11歳 ζ月β日 『ヒワダタウン ジム戦 VSツクシ 前編』
ようやくジムも開いたようなので、今日こそヒワダジムへ挑戦しに行くことにした。
ジムへ行くと、むしタイプのジムだけあって草木が溢れている。まるで植物園のような感じだが、虫嫌いのカスミさんは中に入るのをとても嫌がっていた。
当然、むしポケモン使いにしてみれば、そんなカスミさんの態度は面白いはずがなく、出会って早々、ジムリーダーのツクシとカスミさんは犬猿の仲かというくらいに揉めている。
まぁ、どちらの気持ちもわからなくはないが、今はどうでもいい。タケシにカスミさんの面倒をお願いし、ツクシに公式戦を申し込む。
キキョウジムのように本気バトルでも良かったが、前回も書いた通り今回のジム戦はジョウト組のデビューにしたいので、レベル制限30以内でバトルをしてもらうことにした。
ツクシも俺のトレーナー情報を確認して尚、レベル制限をお願いしたことから、俺が手持ちのポケモン育成にジムを利用しようとしているのはわかったらしく、胸を貸してくれるようだ。
まぁ、本気のバトルも楽しいが、こういうのもジムの使い方の一つである。ツクシはその辺わかってくれるタイプだったようで、下手な説明をしなくて済んだので助かった。
バトルは3対3で、交代はいつも通りチャレンジャーである俺側のみに許される。
ツクシの一体目はイトマル、俺は一体目にチコリータを出した。ボールから出た瞬間、チコリータが俺に飛びついてくるが、相手はあっちのちっこいのだぞ。
チコリータがやる気満々でフィールドに走って行く。それを見たツクシが、むしタイプに不利なくさタイプを出してきたことを怪訝そうな顔で見ていた。
答えを示すように、開幕で『リフレクター』を指示する。それを見て、ツクシもチコリータがサポート役なのを理解したようで、『いとをはく』でこちらの動きを封じようとして来た。
イトマルが出す糸を避けながら、チコリータがフィールドを走り回って行く。何とか糸を当てようとイトマルは頑張っているが、チコリータの素早が想像以上に高いようでなかなか当てられないでいる。
そんなチコリータの動きを見て、通常の方法では攻撃を当てられないと判断したのか、ツクシがイトマルに『いとをはく』と『クモのす』を同時に指示してきた。予想外の技の組み合わせである。
糸が格子状に飛ばされ、避けきれなかったチコリータの体にまとわりついた。素早を遅くする『いとをはく』に『クモのす』の効果を付属させた攻撃なのだろう。体に絡んだ糸のせいでチコリータがその場から動けなくなった上、ボールに戻すことが出来ない。
ようやく動きを止めたチコリータに、イトマルが『シザークロス』を仕掛けてくる。避けきれないのであれば受けるしかないが、ただでくらうつもりはない。攻撃が直撃する寸前に、こちらも『たいあたり』を指示した。
イトマルの『シザークロス』はかなりの威力だったが、『リフレクター』のおかげでダメージは少なく済んでいる。また、『たいあたり』がカウンター気味に当たったことで、イトマルにもダメージを与えることに成功した。
こうなれば後はこちらのものである。『こうごうせい』を指示して体力を回復し、相手が攻めてきたらまた『たいあたり』で削っていった。
ならばと、ツクシも『どくのいと』でこちらを毒にして、追加効果で素早をさらに一段階下げてくる。そのまま手早く勝負をつけようと『シザークロス』を連打してきた。
ピンチだが、同時にチャンスでもある。相手の攻撃が当たる度に、糸の拘束は緩くなっていく。
とはいえ、回復を挟んではいるものの、毒状態ということもあってこちらも余裕はない。どちらが先に倒れるかの持久戦だったが、制したのはチコリータだった。『シザークロス』で糸が緩んだ隙にチコリータが自由を取り戻し、とどめの『たいあたり』でイトマルが戦闘不能になる。同時に『リフレクター』の効果が切れた。
ギリギリだったが何とかこちらが勝利を掴み、ツクシが残念そうにイトマルをボールに戻す。俺もチコリータをボールに戻すか悩んだが、ここは続投させることにした。
いくら、『こうごうせい』で体力を回復していたとはいえ、毒状態で弱点技の連打をくらっていたのだ。『リフレクター』で半減されてもダメージは大きかったはずだし、チコリータも気丈に振る舞ってはいるが肩で息をしている。スタミナが切れかけている証拠だ。仮に戻しても、もう満足にバトルが出来るほど回復はしないだろう。ならば、最後の仕事をお願いする。
ツクシの二体目はバタフリーだった。アニメではトランセルだったような気がしたが、流石のツクシも『リフレクター』を張れるチコリータを前に攻撃手段が『たいあたり』、『むしくい』くらいしかないトランセルを出しては来ないようだ。
