ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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♯314 『だからこそ死ぬほど楽しいんだ』

 15歳 β月σ日 『切り札は先に見せるな……って、いくつ持ってんだよ!』

 

 思えば、ミュウツーによって闇落ちした経験のある男が、ミュウツーの対策を何もしていない訳がなかった。

 圧倒的なパワーと、誰にも負けない技術――突き抜けた二つの力は伝説を倒しうる能力があると言って良い。間違いない、あのガラガラはミュウツー対策だ。

 

 流石のミュウツーでも、自分よりも強い力の前には屈するし、技術で負ければ倒される。

 

 前はポケモンを犠牲にする自爆戦術だったが、自爆戦術をしなくても同じだけのダメージを与えられる力があのガラガラにはあった。

 単純に突出したパワーと技術。それだけでいいのだ。防御も速さも全てを技術で補い、物理で上から叩く――単純明快だが、それを成せるポケモンが果たしてどれだけいるか。

 

 しかし、これは幸運でもあった。

 

 ミュウツー対策に用意したポケモンを出さないと流れを変えられないとシンゴは判断したのだ。おかげで、ミュウツーと戦う前にガラガラの情報を得ることが出来た。

 おまけに、体力こそ削れていないが、『ボーンラッシュ』、『ホネブーメラン』、『じわれ』と三つも技を使わせている。ラグラージさんが倒れたのは誤算だったが、それでも十分に仕事はしてくれた。

 

 こちらがラグラージさんを下げるのに合わせて、シンゴもガラガラを交代させてくる。おそらくは後半まで温存しておくつもりだろう。

 今、シンゴの手持ちで判明しているのは、ヌオー、ハッサム、ウインディ、ガラガラだ。ヌオーは倒したが、残り二体は謎のまま――対するこちらは、ミカルゲ、ラグラージさん、ピカ様、リザードン、メタグロスがバレており、ラグラージさんがやられている。

 

 残り一体がミュウツーだということはまずバレていると見て良い。仮に、ミュウツーじゃなかったとしたらシンゴの勝機が上がるだけだしな。手の内は完全にバレていると見るべきだ。

 

 勝負はそろそろ中盤――ここで場を荒らすのであれば、中軸の柱であるピカ様以外にいないだろう。

 が、俺のデータを揃えているであろうシンゴならば、俺がそう選択してくるのは読んでいるはずだ。ガラガラ以外にピカ様を抑えられるポケモンがお前の手持ちに居るのか?

 

 と、考えていると、シンゴはカイリューを出してきた。やっぱいたか、ハッサムをパーティに入れるなら、どうしてもドラゴンタイプは相性がいい。

 シンゴの効率的な考えならば、カイリューかガブリアスのどちらかはパーティに入っていると思っていた。さて、遂に600族の登場だ――ピカ様も気合が入っている。

 

 まずはカイリューが様子見という感じで『しんそく』を使ってきた。こちらも『ばちばちアクセル』でぶつかっていく。

 流石にカイリューに進化しているだけあって、ウインディよりも動きが鋭い。ピカ様もスピード有利を作れずに、真正面からぶつかるしか出来ないでいる。

 

 お互いにぶつかって弾き跳んでいく――が、ピカ様は上手く空中でバランスを整えた。互いにノーダメージな所を見ると、技を当てる技術もそこまで差は無さそうだ。

 

 とはいえ、流石のピカ様もパワーでカイリューには勝てない。シンゴもここはパワーでごり押ししてくるつもりのようで、『りゅうせいぐん』を指示してくる。

 初っ端からドラゴンタイプ最強の技か。

 しかし、避けるのはそこまで難しくはない。『ばちばちアクセル』を移動に専念させれば、いくら範囲攻撃の『りゅうせいぐん』とはいえ避けきれる――と、思っていると、目の前に『げきりん』を構えたカイリューが立ち塞がってきた。

 

