ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#042 『俺はこいつを消防士にするつもりはない』

 11歳 β月φ日 『こういう奴は嫌いじゃない』

 

 オレンジリーグ最後のジムであるリュウチン島を目指して、今日もラプラスに乗って旅をしていると、ヒデと名乗るトレーナーがわざわざ船から俺達に話しかけてきた。

 聞けば、ヒデもオレンジリーグに挑戦しており、俺の後にユズジムに挑戦したらしい。そこで、俺の実力を聞いたらしく、腕試しをしたいということだった。

 

 当然、売られたバトルは買うのが礼儀ということで、近くにある小島でヒデとバトルをする。

 

 誰を出すか悩んでいると、「一番強いポケモンでかかってきな」というので、ミュウツーを出すことにした。こいつも、前に語り合ってから暴れる機会を探していたみたいだし、ヒデのやる気なら暴君の力で潰されるようなこともないだろう。

 

 ヒデがミュウツーを見て、「は、初めて見るポケモンだ……」と驚いているようだったので、「伝説のポケモンだぞ」と教えてやる。ケンジも初見のミュウツーに大興奮して、「観察させてもらいます!」と絵を描き始めていた。

 カスミさんが「いくらなんでもミュウツーはやりすぎじゃないの?」と、相手のことを心配していたので、「変えるか?」とヒデに聞いてみる。だが、ヒデは「是非、挑ませてくれ」と即答してきた。いいね、こういうやる気のあるトレーナーは嫌いじゃない。

 

 ヒデは一番自信のあるポケモンとしてニョロボンを出してきた。どうやらこのニョロボンは故郷のリーグに優勝したこともある強者のようで、その時に貰ったらしいチャンピオンベルトを巻いている。

 しかし、相手はみず、かくとうタイプだ。エスパー技で戦えば瞬殺できる。だが、それじゃミュウツーも面白くないだろう。舐めプと言われるかもしれないが、近接戦を指示するつもりである。むしろ、それくらいのハンデがなくて勝てないのであれば、最強(笑)だからな。

 

 ヒデにも「こいつはエスパータイプだ」と、情報を与えておく。それを加味して、バトルを組み立てて欲しい。

 向こうも舐められていると感じてはいるだろうが、ミュウツーの圧倒的なプレッシャーの前にはそれも仕方ないと思っているようだ。どうにも攻めあぐねているようなので、緊張をほぐす意味でもミュウツーに『かわらわり』を指示した。

 

 暴君も、その指示で俺の考えていることを理解したようで、超能力でスプーンを作ってニョロボンに攻撃を仕掛けていく。ちなみにこいつは自称最強を謳っているだけあって、レベル技以外の技も大体覚えている。当然、『かわらわり』も余裕だった。

 対するヒデは『さいみんじゅつ』を指示し、突っ込んでくるミュウツーを眠らせようとして来る。意外とクレバーな戦術に、ミュウツーも咄嗟にスプーンを回転させて、『さいみんじゅつ』を防いだ。

 

 動きが止まったミュウツーへ『れいとうビーム』を撃って来るが、暴君はお得意の『ひかりのかべ』バリヤードエディションを使って遠距離攻撃を完全に防いでいく。それを見たヒデも、遠距離攻撃は効かないとすぐに判断したようで、『じごくづき』を指示してきた。

 こちらの苦手なあくタイプの技である。流石にくらったらダメージになるので、ミュウツーもスプーンでニョロボンの攻撃をガードしていく。

 

 それを見たヒデが「そのスプーンを掴め、『ぶんまわす』だ!」と、別のあく技を指示してきた。しかし、ミュウツーのスプーンは超能力で作ったものなので、消すのも自在である。ニョロボンがスプーンを掴んだ瞬間、ミュウツーがスプーンを消し、瞬時に新しくフォークを作り出していた。

 体勢が崩れたニョロボンを見て、ミュウツーに『つばめがえし』を指示する。これもまたニョロボンの弱点であるひこうタイプの技である。タイプ不一致技とはいえ、ミュウツーのパワーに耐えきれなかったようで、ニョロボンが一撃で戦闘不能になった。

 

