ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#059 『おい、俺とバトルしろよ』

 11歳 η月κ日 『アンノーンが悪いよ、アンノーンが』

 

 ミュウツーとエンテイのバトルが始まった。こちらは開幕で当然のように『サイコキネシス』を指示する。

 エンテイはゲンガーがコンサートをしている間に、体力を回復しきったようで余裕の態度だったが、サイキネの直撃を受けると表情が変わった。どうやら足掻こうとしているようだが、ミュウツーのタイプ一致サイキネをそう簡単には弾けないようで苦しい表情を浮かべている。

 

 エンテイが何とか気合いで自由を取り戻すと、『せいなるほのお』で反撃してきた。

 こちらも『シャドーボール』で迎撃する。タイプ不一致など関係ないとばかりに、シャドボが炎弾を弾いてエンテイに直撃した。

 爆炎で視界が塞がる中、ダメージを受けながらもエンテイが『フレアドライブ』で突っ込んでくる。こちらは当たり前のようにスプーンを作ってエンテイの突撃を受け流した。

 

 そのままエンテイに向けて、再びの『サイコキネシス』を指示したが、エンテイのピンチに反応して再び室内に結晶の柱が現れる。

 咄嗟に回避したが、次々と現れる結晶の柱がミュウツーの攻撃を妨害していく。チッ、このままじゃ、結晶で部屋が埋まってバトル所じゃなくなるぞ。

 

 仕方ないので、ミュウツーに後を任せて、外でバトルして貰うように頼む。頷いたミュウツーがサイキネでエンテイを放り投げると、そのまま勢い良く外へ飛び出して行った。

 チラッと様子を見たが、俺がさっきエンテイをサンドバッグと呼称したのは間違っていなかったようで、エンテイの攻撃を全て凌ぎ、ミュウツーが圧倒的な力でエンテイを押さえつけている。

 ただ、エンテイもチートみたいな不死性を持っているおかげもあって、ミュウツーに屈するようなことはなかった。能力だけであれば、完全にエンテイを上回っているミュウツーも、この回復力には手こずっているようだが、久しぶりに全力を出せるから喜んでいるようでもある。

 

 ミュウツーがエンテイを引き付けてくれている間に、俺もまたミーに現実を突きつけることにした。

 俺がエンテイと戦っている間に、カスミさんとタケシも上がってきたようで、今はママさんと一緒にミーのことを説得している。ついでに何故かロケット団もいてラティが大喜びしているが、まぁ今はどうでもいい。

 

 ミーはエンテイのことが気になるようだが、俺と違って真摯に向き合ってくれるみんなの言葉に心を打たれているようにも見えた。だが、そこに空気を読まないニューサトシが乱入するぜ。

 

「ここに居れば、確かにお前は幸せなんだろうよ。でも、それは束の間のものだ。いずれ、この異常を放置できなくなった人間によって、お前達の幸せは脅かされる。そして、お前はまた一人になるだろう」

 

 タケシやカスミさんが余計なことを言うなと睨み付けてくるが、俺は優しい言葉で甘やかすなんて面倒なことはしない。現実を分からせなければ、いつかまた同じことが起きるかも知れないのだ。

 

「俺には仲間がいる。それはこれまでの旅で得た宝だ。時には喧嘩もするけど、それでも俺が一人じゃないのは、こいつらがずっと居てくれるからだ。お前には、そういう仲間はいるか?」

 

 ミーは「私の友達はここにいる」と言って、結晶からゴマゾウ、ヒメグマ、モココを作り出した。しかし、それは作り物の仲間だ。自分の都合の良い、おもちゃと何も変わらない。

 

「ポケモン達だけじゃない。カスミやタケシだって、俺の仲間だ。俺が何か間違えば、こいつらが正してくれる。だから、俺は間違わずに前を歩ける」

 