 成程、『りゅうせいぐん』は打ち出す技故に、次の技への移行が早い。おまけに、上空に打ち出して雨のように降るというその特性上、他の技よりも発動まで少し時間がある。

 その時間を利用して、上から『りゅうせいぐん』、前からは『げきりん』の挟み撃ちにもちこめるという訳だ。いや、正確には、その状況に持ち込むために、わざと『りゅうせいぐん』を普通よりも高く打ち上げたのだろう。上手く挟まれてしまったな。

 

「お前のピカチュウのデータは揃っている。この状況で対応できる技は、攻撃を直に弾ける『かわらわり』か『アイアンテール』くらいしかないはずだ。『げきりん』と『りゅうせいぐん』の同時攻撃は防げないぞ」

「でも、この距離じゃカイリューも『りゅうせいぐん』で自滅しかねないんじゃないか?」

「問題ない。俺のカイリューの特性は『マルチスケイル』だ、受けるダメージは安く済む。だが、お前のピカチュウはどの攻撃も致命傷のはずだ」

 

 確かに、うちのピカ様は多才で強いが、耐久力に関してだけは普通のピカチュウとそこまで変わらない。強引にパワーで叩くというのは間違っていなかった。

 

 しかし、パワーで勝てないからこそテクニックを磨いている訳であって、向こうの『げきりん』状態に寄るパンチの連打を、『アイアンテール』で弾いて直撃を避けていく。

 真正面からぶつけるのではなく、横や下から弾くように受け流すことで、相手の体勢を微妙に崩して次へのタイムラグを作る――と、進化せずにピカチュウのままでいることを選んでいるうちのピカ様は、自分よりも大きい相手への対処を骨の髄まで染み込んでいた。

 

 だが、敵はカイリューだけではない。頭上から『りゅうせいぐん』が直撃しそうになれば、そちらを対処する必要がある――が、こちらも技は『アイアンテール』だけではなかった。

 

「残念ながら、技にはいろいろ使い方があるんだよ! ピカチュウ、『エレキネット』で『りゅうせいぐん』を包んでやれ!」

 

 途中、『りゅうせいぐん』が直撃しそうになった瞬間、カイリューの『げきりん』による拳を敢えて下に弾いてその勢いでピカ様が上へと跳び上がる。

 

 そのまま、『エレキネット』を使って自分へと迫って来る『りゅうせいぐん』を包み込んだ。

 カイリューもすぐに追撃しようとしてきたが、『エレキネット』で防いだのはあくまでピカ様に向かってきたものだけだった。当然、カイリューの方には『りゅうせいぐん』が変わらず振って来るので追いかけられずに自傷ダメージを受けてしまう。

 

 シンゴも、まさか『エレキネット』で『りゅうせいぐん』を対処してくるとは予想外だったようで、「そんな方法が!?」と驚いた声を出している。

 一連の挟み撃ちを凌ぎきると、ピカ様がカイリューの頭を踏んで俺の方まで帰って来た。

 勿論、挑発だ――そろそろ混乱大丈夫か? と、いうピカ様なりの煽りだろう。事実、カイリューは『げきりん』の後遺症で混乱状態になりつつあった。

 

 ここで、シンゴがカイリューを戻す。

 

 ピカ様の技量を見て、ミュウツーばりに攻略が難しいとわかったのだろう。データを持っているとはいえ、何だかんだピカ様とシンゴはこれが初めての対戦だからな。

 

「データ以上に良く動くな、そのピカチュウ」

「当たり前だ、俺の相棒だぞ」

「……仕方ない。切り札、その二だ」

 

 と、言いながら、シンゴは最後のポケモンとしてガルーラを出してきた。ガラガラを出さなかったのは、ピカ様との相性を考えたからだろう。でんき無効のじめんタイプ相手では、流石のピカ様も引くしかないからな。どうやっても真っ向勝負にはならない。

 と、考えていると、そのままキーストーンを押し込んでガルーラをメガガルーラに進化させてくる。ここでメガガルとか、マジでガラガラ以外は前世のガチパじゃねーか!