 ヒデも一瞬悔しそうな顔をしたが、すぐに「いい経験をさせてもらった」と、こちらに感謝をしてくる。「こいつをバトルで使ったのはお前が初めてだ」と言うと、俺が普段のバトルではミュウツーを使うのを自制していると理解したようで、「俺のためにわざわざ出してくれたのか、ありがとな」と、改めて感謝の言葉を口にしていた。

 エスパータイプなのにエスパー技を使わなかったことで、手を抜かれているのは察していたようだが、十分に上のレベルを体験できたはずだ。「お互いにオレンジリーグ頑張ろうぜ!」と、エールを送って来たのでこちらも握手で返す。久しぶりにバトルをしていて気持ちの良い相手だった。

 

 

 

 11歳 β月χ日 『ゼニガメを消防士にしようとするのはやめろ』

 

 ウンシュウ島という島に辿り着いたのだが、着いて早々、港近くの倉庫が火事になったということで、カスミさんと俺のみずポケモンで火消しを手伝った。

 カスミさんは、スターミー、パルシェン、シードラ、ラプラス。俺はゼニガメとラプラスである。ケンジもマリルを出して手伝いをしてくれたおかげもあって、カメールの消防団が来る頃には火も大分弱くなっていた。

 

 カメール消防団を指揮するラッセルというおっさんにも協力を感謝され、俺のゼニガメに見所があるとか言ってくる。おい、勧誘はやめろ。俺はこいつを消防士にするつもりはないんだ。

 何やらゼニガメをカメール達の訓練に参加させてみてはどうかとか言われたが、面倒事に関わるのはごめんなので、さっさと次の街へ向かうことにした。

 

 

 

 11歳 β月ψ日 『海は大荒れトゲ様ご機嫌』

 

 クネンボ島とかいう島についたのだが、海が大荒れで先に進めない。しばらくはこの島で過ごすしかなさそうだった。

 

 いい機会なので、この機にそろそろトゲ様もデビュー戦をさせてみようと思う。ポケモンリーグ前に怒られた時から実戦形式のバトルはし始めたのだが、まだ本格的なバトルはしていなかったのだ。

 まぁ、それ以前にうちの面子はポケモン含めて全員、末っ子のトゲ様にだだ甘なので、このままではトゲ様のためにならないというのもある。実際、今もカスミさんが「まだ早いんじゃないの?」と甘いことを言っており、ピカ様まで一緒になって頷いていた。

 

 しかし、何だかんだ訓練はしていたので、既にレベルは30もある。いい加減、バトルさせても問題ないだろう。いつまでも箱入りトゲピーにしているつもりはない。

 念のために、本人にもバトルしてみるかどうか確認を取ってみると、やる気のある顔で頷いていた。本当に、アニメと違って凛々しくなったものだ。

 

 同じようにクネンボ島で足止めを受けているトレーナーに頼んでトゲ様のデビュー戦をさせて貰う。

 ちなみに。覚えている技は『じんつうりき』、『わるだくみ』、『はたく』、『なきごえ』、『てんしのキッス』、『いのちのしずく』、『あまえる』、『げんしのちから』、『あくび』、『ゆびをふる』、『ギフトパス』、『おさきにどうぞ』である。レベル技をこれだけ覚えた上に、謎に覚えている『じんつうりき』と『わるだくみ』もあるのだ。接近戦になったらやばいかもしれないが、遠距離戦なら良い線行くと思っている。

 

 快くバトルを引き受けてくれたトレーナー、ジュンジに感謝しつつ、バトルフィールドに移動してトゲ様のデビュー戦を行った。

 

 結果から言おう。トゲ様はチック様に進化した。

 

 どうやら十分に懐かれていたようで、相手のクサイハナを倒した瞬間、進化が始まったのだ。実戦経験でのレベル上昇が進化のキーになっていたのかもしれない。

 また、進化したことで少し大人になったのか、前よりも素直にボールに入ってくれるようになった。もう少し慣らしてみて問題なさそうなら、一度スタメンから外してみてもいいかもしれないな。

 

 

 

 11歳 γ月γ日 『これカントーの話じゃなかったか?』

 

 お雛様の日だということで、立ち寄った島が女性限定のサービスをしていたので、カスミさんが寄って行きたいとダダをこねた。

 買い物をするのは別に構わなかったのだが、当然のように大量の荷物を持たせられるのだけは勘弁してほしい。やっぱ、女の買い物になんか付き合うものじゃないわ。

 

