなん?』
セッカシティを目指している途中、ネジ山の洞窟で迷子になってしまったのだが、そこでこうらの化石を発掘したというフジオに出会った。
フジオによると、幼い頃に不思議な抜け道を通って別の世界へ行き、そこで超古代ポケモンであるプロトーガと知り合ったのだという。その時の経験が本当だったのか実証したくてずっと化石を探していたようで、今日ようやく発掘に成功したと大喜びだった。
正直、そんな簡単に別の世界とか行けるんか? と、ニューサトシは割と半信半疑なのだが、久しぶりにやってきたロケット団が化石を奪って去っていったことで事態は急変している。最近来る頻度が桁違いに下がっているから完全に油断した隙を突かれた形だ。
慌てて追いかけると、ロケット団が開発したらしい化石復元装置でプロトーガが復活してしまう。聞けば、ネジ山の地下には時空の歪みのようなものがあるとのことで、プロトーガの特殊な生体エネルギーを使えば、古代の時代へ行き来することが出来るようになるらしい。
どうやら、フジオはマジで別世界――っていうよりも古代の世界へタイムスリップしていたっぽい。
いや、まぁ、俺もアルセウスのせいで割と各時代を転々とさせられた覚えがあるが、古代の世界はいかなかったし、そもそも普通の人間はタイムスリップなどしないのである。
しかし、その証拠と言わんばかりに、かつてフジオがプロトーガに渡したらしいペンダントも一緒に復元されたようだった。
これはもうガチだろう。つまり、ロケット団の手にプロトーガが渡ったらアウトということで、何とかプロトーガを連れて逃げる。最初は警戒していたプロトーガも、俺達が守る素振りを見せると何とか一緒に来てくれるようになった。
だが、ロケット団もかなりしつこく追いかけてくる。また、その追撃の途中に、プロトーガはアバゴーラへと進化を果たしており、自分からネジ山の地下に向かって走って行ってしまった。何かを感じ取ったらしい。
俺達が追い付いた時には、既にロケット団によって時の門が完全に開かれてしまっていた。
どうやら奴らは古代のポケモンを乱獲しようとしているようだが、流石にそれは阻止する。ロケット団としても、本格的にぶつかりあって俺に勝てるとは思えなかったようで渋々という様子で撤退していった。チッ、やなかんじーし損ねたな。
が、何とかアバゴーラは助けることが出来た。また、アバゴーラも、フジオがかつて自分にペンダントをくれた少年だと思い出したようで、嬉しそうに顔を擦りつけている。
とはいえ、この門はこのままには出来ない。
どうやらアバゴーラであれば操作が可能ということで、アバゴーラにはかつての世界に戻って貰い、そのままこの扉を閉めて貰うことにした。
このままこの世界に居ても、またロケット団のような悪人にその力を悪用されるだけだとフジオもわかっているのだろう。名残惜しそうにはしていたが、それでもフジオは「これまでも、これからも永遠に友達だ」と告げて、しっかりと別れることが出来ていた。
14歳 θ月ξ日 『ここで会ったが100年目』
アスチルベタウンのバトルクラブで、かつてポカブを捨てたトレーナーを見つけたので、ここで会ったが百年目――久しぶりのマサラ正拳突き連打でボコボコにしてやった。
何か言おうとしていたみたいだが、もはや問答無用だ。ポカブの受けた苦痛の全てをわからせてやる。
オラ、オラオラ、オラオラオラ、オラオラオラオラ、オラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ――と、オラオラがゲシュタルト崩壊するレベルで殴っていく。
やり過ぎて途中でデントが俺を止めようとしてきたが、この程度ではポカブの苦しみの1/10も与えきれていない。デントは「いや、もう100倍は受けてるから! これ以上は死んじゃうから!」というが、意外と人というのは簡単には死なないものだ。
