ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#004 『バイバイバタフリーなんてしない』

 10歳 δ月α日 『マサラタウン 旅立ちの日 中編』

 

 ピカ様と対面したが、やはり言うことを聞かない。

 

 むやみやたらにこちらに電気を飛ばしてくることはないのだが、触ろうとすると帯電するし、実際触ったら『でんきショック』をしてきた。ゴム手袋のおかげで大丈夫だが、この調子じゃすぐには仲良くなれないだろう。

 

 アニメだとサトシ君はピカ様をモンスターボールに戻せていなかったが、どうやらあれはサトシ君が上手くボールを使えなかったということもあったようで、普通にボールの光を当てると中に戻すことができた。

 

 そのまま爺からポケモン図鑑とボールを貰って旅に出るが、このままじゃ自衛もできん。

 

 とりあえず、マサラタウンから出てすぐの所でピカ様と再びご対面した。

 

 ちなみにシゲルたちはとっくに先に行った。

 まぁ、ポケモンが言うことを聞かないなんて事態がなければそんなものだろう。

 

「ピカチュウさん。少し真面目な話をしよう」

 

 目を合わせようとしないピカ様の目を無理やり合わせると、『でんきショック』で抵抗してきた。ゴム手袋があるのでさせるがままにしていると、すぐに疲れたのか電気は止んだ。

 

 そのタイミングで再び目線を合わせると、ようやく話を聞いてくれる気になったのか、黙ってこちらのことを見つめている。

 

「お前は俺が好きじゃない。つまり、野生に帰りたいってことで良いか?」

「ピカ」

 

 頷いたな。ならば、交渉だ。こっちだって嫌なのを無理に連れていくつもりはない。

 

「ピカチュウ。一度だけ俺に協力してポケモンを一匹捕まえさせてくれ。そうすれば、この先のバトルはそいつに任せるし、トキワシティについたらオーキド博士に頼んでお前を自由にしてやる。そうすれば自由になれるぞ。どうだ?」

 

 何のメリットも提示せずにただ従えと言っても嫌だろう。

 だが、自分にも得があるとわかれば嫌でも我慢できるはずだ。後は、もう流れに任せよう。本当にピカ様が一緒に来たくないなら博士に頼んで新しい御三家を貰えばいい。

 

「ピカピカ?」

「ああ、本当だとも。もしお前が嫌なら、トキワシティまでボールにだって入れない」

 

 本当かと疑っていたので、素直に頷く。

 実際、どうしてもピカ様が欲しい訳ではないしな。もう俺はニューサトシなのだ。アニメのサトシ君のように説得するつもりはない。

 

 ボールに入らなくてもいいというのが決め手になったようで、「ピカ」と頷いた。

 

 さて、これで契約成立だ。後は誰を捕まえるかだな。この辺りで捕まえられるポケモンと言えば、ポッポ、コラッタ辺りだろう。

 

 どちらも正直いらないんだが、どちらかと言えばポッポか。ひこうポケモンは上空を飛べるから道に迷った時も偵察に使える利点がある。

 

 ピジョン? いや、別にポッポから育てればいいだろう。

 

「決めた。ポッポを捕まえる。それでお前は自由だ」

「ピカピカ」

 

 わかったとばかりに、ピカ様が近くでポッポを探し始めた。

 しかし、いざ探そうとすると意外と出てこない。この辺りをぐるっと回ったが、ポッポらしき姿は見つけられなかった。仕方ないので、そのまま先に進む。

 

 ピカ様も、ポッポさえ捕まえればお役御免ということで素直について来ている。

 

 そのまま歩いていると、木の側でようやくポッポに出会えた。

 ピカ様がやる気をみなぎらせながら前へ出るので、倒しきらないように声をかける。そのまま『でんきショック』を指示すると、一発でポッポがダウンした。ボールを投げる。

 

 大リーグボール一号が命中し、無事にポッポをゲット出来た。

 

 これでピカ様との契約も終了だ。一応、逃がすにしても博士に言う必要があるので、トキワシティまでは一緒に来るようにお願いする。自由になれるなら従うという感じで、そのまま後ろに付いて来たのでポッポを出して先導をお願いすることにした。

