15歳 γ月μ日 『ハッ、笑えねぇ』
一日目は、第一試合で俺とブルーが戦って俺が勝ち、第二試合はグリーンとキクコが戦ってキクコが勝った。
グリーンVSキクコ戦はかなりの死闘となっており、ゴーストタイプ遣いの神髄というものを見せて貰っている。伊達に年取ってる訳じゃないというのが良くわかるバトルだった。
昨日はブルーが倒れるというアクシデントもあったが、夜には元気になっており、明日も普通にバトルすると意気込んでいる。
そしてやってきた二日目だが、第一試合ではブルーとグリーンがぶつかり、第二試合で俺とカンナがぶつかる予定となっていた。
今日は朝からカンナの機嫌がとてもよく、ずっとこのバトルを楽しみにしてくれていたというのがよくわかる。俺としても、この人には恩があり、今日のバトルではこれまで得てきたものを全てぶつけるつもりだ。
そんなこんなで第一試合が終わった訳だが、意外にも勝ったのはブルーだった。正直、グリーンが勝つと思っていたが、どうやら今回のブルーは完全にグリーンをメタって来たようで、グリーンも「途中の択をミスった」と言い訳をするくらい悔しがっている。
ちなみに、四天王リーグは総当たり戦なので、ここでの勝ち星の数や勝った時の手持ちポケモンの残りの数などで順位が決まり、上から順にチャンピオンからの序列が決まるらしい。
つまり、現状ではグリーンが一番危険域にいるということだ。四天王の地位を維持するためにはもう負けられない。
ぶっちゃけ、俺は四天王の地位など興味は欠片もないが、それはそれとしてそう簡単にグリーンに負けるつもりはなかった。
しかし、今は何よりもカンナ戦だ。
少し遅めのお昼を優雅に頂き、第二試合に望んでいく。今回、俺のパーティは、ピカ様、リザードン、ミュウツー、イワーク、カビゴン、ムクホークの六体をチョイスした。
「君とバトルするのはもう何年ぶりになるのかしら?」
「……あの時は、本当にお世話になって」
「ふふっ……ねぇ、サトシ君。面白いと思わない? 前に自分が更生に手を貸したトレーナーが、強くなって私と本気でバトルする所まで来るなんて……まるでドラマだわ。私、そういうの結構好きなのよね」
「俺もですよ。こんなに面白いバトルはないと思ってます……!」
「いい笑顔ね。あの時とは全然違う……だからこそ、お互いに全てをぶつけ合いましょう!」
そう言って、バトルは始まった。
開幕、俺はクリスタルのイワークを出していく。カンナはジュゴンを出してきた。うちのイワークはオレンジ諸島のリージョンフォルムで、いわ・こおりタイプとなっている。
おまけに、特性は『クリスタルボディ(命名オーキド)』という固有能力で、みずタイプの攻撃は無効&ほのおタイプの攻撃が弱点となり、弱点を突かれた時に攻撃と特攻が一段階上昇するという――『かんそうはだ』と『じゃくてんほけん』のような効果を持っていた。
いわ・こおりタイプと結構弱点が多いクリスタルのイワークだが、その欠点もこの特性のおかげで利点に変えられている。
また、こおりとみずポケモンを中心にパーティを組んでいるカンナを相手にするには、クリスタルのイワークはかなりアドバンテージが取れそうだった。本来弱点であるみずは効かず、こおりも半減だしな。
と、思っていると、みずタイプのポケモンが出てきたことでバトルフィールドにみずポケモン用のみずフィールドが展開されていく。
うちのクリスタルのイワークも、本当は水の中の方が得意まであるのだが、流石にイワークに対して水のフィールドを用意しろというのはいくらなんでも無理があるか。
ジュゴンは一応陸上でも戦えなくはないが、それでも水中がテリトリーなのは間違いなく、みずのフィールドに飛び込んでいく。
ぶっちゃけ、こちらのクリスタルのイワークもやろうと思えば水の中だって余裕で泳げる――と、いうか、ぶっちゃけ水の中の方が得意なくらいだが、そう簡単にネタ晴らしをしても面白くないので、まずは『ステルスロック』で挨拶をしていった。
いわタイプも兼ね備えているので、当然ながら『ステルスロック』も使える。フルバトルでは如何にステロを通すかがかなり勝敗を分かつ。実際、今日のブルーVSグリーン戦でグリーンが負けたのは、半分近くステロダメージのおかげと言っても過言ではなかった。
なので、カンナとしても早くステロをどうにかしたい所だろうが、特に慌てた様子もなく冷静な表情を浮かべている。
そういやそうだったな。水のように静かに、氷のようにクールに――バトル前は優しいお姉さんだったが、前のバトルでもこの人はそう言う人だった。
と、考えていると、カンナは『アンコール』を指示してくる。これで、こちらの技は『ステルスロック』に固定されてしまったので、流石にクリスタルのイワークをボールに戻していく。