下手なことをされる前に一気にケリをつけるつもりのようで、ツクシが『むしのさざめき』を指示してくる。それを見て、こちらも『ひかりのかべ』を指示した。
バタフリーの攻撃が当たるギリギリで『ひかりのかべ』が展開したが、それでも弱点で攻撃を受けたチコリータが戦闘不能になって目を回している。やはり、耐えられなかったか。
だが、十分に仕事はしてくれた。チコリータをボールに戻しながら、二体目にヒノアラシを出す。
元気に両手を上げてやる気をアピールしているが、その割に背中からやる気の炎が出ていない。練習はしているが、こればかりはまだ本人にもコントロールできないのだろう。やる気の炎が出ていないとほのお技はほぼ使えないも同然なので、『えんまく』を指示して逃げに徹する。
チコリータが残してくれた『ひかりのかべ』もあるし、しばらくは逃げられるはずだ。『ふくがん』の粉技だけ警戒しつつ、やばそうな時はまた『えんまく』で時間を稼ごう。アニメでどうやって克服したか覚えていれば良かったのだが、正直カントーを越えてからは印象深い回しか覚えていないので、今できる最善を尽くすしかなかった。
ヒノアラシが煙の中に隠れるのを見て、ツクシが『ちょうのまい』を指示してくる。こちらが逃げるなら、その間にステータスを上げようということなのだろう。
ぶっちゃけ、まずい。完全に舞を終えたバタフリーの強さは俺が一番よく知っていた。
ガン逃げは不利になるので、ほのお技以外の技で戦うしかない。『でんこうせっか』を指示して、バタフリーの『ちょうのまい』を妨害していく。
一段階は積まれてしまったが、『ひかりのかべ』があるおかげでまだ致命傷にはなっていないはずだ。多少、リスクは上がるが、『えんまく』と『でんこうせっか』のヒット&アウェイで時間を稼ぐ方法に切り替える。
ツクシも、俺がほのお技を指示してこないことを疑問に思ってはいるようだが、何かの作戦だと思ってくれているのか、思った以上に慎重に動いていた。
しかし、このままやる気の炎が出るまで待ってくれるほど甘くはないようで、バタフリーに『ぼうふう』を指示して、『えんまく』ごとヒノアラシを吹き飛ばしていく。
こうなると、こっちはお手上げだ。
一時撤退とばかりに吹き飛ばされるヒノアラシをボールに戻す。それを見たツクシが、ヒノアラシがまだ完全に炎をコントロールしていないことを見抜いたようで、「育てが甘いんじゃない?」と、こちらを挑発してきた。その通り過ぎて何も言えん。
幸いにも『ひかりのかべ』のおかげで、ダメージは安く済んだ。本当にチコリータには感謝してもし足りないくらいである。このバトルが終わったら、目一杯甘やかしてやろう。
チコリータが倒れ、ヒノアラシが手も足も出ない以上、残るはヘラクロスしかいなかった。
だが、むし、かくとうタイプのヘラクロスにとって、4倍弱点であるひこう技がタイプ一致で使えるバタフリーは天敵だ。おまけに向こうは一段階能力を上げていて、こちらはそろそろ『ひかりのかべ』の効果時間が切れてくる。
笑ってしまうレベルでのピンチだが、これくらい乗り切れなければポケモンリーグ優勝など夢のまた夢だ。
ヘラクロスに『つばめがえし』を指示し、弱点を突いていく。それを見て、ツクシはギリギリで『ねむりごな』を指示してきた。ヘラクロスがバタフリーに一撃を与えるが、それと引き換えに眠りに入って行く。やっちまった、弱点に気を取られ過ぎて粉技への警戒が薄くなった。
こんなことならアニメのように『ねごと』を練習させておくんだったと思いながら、ヘラクロスを戻して、再びヒノアラシを出す。
あのまま動けないヘラクロスを出していても『ちょうのまい』の起点にされるだけだ。まだスロースターターが解除されていないヒノアラシの方がまだ勝機がある。
ただ、これまでのバトルは無駄ではなかったようで、ようやくヒノアラシの背にやる気の炎が灯って来た。
これでようやくほのお技が使えるぜ。
ツクシが再び『ふくがん』で命中率が上がった『ねむりごな』を使ってきたので、『かえんほうしゃ』で粉塵爆発を起こす。流石に同じ手は二度も食らわん。最悪は『えんまく』で逃げることを考慮に入れていたが、ほのお技が使えるようになったならもうこっちのもんよ。
ヒノアラシも勝負はここからとばかりに、両手を挙げてアピールしている。まだやる気の炎も完全ではないようだが、ここまで来ればそれも時間の問題だった。
ツクシもヒノアラシの様子を見ながら、「そう来なくちゃ面白くないね」と笑っている。その余裕をかき消すためにも、再び『かえんほうしゃ』でバタフリーを攻撃した。
