15歳 γ月ν日 『不思議な気分』
レッド合流により、試合の組み合わせを変えることになった。今日は第一試合で、レッドとキクコが、第二試合でレッドとカンナがぶつかることになっている。
まさかの二連戦だが、本人は問題ないとばかりに普通にしていた。また、一応挨拶をしにいくと、覚えていてくれたようで、バトルを楽しみにしている――と、言われたような気がしたが声は聞いていない。
そして、いざバトルが始まると、勝負は意外と早く終わった。キクコも途中まで上手く攻めていたが、レッドのメガリザードンYの『ひでり』からの『ようりょくそ』フシギバナのコンボで荒らされてしまっている。
カンナも、フリーザー様という切り札と使って上手く立ち回っていたが、ピカチュウでみずタイプを全抜きされてしまったことで数の差を覆せずに何とか頑張っていたがそのまま敗北していた。俺があんなに苦戦したカンナを鎧袖一触か。
まだ差はあるとわかってはいたが、これを見るとちょっとショックだ。まぁ、バトルでは絶対勝つつもりでいるけど。
改めて、俺の四天王リーグの成績は今、一勝一敗。ブルーも一勝一敗で、カンナもまた一勝一敗。キクコも一勝一敗で、グリーンだけ二連敗。逆にレッドは参加早々二連勝を決めていた。
そして、気になる明日の試合だが、第一試合がブルーとカンナ。第二試合がレッドと俺という組み合わせになっている。
遂に、最強とバトルする時が来たか――この日が来るのを楽しみにしては居たが、実際その時が来るとワクワクとドキドキが上手い具合に合わさった不思議な気分だった。
15歳 γ月ξ日 『VS最強』
午前に行われたブルーとカンナの試合は意外にもブルーが勝利していた。レッドとの試合で負けたフリーザー様にドクターストップがかかったのが大きかったのだろう。
勝ったブルーは、「よっし! まだ天に見放されてないー!」と大喜びしており、逆にカンナは「まずいわね、本当に引退かしら」とショックを受けている。が、キクコが「お前さんを引退させるくらいなら、私が先に引退するよ」と、上手くフォローを入れていた。
普段、挑戦者が居ない時は序列くらいしか変わらないのでそこまで緊迫感もないようだが、今回は俺という異分子がいるせいで負けたら四天王落ちするというリスクがある。
だからこそ、スリリングなバトルが出来る一方で、負けた時の恐怖もひとしおだった。まぁ、俺は別に四天王とかチャンピオンとか興味ないけど、負けたくはないよねって話。
それは相手が誰であれ同じだ。
まだカンナにも勝てない未熟者なのは百も承知だが、だからと言って俺がレッドに勝てないと決まった訳ではない。
負ける気で戦うくらいなら、最初から戦うな――と、いう訳で、俺はこの試合も勝つつもりでこのフィールドにやってきた。
いざ、試合が始まるとレッドがボールを構える。
そのまま投げたボールからはピカチュウが飛び出してきた。こちらはボールを投げない。それだけで誰が出ていくかは伝わるだろう。
「ピカチュウ! 君に決めた!」
同時に、ピカ様が、相手は俺だと言わんばかりに頬をスパークさせて飛び出していく。
向こうのピカチュウも、前に戦ったことがあるのを思い出したようで、面白いと言わんばかりの笑みを浮かべていた。
前回は、『ばちばちアクセル』の一撃だけで吹き飛ばされて、何をされたのかも良くわからずに体力を半分以上奪われたが、もう俺達もあの頃の俺達ではない。
「「『ばちばちアクセル』」!!」
お互いに指示を出すと、互いのピカチュウがぶつかり合っていく。あの頃は追いつけなかった速度――今ならば追いつける。
だが、まだレベル差があるようで、じりじりとピカ様が押されていく。そのまま、弾かれるように、ピカ様は空中で一回転して衝撃を逃がした。
対する向こうのピカチュウは、多少後ろに下がっただけで踏ん張ったまま耐えている。スピードは追いつけても、パワーはまだ向こうの方が上か。
けど、足りないパワーを補うすべはある。ゼクロムから盗んだ青い『10まんボルト』をチャージしていく。
レッドも、興味深そうにこちらの挙動を見ていた。それならと、隠さず真っ直ぐに青い『10まんボルト』を放って攻撃していく。
レッドもピカチュウに『10まんボルト』を指示してきた。それも、見様見真似で電撃をチャージしてぶつけてくる――が、その雷は通常よりも大きいというだけ。
ゼクロムの力である青い雷は、そもそも雷としての種類が別だった。向こうの雷を押し返してむしろ飲み込んでいく。レッドはピカチュウに回避を指示しなかった。こちらの青い『10まんボルト』はそのまま向こうのピカチュウを飲み込んでダメージを与える。
爆煙の中、レッドのピカチュウが多少傷ついて出てきた。いける、向こうの電撃よりも、俺達のこの一年の成果の方が強い。
と、思っていると、レッドがピカチュウに何やら問いかけている。すると、ピカチュウは覚えたと言わんばかりに、その体からこちらとは対極の紅い雷を体から迸らせてきた。
おいおい、まさか一撃受けただけで覚えたと?