 すると、ミーは「私には、そんな人居ない」と涙をこぼした。それを見たラティが悲しそうな顔で『なかない』と、ミーに顔を寄せている。

 

「いないなら、作れば良い。外に出てな」

 

 そういうと、カスミさんやタケシも同意してくれる。俺達も最初からずっと仲間だった訳じゃない。旅をして、出会って、それから仲間になったんだ。

 

「お前は、一人が嫌だったんだろう? だからママを攫った。けど代わりに、俺はママを失ったってことだ。お前は俺のママを攫って幸せかもしれないが、俺は自分のママがいなくなれば悲しい。お前と一緒だ」

 

 ハッと、ミーはママさんに視線を向けた。

 自分が悲しいと思ったことを、他人にしたということが、ようやく自覚できたのだろう。ママさんも黙ってはいるが、何も否定しないということはそういうことである。

 

「勿論、このままお前を一人にするつもりはない。ママだって、このままミーを放っておくつもりはないんだろ?」

「そうね。ミーちゃんの本当のパパとママが帰ってくるまでは一緒にいるつもりよ」

 

 だと思った。

 

「ここから出ても、お前は一人じゃない。もう少し大人になったら旅に出て、今度は本当の仲間を作れば良いさ」

 

 何だかんだ、俺も甘いな。結局は優しい言葉をかけちまった。もっとボコボコに叱るつもりだったが、やはり泣いている子供相手は少しやりづらい。

 だが、ミーもようやく外に出る決意をしてくれたようで、俺達の言葉に頷いている。同時に、ミュウツーとエンテイが天井を突き破って中に戻ってきた。どうせ、この暴君のことだ。超能力で俺達の話を聞いていたのだろう。

 

 ミーが外に出ることをエンテイに伝えると、エンテイもまたそれがミーの幸せに繋がるならと頷いている。まぁ、この全肯定BOTエンテイなら、ミーが外に出ると言えば拒否はしないと思っていた。

 

 これでめでたしでめでたし――と、思いきや、突如としてアンノーンが暴走を起こして、シュリー邸が結晶で埋め尽くされていく。

 ポケギアに通信が入り、博士からアンノーンの暴走は外にも影響が出ているという連絡があった。街も結晶化現象が進んでいるようで、このまま放置すれば最悪人死にも有り得るらしい。

 

 すぐにミュウツーと共にアンノーンがいるエリアまで行き、その暴走を抑えに行く。だが、暴走しているだけあって、あのミュウツーですらアンノーン達を制御するのに苦労していた。

 エンテイとの戦いで力を消耗していたのも影響しているのだろう。ピカ様やリザードン、ラティで援護するも、暴走を制御するには少し時間がかかりそうだ。しかし、その間に街は結晶に飲まれてしまうだろう。

 

 流石にまずいと冷や汗を流していると、エンテイが後ろから現れ、「最後に私に出来るのは、ミーをここから出してやること」と言って、ミュウツーの援護に回った。

 暴走するアンノーンに突撃するエンテイ。

 しかし、これまで不死身の力をこれでもかと見せつけていたエンテイだが、力の大元であるアンノーンには逆らえないのか、簡単に攻撃が弾かれて体が壁に激突している。見れば、体に出来た傷が修復されていない。同じ力同士だとダメージを受けるようだ。

 

 エンテイが再びアンノーンに突っ込んでいくと同時に、タケシやカスミさん、ママさんにミーもやってきた。

 傷つくエンテイを見て、ミーが「パパ!!」と心配の声をかける。同時に、エンテイのパワーが少しだが上がった。どうやら、アンノーンが暴走してもまだミーの力は有効らしい。なら、まだ勝機はある。

 

「ミー! エンテイを信じろ! お前が信じるお前じゃない、エンテイが信じるエンテイでもない。お前が信じる、エンテイを信じろ!」

 

