15歳 β月ι日 『いたな。そんなやつ』
本番二日前、リーグ申し込みも終えて顔見せもしたが、まだ本戦が始まるまで時間がある。少しでも周りのデータを集めようと、部屋に戻ってチャンピオンリーグの参加者を見ていると、マサトが「あっ、この人!」と声を上げた。
名前を目で追うと、テツヤと書かれたトレーナーだった。クリックすると、詳しい情報がピックアップされている。見れば、ホウエン地方キンセツシティ出身のトレーナーのようで、最近名前を上げているらしい。
マサトからは「サトシと一緒に旅してた頃のホウエンリーグで優勝したんだよ」と言われるがあまりピンと来なかった。首を傾げていると、「ほら、長靴を履いたニャースだよ!」と言われて、俺もようやく思い出す。
ああ、原作のサトシ君キラーの一人か! 言われてみれば、あの当時俺の代わりにホウエンリーグに参加していたヒロシ君を倒していたっけか。そうかそうか、あの時に優勝していたのか、あの年はチャンプオンリーグをキャンセルしてバトルフロンティアに挑戦していたし、顔は全く覚えていなかったぜ。
ん? ってことは、去年どこかで戦っていたのか? いや、長靴をはいたニャースと戦えば流石に思い出すはずだ。ってことは、多分俺以外の誰かに負けちまったんだろうな。
と、思いながら参加者を見ていると、キングの名前も見つける。去年はシンオウリーグでムサシに負けてしまっていたが、こいつもしっかりとまたチャンピオンリーグの参加権利をしっかり得て来たらしい。
しっかし、こうしてみると結構知っている奴が多いな。まぁ、毎年のように参加していれば顔を覚える奴だって出てくるし、新人も今年は殆どが知り合いなので例年よりも顔見知りが増えたように感じるのだろう。
どの道、ここにいる全員を倒さなければ先には進めない。悪いが、手加減なしでぶっ飛ばしていくぜ。
15歳 β月κ日 『俺らのせいらしい』
チャンピオンリーグは意外と四天王やチャンピオンも見学に来るらしい。うちのシロナやシゲルの師であるワタルは弟子の行方が気になるのはわかるが、今年はカントーのレッドやガラルのダンデを除く、殆どの地方のチャンピオンや四天王が来ているということだった。
今年は何か特別な催しでもあるのか? と、首を傾げていると、どうやらチャンピオンや四天王達の目的は俺とシゲルらしい。
去年のグリーンを含めた三すくみを見て、俺とシゲルが次に四天王リーグ入りする可能性が高いと思ったようで、その実力を見定めに来たという感じとのことだ。
また、今年のチャンピオンリーグは例年よりも参加者が少ないと言っている。基本的に毎年40人前後集まるイメージだが、今年は30人いるかいないか程度しかいないのだという。
これもまた、俺とシゲルのせいだということだった。去年のグリーンとの死闘を含めたバトルで実力差を感じた結果、ベテラン勢の一部は俺やシゲルが抜けるのを待つ(つまり参加しない)選択肢を取ったらしい。負けるのがわかっているから、強い奴は先に行ってくれってことだな。
その上で、毎年数人いる諦め勢も含めた結果、今年は急激に参加者が少なくなってしまった訳だ。とはいえ、これは別に珍しいことではないらしい。
俺達に限らず、飛びぬけて強いトレーナーが複数人固まる年には、割とこういうことが起きるのだという。だからこそ、四天王やチャンピオン達が興味を示したとも言える。
改めて、カントーからは、ブルー、カンナ、キクコ、グリーン――と、レッドを除く全員が。
ジョウトからは、イツキ、キョウ、シバ、カリン、ワタルと全員が。
ホウエンからは、ゲンジとダイゴの二人が。
シンオウからは、リョウ、キクノ、オーバ、ゴヨウ、シロナの全員が。
イッシュからは、レンブ、カトレア、アデクの三人が。
カロスからは、カルネがこのチャンピオンリーグを見に来ているとシロナは口にする。
また、他にも俺の知らない地方からも、ぼちぼち人が来ているらしい。基本的に、この時期は四天王リーグの調整のためにシロナやワタルのように個人的な用でもない限り集まることはないというが、今年はVIP席がギチギチで居場所がないとシロナもため息を零していた。
ま、今の内にワイワイ楽しませておけばいいさ。始まれば、応援は俺一色になるんだからよ――と、言うと、「全く、口だけは一人前なんだから!」と笑っている。
まぁ、見とけよ。今年はもう口だけじゃないって所をしっかり見せつけてやるからさ。