 そんなことを考えていると、向かいからこちらと全く同じ顔をしたコジロウとニャースがムサシの荷物を持っているのを発見。お互いに大変だなと傷をなめ合っていると、いつの間にかカスミさんとムサシが屋上で始まる女性限定のバトルに参加することになっていた。

 

 どうやらバトルは4対4で行うようで、カスミさんはスターミー、パルシェン、シードラ、コダック。ムサシはアーボック、サワムラー、オニドリル、そしていつの間にかゲットしていたらしいベロリンガで参加していた。

 

 近くに居たコジロウに、「あれ、いつ捕まえたんだ?」と聞いてみると、「ついさっきだよ。あのベロリンガがムサシの買ったもん全部持ってっちゃったんだ」とのことらしい。そういえばアニメでこんな話があったような気がしなくもないが、もう忘れちまったなぁ。

 

 とりあえず、当然のようにカスミさんとムサシが決勝まで行き、本気でバトルすることになった。思えば、この二人がしっかりとしたバトルをするのは初めてかもしれない。

 ポケモンリーグでベスト8に行っただけのことはあり、ムサシが終始優勢だったが、カスミさんも何だかんだジムリーダーである。最後は上手いことコダックの『ねんりき』を発動させて、ムサシに逆転勝利を収めていた。

 

 カスミさんが賞品の特製雛人形を貰って大喜びしていたが、それこの旅の間ずっと持って行くつもりなのか?

 

 

 

 11歳 γ月δ日 『俺が言うのも何だが、原作崩壊も良い所だな』

 

 ロケット団がお馴染みの落とし穴作戦を仕掛けてきたのだが、果物が不自然に置いてあったり、一つの木に無駄に木の実が生えていたりと、流石にあからさますぎる。

 当然、事前に罠だとわかっていれば土の具合などで落とし穴の位置はわかるので、悠々と罠を回避すると、慌てて出てきたロケット団が実力行使だとばかりにポケモンバトルを仕掛けてきた。

 

 しかし、ムサシは前回ベロリンガを捕まえたのは知っていたのだが、コジロウが出してきたのはまさかのフシギダネである。それも、俺のフシギダネ――いや、通常のフシギダネの二倍以上の大きさはある、ジャンボフシギダネだった。

 

 お前らそいつどこで捕まえたんだよと聞いてみると、どうやらビッグシティの地下に捨てられていたのを見つけたとのことで、コジロウが懐かれてゲットしたらしい。そういえば、こいつはくさタイプのポケモンに謎に愛される体質だったっけか。

 

 地下の環境に適応するために大きく育ったんじゃないかというのがケンジの推察だが、それにしてもデカ過ぎるだろう。このジャンボフシギダネに対し、俺も自分のフシギダネを出したのだが、こうして比べると相手の大きさが良くわかった。

 相手の『つるのむち』など、もはや前にあったフシギバナばりの大きさで、体格に見合ったパワーもある。ぶっちゃけ、能力だけなら俺のフシギダネの上位互換といっても過言ではなかった。

 

 だが、残念ながらそれで勝負が決まるなら苦労はなく、俺のフシギダネには今までのバトルで培ってきた経験値がある。当然のようにジャンボフシギダネをあしらい、ロケット団をやなかんじーにしてやった。

 

 

 

 11歳 γ月ζ日 『もう流石に雲も風もなさそうだ』

 

 遂にリュウチン島へたどり着いた。

 早速バトルと意気込んでいたのだが、突然よく知らないおばさんが俺を誰かと間違えて抱きついてくる。聞けば、どうやら息子が一年前にピカチュウを連れて旅立ったようで、俺をそいつと間違えたらしい。

 まぁ、それは別に良いのだが、問題はこのおばさんがサザンクロス北の星、リュウチンジムのジムリーダーだということである。

 

 話の途中で良く分からないメカで乱入してきたロケット団を片手間でやなかんじーにしながら、早速このおばさんことルリコにジム戦を申し込む。ロケット団を片付けたのを見て俺の実力もわかったのか、ルリコも「受けて立ちましょう」と即答してくれた。

