ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#043 『命をかけて、かかってこい!!』

 11歳 γ月η日 『オレンジリーグ リュウチンジム』

 

 一日ゆっくりリフレッシュさせて貰い、いざバトル当日となった。

 フィールドを挟んで、改めてルリコと向かい合う。ルリコのポケモンはガラガラとフーディン、俺のポケモンはフシギダネとゼニガメである。

 相性的にはゼニガメとフシギダネはじめんタイプのガラガラに強いが、どくタイプを持っているフシギダネがフーディンに弱いといった感じか。面白くなりそうだぜ。

 

 バトルが開始されると、いつもの先手必勝でフシギダネとゼニガメに究極技を指示した。

 ゼニガメの究極技も昨日ようやく完成しており、度肝を抜くと言う意味では十分な威力と言っていいだろう。

 対するルリコは、ガラガラに『まもる』を指示していた。同時にフーディンが動き、ガラガラの後ろに隠れる。

 

 ダブルバトルをわかっている動きだ。

 

 二体の究極技を『まもる』で防ぐと、ルリコがフーディンに『サイコキネシス』を指示してフシギダネを狙ってきた。ゼニガメにフーディンを狙わせようとするが、ガラガラが『ホネブーメラン』でゼニガメを妨害してくる。

 

 フシギダネに『サイコキネシス』が当たるのと同時に、ゼニガメに『こうそくスピン』からの『かみつく』を指示した。ガラガラの『ホネブーメラン』を『こうそくスピン』で弾き、そのままフーディンに接近していく。技を出しているフーディンは動くことが出来ず、旋回して背中に取りついたゼニガメの『かみつく』がフーディンの肩にヒットした。

 

 威力が60しかない『かみつく』だが、フーディンには効果抜群である。また、技を受けたことでフーディンの集中が解け、フシギダネが『サイコキネシス』から解放されて自由になった。

 即座にフシギダネに『やどりぎのたね』を指示し、フーディンを狙わせる。ルリコも、フーディンを落とされる訳にはいかないと、再びガラガラに『まもる』を指示していた。

 

 やどりぎは防がれたが『まもる』を使わせたなら十分だ。それに、まだゼニガメの『かみつく』が継続中である。フーディンも後ろからくっついているゼニガメを引き剥がせないようで苦しそうにしていた。

 ルリコの指示で、ガラガラがやどりぎを防いだ後、そのまま反転し、ゼニガメに『ホネこんぼう』をぶつけようとしてくる。

 それを見て、ゼニガメに『ロケットずつき』を指示し、頭を甲羅の中に隠させた。ゼニガメの頭が引っ込んだことで、ガラガラの『ホネこんぼう』がフーディンの肩に当たり、追加のダメージを与える。

 

 しまったという顔をするガラガラ。

 

 しかし、追撃の手を緩めるつもりはなかった。そのままゼニガメの『ロケットずつき』をフーディンにぶつけ、よろけた所へフシギダネの『ハードプラント』と、高威力技を連打してフーディンを戦闘不能に持って行く。ガラガラも頑張っていたが、『ホネこんぼう』を味方に当ててからの連打の早さに『まもる』を使う暇もなかったようだ。

 

 フーディンが戦闘不能になったことで、このバトルは俺の勝利となった。

 ルリコもこちらの連携を素直に褒めており、そのままリュウチンジムを制した証であるルリバッジを渡してくる。

 

 これで俺はオレンジリーグ・ウィナーズカップへの出場資格を得たらしい。

 ルリコ曰く、カンキツ島のカンキツスタジアムでサザンクロスのヘッドリーダーと戦い、勝てばオレンジリーグ制覇となるようだ。

 そのバトルだけはしっかり覚えているので、全力で挑ませて貰おう。打倒カイリューである。

 

 

 

 11歳 γ月ι日 『コイキング 進化の秘密』

 

 カンキツ島を目指して今日も海の上を旅していると、ポケモンウォッチャーのミドリカワとかいうおっさんに会ったのだが、何故か一緒にコイキングの生態を見ることになった。

 