だが、色こそ違うが、レッドのピカチュウが放つ電撃は、まさにこちらが操る青い雷と同種類のものだった。ピカ様があれだけ苦労して手に入れた電撃をこんな一瞬で――否、仮に電撃が覚えられたとしても、俺達にはこの一年で学んだエネルギーの活用法がある。
それを見せてやる――青い『10まんボルト』をチャージして帯電。そのまま疑似ボルテッカー状態から、『ばちばちアクセル』を発動させてジャンプ。上から『アイアンテール』を叩きつけるJVA(ジャンピングボルテッカーアイアンテール)を!
しかし、レッドもまた前回の俺とのバトルを覚えていると言わんわばかりに、赤い『10まんボルト』をチャージして帯電。疑似ボルテッカー状態から、『ばちばちアクセル』を発動させてジャンプ。上から『かわらわり』を叩きつけるJVAの亜種を繰り出してきた。
エネルギーの効率は流石にこちらの方が上だが、向こうはそれをレベル差のパワーでごり押ししてきている。
結果、互いの必殺技は空中でぶつかり合った。こちらが縦に一回転して上から、向こうは横向きに回転して下から打ち上げるように、刀同士をぶつけるかの如く尻尾をぶつけ合っていく。
上から攻撃している俺達の方が、重力や落下のエネルギーをプラスして強くなっているはずなのに、技の威力は全く御互角だった。
技の威力がなくなって尻尾が流れるまでぶつかり合いは続くと、ピカ様はそのまま縦に一回転。レッドのピカチュウも横に一回転して、『アイアンテール』と『かわらわり』をぶつけあっていく。アーティを倒したこの追撃までも受けてくるか!
技の威力的には『アイアンテール』の方が上のはずだが、これもまた互角のままお互いに弾かれるように戻って来る。
しかし、ピカ様は既に肩で息をしていた。対するレッドのピカチュウは多少息を乱している程度。スタミナも向こうの方が上か――真っ向勝負に拘り過ぎるのは駄目だな。
力の差が改めて理解できたので、ここで一度ピカ様には戻って少し休んで貰う。すると、レッドもここでピカチュウを戻してきた。
続けて、二体目としてこちらはエビワラーを出していく。ほぼ同時に、レッドはカビゴンを出してくる。よし、かくとうタイプはノーマルタイプに強い。相性的には出し勝ちだ。
しっかし、カビゴンとは――カンナとのバトルで戦い方に失敗した俺への当てつけか?
まぁ、例え誰が相手だろうが、うちのエビワラーのスタートは変わらない。いつもの通り、呼吸をするか如く『こうそくいどう』で素早を二段階上げていく。
対するレッドは、カビゴンに『のしかかり』を指示してきた。同時に、向こうのカビゴンがカビゴンとは思えない速度でこちらに走って来る。これは素早Vは確定だが、にしても動きが早い。うちのカビゴンも俊敏な方だが純粋なスピードは向こうの方が上だった。
とはいえ、流石に『こうそくいどう』を積んだエビワラー程ではない。向こうがその巨体を押し付けようとしてくるのをギリギリで回避して、そのまま貯めていた『きあいパンチ』を当てていった。
超カウンターではない普通の『きあいパンチ』だが、タイプ一致と『てつのこぶし』の補正だけでも、威力は270まで跳ね上がっている。ノーマルタイプのカビゴンには弱点でさらに倍のダメージだ。普通なら即KOしていてもおかしくない場面。
だが、カビゴンはまだ動いていた。
勿論、ノーダメージではなく、体力の2/3近くは持っていっているが、にしてもこの一撃を受けてまだ余力があるのか。カビゴンはどちらかというと、防御よりも特防の方が優れているタイプのはずだが、流石は最強のカビゴンというべきだな。
と、思っていると、ここでレッドが『ねむる』を指示して、カビゴンが素直に眠りに入った。与えたダメージが回復していくが、これでしばらくの間、カビゴンは動かなくなる。
ならば、『きあいパンチ』連打でそのままKO――のはずだったのだが、突如として眠っているはずのカビゴンがむくりと起き上がって来た。いや、目は閉じているので眠ってはいる。眠ってはいるはずなのだが、何故か動き出したのだ。
カビゴンの奇行にこちらが動揺していると、どこからともなく「レッドのカビゴンは寝ながら襲ってくるから気を付けてー!」と、ブルーの応援らしき声が聞こえてきた。寝ながら襲ってくるとはどういうことだ?
