ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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♯304 『俺を誰だと思ってやがる?』

 15歳 μ月κ日 『メスなのに……』

 

 いざポケモンヒルズにやってきたのだが、そこでイッシュ地方の伝説ポケモンであるゲノセクトを見つけた。

 なんでゲノセクトがこんな所に? と、首を傾げていると、『ウチニカエリタイ』と子供のように泣くではないか――流石の伝説・幻嫌いのニューサトシも、泣く子には勝てない。と、いうか、ゲノセクトはミュウツーと同じで半分は人間に作られたポケモンだから、ニューサトシの中では割と特別枠なんだよな。

 

 ゲームでもゲノセクトは、プラズマ団の都合でカセキから復活させられたのに、ポケモンを改造するなんて間違っているとNに拒絶されて研究者からも見放されてしまう可哀想なやつなのである。なんていうか、ほら泣くな――って感じ。

 

 なので、ゲノセクトが家に帰りたいというなら探してやってもいいくらいには思っている。話を聞いていたデントに「彼の家がどこにあるのかわかるのかい?」と聞かれたが、そんなことは知らん。

 知らないが、泣く子を放置して帰ったんじゃ男が廃るだろ。と、言うと、アイリスも「まぁ、サトシがポケモンを助けるのは今に始まった話じゃないもんね」と、笑っていた。いや、俺は別にNみたいなことしたつもりはないぞ。

 

 とりあえず、多分こいつらを復活させたのプラズマ団だから、ハンサムさんに頼んでこいつらの住んでいた場所とか調べて貰えば何とかなるだろう――と、思っていると、どこからともなく赤いゲノセクトが現れてこちらに攻撃を仕掛けてきた。

 

 また、赤いゲノセクトによって、こちらにいた泣き虫のゲノセクトも攻撃するよう命令している。泣き虫は抗っているようだが、どうも赤いゲノセクトは泣き虫よりも上位個体のようで、命令に逆らうのは難しいみたいだった。ならば仕方ない。

 

「撃てよ」

 

 そう言うと、泣き虫が首を横に振る。

 

「いいから撃て。その程度でどうにかなるなら、とっくの昔にくたばってる。俺を誰だと思ってやがる?」

 

 と、言うと、限界だったのか泣き虫がこちらに向かって専用技である『テクノバスター』を発射してきた。背中にはめられたアクアカセットから見ても、こいつはみずタイプの『テクノバスター』を使うらしい。一番実用性があるやつで良かったな。

 

 とはいえ、流石に直撃を受けたら無傷では済まないので波動で防御――しようとすると、突如としてミュウツーが現れ、『テクノバスター』を防いでくれた。

 

 しかし、その勢いを止めきれずに、そのまま地面の中まで突き抜けてしまう。おいおい、お前にしては雑な止め方だな――と思ったが、よく見ると俺のミュウツーではない。念のためにマスターボールに視線を向けると、中にはミュウツーが居るままだった。

 

 えっ、野生のミュウツー? あっ、そういえば、そんな映画があったようななかったような? と、思っていると、ミュウツー(♀)がピカ様やラティに無事かどうか確認してくる。

 アイリスやデントもお礼を言ったが、どうもこのミュウツー(♀)は人間があまり好きではないようで、俺達にはかなりの塩対応だった。にしては、俺達まで助けてくれている辺りツンデレな感じだ。

 

 と、思っていると、ようやく俺のミュウツーがマスターボールから出てきた。そのまま、二体のミュウツーが向かい合う。

 

『あなたは……そうですか、私と同じ存在がこの世にいたんですね』

『我々の他にもう一体の存在を確認している。そいつは、良いトレーナーに出会えた』

『あなたも、ですか?』

『そうだな。私も、また救われている』

『羨ましいことです』

『そうか? お前は、私達とは違う答えを見つけている。なら、それでいいと私は思う』

 

 そんな数少ない会話をすると、ミュウツー(♀)はどこぞへと立ち去って行った。

 

