ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

64 / 185
#053 『ぐへへ、これで入手率は実質二倍である』

 11歳 ζ月δ日 『何でもするとは言ってないが……ぐぬぅ』

 

 ラティアスが飛び出していくのを見て、ラティオスもこのままではまずいとわかっているようだが、どうすれば納得してもらえるのかわからず困った顔をしていた。

 それを見ていたミュウツーが、とりあえずといった感じで、偽物のこころのしずくを作っている。超能力でスプーン作れるくらいだし、これくらいはこいつにしてみれば楽勝か。

 

 ラティアスの件は問題だが、今はどうしようもないということで、先に防衛システムに入っているこころのしずくと偽物を交換することにした。そのまま、こころのしずくをペンダントにしてラティオスの首に下げる。

 どうやら、水の制御も問題なく出来ているようで、これで大きな問題はあらかた解決しただろう。

 

 後は飛び出して行ってしまったお嬢様をどうするかだ。時期的に悪役達がこの街にいるかはわからないが、下手に見つかればどうなるかわからない。

 本来、こういうデリケートな問題は、時間を空けたり、距離を取って考えたりする時間を作ることが大切なのだが、今は危険があるかもしれないので下手に放置も出来なかった。

 

 仕方ないので、ラティオスには俺がラティアスを連れてくると言って待っていてもらうことにする。

 ミュウツーの『テレポート』なら一瞬で近くに行けるのだが、おそらくラティアスは人間に擬態して街にいるはずなので、下手に飛ぶとミュウツーが公にバレて大騒ぎになる可能性があるし、足で探す以外に手はない。

 おまけに、ポケモン達を出して大捜索してしまうと注目が集まる可能性があるので、俺自身の力で探すしかなかった。本当に面倒をかけてくれるお嬢様だぜ。

 

 正直、宛てはなかった。

 だが、もし俺がラティアスだとしたら、今は誰にも顔を見られなくないと思うはずだ。

 我儘を言ったとはいえ、ラティアスも兄の言うことがわからない訳ではないはずだし、気持ちの整理を付けるために、人の少ない場所に行きたいと考えるのが普通だろう。

 

 どうやら考え方は間違ってはいなかったようで、ひと気の少ない場所を手当たり次第に探してみると、小さな公園でブランコに乗っているラティアスを発見した。

 映画通り、女の子の格好をしているが、ニューサトシの目は誤魔化せない。ぶっちゃけ、ピカ様が気づいてくれたおかげだが、ニューサトシの目は誤魔化せないのだ。

 

 そのまま、家出娘を引っ捕らえようと思ったのだが、たまたま近くの建物の屋根の上にラティアスを監視する女二人を発見した。

 映画に出てきた悪役の女達だ。もう、この時期から既に動いていたのか。

 いや、逆に丁度良いタイミングだ。ここで捕まえてしまえば問題は全て解決する。人気のない場所というのも有り難かった。大人気なくミュウツーの力で女達の背後を取って眠らせる。

 

『で、どうするつもりだ?』

「『テレポート』で警察に届けてやればいい。世界的に有名な泥棒らしいからな」

『お前にしては随分手緩いな。普段、ポケモンを食い物にするような類いの輩には容赦しないのに』

「今はラティアスが優先だ。それに、今回はまだギリギリ未遂だからな」

 

 実際、不機嫌なお嬢様を放置して、女をなぶるってのもちょっと考えものだ。被害があった訳でもないし、監獄に送ってこれまでの罪を償わせるだけで十分だろう。

 

 ミュウツーが悪役共を『テレポート』させると、何食わぬ顔でラティアスの所へ行く。

 適当に声をかけたが、ぷいっとそっぽを向かれた。どうやら、まだ機嫌が悪いらしい。

 警戒を解かないと連れて帰るのは難しそうなので、「外に興味があるのか?」と適当な話を振ってみる。ラティアスはこくんと頷いた。そのまま、何となく話を求めてきたので、俺達がカントーやオレンジ諸島を回った旅の話を掻い摘んで話していく。