そもそも、弱いポケモンを捨てるという発想が許せなかった。そんな奴にポケモントレーナーを名乗る資格はない。
と、俺が暴れていると、ドンナマイトぶりに会ったドンから、バトルで決着を付けたらどうかと提案されたのでそれを受け入れる。
2対2と言われたが、相手のエンブオーとクイタランを見た瞬間に、ポカブだけで勝てると確信。とはいえ、一応形式上はダブルバトルなので、念のためのフォロー用にツタージャを一緒に出してやった。
ほのおタイプ相手にくさタイプを出したことで、向こうはこちらを嘲り笑っているが、ツタージャには「ポカブがピンチになるまで動かなくていい」と指示を出す。
最初はポカブも昔のトレーナーが相手ということで、未練があるのかなかなか攻撃できずにいた。しかし、ツタージャに「戦え」と一喝され、やる気を出した瞬間にチャオブーに進化して向こうの二体を瞬殺している。
また、バトル後にチャオブーからエンブオーに進化するという変則的な二連続進化を見せた。それを見た馬鹿が、エンブオーをもう一度仲間にしてやるとか意味不明なことを言っていたが、エンブオーの一撃で軽く吹っ飛ばされている。
これが、お前の弱いと言って捨てたポカブが強くなった姿だ。良く覚えて置け、このゴミ野郎。
14歳 θ月ο日 『ウルガモス、超欲しい! めっちゃほしい!』
崖の上から大岩が落ちてきたのでとりあえず破壊しようと構えていると、アクション映画の大スターだというハチクに助けられた。
まぁ、助けて貰えなくても何とかなったが、助けて貰ったのであればしっかりお礼は言う。聞けば、この大岩はこの山の守り神であるウルガモスを狙ったポケモンハンターの罠らしい。
ポケモンハンターと聞いてはほっておけねぇ。特にウルガモスは、伝説っぽく見えて普通のポケモンだからな! 俺が助けてやらないと! いや、別にゲットを狙ったりはしていない。していないったらしていない!
と、いうことで、ハチクと一緒にポケモンハンターのリンゾーをとっ捕まえた。相手はブルンゲルを二体使っていたが、俺のエルフーンの変化技とハチクのツンベアーのこおり技で完封している。
ウルガモスももう少しで捕まりそうだったが無事で何よりということで、山に帰っていった。ゲットは出来なかった、山の守り神だしな。わかっていたさ。でも、少し残念――と、思っていると、どうやらハチクがセッカジムのジムリーダーだということが判明。
これはガチ戦だと勝負を吹っ掛けると、喜んで受けて貰えることになった。ウルガモスはゲットできなかったが、ハチクとガチ戦が出来るなら良し!
14歳 θ月π日 『セッカジム ガチ戦 VSハチク』
セッカジムはこおりのジムということで、こちらもそれに応じたメンバーで行きたい。
いろいろ調子を見て、今回はキングラー、ミロカロス、ブイゼルのみずタイプ三人衆に決めた。こっちはみずなので向こうのこおり技はほぼ効かないが、向こうもこおりのため、こちらのみず技も等倍だ。ハチクがどうバトルを組み立ててくるか、お手並み拝見だな。
しっかし、お願いした次の日にはガチ戦をしてくれるとはハチクも良い奴だなぁ。
と、ホクホク顔でセッカジムに行くと、早速バトルが始まる。ハチクは一番手にバイバニラを出してくる。こちらもミロカロスを出していった。
こちらがこおりタイプに有利なほのお、はがね、いわ、かくとうをチョイスしてこなかったことに少し訝しむ様子を見せたが、みずタイプにこおり技は半減なので向こうとしては戦いづらいだろう。
さて、どう攻めてくる? と、思っていると、フィールドが霰状態になる。どうやら、バイバニラの特性は出た瞬間にフィールドを霰か雪状態にする『ゆきふらし』だったらしい。