 

 前世でも猛威を振るったメガガルーラの最強特性『おやこあい』は、お腹の中にいる子供も攻撃を仕掛けてくるというもので、攻撃が二回連続で出来るという化け物特性だ。

 おまけに、ナーフが来るまでその二回目の攻撃の威力は使った技の1/2という化け物具合で、能力変化などの追加効果も二回分となる。

 仮に威力100の技で攻撃すれば追加で50の攻撃が飛んでくるということであり、実質威力150の技となった。さらに追加効果に一割で火傷という効果があれば、その確率も二倍になるということだ。これが弱くないはずがなかった。

 

 ナーフが来てからダメージこそ1/4になったが――それまでは技を拘らないで『こだわりハチマキ』や『こだわりメガネ』をつけた攻撃力上昇を持ち、連続で攻撃するが故に『きあいのタスキ』や『がんじょう』を無効にし、追加効果が二回発動することで疑似的な『てんのめぐみ』状態という、もはややりたい放題の化け物メガシンカポケモンだったのである。

 

 俺が恐怖しているのは、この世界のメガガルがナーフ前だった場合、ミュウツーにも負けないポテンシャルがあるということだ。当然ながら、ピカ様でも勝てるか怪しい。

 ガラガラに続いてこんな切り札まで持ってくるとは――マジで、こいつやってやがる。まだ素直にガラガラを出してきてくれた方がやりやすかった。さて、どうするかな。

 

 と、思っていると、シンゴは開幕で『ねこだまし』を打ってきた。この技はバトルに出た最初にしか使えないという制限こそあるものの、先制技でその優先度は『しんそく』や『ばちばちアクセル』よりも早く、確定で相手を怯ませる効果を持っている。

 いわば、回避不能の一撃だ。

 威力は40しかないが、メガガルーラの場合はタイプ一致で60、特性『おやこあい』による追撃でさらに30(1/4なら15)が与えられ、威力90(もしくは75)の先制技と化す――ピカ様も何とかギリギリで反応して防御するが、それでも体力が二撃で1/3削られた。

 

 これは、ナーフ前と見てまず間違いないだろう。

 

 しかし、衝撃を完全に受け流せなかったとはいえ、防御したのに1/3も削られるとか先制技の威力じゃねぇ。連発出来ないのが救いではあるが、紙装甲のピカ様にこのダメージは痛い。

 

 唇が切れて血が流れたのをグイッと手で拭い、ピカ様が獰猛な笑みを浮かべる。ああ、そうだな。まだまだ勝負はこれからだ。

 

 向こうが先制技を使ってくるなら、こちらも先制技で返すまで。『ばちばちアクセル』を指示してメガガルーラを叩きに行く。

 そこからは殴り合いだ。

 向こうのメガガルーラが『グロウパンチ』、こちらは『アイアンテール』でぶつかり合っていく。『グロウパンチ』は威力が40しかない物理かくとう技でタイプ不一致だが、確定で攻撃が一段階上がるという追加効果を持っている。

 

 特性『おやこあい』の効果で、追加効果は二度発動するため、メガガルーラの火力は『グロウパンチ』を一発使う毎に二段階上がっていく。

 

 だが、問題はそこではなかった。親子で同時に攻撃してくるというのは、一対二を常に強要されるということであり、過去に悪の組織達との戦いで集団戦を経験しているピカ様でも親子連携攻撃は対処が難しい。

 

「子供ガルーラの技量を限界まで上げること。これが、切り札その三だ」

 

 親の攻撃は弾けたが、同時に背後から飛び掛かって来る子の攻撃を避けきれず何とか腕で防御していく。

 威力20故にそこまでのダメージではないが、これでメガガルーラの攻撃力は二段階上昇した。次は威力がほぼ倍になる。その次はその倍だ――長期戦はこちらが不利。

 

