ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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♯311 『腐るなよ、お前はまだこれからだ』

 15歳 β月λ日 『強くなった』

 

 ジャローダをボールに戻すと、シュー太郎さんは腰のボールに手を当てながら動かなくなった。でんきタイプに有利なくさタイプのジャローダであの様だ。誰を出すべきか悩んでいるのだろう。

 

 時間一杯悩んだ結果、シャンデラを出してきた。でんき技は等倍だが、はがね技は今一つなので近接攻撃を防いで遠距離攻撃勝負をしようという狙いか?

 

 と、考えていると、『シャドーボール』を撃ってきた。回避しても良いが、ここは敢えて『アイアンテール』をバットのように使って球を打ち返していく。

 得意の一撃が跳ね返され、シャンデラが逆に大ダメージを受けた。相手の技を利用するのもポケモンバトルの一つだぞ――と、思っていると、爆煙の中からシャンデラが消える。

 

 多分、『ちいさくなる』で小さくなって姿を隠しているのだろう。が、ニューサトシのマサラアイの前に、その手の小細工は無力。このフィールド内であれば、相手が小粒並に小さくても見逃すことはない。

 

 ――見つけた。

 

 どうやら、こちらの背後に回ろうとしているらしい。ならば、強襲をかけよう――「セット!」と声を上げると、ピカ様がこちらに振り返り狙いを定める。

 同時に、シュー太郎さんもシャンデラの居場所がバレたことに気が付いて、『オーバーヒート』を指示してきた。向こうの最大火力が放たれる中、こちらもギリギリまでチャージした『10まんボルト』で『オーバーヒート』を貫いていく。

 

 本来ならば、『オーバーヒート』の方が威力が高いが、レベル差とレッド直伝の一点突破技術によって炎の壁を雷が貫通した。

 

 シャンデラも特別特防が強い訳でもないが、それでも等倍で体力が軽く1/6近く削られたのを見て、シュー太郎さんが冷や汗を流している。

 何せ、今の一撃は、向こうの『オーバーヒート』とぶつかった後の一撃だ。本来のモノよりも格段に威力は下がるにも関わらずこのダメージである。直撃を受ければどうなるかなど考えたくもないだろう。

 

 それこそ、今のが切り札の青い『10まんボルト』だったらどうなっていたか。

 

 最初に跳ね返された『シャドーボール』のダメージと合わせても、シャンデラの体力はもう1/3近く削られている。

 ここは下手に突っ張るよりも変えた方が良いと判断したようで、シュー太郎さんはシャンデラを戻していく。こちらも、いい具合に場を荒らしてくれたのでピカ様を戻した。

 

 ピカ様はまだまだやれると言っているが、あまり見せて周りに対策を考えられても面白くない。ピカ様の謎の青い雷は、謎のまま他のライバル達の動揺を誘った方が効果的だ。

 と、言う訳で交代。

 シュー太郎さんはバイバニラを、こちらはガブリアスを出していく。相性的にはこちらの方が不利ではあるが、俺は引かずにこのまま続行する。向こうは特性の『ゆきふらし』でフィールドを雪にすることで、防御を1.5倍にしてきた。

 

 こちらのガブリアスが物理型と読んでの防御選択か。まぁ、基本的にガブリアスは近距離型が多いからな。

 

 そのまま、こおり四倍の弱点を突いて、必中の『ふぶき』を撃ってくる。流石に受けてはあげられないので、『あなをほる』で地中に逃げた。

 いつもなら穴の中でいろいろと小細工をするが、今回は真正面から飛び出していく。と、同時に、シュー太郎さんが二度目の『ふぶき』を指示してきた。

 

 肉を切らせて骨を断つ作戦か。タイプ一致とはいえ等倍の『あなをほる』ならダメージを受けてでも反撃した方が得だと考えたのだろう。

 実際、間違いではない。が、少し甘いな。

 こちらに向けて放たれようとする『ふぶき』をバイバニラの足の部分を掴んで引き寄せることで、バイバニラ自身の顔の向きを上向きに変化させる(アイスクリームを横にしたようなイメージ)。これにより、『ふぶき』は狙いを剃れて明後日の方向に発射された。

 

 が、必中故に『ふぶき』は軌道を変えてガブリアスを追いかけてくる。が、当然それは読めているので、バイバニラを上手く盾にして攻撃を防いだ。

 

 バイバニラも何とか逃げようと体をよじるが、ガブリアスのパワーでガッチリ足先を掴まれては身動きが取れまい――と、思っていると、『ふぶき』を受けた後、『おどろかす』を使って一瞬の隙を作り、ガブリアスの拘束から脱出してきた。成程、その手があったか。

 

 が、一歩遅い。

 

 バイバニラがもがいている間に、こちらも『すなあらし』でフィールドを砂嵐状態に変更させて貰った。これでもう必中の『ふぶき』は撃てなくなっただろう?