 ミドリカワ曰く、近くのタンカン島で生まれたコイキングは海へ出た後、一年で再びそのタンカン島へ戻ってくるらしい。また、戻ってきたコイキングはこの島の滝を登って上流を目指し、そこでギャラドスに進化するための儀式を行うと言う。

 

 なかなかに興味をそそられる。やはり、ポケモンの進化はロマンがあるぜ。

 

 進化は夜中ということなので、ゆっくり待つことになった。その間、同じポケモンウォッチャーのケンジが、先輩ウォッチャーのミドリカワといろいろ意見を交わしている。俺達にはわからない世界だったので、お先に夜に備えて仮眠を取ることにした。

 

 時間になると、進化の儀式が始まり、流石の俺氏も大はしゃぎである。

 どうやら全部のコイキングがギャラドスに進化する訳ではないようで、半分くらいは進化出来ていないらしい。それでも半分が進化したのは、これまでの最高記録だったらしく、ミドリカワに釣られてケンジまで大喜びしていた。いやぁ、良い物を見せて貰ったな。

 

 

 

 11歳 γ月λ日 『命をかけて、かかってこい!!』

 

 タンカン島からカンキツ島を目指している途中、気の良いお姉ちゃんが船に乗せてくれることになったのだが、途中で急な嵐に見舞われてしまい、アーシア島とかいうオレンジ諸島の最果ての島に流された。

 ぶっちゃけ、この時点で嫌な予感はしていたのだが、巫女と呼ばれるフルーラという少女の顔を見た瞬間確信する。

 

 あ、これルギアだわ。

 

 アーシア島へ上陸すると、変な民族衣装に身を包んだ住民達に迎え入れられた。

 どうやら今この島はお祭りの最中らしく、ポケモントレーナーである俺は優れたる操り人という設定で、しきたりとやらに参加しなくてはいけないらしい。

 フルーラもしきたりとやらで俺にチッスしてこようとしたが、吾輩はそういうの求めていないんで結構です。

 ぶっちゃけ、ファイヤーさんに良い思い出がないので、出来れば帰りたいんですけど駄目ですかね? 伝説のポケモンには迂闊に関わるもんじゃねーというのが俺の自論なんだわ。

 

 若干ゴネてみたがどうも駄目らしいので、仕方なくアーシア島のお祭りに参加することになった。

 巫女のフルーラが教えてくれたしきたりによると、『天地怒り、世界が破滅に向かう時、海の神現れ、優れたる操り人と共に、神々の怒り鎮めん』――とのことで、その優れたる操り人役たる俺が、火の島、雷の島、氷の島の三つの島からお宝を回収して社に置き、巫女のフルーラが神へ祈りの笛を吹くというのが今回のミッションらしい。

 

 天気も悪いし、正直超行きたくないが、行かねば世界が破滅するので行くしか無かった。

 

 とりあえず、火の島でサクッと宝玉を回収すると、映画通りにサンダーさんがやってきて「あのファイヤーとかいう焼き鳥捕まったから、この島俺が支配するわw」と調子に乗っている(ニューサトシによる解釈)。

 思わず、ミュウツーを出してボコボコにしてやろうかと思ったのだが、何か良く分からない装置でいきなりサンダーさんが鹵獲されてしまったので、それどころじゃなくなってしまった。

 

 何故かついでに俺達まで鹵獲され、悪役のポケモンコレクターが乗る飛行艇に乗せられてしまったのだが、確か映画だとこの悪役はルギアを狙っていたはずである。

 海に隠れているルギアを誘いだすために、こうしてファイヤーさんとサンダーさんを捕まえ、最後のフリーザー様をおびき出そうとしている、というような流れだったはずだ。

 

 フルーラも飛空艇内部に置いてあった古い石碑らしきものを見ながら、『火の神、雷の神、氷の神に触れるべからず。されば、天地怒り世界は破滅に向かう。海の神、破滅を救わんと現れん。されど、世界の破滅を救うことならず』――と読み解いているので、まぁ俺の記憶とそう大差なさそうだった。

 

 で、実際にお怒りのはずのファイヤーさんとサンダーさんなのだが、抵抗しても無駄だからか諦めてしまったようで、捕まったままアホみたいに静かにしている。

 ため息をつきそうになった。

 これが伝説のポケモンとかマ?

