ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#007 『ワンピースを読め、ワンピースを』

 10歳 δ月θ日 『ニビシティからおつきみ山へ』

 

 ニビからおつきみ山へ移動する。意外と距離があって、着くのは明日になりそうだ。

 

 これまではバトル多めで旅をしていたが、オーキド博士にも他の三人より遅れていると言われたので、ここからハナダまでは移動を優先することにした(他人から見たら十分バトルをしている)。

 

 歩きながら、タケシにどんなポケモンを旅パに選んだか聞いてみると、やはり俺と最初に戦ったイワークとイシツブテを連れて来たらしい。まぁ、ジム側からしても、レベルの高いポケモンより、レベルの低いポケモンの方が新しく補充しやすいだろうしな。

 

 

 

 10歳 δ月ι日 『おつきみ山 ピッピと月の石』

 

 おつきみ山についた。

 何故か流れで、リカオとかいう理科系の男そのままの奴と一緒にロケット団からピッピを守ることになったのだが、出来れば俺もピッピをゲットしたかった。

 

 リカオが意味不明な正義感を発動させたせいで捕まえられなかったんだよな。

 

 ちなみにタケシはいつの間にかズバットを捕まえていた。マジでいつ捕まえたんだ?

 

 悔しかったので、ピッピ達の件が終わった後俺もポケモンを一匹捕まえた。これで、完全にアニメとは違う流れになったがまぁ今更だろう。

 

 

 

 10歳 δ月κ日 『おつきみ山からハナダへ 家出娘カスミ(修行の旅らしい)』

 

 いろいろあったがおつきみ山を抜けた。

 このまま一日ほど進めばハナダシティらしいのだが、カスミさんがハナダには行きたくないでござると駄々をこねている。まぁ、半ば家出のような形で出てきたので帰りづらいんだろうけどハナダには行くぞ。

 

 

 

 10歳 δ月λ日 『ハナダシティ ジム戦 VSカスミ』

 

 ハナダシティについたと同時にカスミさんの霊圧が消えた。まぁ、ジムに行けば出てくるだろうから気にせず先に進む。

 

 途中、泥棒が入ったという店の周りへ近づくと、ジュンサーがアニメのような謎の早とちりでこちらを事件の犯人扱いしてきた。

 あまりに失礼なので図鑑のトレーナーカード欄を見せながら「名誉棄損で訴えるぞ」と脅してやる。素直に謝ったから許してやるが、次はないぞこのポンコツめ。どうせ、盗んだのだってロケット団だろ。初期はちゃんと材料集めてたしな。

 

 なんだかんだ一波乱あったが、気を取り直してハナダジムに行くことにする。

 

 タケシは買い物があるということだったので、二年後にシャボンディ諸島に集合と言って別れた。どうやら真面目にそんな諸島があると思っているようで、「俺知らないぞ、そんな諸島!」と叫んでいる。ワンピースを読め、ワンピースを。

 

 少し迷子になったが無事ハナダジムに着いた。

 

 水族館もやっているだけあって賑やかそうなジムだったが、どうやらタイミングが悪かったようで、シゲル達にやられて今は戦えるポケモンがいないらしい。何故か無条件でジムバッジを渡そうとしてきたが、流石にそんなん貰っても嬉しくないので丁重にお断りした。

 

 すると、どこかに消えていたカスミさんがいきなり現れて正体を明かしてくる。

 

 実はハナダジムは四姉妹だったのだー!

 

 な、なんだってー!?

 

 とまぁ、格好つけて出てきたカスミさんだが、他の姉妹からは散々な言われようである。ひっでぇ毒舌。そりゃこんな姉妹がいたら家出の一つもしたくなるというものだ。

 

 とはいえ、俺としてはカスミさんがジムリーダーの資格を持っているということなら、相手として不足はないので是非バトルをお願いする。俺がバトル好きなのは向こうも知っているので、「だと思ったわ」と笑っていた。

 

 カスミさんはずっと一緒にいただけあって、今の俺の状態を良く知っているようだ。自分のポケモンの中でレベルが近いポケモンを出してくれると言ってくれた。

 

 やっぱ、何だかんだ優しいで。俺がバッジ1個なので、本当ならレベル最大20固定だが、そうすると俺の方が若干有利になって楽しくなくなるのがわかっているのだ。

 まぁ、実際は今持っているポケモンのレベル帯が偶然一緒というだけだったようだが、こちらとしては相手が務まるレベルの方が有難いまである。いい勝負が出来そうだった。

 

 使用ポケモンは二体ということで、ピカ様に出るかどうか聞いてみる。

 アニメではカスミさん相手に戦いたくないと言っていたピカ様だが、ここでもそれは変わらないようなので、バトルにはピジョンとバタフリーで参加することになった。新人はまだデビュー戦すらしてないし、みずタイプは弱点なので今回はお留守番だ。