 

「ポッポ、これからよろしく頼む。ダメージは問題ないか?」

 

 平気だと声を上げるので、そのまま前を飛んでもらう。

 途中、コラッタが出て来て勝負を仕掛けてきたが、上空を飛んでいるポッポが『たいあたり』しか出来ないコラッタに負ける理由がない。まぁ、こちらもまだ『たいあたり』しか覚えていないようだが、上空からのヒット&アウェイを指示すると、ダメージ無しでコラッタを倒すことが出来た。

 

 うむ、やはり戦い方一つでどうにでもなるな。

 あ、ちなみにピカ様は後ろであくびしてます。

 

 そのまま何度か野生のポケモンとバトルしていると、今度はオニスズメが出てきた。

 アニメではピカ様の電気にやられて群れで襲ってくる奴らだが、流石に一対一のバトルならそんな卑怯なことはして来ないだろう。でないと野生ポケモンと戦う度に群れが出てくることになるしな。

 

 向こうもひこうタイプということで、流石に無傷で倒すのは難しそうだった。

 新しくポッポも『すなかけ』を覚えているが、オニスズメの特性は『するどいめ』なので命中は下がらない。どうにか『たいあたり』でダメージ勝ちするしかないだろう。

 

 ポッポに指示を飛ばしながら、何とかダメージ有利な状況をキープしていく。

 野生のポケモンは動きが単調だし、このまま行けば勝てるはずだ。そう思っていると、ポッポの『たいあたり』が急所に当たったのか、オニスズメが落下して行った。勝利である。

 

 ふと、落下したオニスズメを見ると、涙目でこちらのことを見ていた。あれ? どこかで見たことあるなこの光景――

 

 

 

 10歳 ε月α日 『トキワシティ 旅立ちの日 後編』

 

 いやぁ、まさかマジで原作通りに事が進むとは思わなかったなぁ。

 

 オニスズメも、バトルに負けたからって本当に仲間呼ぶなよ。子供の喧嘩に親が出てくるようなもんだぞ。恥を知れ恥を。

 

 振り返ると、結局はあの後、オニスズメの群れに追われることになり、ボールの外に出ていたピカ様は見事にオニスズメ達からタコ殴りにあった。ボールを出す暇もなかったので、ダウンしたピカ様を抱いてそのまま走り、滝へダイブ。途中、カスミらしき少女から自転車をかっぱらい、そのまま爆走したものの、結局は捕捉され、最終的にはピカ様の自然の力を借りた『かみなり』でオニスズメを倒したというのが一連の流れである。

 

 最悪はマサラ式肉体言語術を使おうかと思っていたので、解決出来て本当に良かった。

 

 まぁ、アニメのサトシ君のように格好良く庇うことはしなかったのだが、どうやら助けようとしただけでも通じ合えたらしい。綺麗に原作通りの話をなぞったおかげもあり、今はトキワシティのポケモンセンターでこうして日記を書いている。

 

 ちなみにホウオウも見た。羽は落とさなかった。残念だ。

 

 改めて、今ピカ様は回復中。そして俺はカスミらしき少女に自転車を壊したことについて怒られ中である。

 想像以上に怒っていて謝罪すら出来ない。すまんて、ピカ様の危機だったんや。

 

 そのまま怒鳴られ続けていると、ピカ様が治療室から出てきた。

 

 タイムと言って、そのままピカ様の所へ行き、ジョーイさんに容体を聞く。カスミもボロボロのピカ様を見て怒るほど鬼ではないらしく、今はピカ様を看病してあげなさいと言ってくれた。やっぱ、カスミさんは良い奴やで。

 

 姉御肌のカスミさんに感動していると、警報が鳴ってロケット団がやってきた。

 

 そういえば、こいつらもここで初登場だったな。喋るニャースとか珍しすぎてマジで欲しいんですけど。名乗りも格好良いし、やっぱこいつら好きだわ。

 

 とはいえ、このままピカ様を渡す訳には行かないのでポッポで応戦する。

 オニスズメとの格闘の末に『かぜおこし』を覚えたので割といい戦いになっているが、相手はニャース、アーボ、ドガースと三体もいるので数で不利だ。加えて室内ということもあり高度が取れない。ひこうポケモンの強みを行かせないのはマイナスでしかなかった。

 

 途中、見かねたカスミさんが格好いいこと言いながらトサキントで乱入してきたが、カスミさんみずタイプのポケモンで陸上適正ないやつはここでは戦えませんよ!

