ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#036 『ズルもへったくれもないんだよ!』

 11歳 μ月φ日 『決勝戦 ラストバトル 前編』

 

 まさかのリザードンドクターストップである。

 いや、我ながら無理をさせたし、きずな現象は未完成ということもあって、負担が凄いのもわかっていたのだが、決勝戦に出せなくなるほどとは思わなかった。

 正直、俺もまだ少し体が重いし、ぶっちゃけ疲労が全回復した訳ではない。実際に戦っていたリザードンはもっとダメージが大きかったのだろう。

 とはいえ、多分、きずなリザードンの力がなかったら負けていたし、仕方ないと言えば仕方ない。リザードンなしは少し心配だが、ここまで来たらやるしかなかった。

 

 Bリーグを勝ち抜いてきたのは、やはり優勝候補のブルーである。今の所、使っているポケモンはゲームと全く同じだ。もし、変わっていなければ、今回もカメックス、ピクシー、ゲンガー、ウツボット、キュウコン、ガルーラだろう。

 ただ、ブルーも昨日の俺とシゲルの試合は見ているはずだし、リザードンの能力を警戒していてもおかしくない。もし、対策してくるなら、みずやでんき、いわタイプが多くなってくるはずだ。

 なら、こちらはそれをメタって、でんき、じめん、みずを多めに――とも思ったが、下手に山を張って通常メンバーだったら終わりだし、逆に通常メンバー読みで別のポケモンが出て来ても詰みなので、素直にポケモン達の調子で選ぶことにした。

 

 今回エントリーしたポケモンは、ピカ様、ピジョット、ドサイドン、エビワラー、ゲンガー、ストライクの6体である。

 ミュウツーを使う手もあったが、ここでミュウツーに頼ったら今までの努力の意味がなくなるので、最強の暴君には今日もボール内で見学をお願いしておく。

 

 一つ前に、シゲルと見知らぬトレーナーの三位決定戦があったが、無事にシゲルが勝利を収めていた。シゲルからは、「続けよ」と言われたがプレッシャーかけてくるんじゃねーよ。

 

 もし、この試合に勝てれば、チャンピオンリーグへの参加権利が手に入る。チャンピオンリーグは、各リーグの優勝者と過去4年までの優勝者が参加出来るらしく、今代の優勝者だけではなく、歴代の優勝者達ともバトルすることになるのだ。

 そして、そこで優勝して初めて四天王への挑戦権が手に入るというアホみたいなシステムである。

 ただ、今までカントーの四天王が変わっていない所から見て、今の所、四天王の牙城を崩したことのあるトレーナーは存在しないようだ。

 

 有り得ないくらい地獄のようなシステムだが多少の救いもあった。その年のリーグ優勝者はエキシビションとして、チャンピオンとバトルすることが出来ることになっているのだ。一対一のバトルだが、上のレベルを体感できるいい機会ではある。

 

 まぁ、それもこの試合に勝たないと意味が無いけどな。

 

 しかし、決勝戦だけあって、観客やマスコミの数が準決勝の比じゃ無かった。この試合で、セキエイ大会の優勝者が決まる以上、当然と言えば当然か。

 俺の目の前にいるブルーは特に緊張した様子もなく普通にしている。一応、軽く挨拶はしたが、「君のリザードンごと私のポケモンになってくれない?」と、ヤバい発言をしていたので、早々に話を打ち切らせてもらった。

 

 長い長い主催者の挨拶が終わると、遂にバトルがスタートされる。

 

 俺の一体目はピジョット、ブルーの一体目はピクシーだった。前回のロケット団と同じステロ要因だろう。

 当然のように開幕で『ステルスロック』を指示してきたので、こちらも『きりばらい』でステロを弾き返していく。六回戦からフルバトルになるのは事前にわかっていた以上、当然ステロ対策をしていないはずがなかった。

 

 だが、ブルーも甘くはないようで、こちらの『きりばらい』を見て、即座に『アンコール』を指示している。『きりばらい』を縛られたら勝負にならないので、『でんこうせっか』を先出しして縛りをずらしていく。

 ピクシーに先制技の『でんこうせっか』が当たり、少しダメージを与えたが、これでピジョットの攻撃はしばらく『でんこうせっか』で縛られてしまった。ただ、ピジョットさえ無事ならステロはいつでも解除できる。

