ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#055 『どんだけまるころ極めてんだ』

 11歳 η月α日 『コガネシティ ジム戦 VSアカネ 後編』

 

 ニョロモがニョロゾへ進化するという嬉しいイベントはあったが、ニョロゾがかなりダメージを受けたことに変わりはなかった。

 だが、進化したことで気が強くなっているのか、ニョロゾもまだまだ行けるとアピールしてくる。冷静に考えるなら交代の場面だが、ようやく進化したニョロゾの意気込みを無視するのもどうかと思ったので、ここは本人のやる気を買うことにした。

 

 対するアカネは二体目にリングマを出してくる。

 普通なら相性はそこまで悪くないが、ジムリーダーの本気ポケモンである以上、まず間違いなく『かみなりパンチ』を覚えているだろう。

 おまけに、プクリンの使った『ひかりのかべ』と『しんぴのまもり』がまだ残っている。まともに戦えばこちらが不利だった。

 

 バトルがスタートすると、当然のようにアカネが『かみなりパンチ』を指示してくる。それは読めていたので、『ハイドロポンプ』で迎撃させるが、『ひかりのかべ』のせいもあってか、リングマが意にも介さずこちらへ走って来た。

 全く動きが止まらないまま、リングマの『かみなりパンチ』がボディブローのようにニョロゾの腹に決まる。進化してもダメージまで回復する訳ではない。ニョロゾは当然のように戦闘不能になってしまった。

 

 やはり無理だったか。ニョロゾを戻して、二番手のカビゴンを送り出す。

 正直、もう少しいい勝負が出来るんじゃないかとも思ったが、向こうのフィールドが万全な上、手負いのニョロゾで戦おうというのは、いくらなんでもアカネのことを舐めすぎだったな。

 

 まぁ、敵討ちはカビゴンに任せよう。カビゴンも公式戦は初めてだが、気合いは入っているようで、リングマと真正面から対峙している。

 アカネがリングマに『アームハンマー』を指示してきたので、こちらもカビゴンに『アームハンマー』を指示した。攻撃が同時にヒットするものの、レベル差や攻撃力にも差があるようでカビゴンの方がダメージを受けている。

 

 やはり、真っ向からの殴り合いは不利なので、搦め手を混ぜたい所だが『しんぴのまもり』がまだ効いているので状態異常系の技は役に立たない。

 ならば、少し無理やりだがダメージ勝ちするしかないだろう。タイプ一致の『のしかかり』を指示する。しかし、それを見たアカネが『けたぐり』を指示してこちらを転ばせてきた。

 

 まずい。『けたぐり』は体重が重いほどダメージが上がる技だ。カビゴンには当然最大ダメージが出る。

 カビゴンが転がされてひっくり返った所に追撃の『アームハンマー』が指示された。いくらタイプ不一致とはいえ、効果抜群の大技をこれだけ連続で受ければ流石のカビゴンも戦闘不能になる。

 

 だが、それはカビゴンもわかっているようで、振り下ろされる拳を避けるように、ゴロゴロと横に転がっていく。

 俺のカビゴンはカビゴンにあるまじき機敏さが強みだ。アカネもまさかカビゴンがこんな動きをするとは思わなかったようで驚いている。まぁ、普通のカビゴンなら倒せていた場面だしな。

 

 リングマも少し驚いたようだが、すぐに『アームハンマー』でこちらに殴りかかってきた。

 しかし、三回も『アームハンマー』を使えば、デメリットの素早一段階ダウンは無視できないレベルになっているはずだ。現にリングマのスピードは大分下がっている。

 こちらも一段階下がっているが、まだ持ち前の機敏さは失われていない。リングマの拳を避けながら懐に入り込み、カビゴンが『のしかかり』をしていく。アカネもすぐに『けたぐり』を指示していたが、それよりも先にカビゴンの技が決まる方が早かった。

 