 

 ずっとこの街で過ごしてきた箱入りのお嬢様には、俺達の旅が冒険譚のように聞こえるようで、目をキラキラさせながら話を聞いていた。

 ある程度話をすると満足したのか、ラティアスが立ち上がって俺の隣までやってくる。兄貴も心配しているしそろそろ帰ろうと促すと、一瞬の隙を突いて俺のモンスターボールを奪い自分の体に当てていた。

 

 当然、ラティアスはポケモンなのでモンスターボールの中に入る。おまけに抵抗する気がないのか、一瞬でゲットされていた。

 

 慌ててラティアスをボールから出して、プテラの時のようにマサラ粉砕拳でボールを壊してトレーナー情報をリセットしようとすると、慌てたようにラティアスがボールの中に戻って行く。

 ポケモンが中にいる状態で無理に破壊するとどうなるかわからないので、こうなるとお手上げである。

 何度か出したが、絶対に出ないとばかりに何度もボールに戻って行くので、マジでどうしようもない。仕方なく、もう壊さないと約束すると、ようやくラティアスがボールから出て来てくれた。

 

 どうやら話を聞いて満足したのではなく、逆に外に出る決意を固めてしまったらしい。

 ラティアスにしてみれば、外の世界に興味があり、尚且つ映画の記憶を見て俺が優しい奴だと思い込んでいる。おまけに、自分が居なくなれば、映画の悪役に見つかるリスクが減るという無駄な理論まで使って自分を連れて行くように説得してきた。

 

 まぁ、もう悪役は処理したのでその心配はしなくてもいいのだが、それにしても意外と頭が回るものだ。

 しかし、ニューサトシはあまり伝説のポケモンに関わらない主義である。いや、仮にそれを抜きにとしても、兄貴であるラティオスが納得しないだろう。

 

 お前が外に出ると言って聞かないように、兄もお前を外に出そうとは思わないはずだ。そう言うも、決意は固いとばかりにボールを抱きしめている。

 これはもう直にラティオスに説得してもらうしかないだろう。兄貴が駄目だと言ったら駄目だからなと言うと、いい笑顔で頷いていた。そのまま俺の背を押して、ラティオスのいる秘密の庭まで帰る。

 

 すると、『さいみんじゅつ』で眠らせていた映画のヒロインであるカノンとその祖父であるボンゴレが目覚めていた。面倒なので、またミュウツーの『さいみんじゅつ』で眠らせようとすると、ラティオスが俺達を迎え入れたことで二人にも気付かれてしまう。

 どうしたものかと思ったが、その瞬間にラティオスがラティアスに指示を飛ばし、自分が見たものを相手に見せる『ゆめうつし』の能力を応用して、先程見せた映画の映像を流し始めた。

 

 おそらく、ラティオスは二人を信用しているが故に、全てを伝えるつもりなのだろう。

 いきなり流れる水の都の映画に驚くカノンとボンゴレを見ながら、こうなればもうなるようになれとミュウツーをボールから出す。

 そのまま、ミュウツーを指差しながら、「これはこのポケモンが見た未来の映像だ」と言って、カノンとボンゴレにあることないこと適当に話していった。

 

 ストーリーとしてはこうだ。

 俺こと、マサラタウンのサトシは、ある日ミュウツーという伝説のポケモンを捕まえた。そのおかげで、断片的な未来がわかるようになったのだが、数か月後にこの街の防衛システムによる災いが起きてラティオスが死ぬのを見てしまった。

 正直、何の関わりもないが、ポケモンが死ぬのを放置する訳にもいかない。俺はラティオスの死の原因である、こころのしずくを防衛システムから外してラティオス自身に譲渡することで、ラティオスが死ぬ未来を回避しようとした。と、若干の嘘を混ぜながら二人に伝える。