 

 ブルーも『でんこうせっか』でステロが撒けるなら安いものと思っているのだろう。再び『ステルスロック』を指示して、盤面を有利にしていく。

 ここは一度ピジョットを戻すことにした。次に出す時はステロのダメージを受けてしまうが、アンコールで技を縛られた状態では相手にさせたい放題やらせてしまう。

 

 俺がピジョットを戻すと同時に、ブルーもピクシーをボールに戻した。次の出番まで待機させるつもりなのだろう。

 やはり、ブルーはトレーナーとしてのレベルが高いな。妨害を挟んで尚、ピクシーには役割を遂行されてしまった。

 

 ブルーは二体目にゲンガーを出してくる。おそらく、器用さを買ったのだろう。俺は二体目にドサイドンを出した。

 もし、ブルーの手持ちがゲームと同じなら、カメックスとウツボット以外なら有利に戦えると判断してのことだ。それに、ブルーはリザードンのドクターストップを知らないはずなので、対抗できるカメックスはこの状況では出しにくいだろう。残り3/4で有利が取れるのなら、ドサイドン以外に選択肢はなかった。

 

 ブルーはドサイドンを見て、俺が手持ちを読んでいるのに気付いたようで「やるねぇ」と呟いている。それほどでもあるぞ。

 

 フィールドに出たことでステロが刺さるが、そんなもの効くかとばかりにドサイドンが気合の入った声を上げていた。

 当然、相性有利なら『じしん』一択である。ブルーの手持ちにはひこうタイプがいないはずだし、後ろで受けられるポケモンもいないだろう。

 しかし、ブルーもゲンガーを変える気はないようで、ムサシ戦で見せた『サイコキネシス』からの疑似浮遊で上手く『じしん』を回避している。だが、一度見せた手段が何度も通用すると思って貰ったら困るな。

 

 空中に逃げたのならと『ドリルライナー』で追撃をかける。ブルーも『サイコキネシス』でドサイドンの動きを止めようとしたようだが、タイプ不一致のサイキネでドサイドンのパワーが止められるはずがない。

 ドサイドンも、俺を止めたかったらミュウツーかメガフーディンでも持ってこいやとばかりに、ゲンガーに『ドリルライナー』を直撃させた。

 

 正直、ゲンガーの耐久なら一撃で戦闘不能に出来ると思ったが、ギリギリのところで耐えたようだ。

 ドサイドンがゲンガーを一撃で倒せないってことは、こりゃ多分俺の手持ちポケモンは全員ブルーにレベルで負けてるな。ドサイドンがゲンガーのサイキネを突破できたのは、攻撃が向こうの特攻を上回っていたおかげだ。おそらく、別のポケモンなら止められていただろう。

 

 しかし、致命傷を与えたはずだが、ブルーは冷静だった。すぐに『いたみわけ』を指示して、ゲンガーとドサイドンの体力を調整してくる。

 しまった。『いたみわけ』はお互いの体力を合わせ、その合計の半分を互いに振り分ける技だ。

 ドサイドンの体力はマックスで、ゲンガーの体力はミリだった。これを平均化すると、ドサイドンの体力は約半分持って行かれたことになる。同時にゲンガーの体力も半分近く回復しただろう。

 

 対応が上手い。『アンコール』や『いたみわけ』で、常にこちらが想定した上を行ってくる。

 

 だが、状況がドサイドン有利なことに変わりはない。このまま一気に押し切ってやる。

 再び『じしん』を指示すると、ブルーがニヤリと笑った。そのまま、ドサイドンが攻撃モーションに移るのと同時にゲンガーをボールに戻して、次のボールを天高く放り投げる。

 

 出てきたのはウツボットだった。おまけに、ボールを上空へ投げたことで、滞空時間で上手く『じしん』を避けている。上から降って来るウツボットに、ブルーが『リーフストーム』を指示し、上空から攻撃を仕掛けさせていた。

 

 タイミングが良すぎる。こちらの攻撃モーションと同時に戻されたため、ウツボットはドサイドンの攻撃中に出てきていた。

 当然、ドサイドンは『じしん』を打った直後ということもあって、即座に回避する体勢には移れない。ウツボットの『リーフストーム』が直撃し、ドサイドンが一撃で戦闘不能になる。『いたみわけ』で体力が削られていなければ耐えられたかもしれないが、まさかこんな方法でポケモンを後出ししてくるとは思わなかった。