 それならばと『れいとうビーム』の直撃を狙ってくるが、必中でなければ避けるのはそう難しくない。自慢の速度を最大限使って、ガブリアスが縦横無尽にフィールドを駆け巡る。

 

 シュー太郎さんとしても、何とかここでバトルの主導権を取り戻したいのだろう。このまま俺のペースでバトルが進めば勝ち目はないとわかっているのだ。

 けど、ここでさらに嫌な技をプレゼントだ。

 向こうの『れいとうビーム』を回避すると同時に、『ステルスロック』で相手フィールドに岩を撒いていく。これで交代する度に1/8ダメージだ。サイクル戦が得意なシュー太郎さんにはこの上なく嫌な攻撃である。

 

 ここでガブリアスを交代させていく。続けて、リザードンを出していった。突然のエースの登場に、シュー太郎さんも動揺する。

 

 本来であれば相性不利で交代する場面だが、ステロがあるといわタイプが弱点のバイバニラは次に出た時に体力を1/4も奪われてしまう。

 今も『あなをほる』と『ふぶき』の自傷ダメ、砂嵐の固定ダメージを受けて、体力はもう半分近く削られている。そこでさらに1/4ダメージを受ければバイバニラはもうほぼ戦えるかどうかも怪しい状態だ。

 

 それならば、一か八かの勝負に出るべきと判断したようで、最後の技として『ぜったいれいど』を指示してくる。

 当たればエースのリザードンを崩せる最高の択ではあるが、こちらの『ブラストバーン』が『ぜったいれいど』を撃とうとしたバイバニラを貫いたことでその択も消えた。

 

 残念ながら、真正面からの用意ドンならバイバニラよりもリザードンの方が早い。撃つにしても、一撃耐えられる体力を残しておかないと駄目だったな。

 

 と、いうことで、先にシュー太郎さんの三体が戦闘不能になったことで、五分間のインターバルに入る。

 こちらは四体晒しているが、まだまだ余力があった。そして、対するシュー太郎さんのパーティはおそらくイッシュリーグ決勝で見た六体で間違いないだろう。

 

 そりゃ、まだトレーナーになって一年経っていないのだ。集中育成した六体で勝ち抜こうと考えるのは自然なことと言って良い。

 だとすると、残りは顔を見たシャンデラの外、ブルンゲルとローブシンだな。ちなみに、こちらの今回の六体は、オオスバメ、ピカ様、ガブリアス、リザードン、阿修羅、ムウマージだ。

 

 念のために、リザードンも連れてきてはいるが、後半からはムウマージを起点に攻めようと考えている。残り全てのポケモンに有利が取れるからな。

 

 と、いう訳で後半が始まると、シュー太郎さんは再びシャンデラを出してきた。しかし、ほのおタイプを持つが故に、ステロのダメージは1/4となり、シャンデラの体力も残り半分以下まで削られてしまう。

 

 ここで、シュー太郎さんは最後の技として『いたみわけ』を指示してきた。こちらの体力を削りつつ、体力を回復しようという狙いだろう。

 が、ムウマージが『のろい』を使ったことでその回復は無意味となる。残念ながら、そちらが『いたみわけ』を使ってくる可能性はしっかり考慮済みであり、過去にも同じ経験をしたことがあるのでニューサトシの対応は速い。

 

 勿論、ムウマージの方が素早が早いということもあるが、こちらはシュー太郎さんの動きを先読みしている。

 おまけに、シュー太郎さん自身がまだ初年度と言うこともあって動きが遅すぎるということもあった。まぁ、初年度と言うことを考えれば十分な能力ではあるのだが。

 

 しかし、こうしてみると、本当にシュー太郎さんは昔の俺にそっくりだ。まだアニポケ世界に馴染めず、前世のように相性や効率を考えたわかりやすい戦い方――だから動きを先読みしやすいし、動きを誘導するのも難しくない。

 

 アニポケ世界のバトルでは、如何に相手の読みの上を行くかが大切なポイントになる。そういう意味では、サトシリセットさえなければサトシ君は本当に強いトレーナーだったんだと今でも思う。