 と、どこかのドリルアニメで出てきた格好いい兄貴が言っていたのを丸パクリする。ここまでくればもう理屈ではないのだ。

 ミーも言葉の意味はわからずとも、エンテイを信じろというのは伝わったようで目を閉じてエンテイを応援している。エンテイもまた、ミーの気持ちが自分を強くするとばかりに、どんどん力が強くなっていった。ミュウツーも負けじと力を強め、二体の伝説ポケモンの力が合わさり、アンノーンの暴走も収まっていく。

 

 暴走が収まったアンノーン達が不思議な光を放つと、屋敷や街の結晶化も解除されて行った。同時に、光に包まれたエンテイが「ミーの夢に帰る」と言ってこの場から消えていく。

 

 これで、本当にめでたしめでたしだが、ママさんはもうしばらくミーと一緒に居ると言っていた。数日一緒にいて、このままミーが一人のようなら、マサラタウンに連れて行って一緒に住むつもりのようだ。

 俺達も数日は一緒に居ることにした。

 多分大丈夫だと思うが、まだ完全にアンノーンの脅威がなくなったと決まった訳ではないし、何かあった時に対応できるようにしておくのが無難な所だろう。別にミーが心配などということでは断じてない。

 

 

 追記。翌日、行方不明になっていたミーの父親であるシュリー博士が発見されたらしく、数日後にはこの家に帰ってきていた。そういえば、映画もそんな終わりだったっけか。

 

 

 

 11歳 η月ν日 『伝書ポッポは便利だよな』

 

 ロケット団が伝書ポッポを捕まえるという悪事を働いていたので、いつも通りにやなかんじーにしてやった。

 

 伝書ポッポは手紙以外にも小さな荷物を届けることが出来る便利なシステムだ。かくいう俺も、かつて『なみのり』の技レコードを届けて貰うために特急ピジョット便を使って貰った過去がある。この伝書ポッポも根底は一緒なのだ。

 

 ロケット団もその便利さを利用しようとしたようだが、そんなことはこのニューサトシが許さない。また博士に技マシンやレコードをせびった時にはお世話になろうと思っていますので、その時は何卒よろしくお願いします。

 

 

 

 11歳 η月ο日 『そういえば、ここで進化するんだっけかw』

 

 雨が降っていたので、とあるお屋敷で雨宿りさせてもらったのだが、どうやらここはアンナという女性が営んでいる診療所らしい。

 アンナはタケシ好みの綺麗なお姉さんで、ズバットの『ちょうおんぱ』を使って診察をしているようだ。タケシも自分のゴルバットを出して診察を手伝おうとしていたが、ゴルバットだと『ちょうおんぱ』が強力すぎて診療の手伝いは出来ないらしい。

 

 そういえば、アニメだとズバットはここで進化するんだっけ? 何か、そんなエピソードを見たような気もする。

 まぁ、仮にズバットだったとしても、原作よりも強くなっているだろうし、どの道診察は無理だったと思うけどな。

 

 ショックを受けたタケシだが、診療の手伝いは無理でも他のことで手伝いをすると、料理の手伝いをしようとしている。すると、食料庫にロケット団がいて、食べ物を盗もうとしていた。「俺の見せ場を奪うなぁ!!」と叫んだタケシがゴルバットでロケット団をやなかんじーにしている。

 そのおかげかはわからないが、ようやくなつき度もマックスになったようで、ゴルバットは無事クロバットに進化していた。災い転じて福と成すともいうが、タケシにしてみれば踏んだり蹴ったりな結果かも知れないな。

 

 

 

 11歳 η月π日 『かくとう道場か。よかろう』

 

 暴れたケンタロスに襲われそうだった老人を、金角のカイロスを出して助けたのだが、助けたケンゾウという老人が俺の実力を買って、自分の運営している格闘道場に来て欲しいとお願いしてきた。

 

 ほう、道場とな?