 

 倒れたドサイドンをボールに戻す。

 正直、ここでドサイドンを落とされたのはかなり痛い。『じしん』読み交代なら前世でもされたことはあるが、こちらが攻撃を中断出来ないギリギリのタイミングで交換されたことで、無傷降臨だけではなく反撃までしてくるなんて、どれだけの技術があれば出来るんだよ。

 

 ブルーもウツボットを一度ボールに戻した。『リーフストーム』は撃つと特攻が二段階下がる技だが、一度ボールに戻ればその特攻も回復するので、別の機会を狙っているのだろう。

 

 次に誰を出すかを考えたが、このままだとステロがウザいので一度ピジョットを出して払うことにした。

 だが、俺がステロを排除しようとしているのを読んで、ブルーもピクシーを出してくる。これで下手に『きりばらい』を使えば、また『アンコール』で縛られてしまう。だが、ピジョットはひこうタイプだからステロのダメージが1/4だ。また戻せば、次は体力を半分持って行かれる。このまま戦う以外になかった。

 

 ピクシーはフェアリー単タイプなので、弱点がどくタイプかはがねタイプしかない。

 しかし、俺のピジョットはこれまでの戦いでしっかりと『はがねのつばさ』を覚えていた。これで『アンコール』を撃たれても、弱点攻撃で攻めることが出来る。ピクシーさえ倒せば、ステロも排除できるはずだ。

 

 ブルーはピクシーに『10まんボルト』を指示している。向こうも弱点技で攻めて来た以上、どちらが先に倒れるかの殴り合いになりそうだ。

 ピジョットの『はがねのつばさ』が命中すると同時に、ピクシーの『10まんボルト』がピジョットを襲う。ピクシーはそこまで特攻の高いポケモンではないはずだが、それでも受けたダメージは想定よりも高かった。

 やはり、ピジョットよりもレベルが高いのだろう。だが、ピジョットの与えたダメージも低いものではない。このまま行けば、最後の一撃でギリギリさせるはずだ。

 

 続けて、ピジョットが二度目の『はがねのつばさ』をピクシーにぶつける。だが、その瞬間、ピジョットの動きが止まり、急に意味不明な挙動をし始めた。

 そのまま返しの『10まんボルト』の直撃で受けて尚、ピジョットがピクシーにすり寄って行く。見れば、ピジョットの目がハートマークになっていた。

 

 クソ、何で気付けない。『メロメロボディ』だ。

 

 直接攻撃を受けると三割で異性の相手をメロメロ状態にする特性。メロメロになったポケモンは五割の確率で技が出せなくなる悪魔のような状態異常である。

 ピクシーなら物理技対策として『メロメロボディ』は十分有り得ただろう。やっちまった。相手の特性を見落とすなんて、ニューサトシにあるまじき失敗である。

 

 こうなると、もうどうしようもなかった。

 

 仮にピジョットを戻しても、ステロのダメージで戦闘不能になる。一か八か『はがねのつばさ』を指示したが、メロメロのピジョットは技を出せずにピクシーの『10まんボルト』を受けて戦闘不能にされてしまった。

 

 ポケモンのレベル差は言い訳に出来ない。単純に俺のミスと、ブルーの方が一枚上手なんだ。

 これで、俺のポケモンは残り四体。ピカ様、エビワラー、ゲンガー、ストライクである。

 対するブルーは、ピクシーがミリで、ゲンガーが体力半分、後は全員無傷という状況だ。

 不利な状況だが、まだまだこれからである。

 とりあえず、流れを取り戻さないと話にならないので、ピクシーに有利、かつ後ろのメンバー相手にも器用に立ち回れるであろうゲンガーを三番手として送り出した。

 

 ゲンガーにもステロのダメージが入るが気にも留めていない。かなり集中した状態だ。

 ブルーもゲンガーを見て、すぐにピクシーを戻そうとしたが、それよりも先に『くろいまなざし』で交換を防ぐ。これ以上、ピクシーにウロチョロされても面倒だ。ここで確実に倒させてもらうぜ。

 

 ブルーも即座に『アンコール』で『くろいまなざし』を縛ろうとしてきたが、流石に同じ手は二度も通用しない。

 交換しようとした隙もあって、ゲンガーが動く方が早かった。ベトベトン直伝の『ヘドロばくだん』で一気にピクシーを戦闘不能にしていく。

 