 とりあえず、空気を和ませるために、「いいのか? せっかくのメス個体なのに……」と声をかけたが、『伝説のポケモンにタマゴが生まれないのは知っているだろう』と、上手く返されてしまう。

 

『いいのだ。あの者はあの者で自身の在り方を定めている。こちらが干渉する必要はない』

 

 まぁ、ミュウツーがそう言うならいいか。と、思いながら、とりあえずポケモンセンターへ向かう。特にダメージを受けた訳ではないが、ミュウツー(♀)も心配してくれていたし、爆風の影響を受けていないか念のために調べて貰うためだ。

 

 しかし、ポケモンセンターで回復を受けていると、何やらポケモンヒルズ全体に非常警報が鳴り響く。外に出てみると、泣き虫とは違う個体を三体連れた赤いゲノセクトがポケモンヒルズで暴れていた。

 よく見ると、残りの三体も、ブレイズ、イナズマ、フリーズのカセットをつけている。この三体と、アクアカセットをつけた泣き虫と、イレギュラーの赤を含めた五体のゲノセクトがこの街にいて、何かをしようとしているようだった。

 

 ポケモンヒルズのポケモン達も、いきなり襲い掛かってきたゲノセクト達と戦いを始めるが、腐っても伝説ということもあり手も足も出ずに倒されてしまう。

 仕方ないので、ミュウツーを出して応戦しようとすると、どこからともなくミュウツー(♀)が現れて、赤いゲノセクトの説得を始めた。しかし、赤いゲノセクトは完全にこちらを敵とみなして対話に応じようとしない。

 

「おい、メスミュウツー! こういうタイプは一度ボコんないと話伝わんないぞ!」

『戦うのは最後の手段です。まずは対話。話し合いで解決することを私は望みます』

 

 一応、忠告はしたが、聞く耳を持ちそうにないので、仕方なくこちらはこちらで動くことにする。

 

 赤いゲノセクトや他三体はここにいるが、泣き虫がいない。ってことは、別の場所で何かをしているのだ。

 ミュウツーに頼んでそこに『テレポート』して貰うと、見知らぬ広間で泣き虫は水面に浮かぶ花を見てぼんやりしていた。しかし、こちらに気付くと、『サッキハゴメン』とすぐに謝ってくる。

 

 あれは俺が撃てって言ったんだから気にすることはねーんだよと言うと、泣き虫も嬉しそうにこちらに近寄って来た。

 

 聞けば、泣き虫はこの場所が好きらしい。昔住んでいた所と同じ花があると、水面に浮いている花を見て喜んでいた。

 上を見ると、ゲノセクトが作ったらしい巣のようなものが見える。どうやら、赤いゲノセクトの目的はこの場所に自分達の住処を作ることだったようで、だからこの場にいる他のポケモンを敵対視していたのだろう。

 

 とはいえ、あいつらが生きていた弱肉強食の昔と違って、今の世界にはルールがある。こいつらにしてみれば、いきなり復元されてそのルールに従えというのは業腹だろうが、それでも他のポケモンから居場所を奪うのを黙っている訳にはいかなかった。

 

 しばらくすると、赤いゲノセクトが配下の三体を連れてこちらに合流してくる。また、ミュウツー(♀)も、メガミュウツーYの姿になってこちらにやってきた。トレーナー無しでメガシンカできるとかマ?

 

 他にもポケモンヒルズに住んでいる全てのポケモンがやってきて、今にも戦争がはじまりそうな場面――否、戦争が始まった。

 ミュウツー(♀)の最終通告に対し、赤いゲノセクトが戦う意思を示したことで、ゲノセクト軍団VSミュウツー(ポケモンヒルズ軍)の図式となって争いを始めている。

 

 まるでミュウツーの逆襲みたいなワンシーンだなと思いながら見ていると、泣き虫はやはり戦うのを嫌がっていた。

 それでも赤いゲノセクトが無理に戦わせようとするので、波動で精神防御してやる。上手く命令を弾けたようで、泣き虫から苦痛のようなものが消えていた。

 