 今の俺の強さはサトシ君の戦い方をリスペクトしつつ、俺自身の動きを取り入れたオリジナルなので、もう原作とは全く違うがそれでもシュー太郎さんにもこのバトルを機に何かを掴んで欲しいと思った。

 

 シャンデラは『いたみわけ』で体力がミリ回復したがそれでも半分以下。さらに『のろい』の効果で1/4が削れる。

 こうなっては、仮に戻しても次のステロを耐えられないということで、最後に悪あがきの『オーバーヒート』を撃ってきた。

 

 が、当然受ける気はなく、『ゴーストダイブ』で回避してそのままシャンデラを二度目の『のろい』で戦闘不能に追い込んでいく。

 これで、残りはブルンゲルとローブシンの二体だが、相手がムウマージではローブシンは不利と判断するのが普通だ。次のポケモンはまずプルンゲルで間違いない――と、考えていると、シュー太郎さんが予想通りにブルンゲルを出してきた。

 

 ステロのダメージが入るが、みず・ゴーストタイプ故にダメージは1/8で済んでいる。

 お互いにゴーストタイプなので、互いの技は効果が抜群だ。こちらは『のろい』と『いたみわけ』の効果で体力が1/3程まで削られてしまっていることも有り、一撃で倒されてもおかしくはない。

 

 とはいえ、それで素直に攻撃は出来なかった。流石のシュー太郎さんも、ゴーストタイプの定番最強技である『みちづれ』を警戒していないはずがない。

 下手に攻撃を仕掛けてムウマージを戦闘不能に追い込んだ瞬間、出たばかりのブルンゲルを失う可能性がある。そう考えれば、真っ向からは責められない。どうしたって、こちらの『みちづれ』を封じたい――そう考える。

 

 故に、シュー太郎さんは初手で『ちょうはつ』を打ってくるのは読めていた。読めていたということは当然対策済みであり、先にこちらが『ちょうはつ』を打ってブルンゲルの変化技を封じていく。

 

 こうなると、もう攻撃技しか使えない。覚悟を決めたように、シュー太郎さんが『シャドーボール』を指示してくる。

 避けるのは容易だが、敢えて受けさせた。そして、ムウマージが戦闘不能になった瞬間、『みちづれ』によってブルンゲルも戦闘不能になる。

 

 これでシュー太郎さんのポケモンはローブシンだけとなった。こちらも最後の一体として阿修羅カイリキーを出していく。

 おそらく、シュー太郎さんは俺のバトルを調べたとはいえ、今年からレギュラーになった阿修羅のことは、ドンナマイトで見たぐらいだろう。それも、シュー太郎さんは初戦敗退の後、すぐに帰ったのでそこまで詳しくは知らないはずだ。

 

 どう対応する気だ? と、思っていると。『ビルドアップ』で素直にステータスを上げてきた。種族値でも向こうが上だし、パワーで勝ち越しを狙っているのだろう。

 

 対する阿修羅はコノヨザル譲りの真ん中の腕二本をガードに回し、上下の腕四本を攻撃の構えに移すピーカブースタイルの亜種で攻撃を待ち構えている。

 どうやら、今日はかなり調子が良いようで、ローブシンに来いと言わんばかりに体をクイクイと揺すっていた。それを見て、シュー太郎さんも『ドレインパンチ』を指示してくる。

 

 ――その瞬間、勝負は着いた。

 

 無警戒に繰り出されるローブシンの拳を防御用の腕で受け流すと同時に、『カウンター』を発動。そのまま残りの腕全てで『ばくれつパンチ』をカウンターで差し込んでいく。

 どうやら、エビワラー必殺の『カウンター』のエネルギーをパンチに乗せて発動する技術を阿修羅も会得していたらしい。ローブシンに反撃を受けたと悟らせる前にその体力を削り切り、相手を戦闘不能まで持っていった。

 

「えっ……?」

 

 と、シュー太郎さんが声を零す。

 

 自分が攻撃を指示したと思ったら、ローブシンが倒れていたのだ。そりゃ、混乱もするだろう。

 阿修羅もカウンターを使うのは初めてなので少し動きがぎこちなかったが、技の使い方としては間違っていなかった。

 

 久しぶりなので計算式を書き直しておこう。『ばくれつパンチ』の威力が100、タイプ一致で1.5倍、『カウンター』で2倍の威力が掛け合わされ、合計威力は300にもなっている(エビワラーの場合は、『きあいパンチ』で、ここに特性の『てつのこぶし』で1.2倍が乗り威力540となる)。