 

 二人も最初はとても信じられないという表情をしていたが、映像に出てきた自分達の姿はとても作り物とは思えない精巧さで、こんなものを作るのは人間には不可能だということは理解してくれたらしい。

 またミュウツーの存在が嘘を本当っぽくしてくれた。伝説のポケモンなら、未来予知が出来てもおかしくないし、ラティ兄妹が俺達を信じている様子から、何だかんだ二人は俺のついた三割嘘話に納得してくれたようだ。

 

 とりあえず、防衛システムは使えなくなったが、ラティオスが代わりの力を持っていて、この街の水についても彼が制御していることを納得してくれればそれでいい。

 

 問題はこっちだ。ラティオスに、ラティアスの件について謝罪しながらどうにかこのお転婆娘を説得してくれと頼みこむ。

 だが、事情を聞いたカノンはすぐに俺側についてくれたが、何故かラティオスとボンゴレは反対してこなかった。むしろ、その方が良いだろうとばかりに背中を押している。

 

「まだワシは、サトシ君がどういう人間なのかは知らん。じゃが、ラティオスを救おうとし、これだけラティアスのことを親身に考えてくれる人ならば、十分信頼に足る人物だと言っていいじゃろう」

 

 ならば、下手に拘束するよりも、ラティアスを外に出してあげた方がいい。ボンゴレはそう考えたようだ。

 何故、そう簡単に人間を信じる。俺が伝説のポケモンを集めて利用しようとしている悪党だったらどうするつもりなんだと怒ったら、「悪党はそんな心配せんよ」と言って、ラティオスも頷いていた。

 

 唯一の味方だったカノンも「ラティアス、本当に行きたいの?」と聞いて、ラティアスが満面の笑みで頷いたことから、ラティオス、ボンゴレ派に回ってしまった。

 ラティアスも、ラティオスが良いと言ったことで、嬉しそうに自分のボールを俺に渡してくる。

 

 ぐ、ぐぬぅ。だが、兄妹を離ればなれにさせるのは心苦しい。それに、ニューサトシは無闇矢鱈に伝説のポケモンを捕まえる趣味はないのである。

 と、口にしたのだが、それを聞いて尚、ラティオスは真剣な顔で頭を下げてきた。こうまでされてしまうと、連れていかないと言う訳にもいかない。ずるいと思いつつ、ラティアスからボールを受けとる。

 

 喜ぶラティアスとラティオス。

 あぁ、ラティアスをゲットしてしまった。そんなつもりは欠片もなかったのに。

 

 どうしてこうなった。と、現実逃避していると、改めてラティオス、カノン、ボンゴレと別れを済ましたラティアスが俺の元へやってくる。

 とはいえ、そのままの姿で連れ歩く訳にも行かないし、カスミさんやタケシにも事情を説明する必要もあった。

 

 とりあえず、ラティアスには基本はカノンの姿で一緒に居て貰うように頼んだ。彼女も別にバトルがしたい訳ではなく、外の世界を安全に旅したいだけならばその方がいいだろう。

 ボールについてはミュウツーに頼んで転送から守ってもらうことにした。っていうか、ラティアスがボールに入ってから既にガードしてくれていたらしい。気が利き過ぎて泣ける。

 

 また、カノンに頼んでタケシやカスミさんへの説明を助けてもらうことにした。流れとしては、「この街を守護していた伝説のポケモンの一体だが、ずっと外に出たがっていて、偶然俺に懐いて一緒に行きたがったから連れて行くようにお願いした」というストーリーだ。

 ラティオスの件などはぼかしているが、ラティアスについてのストーリーに嘘は殆どない。強いていえば出会いが偶然じゃなかったくらいだが、気付かれるレベルのものではないだろう。

 