15歳 β月λ日 『さぁ、始めるぞ』
遂にチャンピオンリーグが始まった。同時に、一回戦の組み合わせも決まったので見に行くと、俺の一回戦の相手はシュー太郎さんだった。
初年度の新人は、基本的には二年目以降と組み合わされるパターンが多いとはいえ、大体は二年目が優先して選ばれるはずなのだが、どうやらシュー太郎さんはあまりくじ運が良くないらしい。
しかし、相手が俺というベテランに決まってもシュー太郎さんに悲観した顔はなかった。
むしろ、「手加減しないで下さいよ、先輩」と、不敵な笑みを見せてくる。いいじゃねぇか、強がりにしても上等だ。
当然ながら手加減する気はない。選ばれた六体を連れてバトルフィールドに向かう。
今回は運の良いことに、一回戦第一試合が俺達だった。開幕を戦えることに感謝しつつ、お互いにボールを構えていく。こちらの一体目はオオスバメ、シュー太郎さんはケンホロウだ。
お互いにひこうタイプということで、制空権を奪おうとそのまま上昇していく。しかし、オオスバメの方が素早は上だ。逆にケンホロウの方が攻撃は上だが、シュー太郎さんの飛行技術で果たしてうちのオオスバメが捕まえられるかな?
シュー太郎さんのケンホロウは特性が『きょううん』ということもあって、急所を狙う戦い方をしてきた。『エアカッター』という全体攻撃故に回避の難しい急所技を撃ってくる。
だが、うちのオオスバメは速いぞ。『でんこうせっか』で速度を上げて、『エアカッター』の風を躱していく。そのまま、速度を維持したまま『ブレイブバード』で反撃を指示した。
ならばと、シュー太郎さんも『ブレイブバード』で反撃を指示してくる。単純な種族値ではオオスバメの攻撃はケンホロウには及ばない――が、レベル差やスピードに乗った勢いなどの相乗効果を考えれば、その及ばないパワーも補えていた。
また、オオスバメは真正面から馬鹿のようにぶつかるのではなく、そのスピードを利用して敢えて斜めからぶつかることで、相手のパワーを受け流して自分の力が100%伝わるように攻撃を仕掛けている。
今までオオスバメはその有り余る速さを持て余していたが、この一年で速さを利用して有利に立ち回る方法を模索したのだろう。
ピジョットのように飛行技術や技の技術が飛びぬけている訳ではなく、突き抜けた速さという一点のみで相手を翻弄する。自分の強みを最大限に押し付ける戦い方をあいつは完成させた。
しかし、シュー太郎さんもただでは引かない。こちらが足を自慢するのであればと、『おいかぜ』を指示して速力を上げてくる。
その間に、こちらは『きあいだめ』で急所率を上げておいた。向こうが速度を補ったように、足りない力は他の場所で補えばいい。
そのまま、シュー太郎さんは最後の技として『ゴッドバード』を指示してきた。貯めに時間はかかるが、ひこうタイプの中では最強と言って良い技だ。
その威力は脅威の物理140――と、『ブレイブバード』すら上回る。おまけに三割の確率で相手を怯ませ、尚且つ急所に当たりやすいと、『きょううん』にも対応する追加効果を持っていた。
だが、それでもこちらの攻撃は変わらず、『でんこうせっか』からの『ブレイブバード』から変えるつもりはなかった。
向こうがパワーを貯めている間に、オオスバメがスピードに乗っていく。その後、『おいかぜ』に乗って飛び出したケンホロウに向かって、真っ向からぶつかっていった。
ぶつかるまではほぼ一瞬――だが、ニューサトシのマサラアイは、それまでの細かい行動を見逃さなかった。
先程の反省を生かしてか、オオスバメが動きを変えるとケンホロウもそれに合わせて向きを変え、なかなか有利ポジションを譲ろうとしてくれない。
純粋な技の威力は向こうが上で、攻撃種族値も上、足りない速度も補われて、圧倒的にこちらが不利な状況だ。このままぶつかれば、オオスバメが間違いなく敗北する。
――ならば、ぶつからなければいいだけだった。
ギリギリで身を反らし、オオスバメが接触を回避して互いにぶつからずに突き抜けていく。シュー太郎さんは「なっ、これでは技の打ち損じゃ――」と声を上げる。
残念ながら違うんだなぁ。
確かに、そちらの『ゴッドバード』はタイミングを逃して効果は消滅した。俺も『でんこうせっか』からの『ブレイブバード』を指示はしたが、今の状態が『ブレイブバード』の状態だとは一言も言っていない。