また、それに合わせてカンナもジュゴンを戻した。こちらは二番手としてピカ様を出していくと、カンナはパルシェンを出してくる。こおりタイプが入っているため、パルシェンのステロダメージは倍の1/4になっていたが、特に気にする素振りも見せて来ない。
偶然だが、あの時のバトルの再来となったな。
しかし、あの時とは違う――と、まずは先制の『ばちばちアクセル』を指示すると、カンナも『こうそくスピン』を指示してくる。『ばちばちアクセル』で先制ダメージを奪うも、物理防御が高すぎてあまりダメージになっていなかった。
正確には、甲羅で電撃を上手く受け流されてダメージが安く済まされている。これが『10まんボルト』のような特殊技なら受け流すのも難しいのだろうが物理は鉄壁だな――改めて、あの時とはまた強さが一段階違う。
と、こちらが思うと同時に『こうそくスピン』でステロが解除される――のだが、ただ解除するのではなく、岩を弾丸のようにこちらへと弾いてきた。
一つの技に上手く技術を盛り込んでくれるものだ。仕方ないので、『ばちばちアクセル』を攻撃ではなく回避に使って岩を避けていく。
続けて、カンナは『つららばり』で攻撃を仕掛けてきた。特性『スキルリンク』の効果で、連続攻撃は必ず最大まで出る。前は距離を取って撃ち落したが、今回は前と違って本気のようで高速で五発連続射出してきた。
この速さでは打ち落とすのは無理だ。
だが、避けられない訳ではない。『ばちばちアクセル』で『つららばり』を回避しながら、もう一度急所への一撃を決めていく――が、やはり受け流しの技術込みで物理防御が死ぬほど固かった。
また、ただで一撃を与えてくれた訳もなく、こちらが『ばちばちアクセル』を決めると同時に、ゼロ距離『こおりのつぶて』でピカ様が弾き飛ばされる。
成程、『つららばり』もまた打ち出す技故に次への行動が早い。だからこそ、先制技の『こおりのぶつて』を、こちらへのカウンターとして打ち出すことが出来た訳か。
先制技なのでダメージはそこまで大きくはないが、それでも紙装甲のピカ様にはそこそこのダメージとなっている。
しっかし、実際にフルバトル経験のあるブルーと違って、カンナとはバトルを一回しただけ――それも、実際にはバトルではなく指導のようなものだったので、ブルー戦の時のように実体験からの先読みが上手く決まらなかった。
唯一情報があるパルシェン相手ですらそう簡単に追い込ませてはくれない。これが、カントーを昔から支配している古参四天王の実力って訳か。
ブルーやグリーンは、まだトレーナーとしての波がある。それは俺もそうだし、多分チャンピオンのレッドもそうだ。まぁ、レッドの場合は波があっても地力が違うからアレだが――やはり、古参四天王はそういう隙も無く成熟している。
が、経験で勝てないのならば、勝てる部分を探すまで。同じ土俵で勝負しないといけないという理由はないので、何とかこちらの強みを押し付けて流れを奪っていく。
と、言う訳で、ここで一旦ピカ様を戻すと、カンナもパルシェンを戻してきた。ステロ解除要因であるパルシェンをそう簡単に使い捨てにはしたくないのだろう。
再びクリスタルのイワークを出していくと、カンナもジュゴンを出してきた。またステロを撒いてもいいが、同じ手を何度も使っていると今度は隙を突いて倒されかねない。
なので、ここは攻めていく。
向こうの苦手ないわ技である『がんせきふうじ』でダメージを奪いながら、追加効果で相手のスピードを奪わせて貰う。カンナは、『アクアジェット』を指示して、攻撃を回避しながら突っ込ませてくるが、残念ながらみず技は効かないので隙を晒す結果となった。
流石のカンナも驚いた顔を見せる。ほぼ専用特性の『クリスタルボディ』なんて知るはずないよなぁ。
だが、このチャンスを逃す手はないので、追撃の『もろはのずつき』をプレゼントした。威力150のいわ物理技、反動で与えたダメージの半分を自分で受けるが、それでもジュゴンの体力を一気に1/3程は奪っていく。
特性無しだと素の火力がそこまで高くないクリスタルのイワークでもこの火力だ。やはり、『もろはのずつき』は強い。特性『いしあたま』ならもっと強いが、『クリスタルボディ』の強さも捨てがたいので、ここは甘んじて反動ダメージを受けていった。
それならばと、カンナも仕掛けてくる。「ジュゴン!」と一声かけると、ジュゴンが無警戒でクリスタルのイワークに近づいて笑みを向けてきた。
うちのポケモンの中でも割と愛嬌がない方であるクリスタルのイワークだが、まるで釣られるように笑みを浮かべている。これは何の技だ? 俺の知らない新技か? 効果は?