首を傾げていると、カビゴンが機敏な動きで『ヘビーボンバー』を仕掛けてきた。この技は使う側の体重が相手よりも重ければ重いほど威力が高くなる『けたぐり』の反対版のような技だ。
はがねの物理技で、カビゴンの体重は平均460㎏はあり、エビワラーは平均50㎏くらい――否、うちのエビワラーは速度のために減量しているので45㎏くらいか。余裕で10倍は差があると見て良い。威力はMAXの120のはずだ。
先程の『のしかかり』が押し倒す系の技ならば、『ヘビーボンバー』は突進系の技だ。エビワラーを吹き飛ばさんとばかりに、カビゴンがタックルしようと突っ込んでくる。
だが、確かに眠りながら戦うというには驚かされたが、エビワラーの今の速度ならば回避はそう難しくない。今度こそ、超カウンターで――と、エビワラーが横にステップを踏むと、その瞬間にカビゴンは躓いたように地面に倒れた。
同時に、その衝撃が波のようにエビワラーを襲ってくる。『じしん』だ――このカビゴン、トレーナーの指示なしで好き勝手暴れてやがる。
流石にこの変則的な動きには対応できず、エビワラーもダメージを受ける。防御逆Vで有名なうちのエビワラーだが、タイプ不一致だったおかげもあって何とかギリギリで倒れずに済んでいた。
まずいな。
これは思った以上に厄介な相手かもしれん。今の攻撃でハッキリしたが、眠っているカビゴンは感覚で戦っている。
そこにトレーナーやポケモン自身の意思が介在していないので、エビワラーも相手の挙動から動きを先読み出来ないのだ。基本的にエビワラーは相手の動きを見たり、トレーナーの挙動を確認したりしながら、相手が何をしてくるか先読みしてカウンターを仕掛ける。
しかし、今回のカビゴンはいわば無意識で戦っているため、エビワラーとしてもいざその時にならないとカビゴンが何をするかわからない。実際、今も『じしん』を使ってうつぶせになったままカビゴンは眠ったままだった。
こんな無防備で大丈夫か――と、思うが、先程のようにいきなり動き出す危険もある。
起きていれば問題はなかった。トレーナーの指示や、カビゴンの動きや視線などから狙いを察知できたし、開幕の『きあいパンチ』のように一撃を入れるのは難しくない。
だが、今はトレーナーの指示もなく、カビゴン自身すらこれから何をするのか考えていない。故に、狙いが読めず、下手に手を出せなくなっている。まさか、あのエビワラーに、こんなに相性の悪い相手がいるとは思わなかった。
――落ち着け、まだバトルは始まったばかりだ。
ここは一旦、相性の悪いエビワラーを戻す。しかし、タイプ的な相性はいいのに、こんなに苦戦させられるとは、やはりポケモンバトルも奥が深い。
けど、ここを突破しないと勝ち目はなかった。
三体目としてバンギラスを出していく。同時に特性の『すなおこし』で、フィールドは砂嵐状態に変化した。これでいわタイプを持つバンギラスは特防が1.5倍になる。
とはいえ、本命は別だった。ここで貴重なメガ枠を使用して、バンギラスをメガバンギラスにメガシンカさせていく。
えっ? バンギラスナイトをどこで手に入れたって? 実はブルーのお見舞いに行った時に感謝の印としてユキノオーナイトと一緒に貰いました。これでメガシンカ可能ポケモンが増えた訳ですねぇ。
と、いうことで、『りゅうのまい』を指示して、メガバンギラスの攻撃と素早を一段階上昇させていく。
いくらレッドのカビゴンが眠りながら戦えると言っても、意識もないのに敵を狙える理由があるはずだ。俺はそれを、相手の殺気や敵意のようなものだと当たりを付けている。