対するツクシは『ぼうふう』で『かえんほうしゃ』を押し返してくる。まだやる気の炎が完全ではないことに加え、レベルや威力でも負けていることもあって、『ぼうふう』が炎を押し返し、攻撃がヒノアラシに直撃した。
おまけに、丁度、『ひかりのかべ』も消えてしまったようで、ヒノアラシが結構なダメージを受けている。混乱しなかっただけ上出来だが、これで『かえんほうしゃ』は完全に防がれたな。だがな、俺はアニメのサトシ君と違って、『かえんほうしゃ』一辺倒の戦術は使わないぞ。
再び、『えんまく』で視界を塞いでいく。今度は煙を散らされる心配は無かった。何しろ、ここで『ぼうふう』を使えば、その時点で『かえんほうしゃ』に対応できなくなる。ツクシはほのお技を警戒しているが故に、この『えんまく』に手を出せないはずだ。
とはいえ、ツクシもただで待つつもりはないのだろう。バタフリーに限界高度ギリギリまで飛ぶように指示をしている。
ならば、もう一度『えんまく』だ。今度はフィールド全体を包むようにし、再びヒノアラシの姿を隠していく。
後はヒノアラシが俺の意図を読めているかどうかだが、あいつはのんびりしているように見えて意外と賢い奴だ。昨日までの訓練でも意思疎通は出来ていたし、俺の考えていることもきっと伝わっていると信じて指示を出す。
「ヒノアラシ、『かえんぐるま』! 飛びかかれ!!」
その指示と同時に、ヒノアラシが木の上からバタフリーに『かえんぐるま』で突撃していった。
わざわざ『えんまく』を二回も使ってフィールドを煙で包んだのは、ヒノアラシが木に近づくのを隠し、待機させるためである。あいつは俺の指示を完全に理解して動いていた。昨日までの訓練は無駄では無かったのだ。
普通に攻撃したのでは、天井近いバタフリーに攻撃を当てることは出来ない。遠距離攻撃は先程のように相殺される以上使えないし、確実に攻撃するには木の高さを利用して接近戦に持ち込むしかなかった。
フィールドを利用した動きは、前々から練習していたものだ。ブルー戦での敗北や、オレンジリーグのバトル、そしてキキョウジムでの経験からのフィードバックが少しずつ反映されている。フィールドや技を応用したバトル、それこそが次に俺が目指すべきものだ。
ヒノアラシがバタフリーに飛びつき、ダメージを与えながらそのまま墜落させていく。
ツクシはもう既に技を四つ使っている。『ぼうふう』、『むしのさざめき』、『ねむりごな』、『ちょうのまい』、その全てが羽と連動して使う技だ。ゼロ距離で使える技ではない。
バタフリーを地面に叩き付けると、ヒノアラシは逃がさないとばかりに体を押さえつけた。俺の指示を待つまでも無く、背中の炎が勢いよく燃え上がる。その瞬間、バタフリーにゼロ距離での『かえんほうしゃ』をおみまいしてやった。
こうなれば、いくらバタフリーでも耐えられはしないだろう。『かえんぐるま』と『かえんほうしゃ』の連撃を受けて、大暴れしていたバタフリーも遂に戦闘不能になる。
ツクシが「やるね」と呟いて、バタフリーをボールに戻した。途中、崩されそうになったが、何とか流れを取り戻すことが出来たな。
ヒノアラシも公式戦初勝利を喜んで、左右にステップを踏んでいる。やる気の炎も本調子になってスロースターターも完全に解除された。もうヒノアラシは無敵だぜ!
原作との変化点。
・第144話『ヒワダジム! 森のバトルフィールド!!』より、レベル制限のあるジム戦をお願いした。
全てのジムを全力でやるのも楽しいが、新人が育たないので育成目的でジム戦をお願いした。基本的にジムリーダーは理解があるが、バトル狂いのジムリーダーは拒否することもあるらしい。
現在ゲットしたポケモン
ピカチュウ Lv.52
ピジョット Lv.51
バタフリー Lv.50
ドサイドン Lv.51
フシギダネ Lv.50
リザードン Lv.53
ゼニガメ Lv.50
キングラー Lv.50
カモネギ Lv.50
エビワラー Lv.50
ゲンガー Lv.50
オコリザル Lv.50
イーブイ Lv.48
ベトベトン Lv.49
ジバコイル Lv.50
ケンタロス Lv.49
ヤドラン Lv.49
ハッサム Lv.49
トゲチック Lv.40
プテラ Lv.49
ラプラス Lv.49
ミュウツー Lv.70
バリヤード Lv.49
イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.44
カビゴン Lv.41
ニョロモ Lv.38
ヘラクロス Lv.29
チコリータ Lv.25→27
ヒノアラシ Lv.24→26