「ピカチュウを戻してミュウツーを出す確率70%。メガリザードンの確率28%。ミカルゲの可能性2%。メタグロスの可能性0%」

 

 ここは切り札の出し時と判断してピカ様を戻す。同時に、メガリザードンYを出していった。

 予想外だったようで、シンゴが少し驚いた様子を見せる。ミュウツーを出してくると思っていたようだ。

 

 が、切り札は先に見せるな、見せるなら奥の手を持て――ニューサトシが幽遊白書から学んだ格言である。

 

 メガリザードンYが出てきたことで、特性の『ひでり』が発動して再び日差しが強くなっていく。同時に、メガリザードンYのメガシンカを解除し、続けて一緒に持たせてあるリザードナイトXにご登場願う。

 

「お前が次々と切り札出してくるなら、こっちも新しい切り札を出すまでよ!」

 

 まだこの世界のルールで、メガシンカを一度のバトルに何度も使ってはいけないというルールはなかった。つまり、メガリザードンYになったリザードンのメガシンカをキャンセルしてメガリザードンXにするのはルール違反ではないということだ。

 

 去年のこともあってルールブックを穴が開くほど読んだニューサトシにミスはない。

 

 ちなみに、メガシンカと同様にダイマックスやZ技を一つの試合に何度使ってもルール違反にならないので、シゲルはやろうと思えば全ポケモンダイマックスが出来たりした。まぁ、流石にやらないだろうけど。

 

 と、いう訳で、近距離専用のメガリザードンXでメガガルーラに殴り掛かっていく。メガリザードンYから出したおかげで、『ひでり』状態なのでソラビも打ちたい放題だった。

 

 そして、俺はピカ様との対戦で、既にメガガルーラの弱点を見つけている。メガリザードンXに指示を飛ばし、手前にいる子供を『ソーラービーム』で吹っ飛ばした隙に、親との距離を詰めていく。

 

 そう、ゲームと違い、現実世界であるが故の『おやこあい』のデメリット――それは、親と子がリンクしているからこそ、子供の方が攻撃を受けると本体もダメージを受けるというものだった。

 

 さらに子供を先に排除したことにより連携も封じ、得意の『ドラゴンクロー』で攻撃を仕掛けていく。さらに、特性『かたいツメ』で直接攻撃技の威力が1.3倍になっているので、タイプ一致含めてドラクロは威力156の大技になっていた。

 

 シンゴも『おんがえし』でこちらの攻撃を受けてきた。『グロウパンチ』で攻撃が二段階上がっていることもあって、メガリザードンXも簡単には押し切れない。おまけに、弾き飛ばされた子供もすぐに体制を立て直して背後から襲い掛かってきた。

 しかし、リザードンは飛べる。

 親ガルーラとのぶつかり合いで有利が取れないとわかると、挟まれる前に上空に逃げ、そのまま『ソーラービーム』で追撃をかけていく。狙いは当然のように子供だった。卑怯? 馬鹿言え、バトル中だぞ。仮に相手が赤ん坊でも殴るのが礼儀だろうが!

 

 親が子供を庇うように前に出てくる。

 

 だが、シンゴもやられるがままではなかった。『ソーラービーム』を受けながら、子供

が親を足場にして投げて空中にいるメガリザードンXに攻撃を仕掛けてくる。

 攻撃中なのでメガリザードンXに回避のすべはないが、子供の攻撃は威力半減だった。とはいえ、先程メガリザードンが攻めきれなかった理由の一つである、『グロウパンチ』の二段階攻撃上昇によって、その半減も等倍に戻っている。

 

 子供の癖に威力最大の『おんがえし』を使って、メガリザードンを空中から叩き落としてきた。

 