 ブルーは次にキュウコンを出してきた。俺もゲンガーを戻して、四体目にピカ様を送り出す。

 ゲンガー相手にガルーラは出しにくいだろうし、ゲンガー対決は体力の差がある状況じゃ回避したいはずだ。また、『10まんボルト』や『サイコキネシス』を警戒すれば、カメックスやウツボットも出しづらいだろう。ここはエスパー技も使えて有利の取れるキュウコンが出てくるとわかっていた。

 ピカ様にはみず技の『なみのり』もあるし、キュウコン相手でも有利に戦える。ここで一気に流れを取り戻してやるぜ。

 

 フィールドに出たことで、ステロのダメージがピカ様にも入った。これもいい加減ウザいので、どこかのタイミングでストライクを出して『きりばらい』をさせたい所である。

 おそらく、ブルーもピジョットがいなくなってステロ除去はできないと思っているだろうが、俺のポケモンはひこうタイプが多い以上、『はねやすめ』と同様に『きりばらい』もしっかり全員に覚えさせているのだ。

 

 とはいえ、今は出せる状況ではないので、素直にピカ様でキュウコンと相対する。

 ブルーも一度戻してくるかと思ったが、ここはキュウコンを突っ張らせるらしい。『あやしいひかり』を指示してきたので、『かげぶんしん』で回避していく。アニポケの『かげぶんしん』は回避にて最強。

 

 混乱に出来ないとわかると、次にブルーは『マジカルフレイム』を指示してきた。『マジカルフレイム』は威力が75と少し微妙だが、当たれば100%の確率で相手の特攻を一段階下げることが出来る技だ。

 前回のシゲル戦で、俺のピカ様が特殊アタッカーだと判断しての選択だろうが、威力75の攻撃では『なみのり』を防ぐことなど出来ないだろう。

 

 ピカ様がお得意の『なみのり』で『マジカルフレイム』を打ち消しながらキュウコンにダメージを与える。だが、ブルーは待っていましたとばかりに『かなしばり』を指示して『なみのり』を封じてきた。

 ちっ、この迷いの無さからして、一度攻撃を受けるのは考慮の上か。いや、むしろ『マジカルフレイム』は、俺達に『なみのり』を使わせるための囮だった可能性すらある。

 

 向こうの『かなしばり』の効果で、しばらく『なみのり』は使えなくなったが、キュウコンにでんき技は等倍だ。まだまだ勝負はこれからである。

 ピカ様に『かげぶんしん』を指示して、再び距離を詰めていく。どうも、ブルーは特殊攻撃を意識しているようなので、近距離からの『ボルテッカー』をおみまいしてやろう。

 俺のピカ様は、既にアニメ初期の臆病な性格を克服しているので、攻撃も十分なパワーを持っているのだ。前回のシゲル戦では疑似ボルテッカーだったが、正規の『ボルテッカー』を見せてやるぜ。

 

 俺が『かげぶんしん』を指示したことで、『あやしいひかり』を警戒しているのは分かったのだろう。ブルーも素直に『マジカルフレイム』で分身を消していく。

 その隙にピカ様が射程範囲に入ったので、『ボルテッカー』を指示して一気に攻撃を仕掛けた。

 

「甘いよ! キュウコン、ジャンプ!」

 

 分身も含めた四方八方からの『ボルテッカー』をタイミングよく跳躍して回避される。

 まだだ! 『ボルテッカー』が外れたことで反動ダメージも受けていない。このまま『10まんボルト』でキュウコンにダメージを与えてやる。

 

「『ねっさのだいち』!!」

 

 しかし、ブルーの追撃は早かった。空中のキュウコンが、こちらが『10まんボルト』を撃つ前に、『ねっさのだいち』を繰り出してくる。

 この技は威力70と少し微妙だが、ピカ様の苦手なじめん技だ。おまけに、三割の確率で火傷状態にしてくる。『10まんボルト』を放つ直前のピカ様に、『ねっさのだいち』が当たり、攻撃が無理やりキャンセルさせられた。

 

 体勢を崩したピカ様へ追撃の『マジカルフレイム』が指示される。舐めんな、『10まんボルト』で相殺してやれ!