 

 おまけに、パンチの数がエビワラーと違って一つではないこともあり、全くの無警戒で受けて耐えられるものではなかった。ローブシンも一撃で倒れてしまっても仕方がないことだろう。

 

 これでシュー太郎さんのポケモンが全て戦闘不能になったことで俺の勝利が確定する。

 

 シュー太郎さんもすぐには自分の敗北を受け入れられず呆然としていたが、俺がトレーナーゾーンから出ていくとハッとしたようにローブシンをボールに戻した。

 

 正直、シュー太郎さんは弱くない。だが、時間が足りなかった。育成力でポケモン達のレベルはカバーできても、トレーナーとしての技術はそう簡単に身に付くものじゃない。

 

 シュー太郎さんに足りないのはまさにそのトレーナーとしての技術だった。もし、その方面が互角なら、ここまで一方的なバトルにはならなかっただろう。

 

 とはいえ、まだチャンピオンリーグに挑める期間は三年も残っているのだ。きっと次にバトルする頃には、シュー太郎さんはもっと強くなっている。

 

 そのままシュー太郎さんの方まで歩くと、期待しているという意味を込めて、「腐るなよ、お前はまだこれからだ」と手を出すと、「次は僕が勝つ。絶対に追いついてみせる」と言いながら握手を返してきた。どうやら、まだ心は折れていなかったらしい。やるやん。

 

 

 追記。いつもは負けたらすぐに帰るシュー太郎さんも、流石にチャンピオンリーグは見ていくようだった。敵を知り己を知れば百戦危うからずともいうからな。人のバトルを見るのはいずれ必ず自分のためになるもんだ。

 

 

 




 原作との変化点。

・手加減なしでシュー太郎さんをボコった。
 精神的に折れてもおかしくないが、持ち前のイキり具合で持ち直している。もし、ニューサトシと当たらなかったら、一回戦くらいは突破できたかもしれない。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.68

 ピジョット Lv.63

 バタフリー Lv.63

 ドサイドン Lv.66

 フシギバナ Lv.64

 リザードン Lv.67

 カメックス Lv.63

 キングラー Lv.63

 カモネギ  Lv.63

 エビワラー Lv.63

 ゲンガー  Lv.65

 コノヨザル Lv.63

 イーブイ  Lv.63

 ベトベトン Lv.64

 ジバコイル Lv.63

 ケンタロス Lv.63

 ヤドラン  Lv.63

 ハッサム  Lv.63

 トゲキッス Lv.63

 プテラ   Lv.63

 ラプラス  Lv.63

 ミュウツー Lv.76

 バリヤード Lv.63

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.62

 カビゴン  Lv.63

 ニョロトノ Lv.62

 ヘラクロス Lv.62

 メガニウム Lv.62

 バクフーン(ヒスイの姿) Lv.62

 ラティアス Lv.61

 ヘルガー  Lv.62

 ワニノコ  Lv.62

 ヨルノズク(色違い) Lv.62

 カイロス(部分色違い) Lv.62

 ウソッキー Lv.62

 バンギラス Lv.64

 ドンファン Lv.62

 ギャラドス(色違い) Lv.62

 ミロカロス Lv.61

 ラグラージ Lv.59

 オオスバメ Lv.59

 ジュカイン Lv.59

 ヘイガニ  Lv.59

 フライゴン Lv.62

 コータス  Lv.57

 サーナイト(色違い) Lv.54

 オニゴーリ Lv.57

 ワカシャモ Lv.57

 メタグロス(色違い) Lv.57

 エテボース Lv.55

 ムクホーク Lv.54

 ドダイトス Lv.54

 ブイゼル  Lv.55

 ムウマージ Lv.57

 カバルドン LV.54

 ミカルゲ  Lv.61

 グライオン Lv.53

 ロトム   Lv.54

 ユキノオー Lv.53

 ガブリアス Lv.52

 ゾロア(ヒスイの姿) Lv.46

 ボーマンダ Lv.52

 カイリキー(変異体) Lv.52

 ミジュマル Lv.50

 エンブオー Lv.50

 ツタージャ Lv.50

 ズルッグ  Lv.45

 ハハコモリ Lv.48

 ペンドラー Lv.48

 エルフーン LV.48

 ギガイアス Lv.48

 ワルビアル Lv.52

 ヒトモシ  LV.47

 サザンドラ Lv.65

 マリルリ  Lv.43

 タマゴ   時々動いているみたい。生まれるまでもうちょっとかな?


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