雪状態ならこおりタイプの防御が1.5倍だが、霰状態であるなら毎ターン1/16のダメージだ。ミロカロスが物理で攻めてくることはほぼないと踏んで逆に固定ダメージでこちらを攻略しようという判断だろう。
事実、二つ前のヤーコン戦で、ステロと砂嵐の固定ダメだけでハハコモリが倒された一例だってある。天候によるダメージも僅かなものと馬鹿には出来ない。
バイバニラもミロカロスも基本特殊型だが、うちのミロカロスは特性が夢特性の『メロメロボディ』なので意外と接近戦もする。ゲームと違って、接触すればするだけメロメロ状態になる可能性が上がる以上、むしろ接近戦こそが本領と言ってもよかった。
こちらはみず単タイプである以上、弱点はくさタイプかでんきタイプのみ。やっぱ、みずタイプって優秀だよなぁ――と、思っていると、バイバニラが『フリーズドライ』を撃ってきた。
おっと、流石に『フリーズドライ』はまずい。こおりタイプの中でも、唯一みずタイプに効果抜群を得ることが出来る技だ。威力は70しかないが、効果抜群なら140、タイプ一致で210と、下手に食らったら一撃で致命傷になりかねない。
おまけに、一割の確率で相手を氷状態にするという優れた効果も持っている。それはだーめよってことで、こちらも『ねっとう』を返した。
みず技だが、相手を三割で火傷に出来るくらいの高温の水を相手にぶつける技だ。さらには使うと氷状態が治るだけあって、相手のこおり技にも強気に出せる。
威力も80と、『フリーズドライ』を上回っていることも有り、バイバニラの攻撃を押し返した。そのまま、『ねっとう』がバイバニラに当たるが、『フリーズドライ』とぶつかりあったことで温度も下がっている。
ダメージは与えたが、火傷には出来ないだろう――と、考えていると、バイバニラの体が光った。どうやら、『ミラーコート』で受けた特殊ダメージを倍にして返してきたらしい。
とはいえ、軽減したダメージを倍にしても威力はたかが知れている。ここは『ねっとう』で反撃――しようとした瞬間、ミロカロスの顎が上に跳ね上がった。
まさか、『こおりのつぶて』!? 今、『ミラーコート』を使っているのに!?
どういうことだと、バイバニラを見て謎を理解する。バイバニラは、ポケモンでも数少ない顔を複数持つポケモンだ。ドードリオやサザンドラのように、各頭には意志が存在する。
熟練のカイリキーが各腕で技を繰り出せるように、この手のポケモンは二つの技を各自一個ずつ使うことが出来るのだ。今、ミロカロスの顎が跳ね上がったのも、バイバニラAが『ミラーコート』を使い、バイバニラBが『こおりのつぶて』で妨害した。
文字にすれば簡単なことだが、各頭が別の技を繰り出す――なんてのは、カイリキーが各腕で別の技を使うことに等しい難易度があった。
それこそ、人間が意識的に左右で別の文字を書くのと同レベル。それもバトルという動きのある状態でそれを成さねばならないとしたら、それに必要な集中力は想像が出来ない。
それを、涼しい顔でやってのけたのだ。
当然、顎を跳ね上げられたミロカロスは『ねっとう』を明後日の方向に撃ち出し、隙だらけの本体に『ミラーコート』の一撃が命中する。
ダメージ自体はそこまで大きくはない。
元々、ミロカロスは特防の種族値が125とかなり高めだ。体力は良い所1/4削れないくらい――だが、ここまでのバトルで積み重なった霰のダメージがそろそろ体力を1/4程削って来る。結果、ミロカロスの体力は半分近くまで失われてしまっていた。
焦るな。
体力を回復させる手段はある。だが、まずは相手に持っていかれたこの流れを引き戻す所からだ。