 

 カスミさんの一体目はヒトデマン。レベルがこちらとそう変わらないなら20~25の間くらいだろう。

 こちらの一体目はバタフリーにした。これまでの旅で粉技や『サイケこうせん』や『ふきとばし』なんかも覚えているし、技の種類が増えて器用に戦えるようになったからな。

 

 バトルが開始されると、先手必勝とばかりにバタフリーに『サイケこうせん』を指示。

 カスミさんもヒトデマンに『みずでっぽう』を指示したが、レベルに差は無くとも技の威力には差があったようで『サイケこうせん』が『みずでっぽう』を押し返してヒトデマンにダメージを与えていた。

 

 体勢が崩れたヒトデマンに『ねむりごな』を指示。『ふくがん』の特性で命中率が上がっている『ねむりごな』を避けるすべはなかったようでヒトデマンの動きが止まる。

 しかし、カスミさんがヒトデマンの意識が途切れる直前に、水の中に入る指示をしたせいで、倒れるようにヒトデマンが水の中に入ってしまった。

 

 水中で粉が取れてしまったのか、すぐにヒトデマンが水中から出て来て元気になっている。

 そのままみずタイプの真骨頂を見せてやるとばかりに、水中へ再びダイブ。水の中では位置がわからないので、念のためバタフリーには高度を上げるように指示をした。

 

 しばらく様子を見ていると、カスミさんが『こうそくスピン』を指示し、ヒトデマンがくるくる回転しながら突っ込んでくる。高度を上げていたおかげで何とか避けることが出来たのだが、その後の旋回攻撃が背中に当たってしまった。そのままヒトデマンはまた水へ。

 

 やべぇ、今の攻撃を繰り返されたら落とされるぞ。

 

 再び突っ込んできたヒトデマンに対し、バタフリーに『ねんりき』を指示した。『サイケこうせん』より威力は低いが、『ねんりき』なら相手の動きを封じることが出来る。そのまま浮島にヒトデマンを叩きつけ、とどめに『サイケこうせん』を当てるとヒトデマンは戦闘不能になった。

 

 カスミさんもこちらが予想以上に強かったのか、「やるわねサトシ……」と笑っている。

 

 何だかんだバタフリーは一度しか攻撃を受けていないのでこちらが有利なのだが、カスミさんが二体目に出してきたのはやはりスターミーだった。

 

 遂にガチポケが来てしまったな。

 

 ちなみに技マシンとか技レコードを使っているのかどうか聞いてみると、ジムリーダーがジム戦で使用するポケモンで技マシンや技レコードで覚えさせた技を使えるのは、バッジ5個以上の挑戦者かららしい。

 まあ、カスミさんのスターミーはたまたま技マシンや技レコードを使っていなかっただけのようだが。

 

 とはいえ、それは朗報でもある。つまり、カスミさんのスターミーはまだレベル技かタマゴ技しか覚えていないということだ。それなら何とかなるかもしれない。

 ただ、スターミーはエスパータイプでもあるので、バタフリーのメインウェポンである『サイケこうせん』と『ねんりき』の効果が半減するのが痛い所か。

 

 どう攻めるか悩んでいると、カスミさんが『パワージェム』を指示してきた。いわタイプの技やんけ、効果抜群だよ!

 

 くらう訳にはいかないので、『サイケこうせん』で相殺させようとするが、今度はこちらのパワーが足りていないのか、『パワージェム』が『サイケこうせん』を突き破ってバタフリーの体に命中した。

 

 効果抜群でダメージが大きいのか、バタフリーが落下して行く。しかし、ニビジムでの経験が生きたのか、何とか途中で体勢を立て直した。よくやったで。

 

 一か八か『ねむりごな』を指示。対するカスミさんは『こうそくスピン』からの『しおみず』とかいうポケユナ全盛期のカメックスみたいな動きで粉を封じてきた。おまけに『しおみず』も直撃し、バタフリーがダウンして戦闘不能になる。くっそ、強ぇ。

 

 おいおい、ピジョンさんで勝てるか?