先程も、エビワラーが『きあいパンチ』を使おうとしたのを感じて先手を取りに来た。
けど、予想外の『じしん』を受けてエビワラーが回避の態勢になってから、カビゴンはこちらを追撃しようとはしてこない。つまり、自身への攻撃意思の有無が、このカビゴンが動くかどうかのトリガーになっていると見た。
ならば、積み技の起点にしてやればいい。火力を最大まで上げて一撃を当てれば、如何にレッドのカビゴンとはいえKO出来る。
と、考えていると、こちらがカビゴンの戦い方を見破ったのを察したようで、こちらの『りゅうのまい』に合わせてレッドもカビゴンを戻してきた。
そのまま、三体目としてレッドはガチグマを出してきた。リングマの進化系であり、満月の夜に『ピートブロック』を使うことで進化できるのだが、当の『ピートブロック』はこの時代にはもう存在していないはずだ――まさか、俺の知らない進化方法が判明したのか? それとも、まさかシロガネ山で掘り起こしたのか?
俺が驚くくらい珍しいポケモンということで、当然ながら観客も大騒ぎである。俺の知る限り、レッドがガチグマを出した記録はない。マジでこの試合が初お披露目なのだろう。
だが、対面自体はそこまで悪いものではない。向こうはじめんタイプもあっていわタイプのこちらに弱点を突けるが、こちらも向こうの苦手なこおり技やかくとう技も使える。
改めてガチグマは、じめん・ノーマルタイプのポケモンで、通常特性は状態異常で攻撃が1.5倍になる『こんじょう』か、弾・爆弾系の技を無効にする『ぼうだん』の二つ。そして夢特性の、相手に木の実を食べさせなくする『きんちょうかん』のどれかだ。
また、種族値の数値自体もHPや攻撃、防御が高くて素早が遅い感じだが、こちらはメガシンカしている上、『りゅうのまい』を積んでいるので十分対応できる。
問題は、奴が覚えているであろう得意技の――と、考えていると、早速その得意技である『ぶちかまし』を使用してきた。
これはじめんタイプのインファみたいな技で、攻撃後に防御と特防が一段ずつ下がるデメリットがあるが威力が『じしん』を超える威力120の物理の大技だ。
前世では、使い勝手の良さから『じしん』の方が重宝されていたが、この世界では『じしん』はその強さ故に対策されやすい。そういう意味だと、威力も大きい『ぶちかまし』の使用は十分に有りだった。
しかし、こちらも負ける気はない。向こうの弱点である『れいとうパンチ』で反撃していく。
スピードはこちらが上なので先に攻撃が直撃したが、ガチグマはまるで気にした様子もなくガッチリとメガバンギラスと取っ組み合ってきた。こちらはメガシンカしている上にりゅうまいを一度積んでいるにも関わらず、完全に受けきれずに押されてしまっている。
レベル差? いや、こちらはバフ有りでメガバンギラスはオールV個体で攻撃自慢だ。いくら相手がレッドのガチグマでも、ここまで一方的に押されるなんて――と、思ったのだが、よく見るとガチグマの胸の辺りに火傷のような焦げ跡が見えた。
まさか、『かえんだま』か?
いや、違う。あれは技の跡だ――そうか、レッドはガチグマに突進させながら、『ほのおのパンチ』を自身にぶつけることで、無理やり火傷状態にして『こんじょう』を発動させてきたんだ。
攻撃が1.5倍になれば、流石のメガバンギラスも攻撃を受けきれない。しかし、特性を発動させるために、わざと自分を攻撃させるとは。火傷の確率は1割だぞ? けど、攻撃跡的に一回で発動させたんだろうなぁ、くそったれ!