無理やり接近して『まきつく』で継続ダメージと、『メロメロボディ』の誘発を狙っていく。ハチクも、わざわざミロカロスで近接戦を仕掛けてきた所から、メロメロ状態を狙っていることを読んだようで、近づけさせないように『フリーズドライ』で迎撃してきた。
ミロカロスも早いポケモンではないので、こうされると近寄れない。回避できないものは『ねっとう』で撃ち落さざるを得ないのだが、その都度『こおりのつぶて』を警戒しないといけなかった。結果、どうしてもこちらの足は止まる。
それならば、遠距離攻撃で勝つしかないのだが、何せ向こうは手数が倍に等しい。ミロカロスも受けて反撃するタイプ故に、手数でごり押しされるとどうしようもない。
ここは相性が悪いと判断して一旦引いた。同時に、霰状態も収まる。結局、こちらは体力を半分失って向こうは無傷。しかし、技は三つ使っている。状況は五分。
とても五分には見えないが、それでも俺が五分と言えばそれは五分なのだ。
と、言う訳で、ここはスピードに定評のあるブイゼルにお任せしていく。バイバニラの得意な遠距離攻撃を崩すには、スピードタイプのお前が適任だ。
しかし、ここでハチクもバイバニラを戻してきた。続けて、フリージオを出してくる。
フリージオは特殊耐久に強いタイプのポケモンだ。こちらは物理が主体なので戦いの相性はそこまで悪くなかった。問題は特性の『ふゆう』だ。ひこうタイプを相手にするほどではないが、やはり空を飛ぶ相手というのは地味に戦いづらい。
とはいえ、ブイゼルは軽いのでジャンプ力もある方だ。乱戦に持ち込めれば、相手に奪われた主導権も取り返せる――と、いうことで、ここは『かわらわり』で攻めていく。
フリージオの苦手なかくとう技だ。当然、フリージオも回避してくるだろうが、そこは『アクアジェット』で追撃をかけて攻める。フリージオは物理耐久が低いから大ダメージが期待できるはずだ。
と、思っていると、ここで『こうそくスピン』でこちらの攻撃を弾くという意外な反撃を見せてきた。苦手な近接戦は対策できているという訳か。
振り下ろされたブイゼルの腕が弾かれると、そのまま『こうそくスピン』でこちらをぶっ飛ばしてくる。タイプ不一致故にダメージはそこまでではないが、向こうは追加効果で素早が一段階上昇していた。
こちらとの距離が空くと、今度は『フリーズドライ』を使ってくる。近距離は『こうそくスピン』、遠距離は『フリーズドライ』と、しっかりした戦い方が確立されており、安定感のようなものを感じさせた。
とはいえ、直線的な攻撃なら回避はそう難しくない。『アクアジェット』で距離を詰めていく。
しかし、その瞬間、今度は『こうそくスピン』と『フリーズドライ』を同時に使ってきた。
カスミさんも良くやるユナイト殺法だ。攻撃に回転が加わることで、範囲攻撃に変わり、『アクアジェット』で懐に飛び込もうとするブイゼルを打ち落とそうとしてくる。
だが、残念ながらその行動は読めていた。
フリージオの『フリーズドライ』によって、ブイゼルの身に纏う水が氷へと変化していく。それはつまり、あの技の準備が完了したことに他ならない。
アニポケ直伝――氷の『アクアジェット』を再現して、ブイゼルがフリージオへと突撃する。シンオウでは何だかんだ、ヒカリのコンテストの練習を手助けしていたことも有り、ちゃんと氷の『アクアジェット』は練習していたのだ。
ハチクも、まさかコンテストの応用で突破されるとは思わず、これには面食らっている。そのまま、氷の『アクアジェット』でフリージオにぶつかると、衝撃で『こうそくスピン』の回転も止まった。
――ここだ。
動きが鈍った隙を突いて、脳天に『かわらわり』を落としていく。今回は軽減も何もない一撃だ。タイプ不一致とはいえ、効果抜群の一撃はフリージオに大ダメージを与える。