 泣き虫への命令を失敗した赤いゲノセクトだったが、ミュウツー(♀)を相手に余裕がないのか、仕方ないと言わんばかりにそのまま外へ飛び出していく。かなり早いな、見えはするが追い付けるかは少し怪しいぞ。

 

 だが、外を気にする余裕はなかった。ゲノセクト軍とポケモンヒルズ軍の争いの中、火がゲノセクトの巣のようなものに引火してしまい、ポケモンヒルズが燃えそうになってしまったのだ。

 慌ててみずポケモン達が消火しようとするが、どうも火の勢いが強くて消しきれない。泣き虫も頑張って火を消すのを手伝っていると、その姿を見た他三体のゲノセクトもヒルズのポケモン達と協力して消火のために動き出した。

 

 しかし、外にいる赤いゲノセクトとミュウツー(♀)だけは未だに戦い続けている。

 

 ふざけるな。こういう時こそ一致団結する時だろうが――と、いうことで、俺の怒りに釣られてきずな化したミュウツーに頼んで二体をボコって連れて来てもらう。

 いくら相手がよくわからい超神速バトルをしていても、俺のきずなミュウツーに勝てるはずもなく、きずなミュウツーは一分で二体の首根っこ引っ張ってこちらに連れてきてくれた。

 

「聞け、馬鹿野郎ども! 特に赤いの! お前の戦う理由はここに住処が欲しいからだろうが! その住処が壊れそうになってんのに、壊す方に加担してんじゃねーよボケ! 後、そっちのメスミュウツー! お前も、あれだけ対話対話言ってたのに、この状況を見て何で戦いを止めねぇんだよ! お前はこっちに協力する側だろうが!」

『私は人間のために動いている訳では……』

「ここが壊れたらポケモン達の住処もなくなるって言ってんだろうが! お前の耳にはヒマナッツでも詰まってんのか!? とりあえず、今は非常事態だ! 戦うのは後にして、今はこの状況をどうにかするのを手伝え、いいな!?」

 

 と、叱ると、赤いゲノセクトもミュウツー(♀)も協力して何とか火を消すことが出来た。また、同じ目的に向かって協力したことで、赤いゲノセクトと泣き虫を除く三体のゲノセクトもポケモンヒルズのポケモン達と仲良くなっている。

 

 元々、泣き虫は融和派なので、後は赤いゲノセクトが納得するだけだが、ミュウツー(♀)の説得もあって、『ミンナナカマ』と、どうやら赤いゲノセクトも納得できたらしい。

 これで問題は解決――ということで、後はこいつらの住処についてだが、聞けばこの近くに三億年前から咲いている泣き虫が好きだと言っていた花が咲いている土地があるようで、そこをゲノセクト達の新しい住処にしてはどうかという提案があった。

 

 早速行ってみると、泣き虫も『ココスキ』と喜ぶ様子を見せている。ここなら、大きな巣を作っても誰にも迷惑はかからないだろう。

 赤いゲノセクトも悪くないというように頷いて、他のゲノセクトを連れてこの場所に散っていく。泣き虫も、『バイバイ』と新しい住処に帰っていった。まぁ、いろいろ大変だろうけど元気でな。

 

 

 追記。ミュウツー(♀)からゲノセクトの住処を見つけたお礼を言われたが、別に頼まれてしたことではないのでお礼を言われることでもない。お前がどこに帰るのかは知らないが、まぁ元気にやってくれればそれでうちのミュウツーも満足だろう。

 

 

 

 15歳 μ月μ日 『ぶらり途中下船の旅』

 

 ゲノセクトの件を解決して、そのままカノコタウンのアララギ研究所に帰ってきた。

 アララギ博士に、マサラタウンに帰る旨を伝えると、それならデコロラ諸島を回ってはどうかと提案される。ふむ、時間はあるし、ゆっくり船旅して戻るのも悪くない。ラティも「ふねのる!」と言っており、アララギ博士が船のチケットを買ってくれた。

 