いや、今はそんなことを言っている場合じゃない。受けきれないのであれば受け流せ。
ガチグマの『ぶちかまし』を受けながら、メガバンギラスが『けたぐり』でガチグマの足を引っかけに行く。『けたぐり』は相手の体重依存で威力が変わるが、ガチグマは平均290㎏あるので威力は余裕で最大が狙えるはずだ。
だが、その瞬間、ガチグマは全体重を乗っけるかのように後ろ足を踏み切ってきた。当然、こちらの攻撃は空を切り、体重を乗せて威力が増した『ぶちかまし』によって、メガバンギラスが勢いよく後ろへ吹き飛ばされていく。
しかし、レッドは追撃を止めなかった。こちらが体勢を立て直す隙を与えず、『じしん』を指示してくる。こちらはまだ体勢を立て直せていない。回避は不可能だった。
仕方なく『まもる』を使って攻撃を防いでいく。
そのまま一旦メガバンギラスをボールに戻した。すると、それを見て、レッドは『つるぎのまい』を指示してくる。抜け目がない、ポケモンもトレーナーもレベルが高い証拠だ。
再び、こちらはエビワラーを出していく。こういうパワータイプを相手にするならこいつの方が良いだろう。
当然のように開幕で、『こうそくいどう』を積んでいく。すると、ガチグマは再び『ぶちかまし』で攻撃を仕掛けてきた。
だが、いくらレッドとはいえ、初見でこいつを受けきれるはずがない――相手の『ぶちかまし』に合わせて、エビワラーが『きあいパンチ』を溜め始める。
そしてガチグマの、攻撃が直撃する寸前、その身を横にずらして『カウンター』を発動、技を連動させて『きあいパンチ』の威力を2倍にして振り抜いていく。
ただカウンターをするのではない。
エビワラーはカウンターを極めるために今まで拳を振ってきた。しかし、真のカウンターは、ただ相手に合わせて拳を振るだけでは完成しない。
――相手の認識の外から意識を断ち切る。
ギリギリまで引き付け、相手の攻撃が直撃するかどうかの瀬戸際に、『こうそくいどう』を積んで攻撃を回避。そして、相手が自分の攻撃に意識が集中している間に、視界の外に移動し、一刀で相手を仕留める。
ガチグマはギリギリまで自分の攻撃が当たると確信していた。故に、一瞬でエビワラーを見失ったのだ。前に何度も書いたが、人間もポケモンも意識の外からの攻撃に対処など出来ない。
――超カウンターがガチグマの顎を撃ち抜き、一撃で体力をゼロに持っていった。
褒めるべくは、エビワラーの技術力だ。こいつは昔から器用だから、技の同時使用も連続使用も普通に出来た。
でも、普通は『きあいパンチ』を溜めながら動くなんてできないし、相手の攻撃に合わせて『カウンター』を連動させることなんてできない。その上、攻撃に合わせて『こうそくいどう』まで併用しているのだ。
勿論、全て腕、全身、足とわざを使う部位が違うからこそできることだが、改めてこいつにはいつも助けられている。
流石のガチグマも起き上がれない――と、思ったら、ゆっくりとガチグマが立ち上がった。同時に、砂嵐状態が元に戻り、フィールドが元に戻っていく。
まさか、仕留めそこなったのか? いや、あの時のガチグマは完全にエビワラーのことを見失っていた。あの一撃を受けて立ち上がるなんて不可能のはずだ。
後でビデオを見返してわかったことなのだが、この時にレッドは最後の技として『こらえる』を指示していた。
聞けば、前にブルーと俺のカントーリーグの試合を見たことがあり、エビワラーがカウンター使いだとも知っていて超カウンターも見たことがあったらしい。
しかし、俺達があの頃よりも数段実力が上がっていたことで、レッドも『まもる』での防御が間に合わず、『こらえる』で戦闘不能を回避することしか出来なかったのだという。とはいえ、この時の俺は何故ガチグマが立ってきたのか謎で、首を傾げまくるだけだった。
レッドはここでガチグマを戻してきたので、こちらもエビワラーを戻していく。本当ならエビワラーの『おいうち』で倒せたのだが、この時は少し動揺していて相手に合わせてポケモンを交代した形だ。
レッドはここで再びカビゴンを出してきた。ならば、ここで一気に流れを掴もうと、最強のミュウツーを出していく。
レッドも、流石に珍しいものを見るような目でこちらを見てくる。そのままいつもの『サイコブレイク』でカビゴンにダメージを与えて、『はどうだん』でとどめを刺していった。
カビゴンも躱そうと動き回っていたが、流石にあの巨体で必中の『はどうだん』を避けるのは無理だ。高い特防も、弱点攻撃ならば貫通できて、再び起きて眠られる前に一気に倒しきることが出来ている。