 もうこいつら助けてさっさとここから出ようぜ。ということで、マスターボールから暴君を出して、アホ鳥達が捕獲されている特殊装置を破壊して貰うことにした。

 

 映画ではサトシ君のポケモン達が総出でようやく壊せていた装置だが、舐めてはいけないこいつは自称最強のポケモンである。『はどうだん』の一撃でファイヤーの装置を壊すと、それに気付いたファイヤーさんが「ようやく自由になったぜ!」とばかりに、『かえんほうしゃ』でサンダーさんの装置まで破壊していた。

 

 だが、せっかく助けてくれたというのに、自分を攻撃されたと思ったのか、サンダーさんが「何すんねん!」と、ファイヤーさんに『10まんボルト』で逆襲している。でんき技は弱点なんだから止めて差し上げなさい。ってか、お前ら今さっきまでションボリしていたのに、自由になった瞬間、暴れ出すんじゃねーよ。

 

 怒り狂う二体が外に出てしまったことで、飛行艇も壊されてしまったのか、近くの雷の島に不時着していた。その時の衝撃で島の一部が破損してしまったらしく、雷の宝玉が俺の前に転がってきたので、とりあえず拾ってそのまま飛行艇から出て島を脱出する。

 映画だとボートがあったはずなのだが、どこを見てもそれらしきものがないので、仕方なくラプラス二体で海を渡って行く。

 

 空を見ると、気付いたらフリーザー様まで合流しており、カントー三鳥が大暴れし始めたからか、遂にルギアもやってきたようだ。海流を制御して俺達を三つの宝玉を置く社へと誘導している。

 

 そこにいた浜ちゃんヤドキング――略して浜キングの言葉に従って、二つの宝玉を社にセットしたのだが、「一つ、足りない」とのこと。やはり氷の宝玉がないからこれでは駄目らしい。

 まぁ、そうだよな。映画でも三つの宝玉とフルーラの笛で怒りを静めるって話だったもん。二つじゃ足りないよな。氷の島でしたっけ? 行かないと駄目ですよね?

 

 とっても行きたくなかったのだが、海から出てきたルギアが、「はよ宝玉取ってこい」とせっついてくるので、仕方なく氷の島に向かうことになった。

 

 本当ならリザードンに乗って飛んでいきたいのだが、流石にあの三鳥が暴れる中を飛んでいくのは無謀すぎる。確か、映画だとボートの残骸をポケモン達に引っ張らせて、途中からロケット団がゴムボートで乱入してくるんだよな。

 なら、素直にロケット団の準備が整うのを待とうということで、ロケット団が格好良く出ようとしていた所を出待ちし、氷の島まで送って貰うことにした。

 

 こいつらもいろいろ手助けする言い訳を考えていたようだが、お前らが映画だとジャイアン化するのは知ってんだわ。格好いい名乗りキャンセルさせてすまんな。

 

 途中、三鳥が襲ってくるのを暴君とルギアにガードして貰いながら氷の島へ向かう。

 映画だとルギア一体で苦労していたが、ここでは暴君がルギアに効果抜群のサンダーさんを全面的に押さえているからか、ルギアも若干余裕そうだった。

 相性的にルギアがファイヤーさんを押さえており、フリーザー様に至ってはその時に空いている奴が押さえるという感じで、二体の協力で三鳥が俺達へ手出しするのを防いでいる。

 

 多少の危険はあったが、特に妨害という妨害もなく氷の島で宝玉を手に入れると、暴君とルギアを振り切ってきたフリーザー様が俺達を狙ってきたので、さっさと島を脱出することにした。

 フリーザー様から逃げながら氷の島を爆走していると、ファイヤーさんを一時的に倒したルギアがこちらに並走して「宝は?」と聞いてきたので、「ったりめーだろ」と、氷の宝玉を見せてやる。

 

 そのままルギアが自分に乗るように言うので、お言葉に甘えて背中に乗せて貰った。

 映画だとロケット団も足に捕まっていたが、今回はムサシがオニドリルを出して別の方向へ逃げている。ただ、いくらオニドリルさんでも大人二人にニャース一体は許容オーバーなのか、かなり死にそうな顔をしていた。

 