 街へ戻ると、どうやらタケシやカスミさんも俺のことを探していたようで、合流に時間はかからなかった。

 人のいない裏路地で、カスミさんとタケシに、先程作ったストーリーを話しながらラティアスを紹介する。最初は人間になれる伝説のポケモンに驚いていた二人だが、既に言葉を話せるミュウツーという前例があったおかげか、すぐにラティアスのことを受け入れてくれた。

 

 カノンに見送られながら、アルトマーレを後にする。一応、カノンにはラティオスを狙う悪人に気を付けるようには注意しておいた。

 映画の悪役は捕まえたが、他にもラティオスを狙う奴らがいるかもしれない。万が一がある以上、警戒をしておくに越したことはないだろう。

 

 しかし、思わぬ形でまた伝説のポケモンを増やしてしまったな。無暗やたらに伝説ポケモンを捕まえないのを信条にしているのに、これじゃあシンオウ編のワカメと何も変わらないんじゃないか?

 

 

 追記。話し合いの末、ラティアス呼びはまずいので、これからはラティと呼ぶことにする。本人もニックネームのような呼び方をされて大喜びしていた。

 

 

 

 11歳 ζ月ζ日 『カモネギが可哀想だった』

 

 ウバメの森で、炭焼き職人を目指すナオトという少年に出会った。

 ナオトはカモネギを使って炭用の木を切る修行をしているらしいのだが、トレーナーとして未熟すぎてカモネギの力を使いこなせていないらしい。

 何せ、『いあいぎり』を『いあいぬき』と言っているくらいだ。あまりのナオトの未熟さにカモネギもため息をついている。

 ぶっちゃけ、このまま無視して進んでも良かったんだが、あまりにもカモネギが可哀想だったので、ポケモンセンターで俺のカモネギを転送して貰って手本を見せることにした。

 

 実際、ナオトのカモネギには十分な技量がある。問題なのはトレーナーの方だ。

 

 前にメリープ少女のカレンに教えた時のように、ナオトにトレーナーとしての基本を叩き込んでいく。

 どうも、ナオトはトレーナーとしてのセンスがないようでなかなか飲み込みが悪かった。もし、俺達がいなければカモネギはナオトを見放していただろう。それくらいにセンスがない。それでも夕方には何とか形になり、ナオトもカモネギの技で木を切ることが出来ていた。

 

 

 追記。炭火焼き職人の親方からナオトの面倒を見た感謝に、ウバメの森産の炭を貰った。どうやら良い炭のようでタケシが大喜びしている。それを見たラティも一緒になって大喜びしていた。いつもよりも旨い飯が食えそうなので、苦労した甲斐はあったようだ。

 

 

 

 11歳 ζ月θ日 『あ、こいつレギュラーになる奴だ』

 

 リーフタウンという街でお祭りをやっていた。

 いろいろと楽しそうな催し物をやっているようだが、その中でケンタロスだけで戦うケンタロスバトルとやらがあるらしいので飛び入りで参加する。

 今のトレーナーが10連勝している強者ということで、カモネギとケンタロスを交換して、早速バトルに乱入して行った。

 

 なかなか強そうなケンタロスだったが、俺のケンタロスもパワーでは負けていない。

 最終的にはお得意の『ギガインパクト』で相手のケンタロスを戦闘不能にし、そのままケンタロスバトルを制覇してやった。

 

 この街では今、ポケモン交換会というイベントもやっているようで、優勝した俺のケンタロス目当てに交換を申し込んでくるトレーナーが群がってくる。

 アニメのサトシ君のようにケンタロスを山のように捕まえているならまだ対応しても良かったのかも知れないが、俺のケンタロスはこの一体のみだ。仮に伝説のポケモンを提示されたとしても答えはノーである。

 

 しばらくすると、ロケット団がいつものようにイベントのポケモンを奪おうとする一幕があったのだが、いつのまにかムサシがソーナンスを手に入れていた。

 そういえば、ここで交換するんだったっけか。

 ソーナンスは攻撃技を一切覚えないが、その代わりに受けとしてはなかなか優秀なポケモンである。実際、チコリータの物理攻撃を『カウンター』、ヒノアラシの特殊攻撃を『ミラーコート』で返してきたのでかなり苦戦させられた。