しかし、すぐに向こうも『こうそくスピン』で体勢を立て直してきた――が、甘い。確かに『こうそくスピン』は相手の物理技を弾けるが、何でもかんでも弾けるという訳ではなかった。
ここでブイゼルの新技である『ウェーブタックル』をぶつけていく。相手に与えたダメージの33%の自傷ダメージを自分も受けるが、威力120のみずタイプ物理技だ。
流石にこのレベルの技を弾き切ることは出来ずに、フリージオが吹っ飛ばされていく。
ハチクは『じこさいせい』を指示した。思わぬダメージを連続で受けてダメージを回復させようという狙いだろう。
だが、そう簡単に回復させて貰えると思って貰っては困る。最後の技、『ちょうはつ』を惜しみなく使って、フリージオの回復を阻止していく。
続けて、『アクアジェット』からの『ウェーブタックル』という、ピカ様の『ばちばちアクセル』からの『ボルテッカー』と同じコンボを指示した。
これが今、一番ブイゼルがダメージを与えられる一撃だ。これでフリージオの体力を削り切ってやる――と、ブイゼルが突撃していくと、フリージオも反撃に出てくる。『フリーズドライ』と『ふぶき』の合わせ技で、こちらを一気に戦闘不能に追い込もうとしてきた。
範囲攻撃になっているため、避けることはできない。水の膜が氷となり中にいるブイゼルにもダメージを与え、技のタイプがみずからこおりに変化したことで、自ずとフリージオが受けるダメージも軽減する。
よって、必殺は必殺にならず、フリージオの体力は僅かに残ってしまった。ブイゼルもまた、反動ダメージで体力がミリまで追い詰められている。
先に動いた方が勝ちの場面――だが、先に動いたのはブイゼルだった。『かわらわり』でとどめを刺さんと手を振り切る。
が、フリージオも反応した。『こうそくスピン』で咄嗟にブイゼルを弾き飛ばしていく――本来なら、これで体力がゼロになってブイゼルの敗北。だが、ブイゼルは地面にぶつかる瞬間、自身の浮袋を膨らませることで衝撃を上手く吸収してダメージを防いだ。
そのまま受け身を取り、再び『アクアジェット』からの『ウェーブタックル』で反撃に移る。フリージオはまだ『こうそくスピン』の最中だ。流石に技の途中から別の技を出してユナイトコンボには繋げられないようで、ブイゼルの必殺の一撃が今度こそ命中した。
流石のフリージオもこれには耐えきれず戦闘不能になったが、当然ながらブイゼルも反動ダメージで戦闘不能になっている。
互いに一対一で互角の状況――こちらは、ブイゼルを戻すと再びミロカロスを出した。すると、ハチクもバイバニラを出してくる。これにより、特性『ゆきふらし』で霰が発生。またも先程と全く同じ体面になってしまった。
さーて、どうやってこの不利状況を崩すか。
既にミロカロスも二つ技を使ってしまっている。『ねっとう』、『まきつく』――残る技枠で、どうにかして流れを掴まないといけない。
だが、真正面からの技の打ち合いでは勝てなかった。どうにかして、近接戦に持ち込んで動きを封じる必要があるが、接近戦に持ち込むには向こうの攻撃を避けないと駄目。
と、すると、必要なのは攻撃しながら動くことが出来る技――『なみのり』だ。
フィールドに波が発生し、ミロカロスが波に乗ってバイバニラに突撃していく。
何とかミロカロスを打ち落とそうと、『フリーズドライ』や『こおりのつぶて』で仕掛けてくるが、波の乗ったミロカロスが身軽に攻撃を躱す。水の上ならば機動力は上がるぜ。
ならばと、ハチクは敢えて『なみのり』を受けて、『ミラーコート』で反撃してきた。だが、それを敢えて受けながら、こちらも『まきつく』でバイバニラを拘束していく。
これだけ近ければ逃がさない。『なみのり』で一気に距離を詰めた今、ここはもうこちらの距離だった。