 

 かつてエビワラーで道場破りをしたニューサトシとしてはなかなかに興味がある。一応、バトルになってもいいように、デルビルとヨルノズクを、エビワラーとオコリザルに入れ替えたのだが、その二体を見たゲンゾウが俺こそが跡継ぎに相応しいと囃し立ててきた。

 

 跡継ぎというのは意味がわからないが、とりあえずゲンゾウの道場にお邪魔させてもらう。

 そこでは、ケンゾウの孫娘であるチグサという少女が、カポエラーと共に門下生に技の指導をしていた。しかし、チグサは格闘技をコンテストか何かと勘違いしているのか、技を美しくリズミカルに出すことに拘っているようだ。

 

 ラティは気に入ったのか、リズムに合わせて足を上げているが、スカートの中身が見えるから止めなさいとカスミさんに注意されていた。中身がポケモンだからはしたないと感じないのだ。

 

 まぁ、それはともかくとして、ゲンゾウもそんなダンスのようなものでは実戦では通用しないと苦言を口にしている。

 実際、そんなリズムのとれた技など、相手からしてみれば読みやすいだけだろう。おまけに、技が型通りで綺麗すぎるから尚動きが読みやすい。ゲンゾウもそれでは駄目だと言っているが、チグサはその意味が理解できていないらしく、絶対に見返してやると意気込んでいた。

 

 ゲンゾウはそんな孫娘を見かねて、俺を跡継ぎにしたいと言い出したのだろう。当然、チグサはそんなの認めないと怒っており、俺にどちらが跡継ぎに相応しいか勝負を仕掛けてくる。

 

 ぶっちゃけ、跡継ぎなどどうでもいいが、売られたバトルは買うのが礼儀だ。正直、ああいうわかりやすいタイプはエビワラーのカモなのだが、ここは久しぶりにオコリザルを出すことにした。

 こいつも最近は出番がなかったからか、久しぶりに戦えると喜んでいる。新人育成のために、カントー組はジム戦くらいしか出番がなくなっちまったからな。けど、ここでその鬱憤も晴らしてくれ。

 

 チグサとカポエラーは正直そこまでレベルは低くなかった。しかし、技が綺麗でリズムが読みやすく、カウンター使いでもないオコリザルですら動きを完全に見切れている。

 おまけにコンビネーションも良くない。チグサがカポエラーと呼吸を合わせられていないから、『こうそくスピン』や『トリプルキック』も、動きにワンテンポずれが起きている。それが更なる隙となって、本来の持ち味を全て潰してしまっていた。

 

 とはいえ、バトル中にわざわざ教えるようなことではないので、大人気なくオコリザルで圧倒する。

 

 チグサも何故負けたのか理解できず、一瞬呆然としていたが、すぐにカポエラーを回復させて「もう一度」と再戦を望んできた。

 拒否する理由はないので、今度はエビワラーを出して、カウンターで一撃の元沈める。ずっと練習していただけあって、超カウンターも大分ものになってきたようだ。

まぁ、相手のリズムが読みやすかったというのもあるだろうが、危なげなく技を成功させているのは成果と言えよう。二連敗して、さしものチグサもショックだったのか、「何でなの?」としょぼくれた声を出している。

 

 そんなこんなで俺がチグサをボコボコにしていると、ジロウとかいう格闘家が道場破りにやってきた。

 

 どうもこのジロウとかいう奴は最近道場破りをしていることで有名らしく、ここの看板も頂くと宣言している。その噂を聞いていたゲンゾウが受けて立つと意気込んでいたが、急なギックリ腰が起きてしまったようで動けなくなってしまった。

 仕方なくチグサが、自分が相手になると言ってバトルを受けようとしたが、カポエラーは俺とのバトルで戦闘不能になっている。「あ!」という声を聞けば、もう薬がないのは一目瞭然だった。

 

 こうなっては仕方ないので、俺が代わりにバトルを引き受ける。ゲンゾウに許可を取ると頷いており、「その者に勝てなければ、我が道場に挑む資格はない」と、ジロウに宣告していた。