 

 とはいえ、トレーナーであるムサシがまだソーナンスについて理解してなかったので、その隙を突いていつものようにやなかんじーしてやる。

 俺の話からロケット団のことを知っていたラティも、初めてのやなかんじーを見て大喜びしていた。

 しかし、アニメと同じなら交換したのは多分ベロリンガなんだろうが、これからソーナンスを相手にしなくてはいけないと思うとかなり面倒臭いことになるかもしれないな。

 

 

 

 11歳 ζ月κ日 『ポケモン消防グランプリね。ふーん』

 

 ポケモン消防グランプリなるものが開催されるらしい。いつもならこういう催し物を覗いていく所だが、消防という言葉を聞いて早々にこの場を立ち去ることにした。

 珍しくイベントに消極的な俺の意見にタケシとカスミさんも首を傾げていたが、今の手持ちにみずタイプはニョロモしかいないからと言うと納得してくれたようだ。

 ラティはそもそも消防がなんなのかわかっていないようで首を傾げていたが、俺が鞄からおやつを出すと、そんなことどうでもいいとばかりに飛びついてくる。

 

 大体、消防系はゼニガメのイベントって相場が決まっているからな。また変な勧誘を受ける前にさっさと離れるに限るぜ。

 

 

 

 11歳 ζ月λ日 『ニューサトシは先生に向いている?』

 

 三つ目のジムがあるコガネシティに向かっている途中、ウパー専門の保育園に立ち寄った。

 講師であるサナエという女性と仲良くなったのだが、丁度家族が怪我をしてしまったらしい。タケシがいつもの安請け合いをしたので、少しの間ウパー達の世話をすることになった。

 

 未来のトップブリーダーを自称するタケシや、みず系トレーナーのカスミさんがいろいろと面倒を見ようとしているが、どのウパーもまるで言うことを聞かない。

 仕方ないので、ニューサトシがイタズラ好きなウパー達の面倒を見ることにしたのだが、特に何もしていないのに俺の言うことはよく聞いてくれた。

 

 サナエのメモ帳によると、言うことを聞かせるのはタンバリンを使うようなことが書いてあったのだが、特段そんなアイテムがなくてもウパー達は素直である。ラティも一緒になって遊んでいるのはともかく、もしかしたらニューサトシは先生に向いているのかもしれん。

 

 

 

 11歳 ζ月ν日 『ガーディもいいけど、デルビルもいいね』

 

 旅の途中で、昼食の準備をしていると、俺のリュックを盗もうとするデルビルを見つけた。

 顔にいくつか傷が入っていて、なかなか迫力のあるデルビルだが、どうも食料を狙っているらしい。仕方なくポケモンフーズを分けてやることにしたのだが、それだけでは足りないとばかりに俺達の飯まで取ろうとしてきた。

 

 いくら、ポケモンとはいえ、我が儘が簡単に通ると思って貰っては困るので、ピカ様に頼んで少しお仕置きをする。

 しかし、それでも諦めた様子を見せない所から、何やら事情があると察しがついたので、いつものマサラ式肉体言語術ボディランゲージでデルビルと少し話をしてみることにした。

 

 すると、どうやら群れの仲間が怪我をしているらしく、食べ物をたくさんかき集めているらしい。流石に放置してはおけないので、デルビルの案内で怪我をした仲間の所まで連れて行って貰ったのだが、怪我から菌が入ったのか凄い熱が出ている。

 タケシ曰く、このまま放置すれば命に関わると言うことで、デルビルと一緒に怪我をした仲間を近くのポケモンセンターまで連れて行くことにした。

 

 幸い、そこまで悪い状態ではなかったようで明日までには良くなるとジョーイさんも言っており、とりあえずは一安心だった。

 