そう、有利が取れなかった段階で、オオスバメは攻撃をキャンセルしたのだ。『でんこうせっか』状態のまま相手とすれ違い、その勢いを維持したままUターンして有利を奪う。
向こうは切り札の『ゴッドバード』を失敗した。シュー太郎さんも焦ってすぐに『ブレイブバード』を指示するが、今からでは発動は間に合わない――逆に十分な加速を得たオオスバメの『ブレイブバード』(急所)は、一気にケンホロウを戦闘不能に持っていった。
技の連携は最速でなければならないという決まりはない。逆に敢えて遅く発動することで、相手と違って技を使うか使わないかをギリギリまで選択できることもある。ま、状況によりけりだがね。
とはいえ、ブレバの反動でオオスバメもまぁまぁダメージを受けている。ここは向こうの交代に合わせて一度戻すべきだろう。
誰を出すか――今、シュー太郎さんはリズムを乱されて動揺している。ならば、ここはそれを加速させて一気に流れを掴む場面。と、なると、中軸たるお前に任せようということで、二体目はピカ様を送り出す。
シュー太郎さんはここで相棒のジャローダを出してきた。どうやら、俺がここでピカ様を出してくるのを読んでいたらしい。思えば、このジャローダとピカ様が戦うのは、それこそアララギ研究所で最初にバトルした時以来か。
あの時はただの稽古にしかならなかったが、今のお前達にうちのピカ様を落とすことが出来るかな?
と、思っていると、シュー太郎さんは開幕『やどりぎのタネ』を使ってこちらの体力をドレインしようと仕掛けてきた。
流石に受けてやる訳にはいかないので、『ばちばちアクセル』で回避して、急所に一撃を入れさせて貰う。でんき技はくさタイプに威力半減なので、そこまで大きなダメージにはならないが挨拶にしては十分だろう。
こちらがそう簡単に捕まらないとわかると、シュー太郎さんは『にほんばれ』を指示してきた。どうやら、そのまま得意の『ソーラービーム』に繋げるつもりらしい。
流石にそんな隙は見逃せないと、『アイアンテール』でダメージを稼ぐと、『ソーラービーム』が発射されたので、『10まんボルト』でビームの向きを変えて直撃を防いでいく。
最後は『せいちょう』で火力を上げて『ソーラービーム』を撃ってきたが、こちらも青い『10まんボルト』のエネルギーを『アイアンテール』にプラスした強化型『アイアンテール』で切り裂いた後に、そのまま一刀の元倒している。
「ジャローダ!?」
切り札のJVA(ジャンピングボルテッカーアイアンテール)を見せるまでもなく終わった。おそらく、上手く急所に当たったのだろう。
しかし、偶然という要素が介入したとはいえ、シュー太郎さんにとって相棒のジャローダが何も出来ずに負けたというのはかなり精神的ショックが大きいはずだ。実際、俺もリザードンが何も出来ずに倒れたら動揺しない自信がない。
とはいえ、急所はこちらにしても出来過ぎだったが、仮にこの一撃で倒しきれなくても、連打で沈んでいたのでそう結果が変わった訳ではないがな。
シュー太郎さんは厳しそうな顔をしながらも、「まだだ!」と声を張り上げる。昔は基本の教科書通りなバトルで、突発的なイレギュラーに混乱してそのままズルズル負けていたイメージだが、やはりこの一年でしっかり成長しているらしい。
正直な話、冗談でもお世辞でもなく、シュー太郎さんもジャローダは強くなっていた。
レベルも上がって、こちらとの差は縮まったと言って良い。本来であれば、戦い方次第でピカ様に肉薄することもあっただろう――この一年で俺達が成長していなければ。
この一年は、俺やピカ様にとって大きな変換の年と言って良かった。これまで、ピカ様はその速度や器用さを活かして中軸を担うことが多かったし、今もその役割は変わっていないが、今までと違って奥の手に相応しい火力を手に入れている。
たらればの話にはなるが、もし去年のシゲルとの最後の戦いで今のピカ様が戦っていれば、俺は負けていなかっただろう。それだけ、この一年でピカ様が手に入れた力は大きい。
だからこそ、あまり青い『10まんボルト』をシゲルには見せたくなかった。今も、『アイアンテール』の強化に使って上手く誤魔化したつもりだが、あいつの目を欺けたかどうかは少し怪しい。
だが、それでもあの場面は使うべきと判断した。後のことを考えて温存したまま負けるくらいならば、切り札を使った方が良いに決まっている。結果、シュー太郎さんは相棒を失って動揺するという事態に陥っていた。
さてさてさーて、ここからどう出て来るかな?