 

 最初は不服そうにしていたジロウだが、俺のエビワラーとオコリザルを見ると、その侮りは消える。どうやら、俺のかくとうポケモン達の実力がわかるようだ。

 少しは面白くなるかと思っていると、ジロウがサワムラーを出してくる。なかなか育てられているサワムラーだ。こりゃ、道場破りで連勝しているというのも頷けるな。

 

 話を聞くと、ジロウはいつか自分の道場を立てるのが夢らしく、そのために道場破りをして武者修行をしているとのことだ。見た目は少しチャラいが、意外と真面目な奴である。

 それに、この道場も意外と名門だったようで、その師範と戦えないのは残念だと思ったらしいが、俺が相手なら不足はないと言っていた。うーむ、なかなか強そうだし、こりゃ多分チグサだったら負けてたな。

 

 だが、戦うのは俺だし負けるつもりはない。

 エビワラーとオコリザル、どちらで行くか悩んだが、ここはオコリザルで行くことにした。やる気が有り余っているみたいだし、エビワラーも大人だからここは譲ると言ってくれている。

 

 オコリザルとサワムラーのバトルが始まるが、ロケット団にサワムラーがいるおかげもあって足技には慣れていた。

 格闘戦ということで、いつものピーカブースタイルでガードを固めながら真っ直ぐ進んでいく。向こうも、牽制で『まわしげり』や『ローキック』を使ってくるが被弾前提で突っ込む。オコリザルのガードの固さに、ジロウもやりづらさを感じているようで、『けたぐり』で転がそうとしてきた。

 

 意識が下を向いた所を狙って、『クロスチョップ』で攻める。アカネ戦でカビゴンがやっていた技だが、当然かくとうポケモンであるオコリザルもその辺りの機微には鋭い。

 サワムラーの攻撃を回避し、一気に攻勢に出た。

 一撃を入れた後は、『インファイト』でサワムラーを追い詰めていく。防御と特防が一段階下がるが、もう攻め手を相手に渡すつもりはない。すぐにジロウもサワムラーのガードを固めさせたが、向こうが思っていた以上にオコリザルの攻撃力が高いようで、完全に防御一辺倒になっても尚、攻撃を受けきれていなかった。

 

 俺もまた、「距離を取らせるな! そのままくっつけ!」と指示を飛ばす。アウトファイタータイプのエビワラーと違って、オコリザルは完全なインファイタータイプだ。

 通常時のバトルは自由気ままに暴れ回っているが、格闘戦になれば防御重視で相手の懐に潜り込み、一気に攻めて倒すというのが得意スタイルである。逆にサワムラーは足が長いから中距離から遠距離の方が戦いやすいタイプだろう。くっついてしまえば、脅威度は格段に下がる。

 

 ジロウも何とかサワムラーにオコリザルとの距離を取らせようとしているが、毎日エビワラーと戦っているオコリザルは距離の詰め方や追い方が上手い。

 相手の動きをちょっとしたモーションで制限したり、目線でフェイクを入れたりと、自分の戦いやすいように誘導しているのだ。結果として、ジロウとサワムラーは得意なことをさせてもらえない。

 

 チグサの時には見せなかった高等テクニックを使用し、真正面からジロウを追い詰めていく。ゲンゾウもまさかここまで俺が強いとは思っていなかったようで驚いている。チグサもようやく俺との実力差を理解したのか、大口を開けて何も言えなくなっていた。

 

 最後は『あばれる』と『げきりん』を組み合わせたお得意のアニポケ殺法でとどめを刺す。

 右のフックを叩きこみ、振り子のように反動を利用して今度は左。そしてまた右。左。右。左と、連打を重ねていく。ターン技同士の組み合わせで威力も高いから一度受けると抜け出すことは出来ない。ちなみにエビワラーはこれにいつもカウンターを合わせる特訓をしていた。最初は失敗ばかりだったが、今では半々くらいでカウンターを成功させているらしい。