勿論、『まきつく』はそれだけでは大したダメージは与えない。しかし、接触しているという点が大きい。バイバニラが逃げようともがけばもがくほど、『メロメロボディ』によるメロメロ状態になる確率は上がる。
運の良いことに、一撃でメロメロ状態にすることが出来たらしく、バイバニラの目にハートが浮かぶ。
ハチクとしては交代したい場面だろうが、『まきつく』は相手を拘束している間はゴーストタイプ以外のポケモンは交代できないという隠れた追加効果を持っていた。
さらにこちらは最後の技として『とぐろをまく』を指示している。これにより、『まきつく』をしながら、自分の攻撃・防御・命中率が一段階上昇させていく。もはや、バイバニラを離すつもりは欠片もなかった。
これで、交代してメロメロ状態を解除することも出来ず、ハチクに出来るのは運よく技が出ることを期待して攻撃を指示することだけ――なのだが、ここでハチクに幸運が起きる。
頭が二つあるからか、バイバニラは一瞬だけ正気を取り戻したのだ。その瞬間、もうこのままでは勝てないと察して、最後の技である『だいばくはつ』を撃ってくる。
こちらは『まきつく』でゼロ距離まで近くに居たため、攻撃を回避することが出来ず、バイバニラの『だいばくはつ』をもろに受ける形となってしまった。
元々、体力は半分しかなく、霰の継続ダメージでまた体力を削られていたミロカロスにこれを受けきる余力はなく、バイバニラと共に戦闘不能になっている。
くっそー、ここで『だいばくはつ』かよ。きたねー。いや、別に汚くはないけど。
しかし、バイバニラも戦闘不能になった今、これでお互いに残りは一体ずつ。状況はまだ五分だ。それも、本当の意味での五分。後は、最後のポケモンをどう生かしていくかだ。
ミロカロスとバイバニラが同時に戦闘不能になったことで、俺とハチクも同時に最後のポケモンを出していく。
こちらはキングラー。ハチクはツンベアーを出してきた。どちらも攻撃種族値130族でパワー型、まだ霰状態が残っている分、向こうが少し有利な感じか。
キングラーとツンベアーがお互いにずんずんと距離を詰めていく。まぁ、キングラーはカニなので横歩きではあるが、射程圏内に入ると向かい合うように向きを直していた。
どうやら、向こうも真っ向勝負がお望みらしい。こちらが『クラブハンマー』、向こうは『インファイト』を指示すると、二体のポケモンはほぼ同時に動き出した。
速さはキングラーの方が上のようで、得意の一撃をボディに向けて振り抜いていく。しかし、躱されてしまった。どうやら、ツンベアーの特性は『ゆきがくれ』のようで、フィールドの霰のせいでこちらの命中率が下がっていたらしい。
隙だらけのキングラーに、反撃の『インファイト』が叩きつけられる。だが、キングラーは物理防御も高い。いくら、威力120のインファイトでもタイプ不一致では、キングラーにそこまで大きなダメージは与えられないはずだ。
ハチクもツンベアーも、キングラーの予想外の固さに顔をしかめる。もう少し柔らかいと思ったか? 舐めんなよ、これでもカニだぞ。
それに、フィールドの霰状態もこの一連の殴り合いで解除された。もう、命中率ダウン効果の特性は適応されない。おまけに、『インファイト』のデメリットで、向こうは防御、特防が一段階ダウンしている。
殴り合いになれば、こちらが有利――と、再び、『クラブハンマー』をぶち込もうとするが、ここでツンベアーは『アクアジェット』を使って、先制技の速度で攻撃を回避してきた。そのまま後ろに回り込むと、今度は『すてみタックル』をぶつけてくる。
先制技を移動技に使うとは味な真似をしてくるな。しかし、ツンベアーはお世辞にも早いポケモンではない。
もう一つの特性である『ゆきかき』や、夢特性の『すいすい』ならその弱点も補填できるが、『ゆきがくれ』の特性では他に鈍足をフォローする方法がないのだろう。