 次の日、元気になったデルビルを群れに返して別れようとしたのだが、どうも最初に会った顔が傷だらけのデルビルが俺と一緒に来たいようだったのでそのままゲットする。

 このデルビルは群れのリーダーだったようなので、俺と一緒に来て群れは大丈夫なのかとも思ったが、どうやら怪我をしていたデルビルが次のリーダーとしてやっていくようだった。

 

 

 

 11歳 ζ月ξ日 『ポケモンが増えてくると運用に迷うよな』

 

 デルビルをゲットしたことで、手持ちが七体になった。オレンジ諸島でゲットしたポケモン達ももう少しレベリングしたいのだが、捕まえたばかりのポケモンを転送するのもどうかと思って今はジョウトのポケモンで固めている。

 

 とりあえず、固定のピカ様、俺から離れるとどうなるかわからないチコリータ、やる気の炎が完全ではないヒノアラシと、捕まえたばかりのデルビルは固定メンバーに入れることにした。

 

 後、空いている枠は二つ。今の手持ちは空を飛べるトゲ様、進化狙いのニョロモ、心優しくて力持ちヘラクロスの三体である。ここから一体をオーキド研究所に送られるのだが、今回はトゲ様をレギュラーメンバーから外すことにした。

 今まで何だかんだ殆どずっと一緒に旅をしていたが、進化もして大人になってきたし、オーキド研究所の仲間達と一緒に居た方が技の練習もしやすいだろうという判断だ。

 

 ヒノアラシとデルビルでほのおタイプが被ってしまったが、ヒノアラシもヒワダジム戦を超えてから、やる気の炎が出てくる速度が段々上がってきている。いずれ、完全に使いこなせるようになれば、一度研究所に送るのも有りかも知れないな。

 

 

 

 11歳 ζ月ο日 『ワニノコは俺のもの』

 

 水場に通りがかったので釣りをしていたのだが、軽快なステップを踏んだ野生のワニノコが現れた。

 あの元気の良さは間違いなく、サトシ君のワニノコだろう。ジョウトで一番好きなポケモンなので当然ゲットである。

 

 ただ、ワニノコがみずタイプということもあって、カスミさんもワニノコが欲しいと言い出した。

 こうなれば、どちらが先に捕まえられるか勝負である。原作ではどこからか手に入れていたルアーボールを使っていたような気がしたが、俺もカスミさんもそんなものは持っていないので、純粋にモンスターボールの投げ合いである。

 最終的には俺とカスミさんのボールが同時にヒットして、どっちが捕まえたのか分からなくなってしまったので、バトルで決めようという話になった。

 

 勿論、受けて立つのはやぶさかではないのだが、俺は今ポケモンを6体フルに持っている。もし俺がゲットしていたのであれば、直にオーキド研究所に転送されるはずだった。

 そうなればバトルをするまでもなく真偽がわかるのだが、熱が入っているせいか、カスミさんは気付いていないようである。こちらとしても、万が一転送されなかった時はバトルで手に入れるチャンスを残したいので、そのまま黙っていることにした。ぐへへ、これで入手率は実質二倍である。

 

 とりあえず、適当な会話で少し時間を潰していると、モンスターボールが転送されて行った。どうやら、無事に俺がゲットしていたらしい。

 ヤマブキのラプラスの時に続いて俺にみずポケモンを取られたからか、カスミさんが怒って空のモンスターボールを投げながら木を蹴って八つ当たりしている。

 そんなカスミさんをタケシとラティが宥めていたが、適当に投げたボールがポケモンに当たったのか、少し離れた場所からモンスターボールの捕獲音が聞こえてきた。

 

 慌てて見に行くと、モンスターボールの振動が収まった所で、何かポケモンをゲットしている。

 当然、全く見ていなかったので、どんなポケモンがゲットされたのかはわからない。

 とはいえ、ゲットした以上は責任を持って育てる義務がトレーナーにはある。カスミさんが嫌そうな顔でポケモンを出すと、中から出てきたのはまさかのウパーだった。

 