 そのままいざ船の旅へ――と、思ったら、いつものようにロケット団が変装して別の船に乗せようとしたのでやなかんじーにしてやっている。

 思えば、あいつらがこういう変装をしているのは久しぶりに見たが、やはり俺以外に気付かないのはどうかと思う。まぁ、これはアイリスやデントだけじゃなくて、他の全員に言えることなのだが。

 

 と、思いつつも、今度こそデコロラ汽船に乗っていく。さぁて、これからしばらくは優雅な船旅だな。

 

 

 

 15歳 μ月ν日 『蜂蜜ではなくハニー蜜』

 

 デコロラ諸島を船で経由しながらゆっくりカントーに帰ることになったのだが、その途中にミツハニーのハニー蜜が有名だというハニー島に寄っていくことにした。

 途中、またいつものようにロケット団がやってきたが、サクッとやなかんじーにしている。最近はまた前のようにほぼ毎日襲ってくるようになったし、こちらとしても何か今まで物足りなかった感じがなくなって少し気分が良い。

 

 ハニー蜜を使ったスイーツはなかなかに美味で、ラティやゾロアも満面の笑みで喜んでいた。

 

 

 

 15歳 μ月ξ日 『知らんぷりしていればバレなかったかもしれないのに』

 

 船上でポケモンバトル大会・マリンカップトーナメントが開催されるというので参加していくことにした。

 当然の如く優勝したが、大会の途中に何やら事件があったらしい。聞けば、宝石コレクターのリップルが大事にしている宝石が盗まれてしまったということで、デントがソムリエ探偵となって現場を調査している。

 

 ぶっちゃけ、探偵ごっこはもういいのだが、部屋にはポケモンの水分らしきものが落ちており、みずポケモンかこおりポケモンの仕業だとデントが推理していた。

 ポケモンの技であるなら、別にタイプは限定できないのでは? と、思ったが、デントはポケモン大会に出ていたタイドという人物が怪しいと睨んでいるらしい。

 

 根拠を聞いてみると、タイドは大会中ずっとバニプッチを使っていたのに、決勝戦だけはデンチュラを使っていた。でんきポケモンの電気攻撃で意図的に電気トラブルを発生させ、バニプッチの氷で合鍵を作ったのではないか――と、いうことだった。

 

 確かに、バトルの途中で何故か電撃が明後日の方向に逸れたことはあったな。てっきり、バランスを崩したからかと思っていたが、わざととも取れなくはない。氷で合鍵を作るのも、それだけ複雑なものだと確かにこおりポケモンでないと難しいだろう。

 

 後は証拠だけか――と、思っていると、デントの推理を隠れて聞いていたらしいタイドが逃げ出したということで、船に隠れて犯人を捜していたという特別犯罪捜査官のカレントによってタイドは逮捕されて宝石も無事にリップルの元に戻ってきた。

 

 あくまで推測だったんだから、知らんぷりしていればバレなかったかもしれないのに。

 

 

 




 原作との変化点。

・劇場版神速のゲノセクトより、泣き虫のゲノセクトと仲良くなった。
 泣く子には勝てないというが、ニューサトシの中でゲノセクトは伝説の中でもミュウツーと同じ特別枠なのもあって対応が普通の伝説よりも優しい。

・超神速バトル。
 見えはするが、追い付くのは難しい。ミュウツーがきずな化してやっと追い付けるレベル。

・第123話『さらばイッシュ! 新たなる船出』より、ロケット団の変装を見破った
 未だに見破れるのが自分だけなことに、地味に恐怖を感じている。何度もばいきんまんに騙されるアンパンマンを見ている気分。

・第124話『甘いハニー蜜には危険が一杯!』より、野生のスピアーには襲われなかった。
 巻き込む前にやなかんじーにしているため、事件が起きなかった。

・第125話『ソムリエ探偵デント! 大海原の密室!!』より、ニューサトシは口出ししなかった。
 地味にデントは、ニューサトシを探偵ライバルに認定しており、事ある毎に推理勝負をしたがっている。が、ニューサトシは別に探偵ではないので遠慮している。なんでや工藤!?



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