 だが、空中にいる間は子ガルーラも何も出来ない。メガリザードンXが起き上がって、真っ直ぐ親に向かって『フレアドライブ』をぶつけていく。

 タイプ一致&特性プラスで威力234――向こうもまた『おんがえし』で受けるが、追加効果の一割の確率で火傷を引いたようでメガガルーラの火力が半減した。

 

 目に見えてわかるレベルで火力が下がり、親を弾き飛ばしていく。続けて、地面に着地した子がこちらに向かってきたので、そちらも『フレアドライブ』でぶっ飛ばした。

 シンゴも連携するように声をかける。俺がなるべく1対1の状況を作るようにしていることや、子ガルを狙っていることはもう理解しているのだろう。特に子供は体が小さい――ピカ様では無理だが、メガリザードンXならば十分に吹っ飛ばすことが出来た。

 

 しかし、流石のメガリザードンXも肩で息をし始めている。とはいえ、それも仕方ない。

 親と子にぶつけた『フレアドライブ』の反動ダメージに、強化された子供からの『おんがえし』直撃で残り体力は1/3程になっていた。

 だが、それは向こうも同じはず。

 ピカ様の『ばちばちアクセル』を受け、メガリザの『ソーラービーム』を親と子に一回(親は防御)、『フレアドレイブ』を親と子に一回(親の方は『おんがえし』でほぼ相殺)ぶつけていた。いくらメガガルの耐久が高いと言っても、良い加減倒れてもおかしくない。

 

 それでもシンゴはメガガルーラを戻さなかった。

 

 お互いに正反対に吹っ飛ばされた状況を見て、シンゴが左右から『グロウパンチ』で同時に攻撃を仕掛けるように指示してくる――火傷で下がった分の攻撃を再び上げようという魂胆だろう。

 しかし、それは欲だ。

 このタイミングで天候も元に戻った。ここでメガシンカを解除し、Xから通常状態に戻り、再びYへとメガシンカしていく。特性『ひでり』により、再びフィールドが晴れ状態に戻った。こうして二つのメガシンカを何度も利用するというのは、流石にノーデータだろう?

 

 そして、お前はこう考えているはずだ。

 

 メガシンカを自由に使いこなせるなら、きずな現象もまた使えるはず――俺はまだリザードンの技を一つ残している。どこかで必ず、きずな化して『ブラスターバースト』を使ってくるはずだ、と。

 

 だがなシンゴ、俺の前世アニメ格言の中にこういうものがある。如何に強い技と言えど、敵にその全貌が割れてしまえば威力は半減する――俺はカントーリーグからずっと『ブラスターバースト』を使い続けてきた。だからこそ、誰もがそれを警戒してくる。

 はじめの一歩で、デンプシロールが段々と必殺でなくなっていったように、どんな強い技も警戒され対策されてしまえば、その技が如何に凄くても意味がなくなってしまう。

 

 だからこそ、俺はこのバトルで『ブラスターバースト』を使わない。その影だけで十分に威圧を与えることが出来るからだ。

 

 また、ほのお・ドラゴンのXから、ほのお・ひこうのYに戻ったことで、かくとう技の威力は半減する。

 先に仕掛けてきた子供の攻撃を受けつつもそのまま体を掴み、再び『ソーラービーム』で遠くへと吹き飛ば――そうとしたが、それを狙っていたように、メガガルーラが最後の技である『ふいうち』をぶつけてきた。

 

「親子で別々の技を使えるようにする。切り札その四だ!」

 

 子供の方は『グロウパンチ』を使っていたため、攻撃がまた一段階上昇する。その状態での『ふいうち』は十分に残りの体力を削り切れるだけの威力を持っていた。

 おまけに、こちらは既に攻撃態勢に入っている。

 本来、どうしようもない状況――だが、まだチャンスが残っていた。偶然ではあるが、こちらは子ガルを攻撃しようとしており、メガリザYは親ガルに背中を向けている形だ。

 

 この数年でリザードンも、二つの技を別に同時発動させる技術を身に着けていた。無論、条件はいろいろとあるが、今はその条件が偶然にも合致している。

 