と、思考していると、そのままジュゴンが『アクアジェット』でクリスタルのイワークをぶっ飛ばしてきた。
は? ダメージ? みず技だぞ?
本来であれば、特性の『クリスタルボディ』でみず技は無効になる。にもかかわらず、弱点ダメージを受けた?
クリスタルのイワークも初めての経験に動揺を隠せずにいる。逆にこっちは遅れて謎が解けた。カンナは『なかまづくり』を使ってきたのだ。そういえば、そんな技があったっけか。
この『なかまづくり』という技は、相手の特性を自分の特性と同じものにする――という効果を持っている。
つまり、みず技を無効にし、弱点攻撃を受けると強化が入る『クリスタルボディ』から、ジュゴンの特性である『あついしぼう』、『うるおいボディ』、『アイスボディ』のどれかに強制的に特性を変更させられたのだ。
それにより、本来なら無効のはずのみず技が効果抜群で入ってしまった。水が大好きなクリスタルのイワークにとって、みずダメージは初めての経験だ。そりゃ、動揺もするだろう。
カンナが素直に口頭で『なかまづくり』と指示すれば、俺もすぐに意図に気付けた。けど、カンナは俺が気づくとわかったからこそ口頭指示を出さなかったのだ。相手を警戒し過ぎて様子を見過ぎた。問答無用で攻撃を仕掛けるべきだった、クソッ。
ここは一旦素直にクリスタルのイワークを戻す。みず無効が消えたということは、水の中にも入れなくなったということである。
だが、この手の技は一度ボールに戻れば効果が消えるので、交代が最善手――なのだが、こちらの交代に合わせてカンナもジュゴンを戻してきた。
こちらがムクホークを出していくと、カンナはここで笑みと同時に準伝であるフリーザー様を出してくる。
はっ? カンナがフリーザー様?
いや、こおりタイプのエキスパートであるカンナがフリーザー様を持っていないことの方がおかしいのはわかるが、こうも当たり前のように出されると流石にビックリする。
一応、特性の『いかく』でフリーザー様の攻撃が一段階ダウンするが、多分向こうは特殊型だろうし、そもそもの相性があまり良くなかった。
元々、こおりタイプ遣いであるカンナに、ひこうタイプのムクホークは不利だ。しかし、こいつはかくとう技の『インファイト』が使える。
それに、もしもの時の『きりばらい』要因としても採用したのだが――こちらが動く前に、ムクホークが氷漬けにされて戦闘不能にされてしまった。
――まさかの開幕『ぜったいれいど』かよ。
当たったのは偶然だと思いたい。しかし、まさかカンナがフリーザー様を持っているとは、流石のニューサトシも予想外だった。
少なくとも、俺が見た四天王リーグでカンナがフリーザー様を使ったデータはない。つまり、この試合のためだけに隠していたということだ。
後で聞いた話によると、俺と戦う時のためにずっと温存していたのことだったが、それで普通に伝説のポケモンをゲットしてしまう辺り、四天王ってすげぇと思わず感心してしまった。
思えば、去年のグリーンもサンダーを、何年か前に戦ったカルネもケルディオさんとは別個体のケルディオを使っていたし、何だかんだこの世界では四天王やチャンピオンも普通に伝説ポケモンを使ってくるのかもしれない。
でも、レッドが伝説厨になってしまったら多分誰も勝てないかも――と、思いながらも、当たり前のようにミュウを繰り出してくるレッドを想像したのは、俺がミュウツーを持っているからだろうか?