 

「わかってるわよ!!」

 

 思わずツッコミを入れてしまい、真っ赤に怒ったカスミさんが今度はヒトデマンを繰り出した。流石にジムリーダーの資格を持っているだけあって強い。ポッポと協力して一気にロケット団のポケモンを倒すことに成功した。

 

 ってか、アニメと違ってピカ様寝たまま撃退しちゃったけど、あいつらこれから付いて来るのかなぁ。

 

 

 

 10歳 δ月β日 『トキワの森へ 劣化ビビヨン、バタフリー』

 

 何だかんだ自転車を弁償するまで付いて来ることになったカスミさんを連れてトキワの森へ向かう。

 

 ピカ様ももう完全復活したのだが、どうやらオニスズメの一件で懐いてくれたのか、俺と一緒にいるのも嫌じゃなくなったようだ。

 逃がす約束は反故となり、俺の指示にも素直に従ってくれるので、もう大きな問題はなさそうである。

 しかし、やはりボールの中に入るのは嫌なようでアニメのように外に出ていた。まぁ、外に出ていて大きな問題もないので別に良いか。

 

 ポケモンセンターも壊さずに済んだし、後はニビシティに向かうだけである。

 

 そんなこんなでトキワの森に来たのだが、カスミさんがキャタピーを見つけてビビりまくっていた。

 それを見ながら、まじめにバタフリーを使っていくかどうか迷う。

 

 このキャタピーをバタフリーに育てても、途中でバイバイさせられる可能性があるんだよな。ただ劣化ビビヨンとはいえ、『ふくがん』の『ねむりごな』は強いし、割と活躍できるだろう。最悪、キョダイマックスだってあるしな。

 

 散々悩んだが、ポッポの『かぜおこし』を耐えられたら捕まえようということにし、ポッポでバトルを仕掛けた。

 

 こちらに気付いたキャタピーが『いとをはく』で動きを封じようとしたが、高度を取って回避、そのまま遠距離から『かぜおこし』をくらわせる。

 当然のように吹っ飛ばされたが、ギリギリでダウンすることなく立ち上がって来た。

 

 やっぱり、ガッツがあるな。ゲームなら間違いなく戦闘不能だが、どうやら気合で耐えたらしい。とりあえず、ボールを投げた。すまんがバイバイバタフリーさせる気はないから彼女作るのは諦めてくれ。

 

 原作通りキャタピーをゲットすると、そのタイミングで前回のバトルでの経験値もあってレベルが上がったのか、ポッポがピジョンに進化した。

 まぁ、カスミさんの手を借りたとはいえ、ロケット団の三体を一体で倒したのだ。レベルも上がっていたのだろう。これで原作通りのメンバーである(ピジョンの個体は別だが)。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・第1話『ポケモン君に決めた』より、ポッポを捕まえた。
 しかし、経験値を稼いだのですぐにピジョンになった。今はピカ様よりレベルが高い。

・第2話『対決ポケモンセンター』より、ロケット団をピカ様が追い返さなかった。
 そもそもピカ様と出会ってない。そのせいで特別なピカチュウと思われなかったので、今後後を着いてくるかどうかわからなくなった。

・トキワシティのポケモンセンターが壊れなかった。
 アニメでは後に「サトシ、ポケモンセンター直ってるわよ」「ほんとだ」で済まされるが、そもそも壊れなかった。

・心の中で、カスミをカスミさんと呼ぶようになった。
 話す時は普通に呼び捨てだが、日記にはカスミさんと敬意を表している。ピカ様も一緒で、話す時はピカチュウと普通に呼んでいる。


 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.5→10 

 ポッポ→ピジョン Lv.4→18 NEW!

 キャタピー Lv.3 NEW!


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