 

 ピカ様の『10まんボルト』とキュウコンの『マジカルフレイム』がぶつかり、爆発が起きる。どうやらブルーもピカチュウの『10まんボルト』くらいなら威力の低い『マジカルフレイム』で突破できると考えていたようでかなり驚いた顔をしていた。

 確かに、俺のピカ様じゃなければそうだったかもしれないな。だが、こいつはレアだぜ。

 

 しかし、ピカ様も何とか体勢を立て直したようだが、『ねっさのだいち』でかなりダメージを受けていた。

 ここは一旦、ピカ様を戻す。裏にカメックスもいるだろうし、ここで倒れられては後がきつい。キュウコンも既に技を全て使っているし、この状況ならゲンガーで十分倒すことが出来るだろう。

 

 俺が再びゲンガーを出し、ステロのダメージを受けると、ブルーは迷わず『ねっさのだいち』を指示してきた。

 この瞬間を待っていたんだ! 返しに『ヘドロばくだん』を指示して、『ねっさのだいち』を躱した上で、キュウコンに大ダメージを与える。

 ブルーも『ねっさのだいち』があまりにも簡単に躱されたことから、俺のゲンガーがカントーにのみ極稀に存在する『ふゆう』の特性を持っていると気付いたようで、「それはズル!」と抗議してきた。

 

 ズルもへったくれもないんだよ! これが特性をはく奪されるまで環境を荒らし回っていた『ふゆう』ゲンガーだ!

 

 ブルーも『マジカルフレイム』でゲンガーを倒せるとは思っていないようで、すぐにキュウコンをボールに戻そうとするが、それは悪手だ。こちらは『くろいまなざし』でキュウコンをこの場に足止めする。

 動揺していて『くろいまなざし』の存在が頭から抜けていたのだろう。ブルーも「まずっ」と言葉を漏らしていた。当然、追撃の『ヘドロばくだん』でキュウコンを戦闘不能にしていく。

 

 これで数の上では五分だ。

 

 ブルーはキュウコンを戻すと、ゲンガーを出してきた。キュウコンが『ヘドロばくだん』で受けたダメージから、俺のゲンガーよりも自分のゲンガーの方がレベルが高いとわかったのだろう。

 確かに真正面から戦えば、俺のゲンガーに勝ち目はない。しかし、それがわかっていて真正面から戦うほどニューサトシは正直な性格をしていなかった。

 

 ゲンガー同士の戦いである以上、『ふいうち』は最優先で警戒対象だ。ブルーもわかっているようで、さらに体力を回復させようと『いたみわけ』を指示してきた。読めていたので、こちらも『のろい』を指示する。

 ブルーのゲンガーの『いたみわけ』よりも先に、『のろい』が発動し、俺のゲンガーの体力が半分削れた。その上で、『いたみわけ』によって体力が調整される。ステロでダメージを受けていたこともあって、俺のゲンガーは体力が半分以下になっていた。向こうはそれ以上なので、むしろこちらは体力が回復している。

 

 この『のろい』による『いたみわけ』回避は、流石のブルーも読み切れなかったようだ。

 これで、向こうのゲンガーは時間経過で体力が1/4ずつ削られていく。残り体力半分以下ならすぐに戦闘不能になるだろう。

 ブルーはゲンガーをボールに戻した。流石にここでゲンガーを失う訳にはいかないと判断したようだ。

 俺もゲンガーをボールに戻す。ここでそろそろステロを排除しておかないと後が厳しいので、ストライクを五番手として送り出した。

 

 ストライクにステロのダメージが入る。むし、ひこうタイプなので、半分削れるのが本当にうざい。

 対するブルーは五体目のガルーラを出してきた。『ねこだまし』を受けるのは面倒だが、交代してゲンガーにステロが刺さると辛いので、ここは甘んじて『ねこだまし』を受ける。

 ガルーラの『ねこだまし』を受けるのと同時に、ストライクの『きりばらい』でステロを排除した。これでようやくステロの呪縛から解放されたぜ。

 

 何か追撃が来るかとも思ったが、ブルーは何やらストライクを見ながら思案顔をしている。

 こりゃ、多分リザードンがいないのがバレたな。

 ピカ様、ピジョット、ドサイドン、ゲンガー、ストライクとメンバーを見れば、そりゃ疑問にも思うか。いくらドサイドンがいたとはいえ、ひこうタイプ三体は弱点が被り過ぎるからな。俺の実力を考えれば、裏にリザードンがいないと考えるのが普通だ。