とはいえ、そう簡単に攻撃を通さない。『まもる』を使って攻撃を弾いてやる。
ツンベアーが攻撃に失敗して体勢が崩れた。
ここで、『ハイドロポンプ』を指示する。特殊技はそこまで得意ではないキングラーだが、ハサミでの追撃では『アクアジェット』による回避が間に合ってしまう。
ここは、多少ダメージが下がっても、バランスを崩したツンベアーにダメージを与えておきたかった。『ハイドロポンプ』の一撃で、ツンベアーが吹き飛ばされていく。
特攻は低いとはいえ、タイプ一致『ハイドロポンプ』の直撃だ。それも、特防が一段階下がっているのであれば、等倍でもダメージは期待できる。
少なくとも、最初に受けた『インファイト』分のダメージはこれで取り返した。とはいえ、向こうがヒット&ウェイに重きを変えたことで、殴り合いはこちらが不利になっている。
実際、ツンベアーに先制技の速度で動かれてはキングラーでは追いつけない。ならば、一撃を耐えて返しの刀で敵を倒すしかなかった――キングラーが攻撃を受ける覚悟を決めてハサミを構える。
ここで、ハチクは最後の技として、『ぜったいれいど』を指示してきた。一撃必殺で防御関係なしに止めを刺そうという狙いのようだ。
それならこちらも『ハサミギロチン』で返してやる。こちらの体力を奪うために発射された冷気を、一撃必殺の刃で切り裂いていく。
一撃必殺を一撃必殺で返す――ぶっちゃけ、そんなことをしなくても『まもる』で一撃は防げた。
だが、今ハチクはこの想定外の対処法に動揺している。この一瞬の隙が欲しかったのだ。
キングラーが右のハサミを後ろ手に構えて『ハイドロポンプ』を発射する。その勢いで、キングラーの体が一気にぶっ飛んだ。
それは、まるでツンベアーが『アクアジェット』を使うのと同じくらいの速さでキングラーは相手との距離を詰めていく。ハッと気づいたハチクもすぐに回避指示を出したが、こちらが懐に飛び込む方が一瞬早かった。
移動前、『ハイドロポンプ』を撃つ方とは逆のハサミに仕込んでいた『クラブハンマー』の一撃が、ツンベアーのボディに深く突き刺さっていく。
二種類の技の同時発動――高等技術ではあるが、当然ながらキングラーもしっかりと収めている。ツンベアーも何とか『アクアジェット』で距離を取ろうとしてくるが、キングラーはそれを許さなかった。自慢のハサミで腕を掴み、脱出を阻止する。
それならばと、ゼロ距離『ぜったいれいど』を撃ってくるが、今度こそ『まもる』でガード。ハチクが二度目を命じる前に、そのまま返しの『ハサミギロチン』で一刀の元――ツンベアーを戦闘不能に持っていった。
これで、ハチクのポケモンが三体全部戦闘不能となり、こちらの勝利が決定する。流石はキングラー、危なげなく勝ったな。やっぱ、カントー組は安定感が違う。
ハチクも、「いいバトルだった」とこちらを称賛しながら、勝者の証であるアイシクルバッジを渡してくる。これで何だかんだ七つ目か、後一個でイッシュリーグに参加できるが、今の所は特に参加しようとは思っていなかった。
また、最後のジムはソウリュウジムということで、アイリスの故郷の近くらしい。ってことは、相手はドラゴンタイプだな。今から戦うのが楽しみだぜ。
原作との変化点。
・第74話『キバゴ救出! アイアントの巣!!』より、ハハコモリへの進化タイミングが違うため事件が起きなかった。
そのため、キバゴの大冒険(本人睡眠中)はカットされている。
・大会後にママさんからおしかりを貰った。
まぁ、大体大会の景品などは全部家に送っているので、ママさんもいつも整理に困っているのだろう。
・ヒトモシも大分慣れてきている。
少し前に仲間になったばかりだが、大分馴染んできたようで他のポケモン達とも仲良くしている。