 しかし、初見でこの攻撃に対応しろというのは無理があるようで、サワムラーはそのまま戦闘不能になっていた。

 

 ジロウもサワムラーを戻すと、すぐに「参りました。まだまだ修行が足りませんでした」と、素直に自分の負けを認めているが、どうもこのまま追い返すのはこの道場のためにはならない気がする。

 ゲンゾウも同意見だったのか、「先程の前言を撤回する。この者は客人だ。今日はこちらで対応が出来ぬ故、急遽力を借りたが、やはりそれではお主に失礼だろう。また明日再戦をさせてはもらえぬか?」と、ジロウに声をかけていた。

 

 ジロウも元々この道場に用があったので、特に異を唱えることはなく、「わかりました。また明日、お伺いします」と言って今日の所は帰って行く。

 とはいえ、ゲンゾウのぎっくり腰が今日明日で治るものではないのは明白だ。つまり、ここで真に戦えるのは孫娘のチグサしかいないのである。

 だが、チグサはあまりにもレベルの違う戦いを見せられて少し意気消沈していた。それでも何だかんだ孫を信じてバトルを仕向けたのだ。ゲンゾウも口では厳しいことを言っても期待しているのが良くわかる。

 

 後、俺に出来ることは一つだった。

 

 おい、チグサ。俺とバトルしろよ。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・アンノーンの暴走をミュウツーとエンテイの二体で収めた。
 暴走したとはいえ、伝説二体でやっと収束できるレベルのアンノーンさんパネェ。

・第164話『ポッポ屋の伝書ポッポ!』より、ニューサトシがごますりした。
 基本は原作通りだが、最後にごまをすっている。便利なものにあやかりたいのはロケット団と一緒である。

・第165話『ズバットの館! 危険な迷路!』より、タケシのゴルバットが進化した。
 アニメではズバットだったので協力できたが、この作品ではゴルバットのため開幕拒否された。また、その影響で迷路に入る前にロケット団を成敗している。おかげでアニメの後半がカットされ、ゴルバットがクロバットに進化した。

・第166話『カポエラーVSフシギダネ! 格闘対決!!』より、普通にかくとうタイプでチグサをボコった。
 情け容赦なくボコった。ニューサトシはかくとうタイプに関してはちょっとうるさいので、欠片も手加減しなかった。

・ニューサトシが代わりに道場破りと勝負した。
 勝ったが、相手が割といい奴だったので、これで帰すのは可哀想に思った。ケンゾウも同様なようで、明日またバトルをすることになった。

・チグサ強化合宿を始めた。
 おい、俺とバトルしろよ。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.54

 ピジョット Lv.51

 バタフリー Lv.50

 ドサイドン Lv.53

 フシギダネ Lv.51

 リザードン Lv.55

 ゼニガメ  Lv.51

 キングラー Lv.51

 カモネギ  Lv.50

 エビワラー Lv.51

 ゲンガー  Lv.52

 オコリザル Lv.50→51

 イーブイ  Lv.48→49

 ベトベトン Lv.49→50

 ジバコイル Lv.50

 ケンタロス Lv.49→50

 ヤドラン  Lv.50

 ハッサム  Lv.49→50

 トゲチック Lv.41→42

 プテラ   Lv.51

 ラプラス  Lv.49→50

 ミュウツー Lv.70→71

 バリヤード Lv.49→50

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.44

 カビゴン  Lv.43

 ニョロゾ  Lv.42

 ヘラクロス Lv.37→38

 チコリータ Lv.34→35

 ヒノアラシ Lv.34→35

 ラティアス Lv.30

 デルビル  Lv.30→31

 ワニノコ  Lv.25→27

 ヨルノズク(色違い) Lv.27→29

 カイロス(部分色違い) Lv.33→34

 ウソッキー Lv.31→32


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