 

 これまではリザードンの幻影がカメックスを縛っていてくれたが、どうやらその効果も切れてしまったようで、ステロと『ねこだまし』でストライクの体力を半分以上削っていったガルーラを素直に戻し、ブルーが最後のカメックスを出してきた。

 

「理由はわからないけど、リザードンはいないみたいだね」

「まぁな。ドクターストップがかかっちまったんだわ」

「それは残念。でも、手加減はしないよ」

 

 そういうと、ブルーは当然のようにポケットからキーストーンを出してくる。

 やはり持っていたか。カメックスの首にメガストーンが付いているからあるとは思っていたが。

 

「その感じ、知ってるみたいだね」

「博識なんでな」

「そっか、じゃあ説明はいらないね。カメックス、メガシンカ!!」

 

 ブルーのキーストーンと、カメックスのメガストーンが共鳴し、カメックスがメガカメックスにメガシンカする。

 二つの砲塔は巨大な一つの砲塔に変化し、左右の手にも新たな砲塔が追加されていた。

 また、メガカメックスになったことで、特性が『メガランチャー』に変化する。波動系の技が1.5倍になるというものだ。当然、ブルーも覚えられる波動系の技は全て覚えさせているだろう。

 

 カントーでは滅多に見ることの出来ないメガシンカに観客も大盛り上がりである。

 確かに、見ている分には楽しいんだろうが、戦っている側としてはたまったものじゃなかった。さて、どうやって突破したものか。

 

「メガカメックス、『みずのはどう』!!」

 

 普通なら威力60しかない弱いみず技だが、メガカメックスの特性で1.5倍、タイプ一致で1.5倍、計威力135のみず技に変化する。

 そのままメガカメックスの全ての砲塔から攻撃が発射されると同時に、ストライクに『かげぶんしん』を指示した。

 

 フィールドに現れた分身によって、上手く『みずのはどう』を回避することが出来たが、それを見たブルーが今度は『はどうだん』を指示している。

 確かに『はどうだん』は必中技だが、いくらなんでもそれはこちらを舐めすぎだろう。むし、ひこうタイプのストライクに、かくとう技は1/4しか効果がない。いくら、メガカメックスになって能力が上がったとはいえ、それで倒されるほどこちらも甘くは――

 

「なっ!?」

 

 ストライクに『はどうだん』が直撃し、そのまま戦闘不能になる。

 いやいや、有り得ないだろう。確かに、ステロや『ねこだまし』で体力は半分以上削られていたが、それでも1/4ダメージで一撃ってどんだけ火力があるんだよ。

 

 俺のポケモンが三体戦闘不能になったことで、五分間のインターバルに入る。

 こちらの残りはピカ様、ゲンガー、エビワラーの三体。対するブルーは、無傷のメガカメックスを筆頭に、まだ四体もポケモンが残っていた。他のポケモンはまだしも、問題はメガカメックスだ。

 まさか、ストライクの残り体力を一撃で持って行くとは、相当レベルが高くないと出来ない芸当だ。下手をしたら、四天王のエースクラスくらい実力がありそうだった。

 

 こんなことなら、見栄を張らずにミュウツーを登録しておけばよかったかもしれない。

 

 




 原作との変化点。

・決勝戦が始まった。
 互いにいくつかミスをしたが、今の所は互角に戦っていた。メガカメックスの登場で均衡が崩れた。


 現在ゲットしたポケモン。

 ピカチュウ Lv.52

 ピジョット Lv.46

 バタフリー Lv.46

 ドサイドン Lv.51

 フシギダネ Lv.49

 リザードン Lv.52

 ゼニガメ  Lv.49

 キングラー Lv.46

 カモネギ  Lv.46

 エビワラー Lv.47

 ゲンガー  Lv.49→50

 オコリザル Lv.47

 イーブイ  Lv.43

 ベトベトン Lv.44

 ジバコイル Lv.46

 ケンタロス Lv.45

 ヤドラン  Lv.45

 ストライク Lv.45

 トゲピー  Lv.14

 プテラ   Lv.45

 ラプラス  Lv.45

 ミュウツー Lv.70

 バリヤード Lv.44

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