 

 新しく『たつまき』を覚えたが、ドラゴンタイプの技は別にみずにもエスパーにも効果は普通だ。ヒット&アウェイが売りなピジョンさんだが、水中攻撃相手の経験はない。おまけに、スターミーは『こうそくスピン』の追加効果で、素早が一段階上がっている。下手すると、『パワージェム』で詰むぞ。

 

 流石のピカ様も、俺が不利なのがわかったのか、「大丈夫?」とばかりに様子を見に来た。

 しかし、一度使わないと決めたピカ様に頼るのは何か格好悪いので、「大丈夫だよ」と強がってそのままピジョンをフィールドに送り出す。何かの奇跡でピジョットになってくれ。

 

 いや、弱気になるな。さっきは相手のペースに飲まれたのが問題だった。

 

 もうピジョンが勝つには勢いで押し切るしかない。『でんこうせっか』で先制し、スターミーに仕掛けていく。だが、カスミさんもこちらの狙いは百も承知のようで、体勢を崩すスターミーにそのまま水中に逃げるように指示していた。

 こちらには水中に攻撃するすべがないので当然のように勢いが止まる。対する向こうは『こうそくスピン』と『しおみず』というユナイトコンボで奇襲を仕掛けられるので圧倒的に有利だ。

 

 ってか、これ本当にバッジ一個の初心者に対する対応なのか? 大人気なくねぇか?

 

 もうこうなったらタイミングよく『でんこうせっか』をカウンターで合わせていくしかないと考えていると、水中に逃げたスターミーが弱ったと勘違いしたのか、ロケット団が良くわからないメカを持ってバトルに乱入してきた。

 

 一体、これはなんなんだ?

 

 と、共に始まる「なんだかんだと聞かれたら~」のくだり。まぁ、いいわ。とりあえず、そのメカもまだ初期だから電気対策していないだろうし、名乗っている最中はピカ様に『わるだくみ』を指示して3詰みさせておく。

 

 ロケット団曰く、みずポケモンは水を取れば弱るので、プールの水を全部抜き取ってからポケモンを頂くらしい。さっさとバトルの続きがしたいので、申し訳ないが『10まんボルト』でお帰り頂いた。

 

 やなかんじー? しょうがない。タイミングが悪いよ、タイミングが。

 

 しかし、威力が有り過ぎたのか、つい勢いでメカも爆発してしまい、プールが壊れてしまった。やっべぇ、やり過ぎだ。請求はオーキド研究所へお願いします。

 

 結局、これではバトルの続きも出来ないということになり、とりあえず今回は引き分けということになったのだが、カスミさんの一番上のお姉さんがそれに待ったをかけて、こちらにバッジを渡してきた。いや、受け取れないっすよ。カスミさんも「私、負けてないのになんでバッジあげなきゃいけないのよ!」と怒ってますし。

 

「カスミのスターミーの攻撃。あれは初心者にするような技のチョイスじゃなかったわ。ここはジムで、あくまでもジムリーダーは挑戦者のトレーナーやポケモンの実力を測る存在なの。勝てばそれでいいというものではないわ。バッジ一つのサトシ君は十分に実力を示した。だからブルーバッジを受け取る資格がある」

 

 そう言われるとカスミさんもぐうの音も出ないらしい。どうやら彼女も『こうそくスピン』からの『しおみず』はやりすぎだと思ったようだ。

 おまけにこちらはピカ様を使っていない。お姉さんも「ピカチュウを出されていたらカスミは多分負けてたしね」と言っていたが、カスミさんもそれはわかっているようで渋々納得していた。

 

 しかし、それで納得しないのがニューサトシである。

 

 勝敗が付いていない以上、バッジは受け取れない。タケシの時は勝敗が着く直前だったからまだ妥協できたが、カスミさんとの試合は敗戦濃厚だった。そんなお情けのようなバッジをもらったって恥ずかしくて街も歩けないぜ!

 

 と、ゴネにゴネた訳だが、それでは向こうも困ってしまうようなので、妥協案として、一旦ブルーバッジを預かり、旅の途中でまたハナダシティに来た時に今度は正式な試合をすることになった。

 

 負けたらバッジを返すということで渋々バッジを受け取る。向こうとしては別に返してもらわなくてもいいらしいが、それでは俺の気が済まないので拒否した。

 

 カスミさんが「もう、どうでもいい所で頑固なんだから……」と呆れていたが、男には譲れないものがあるもんなんでい。てやんでい!

 

 

 

 




 原作との変化点。

・第6話『ピッピと月の石』より、おつきみ山でポケモンを一体ゲットした。
 作者が一番好きなポケモンです。ゲームのおつきみ山にはいなかったけど。

・第7話『ハナダシティの水中花』より、カスミさんとガチバトルをする。
 この小説だとジムリーダーはかなり強い設定なので、カスミさんのトレーナーレベルも強化されている。ポケモンはヒトデマンLv.21、スターミーLv.24、おまけでトサキントLv.18

・カスミさんの姉妹が原作よりもジムリーダーっぽい。
 流石にアニメは巫山戯すぎているので、少し変更。

・バッジを貰うのを拒否した。
 負けそうだったので拒否った。ジムリーダーとしての責務に問題が出てくるので預かるだけ預かったが、次のバトルで負ければ返すつもりでいる。


 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.18→22

 ピジョン  Lv.19→23

 バタフリー Lv.12→20

 ???   Lv.12 NEW!



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