 どうやら水場だったということもあり、みずタイプのポケモンをゲット出来ていたようだ。

 最初は不安そうにしていたカスミさんも、可愛いウパーの姿を見て満面の笑みで抱きついている。ワニノコをゲット出来なかった怒りも、結果的にうやむやに出来たようで、そういう意味でもカスミさんがウパーをゲットしたのはとても有り難かった。

 

 

 




 原作との変化点。

・ラティアスをゲットした。
 正確にはゲットさせられた。おまけに、まさかそのまま送り出されるとは思っていなかったので逃げ場を失った形である。とはいえ、一度捕まえた以上は責任をもってお世話をしている。正直、ポケモンを捕まえたというよりも旅の仲間が増えたという感じ。

・悪役を捕まえた。
 ニューサトシの原作崩壊作戦が効いて、今はまだ下見の段階だった。不意をついて眠らせ、警察に送る、のパーフェクトコンボで逮捕される。全部ミュウツーのおかげ。犯罪者ならどんな悪党も一発で監獄送りのチート技である。

・第145話『ウバメの森! カモネギを探せ!!』より、また指導した。
 カモネギが可哀想だったのでトレーナーを指導した。

・第146話『ソーナンスとポケモン交換会!!』より、実は裏でコジロウがコイキング親父を成敗していた。
 ニューサトシの知らないことだが、昔コジロウがコイキングを高い金で買わされた親父を見つけた。このお祭りでも、またコイキングを高値で売っていたので悪の成敗を下している。弱いポケモンを高く売るとは何という悪事と、自分達を棚に上げての行動だった。

・第147話『燃えろゼニガメ団! 炎のように!!』より、ニューサトシがスルーした。
 ゼニガメは手持ちにいなかったが、万が一を考えて即離脱した。

・第148話『ウパーがいっぱい!』より、ニューサトシが先生になった。
 何故かニューサトシの言うことだけは聞いてくれた。ポケモンにだけは優しいので、もしかしたらその辺りの機微を感じ取ったのかもしれない。

・第149話『プリンVSブルー!』より、ブルーが家出しなかったので話がカットされた。
 プリンさんがマイクを取られることもなく、普通にニューサトシともすれ違った。

・第150話『ダークポケモン・デルビル』より、デルビルをゲットした。
 ニューサトシの強さを感じて一緒についてくることになった。

・第151話『ワニノコは誰のもの!? サトシVSカスミ!』より、カスミさんがウパーをゲットした。
 ニューサトシの姑息な作戦で普通にワニノコを取られ、切れて適当に投げたら捕まえた。当然、ニューサトシもカスミさんもルアーボールを持っていないので普通にモンスターボールで捕まえている。


 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.52

 ピジョット Lv.51

 バタフリー Lv.50

 ドサイドン Lv.51

 フシギダネ Lv.50

 リザードン Lv.53

 ゼニガメ  Lv.50

 キングラー Lv.50

 カモネギ  Lv.50

 エビワラー Lv.50

 ゲンガー  Lv.50

 オコリザル Lv.50

 イーブイ  Lv.48

 ベトベトン Lv.49

 ジバコイル Lv.50

 ケンタロス Lv.49

 ヤドラン  Lv.49

 ハッサム  Lv.49

 トゲチック Lv.40→41

 プテラ   Lv.49

 ラプラス  Lv.49

 ミュウツー Lv.70

 バリヤード Lv.49

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.44

 カビゴン  Lv.41

 ニョロモ  Lv.38→40

 ヘラクロス Lv.31→33

 チコリータ Lv.27→30

 ヒノアラシ Lv.26→29

 ラティアス Lv.30 NEW

 デルビル  Lv.24 NEW

 ワニノコ  Lv.20 NEW



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。