原作との変化点。
・リーグ参加者の情報収集をした。
長靴をはいたニャースでお馴染みのテツヤさん。地味に三年目。
・四天王やチャンピオンがこぞって見学に来ている。
ニューサトシとシゲルはかなりの噂になっているらしい。ただ、ガラルには四天王の概念がないのと、ダンデの迷子癖のせいで不参加。
・一回戦はシュー太郎さんと当たった。
流石に読んでいた人が多かった。当然ながら、一年目のシュー太郎さんは頑張ってはいるが、トレーナーとしての技術もポケモンのレベルも何もかもが足りていないため、集中育成で誤魔化している状態。そのため、手持ちは地方リーグ決勝と変わっていない。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.68
ピジョット Lv.63
バタフリー Lv.63
ドサイドン Lv.66
フシギバナ Lv.64
リザードン Lv.67
カメックス Lv.63
キングラー Lv.63
カモネギ Lv.63
エビワラー Lv.63
ゲンガー Lv.65
コノヨザル Lv.63
イーブイ Lv.63
ベトベトン Lv.64
ジバコイル Lv.63
ケンタロス Lv.63
ヤドラン Lv.63
ハッサム Lv.63
トゲキッス Lv.63
プテラ Lv.63
ラプラス Lv.63
ミュウツー Lv.76
バリヤード Lv.63
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.62
カビゴン Lv.63
ニョロトノ Lv.62
ヘラクロス Lv.62
メガニウム Lv.62
バクフーン(ヒスイの姿) Lv.62
ラティアス Lv.61
ヘルガー Lv.62
ワニノコ Lv.62
ヨルノズク(色違い) Lv.62
カイロス(部分色違い) Lv.62
ウソッキー Lv.62
バンギラス Lv.64
ドンファン Lv.62
ギャラドス(色違い) Lv.62
ミロカロス Lv.61
ラグラージ Lv.59
オオスバメ Lv.59
ジュカイン Lv.59
ヘイガニ Lv.59
フライゴン Lv.62
コータス Lv.57
サーナイト(色違い) Lv.54
オニゴーリ Lv.57
ワカシャモ Lv.57
メタグロス(色違い) Lv.57
エテボース Lv.55
ムクホーク Lv.54
ドダイトス Lv.54
ブイゼル Lv.55
ムウマージ Lv.57
カバルドン LV.54
ミカルゲ Lv.61
グライオン Lv.53
ロトム Lv.54
ユキノオー Lv.53
ガブリアス Lv.52
ゾロア(ヒスイの姿) Lv.46
ボーマンダ Lv.52
カイリキー(変異体) Lv.52
ミジュマル Lv.50
エンブオー Lv.50
ツタージャ Lv.50
ズルッグ Lv.45
ハハコモリ Lv.48
ペンドラー Lv.48
エルフーン LV.48
ギガイアス Lv.48
ワルビアル Lv.52
ヒトモシ LV.47
サザンドラ Lv.65
マリルリ Lv.43
タマゴ 時々動いているみたい。生まれるまでもうちょっとかな?