 メガリザの尻尾が輝き、『ふいうち』が直撃する前に、メガガルーラがモンスターボールに戻っていく。当然、『ソーラービーム』発射前のため、ダメージは与えられなかったが、最悪の状況だけは何とか回避できた。

 

「『ドラゴンテール』か……!」

 

 そう、別に凄いことをした訳ではない。最後の技として『ドラゴンテール』を使用しただけ。

 本来、全身で技発動状態に入っていたリザードンには他の技など使えない。しかし、唯一使える部位があった。それが尻尾だ。

 

 ソラビは尻尾を使わないが故に、ギリギリで尻尾系の技である『ドラゴンテール』の発動が間に合った。

 

 そして、背後から攻撃していたメガガルは、『ふいうち』がこちらに届く前に尻尾に触れてしまい、『ドラゴンテール』の効果である強制交代が発動――勿論、攻撃した訳ではないので、ほぼダメージは与えられていないが、あのまま殴り倒されるよりはマシだろう。

 

 シンゴは「これだけの切り札を晒して倒しきれないとは……!」と、悔しさを露にしているが、それはこちらのセリフだった。

 本来であれば、対シゲル用の切り札の一つを切ってまでメガガルを倒しきれない所か倒されそうになったというのは、こちらとしては予想外と言わざるを得ない。

 

 それだけ、全盛期のメガガルが強いということでもあるが、子供の使い方や技を別々に使わせるなど――シンゴもこちらの想像以上にいろいろな仕込みをしてきていた。

 

「ッ! 遂に、笑い出したな……戦闘狂め」

 

 ああ、楽しいね。楽しくて堪らない。最近は、自分の予想通りに相手を動かすバトルが出来ていたが、このレベルになって来るとやはり予想通りにはいかない。

 

 でも、だからこそ死ぬほど楽しいんだ。

 

 互いが全力を出し切って予想外の手を出して、その上で勝利を掴む――そんな、生き死のバトルが俺は大好きなんだ。これだけは、多分何度生まれ変わっても変わらない。そんなバトルをもっと味わってこーぜ!

 

 

 




 原作との変化点。

・切り札その二。
 メガガルーラ全盛期。メガ枠の中でもやはりとびぬけて強い。が、リアルバトルだと、子供のダメージもフィードバックされる欠点があった。

・切り札その三。
 子供の技量を本体並に上げることで、常に相手に二対一を強要させる。

・切り札その四。
 親と子で別々の技を使う。が、子供の方は流石に威力半減。



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 ピカチュウ Lv.68

 ピジョット Lv.63

 バタフリー Lv.63

 ドサイドン Lv.66

 フシギバナ Lv.64

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 ヨルノズク(色違い) Lv.62

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 ウソッキー Lv.62

 バンギラス Lv.64

 ドンファン Lv.62

 ギャラドス(色違い) Lv.62

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 オオスバメ Lv.59

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 ヘイガニ  Lv.59

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 ワカシャモ Lv.57

 メタグロス(色違い) Lv.57

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 ドダイトス Lv.54

 ブイゼル  Lv.55

 ムウマージ Lv.57

 カバルドン LV.54

 ミカルゲ  Lv.61

 グライオン Lv.53

 ロトム   Lv.54

 ユキノオー Lv.53

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 ゾロア(ヒスイの姿) Lv.46

 ボーマンダ Lv.52

 カイリキー(変異体) Lv.52

 ミジュマル Lv.50

 エンブオー Lv.50

 ツタージャ Lv.50

 ズルッグ  Lv.45

 ハハコモリ Lv.48

 ペンドラー Lv.48

 エルフーン LV.48

 ギガイアス Lv.48

 ワルビアル Lv.52

 ヒトモシ  LV.47

 サザンドラ Lv.65

 マリルリ  Lv.43

 タマゴ   時々動いているみたい。生まれるまでもうちょっとかな?


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