どちらにしろ、笑えねぇ冗談だ。
事実、フリーザー様にムクホークが瞬殺されたことも、簡単に笑えることではなかった。ハッ、笑えねぇ。
原作との変化点。
・ニューサトシは立場に興味無し。
どうも、ニューサトシが他のリーグに行く意思を見せているのを勝つ気がないみたいに捉えている人がいたので一応補足。そもそもニューサトシは四天王やチャンピオンになる気がない。仮に今回四天王やチャンピオン入りできたとしても、辞退してその分四天王リーグに居られる期間を増やして貰えるよう頼む予定。立場とかいらない、一生強い奴らと戦えるのが一番ハッピー。
・カンナの本気。
オレンジ諸島戦では、ニューサトシを立ち直らせるために本気ではなかった。正確には、あの時点では割と本気だったがそこからさらに成長している。
・なかまづくり。
ジュゴンの戦い方を模索していたら見つけた。割と面白そうだったので使ってみたが、意外とクリスタルのイワークに刺さって笑った。
・カンナのフリーザー様。
元々、こおりタイプの四天王なのに持っていない方がおかしかったと当時赤緑版をやっていたワイと同じおじさん達は思っているはず。なので、連れてきました。手に入れたのはオレンジ諸島でカンナと出会った後、公式戦でミュウツーのバトルを見てから。グリーンのサンダーと違って良好な関係を築けている。
・ハッ、笑えねぇ。
蛇足だとわかっているし、多分書くまでもなく読者も気づいていると思われるが、当然ながら滅茶苦茶笑っている。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.68
ピジョット Lv.63
バタフリー Lv.63
ドサイドン Lv.66
フシギバナ Lv.64
リザードン Lv.67
カメックス Lv.63
キングラー Lv.63
カモネギ Lv.63
エビワラー Lv.63
ゲンガー Lv.65
コノヨザル Lv.63
イーブイ Lv.63
ベトベトン Lv.64
ジバコイル Lv.63
ケンタロス Lv.63
ヤドラン Lv.63
ハッサム Lv.64
トゲキッス Lv.63
プテラ Lv.63
ラプラス Lv.63
ミュウツー Lv.76
バリヤード Lv.63
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.62
カビゴン Lv.63
ニョロトノ Lv.62
ヘラクロス Lv.62
メガニウム Lv.62
バクフーン(ヒスイの姿) Lv.62
ラティアス Lv.61
ヘルガー Lv.62
ワニノコ Lv.62
ヨルノズク(色違い) Lv.62
カイロス(部分色違い) Lv.62
ウソッキー Lv.62
バンギラス Lv.64
ドンファン Lv.62
ギャラドス(色違い) Lv.62
ミロカロス Lv.61
ラグラージ Lv.59
オオスバメ Lv.59
ジュカイン Lv.59
ヘイガニ Lv.59
フライゴン Lv.62
コータス Lv.57
サーナイト(色違い) Lv.54
オニゴーリ Lv.57
ワカシャモ Lv.57
メタグロス(色違い) Lv.57
エテボース Lv.55
ムクホーク Lv.54
ドダイトス Lv.54
ブイゼル Lv.55
ムウマージ Lv.57
カバルドン LV.55
ミカルゲ Lv.61
グライオン Lv.53
ロトム Lv.54
ユキノオー Lv.53
ガブリアス Lv.52
ゾロア(ヒスイの姿) Lv.46
ボーマンダ Lv.52
カイリキー(変異体) Lv.52
ミジュマル Lv.50
エンブオー Lv.50
ツタージャ Lv.50
ズルッグ Lv.45
ハハコモリ Lv.48
ペンドラー Lv.48
エルフーン LV.48
ギガイアス Lv.48
ワルビアル Lv.52
ヒトモシ LV.47
サザンドラ Lv.65
マリルリ Lv.43
ヒコザル Lv.1