・第75話『ネジ山の激闘! アバゴーラの奇跡!!(前編)』より、ニューサトシが異世界に懐疑的。
自分が散々時間移動などをしているからこそ、そう簡単に世界を移動できるのか? と、首を傾げている。
・第76話『ネジ山の激闘! アバゴーラの奇跡!!(後編)』より、ニューサトシが太鼓の世界へのタイムスリップを信じた。
流石に目の前で見せられては信じざるを得ない。
・第77話『炎のメモリー! ポカブVSエンブオー!!』より、ニューサトシがポカブの元トレーナーをボコった。
ドンも思う所があったので、ニューサトシがある程度制裁を入れるまでは見て見ぬフリをしている。また、原作と違って力の差があったので、ツタージャは置物でポカブ一体で相手を蹂躙した。
・エンブオーまで進化した。
変速二段進化している。
・第78話『ハチク登場! ウルガモスの聖なる山!!』より、ニューサトシがあわよくばウルガモスゲットを画策していた。
が、流石に山の守り神なのでゲットはむずかしかった。
・第79話『セッカジム戦! 氷のバトルフィールド!!』より、頭が複数あるタイプの特殊機構が解禁された。
ドードリオなどもそうだが、頭が複数あるからこそ頭毎に別々の技が出せる。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.67
ピジョット Lv.61
バタフリー Lv.61
ドサイドン Lv.64
フシギバナ Lv.61
リザードン Lv.66
カメックス Lv.61
キングラー Lv.61
カモネギ Lv.61
エビワラー Lv.61
ゲンガー Lv.63
コノヨザル Lv.61
イーブイ Lv.61
ベトベトン Lv.61
ジバコイル Lv.61
ケンタロス Lv.61
ヤドラン Lv.61
ハッサム Lv.61
トゲキッス Lv.61
プテラ Lv.61
ラプラス Lv.61
ミュウツー Lv.76
バリヤード Lv.61
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.60
カビゴン Lv.61
ニョロトノ Lv.60
ヘラクロス Lv.60
メガニウム Lv.60
バクフーン(ヒスイの姿) Lv.60
ラティアス Lv.58
ヘルガー Lv.59
ワニノコ Lv.59
ヨルノズク(色違い) Lv.58
カイロス(部分色違い) Lv.58
ウソッキー Lv.59
バンギラス Lv.62
ドンファン Lv.59
ギャラドス(色違い) Lv.59
ミロカロス Lv.55→56
ラグラージ Lv.54
オオスバメ Lv.54
ジュカイン Lv.54
ヘイガニ Lv.54
フライゴン Lv.59
コータス Lv.52
サーナイト(色違い) Lv.48
オニゴーリ Lv.52
ワカシャモ Lv.51
メタグロス(色違い) Lv.51
エテボース Lv.49
ムクホーク Lv.48
ドダイトス Lv.47
ブイゼル Lv.48→49
ムウマージ Lv.51
カバルドン LV.47
ミカルゲ Lv.57
グライオン Lv.46
ロトム Lv.47
ユキノオー Lv.46
ガバイト Lv.43
ゾロア(ヒスイの姿) Lv.32→33
コモルー Lv.41
カイリキー(変異体) Lv.42
ミジュマル Lv.38→39
ポカブ→チャオブー→エンブオー Lv.38→40 NEW!
ツタージャ Lv.38→39
ズルッグ Lv.29→30
ハハコモリ Lv.36→37
ペンドラー Lv.37→38
エルフーン LV.37→38
ギガイアス Lv.37→38
ワルビル Lv.41
ヒトモシ LV.34→35