 とりあえず心配はいらなさそうだったので、残るは悪役の対応だけである。

 確か映画ではこの後、ルギアが鹵獲されそうになり、サトシ君共々海へ落っこちたはずだ。こんな寒い中海へ落ちるなど冗談ではないので、飛行艇が墜落した方向から映画の敵がルギアを狙っている一撃を先読みし、その方向へ『エアロブラスト』を指示する。

 

 ルギアも最初は意味不明な指示に首を傾げていたが、すぐに何か悪意のようなものに気付いたようで、俺の指示した方向へ『エアロブラスト』を放ち、攻撃を放つ前の飛空艇を一撃で破壊していた。

 

「何故、気付いた?」

「マサラ式肉体言語術――未来予知だ」

 

 勿論、そんな技は無い。ただの原作知識である。

 しかし、自信満々に言ったからか、ルギアもそんなものがあるのだと思ったようで、その後は特にツッコミを入れるようなことも無く、俺を社のある小島まで運んでくれた。

 

 社へ着く間、俺がみずタイプのポケモンとの相性が悪いことを海の神であるルギアに相談してみたのだが、「優れたる操り人であるお前なら、海の神の加護を授かる資格がある。後で巫女にまじないをかけてもらうと良い」と言うので、後でフルーラにまじないとやらをお願いしてみようと思う。

 

 ちなみにその間、三鳥は暴君一人で面倒を見ていたのだが、伊達に最強を名乗ってはいない。自慢のスプーンや『ひかりのかべ』バリヤードエディションを駆使しながら、完全に三鳥達の動きをコントロールしていた。

 

 もう、お前一人でいいんじゃね?

 

 と、思ったのだが、後から暴君に聞いてみた所、ルギアとの共闘で三鳥が消耗していたから押さえられたが、一人だと少し厳しかったかも知れないと言っていた。「あくまで少しだけだがな」とか見栄を張っていたが、それだけ三鳥の攻撃は強力だったのだろう。

 

 暴君のおかげもあって、ルギアと一緒に社まで行き、最後の宝玉をセットした。後はフルーラの笛で三鳥を宥めて、今回の騒動はおしまいである。

 無事、世界の危機を救ってめでたしめでたし――と、思っていたのだが、いつの間にか来ていたママさんに「危ないことをするんじゃありません!」と怒られた。待って下さい、今回の俺は被害者です!!

 

 

 




 原作との変化点。

・ルリコとのバトルで使用したポケモンが違う。
 フシギダネ、ゼニガメのコンビで倒した。

・ゼニガメが究極技を覚えた。
 長かった。

・第109話『コイキング! 進化の秘密!!』より、ギャラドスが手持ちに居た為、ギャラドスを利用する作戦をロケット団が自重した。
 ニューサトシ達に隠れてギャラドスの進化を見ていた。コジロウが懐かしがっていた。

・劇場版ルギア爆誕より、暴君が居たことで安全度が上がった。
 暴君とルギアで共闘した。ニューサトシは口では嫌がっていたが、世界を滅ぼす訳には行かなかったので実際は結構頑張っていた。

・フルーラにまじないをかけてもらった。
 オリジナルの設定。ニューサトシも気休めレベルだとわかっていたが、藁にもすがる思いでフルーラに海の神の加護とやらのまじないをかけて貰った。どうなったかは現段階では不明である。


 現在ゲットしたポケモン。

 ピカチュウ Lv.52

 ピジョット Lv.48

 バタフリー Lv.48

 ドサイドン Lv.51

 フシギダネ Lv.49→50

 リザードン Lv.52

 ゼニガメ  Lv.49→50

 キングラー Lv.48

 カモネギ  Lv.48

 エビワラー Lv.49

 ゲンガー  Lv.50

 オコリザル Lv.49

 イーブイ  Lv.46

 ベトベトン Lv.47

 ジバコイル Lv.48

 ケンタロス Lv.47

 ヤドラン  Lv.47

 ストライク Lv.47

 トゲチック Lv.34→35

 プテラ   Lv.47

 ラプラス  Lv.47

 ミュウツー Lv.70

 バリヤード Lv.47

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.39→40

 カビゴン  Lv.37→38



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