 

 そのままリュウチンジムに移動していたのだが、どうもリュウチンジムはホテルも兼用しているようで、ルリコはそのホテルの社長でもあるらしい。

 とりあえず、一泊予約を入れ、バトルフィールドに移動する。豪華なホテルに見合った大きなフィールドは、もはやスタジアムといって良いだろう。これだけのフィールドでバトルするのはポケモンリーグセキエイ大会ぶりだった。

 

 ルールは2対2のダブルバトル。

 どちらか一方のポケモンが一体でも倒れたらその時点で敗北というルールだった。正直、今までで一番普通なルールだが、そういえばアニメだとこの時点でダブルバトルはまだ登場していなかったんだっけか。ぶっちゃけ、俺はロケット団でダブルバトルは慣れているのであまり問題は無さそうである。

 

 いざバトルと行きたかったのだが、残念ながらルリコはホテルの仕事があるらしく、ジム戦は明日の朝に持ち越しになった。

 社会人でジムリーダーをやっている以上は仕方の無いことなので諦めるしか無い。

 ただ、ルリコの事情ということもあり、今回の宿泊費はタダになった。こんな豪華なホテルにタダで泊まれるのなら勿論こちらに文句はない。カスミさんとケンジなど大喜びで大浴場に走って行った。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・第104話『ピカチュウVSニャース』より、ピカ様は攫われなかった。
 復活したニューサトシがいつものようにやなかんじーにしたので、ピカ様とニャースの話はカットされた。

・第105話『リザードン! 君に決めた!!』より、暴君でヒデに手ほどきをした。
 アニメではリザードンと和解する重要な回だが、ここでは暴君のデビュー戦になった。流石にエスパー技でワンキルするのは大人げないので、タイプ不一致の物理技主体でバトルした。上のレベルを体感できたヒデはオレンジリーグにますます気合が入った。

・第106話『火消し対決! ゼニガメVSカメール』より、消防団に参加しなかった。
 原作よりみずポケモンが多いこともあって、火消しがスムーズに進み、ゼニガメもカメールに対抗心を燃やさなかった。アトラクタフィールドの収束により、ゼニガメを消防訓練に参加させるように言われたが、ニューサトシは即拒絶した。

・第107話『燃えよ! カビゴン!』より、トゲ様が進化した。
 カビゴンを持っていなかったので原作の話はカットされた。代わりに、トゲ様がクサイハナと戦い、勝利を収めている。なつき度は既にマックスだったため即進化した。進化して少し大人になった。

・アトラクタフィールドの収束により、雛祭り編になった。
 ムサシがベロリンガをゲットした。多分もう季節系の話はやらない。

・コジロウがフシギダネをゲットした。
 ビッグシティの地下でニューサトシ達をはめる落とし穴を作成中、コジロウがジャンボフシギダネに誘拐されて仲良くなった。またフシギダネから話を聞いたロケット団によって市長は成敗され、裏金を巻き上げて活動資金に加えた。原作よりもロケット団が裕福なので、あまり腹ペコモードになっていない。

・第108話『タッグバトル! 最後のジム!!』より、ロケット団をニューサトシだけで倒した。
 アニメではルリコのフーディンが活躍するが、ニューサトシが一人で倒してしまったため、ルリコの手持ちはわからなくなった。


 現在ゲットしたポケモン。

 ピカチュウ Lv.52

 ピジョット Lv.47→48

 バタフリー Lv.47→48

 ドサイドン Lv.51

 フシギダネ Lv.49

 リザードン Lv.52

 ゼニガメ  Lv.49

 キングラー Lv.47→48

 カモネギ  Lv.47→48

 エビワラー Lv.48→49

 ゲンガー  Lv.50

 オコリザル Lv.48→49

 イーブイ  Lv.45→46

 ベトベトン Lv.46→47

 ジバコイル Lv.47→48

 ケンタロス Lv.46→47

 ヤドラン  Lv.46→47

 ストライク Lv.46→47

 トゲピー→トゲチック Lv.28→34

 プテラ   LV.46→47

 ラプラス  Lv.46→47

 ミュウツー Lv.70

 バリヤード Lv.46→47

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.37→39

 カビゴン  Lv.35→37


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