続いて、再びガチグマを出してきたが、体力残り1のガチグマに負けるはずもなく、『サイコブレイク』で一刀両断してやった。『サイコブレイク』を使ったのは、先程のバトルでガチグマが何故立ったのかがわかっておらず、体力の見立てが間違っていた時の保険だった。
こうして二連続でレッドのポケモンを戦闘不能にしていった訳だが――ここで、レッドにスイッチが入る。
そう、ここまでは前座だ。
レッドのバトルは四体目からが本番と言われている。一体目は確定でピカチュウ。続けて、二体目三体目は気分でランダムにポケモンを出してきて、その内の二体が戦闘不能になると本気のスイッチが入ることが多い。
そして、俺は今、そのスイッチを押した。
さぁ、どうなる――と、ミュウツーと共に最強へと視線を向ける。表情は変わらず、口数も少ないままだが、その背からは赤い炎のような揺らぎが見えるような気がした。
原作との変化点。
・レッドとのバトルが始まった。
ピカ様同士のバトルは6対4くらいで、向こうが有利に終わっている。が、何も出来なかったあの頃よりは成長を見させられた。
・眠ったまま動くカビゴン。
ニューサトシの読み通り、相手の敵意に反応する。よって、詰み技の起点になるという弱点もある。が、普通はそんなのわからないので、眠ったり起きたりするカビゴンに荒らされるやつらも多い。
・メガストーンを貰った。
地味にブルーからプレゼントされている。ニューサトシは当然、大喜びで受け取った。
・ガチグマ。
シロガネ山の奥で見つけた謎のブロックでリングマが偶然進化した形。崩落したのも、洞窟内でぶちかましを試し打ちしたせい。また、進化したばかりでまだ馴染んでおらず、戦い方もリングマ時代の動きを模倣しているだけなので、他と比べると強さが一段落ちる。
・レッドの本気。
基本数合わせの二体がやられると本気になる。手持ちの強さで言うとフシギバナ>リザードン=カメックス>ピカチュウ>>>他二体という感じ。ファースト相棒はフシギダネ。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.68
ピジョット Lv.63
バタフリー Lv.63
ドサイドン Lv.66
フシギバナ Lv.64
リザードン Lv.67
カメックス Lv.63
キングラー Lv.63
カモネギ Lv.63
エビワラー Lv.63
ゲンガー Lv.65
コノヨザル Lv.63
イーブイ Lv.63
ベトベトン Lv.64
ジバコイル Lv.63
ケンタロス Lv.63
ヤドラン Lv.63
ハッサム Lv.64
トゲキッス Lv.63
プテラ Lv.63
ラプラス Lv.63
ミュウツー Lv.76
バリヤード Lv.63
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.62
カビゴン Lv.63
ニョロトノ Lv.62
ヘラクロス Lv.62
メガニウム Lv.62
バクフーン(ヒスイの姿) Lv.62
ラティアス Lv.61
ヘルガー Lv.62
ワニノコ Lv.62
ヨルノズク(色違い) Lv.62
カイロス(部分色違い) Lv.62
ウソッキー Lv.62
バンギラス Lv.64
ドンファン Lv.62
ギャラドス(色違い) Lv.62
ミロカロス Lv.61
ラグラージ Lv.59
オオスバメ Lv.59
ジュカイン Lv.59
ヘイガニ Lv.59
フライゴン Lv.62
コータス Lv.57
サーナイト(色違い) Lv.54
オニゴーリ Lv.57
ワカシャモ Lv.57
メタグロス(色違い) Lv.57
エテボース Lv.55
ムクホーク Lv.54
ドダイトス Lv.54
ブイゼル Lv.55
ムウマージ Lv.57
カバルドン LV.55
ミカルゲ Lv.61
グライオン Lv.53
ロトム Lv.54
ユキノオー Lv.53
ガブリアス Lv.52
ゾロア(ヒスイの姿) Lv.46
ボーマンダ Lv.52
カイリキー(変異体) Lv.52
ミジュマル Lv.50
エンブオー Lv.50
ツタージャ Lv.50
ズルッグ Lv.45
ハハコモリ Lv.48
ペンドラー Lv.48
エルフーン LV.48
ギガイアス Lv.48
ワルビアル Lv.52
ヒトモシ LV.47
サザンドラ Lv.65
マリルリ Lv.43
ヒコザル Lv.1