 リングマがカビゴンの下敷きになり、苦しそうな声を上げる。おまけに『しんぴのまもり』も切れて麻痺も入ったのか、体が痺れて上手く動かせないようだ。

 こうなると、カビゴンの機敏さが生きてくる。

 果敢に『けたぐり』を仕掛けてくるリングマの猛攻をかわしながら、意識が下に向いているリングマの頭を『アームハンマー』で狙い撃っていく。こちらの素早も下がるが、それ以上に遅くなっているリングマ相手なら、もう気にしなくてもいいだろう。

 

 カビゴンによる迎撃の『アームハンマー』をくらって、リングマがダメージで顔をしかめる。

 だが、それでも尚突っ込んでくるリングマに対し、カビゴンは軽快なフットワークで攻撃を回避していった。ぶっちゃけ、カビゴンが軽快なフットワークとか、自分で書いていても意味不明だが、その通りなので他に書きようがないのである。

 

 アカネもこれ以上はスピードを落としたくないのだろう。『あばれる』を指示して一撃をあてようとしてくるが、素早が三段階下がり、麻痺したリングマの攻撃なら今のカビゴンでも十分に回避することが出来た。

 とはいえ、余裕がある訳ではない。カビゴンも、既にリングマの攻撃を二回も受けている。レベル差を考えれば、次の一撃で戦闘不能にされてもおかしくはなかった。

 

 自分よりも体重があるカビゴンに攻撃をかわされて頭に血が上っているのか、リングマが無理やりにでも『あばれる』でカビゴンを倒そうとしてくる。

 そこに『じたばた』を合わせて、リングマを再び突き放した。『じたばた』は自分の残りHPが低いほど威力が出る技だ。今のカビゴンなら、ほぼ最大値の威力が期待できる。

 

 リングマの『あばれる』が『じたばた』によって弾かれ、リングマがその場に素っ転ぶ。そこへ、カビゴンがお得意の『のしかかり』を決めて、一気にリングマを戦闘不能まで持って行った。

 

 リングマを倒し終えると同時にカビゴンがゴロンと横になる。見れば、かなり肩で息をしていた。ギリギリ戦闘不能にこそなっていないが、このまま連戦させるのは無理そうだ。

 アカネがリングマをボールに戻すのに合わせて、こちらもカビゴンをボールに戻す。

 

 二勝したが、ニョロゾは倒れ、カビゴンも戦闘不能一歩手前だ。おそらく、ヤドランが倒れたらその時点で勝ち目はなくなる。

 しかし、俺はヤドランなら勝てると信じて連れてきたのだ。今更、後に退くつもりはなかった。

 アカネが最後の一体を出してくる。やはり、アニメやゲームと同様にミルタンクが切り札のようだった。こちらも、最後の一体としてヤドランを送り出す。

 

 ヤドランは物理受けとして優秀なのもあるが、エスパー技で動きを封じることが出来るので、ミルタンク必殺のまるころも防ぐことが出来るのだ。

 ゲームではなすすべもなく、まるころによってトラウマを植え付けられたが、ニューサトシは見えている地雷を踏みに行くほど愚かではない。このまま一気に勝負をつけてやるぜ。

 

 ヤドランに開幕『サイコキネシス』を指示して、動きを封じようとする。だが、早々に『まるくなる』からの『ころがる』でミルタンクがフィールドを走り始めた。

 その動きがこちらの想定していた以上に速く、なかなか捕まえることが出来ない。ヤドランがミルタンクを捉える寸前に、こちらの想定を外れるように急旋回していくのだ。

 

 その後も何度か捕捉しかけるが、その都度アカネが上手く指示を飛ばしてミルタンクに的を外させている。

 まさか、『ころがる』がここまで捉えづらいとは思わなかった。俺のヤドランが動きを捉えられないってことは相当訓練されているぞ、あのミルタンク。

 

 これはパターン1、エスパー技で封殺するは難しそうだったので、パターン2の物理で受けるに切り替える。

 ヤドランに『のろい』を指示して、素早を一段階下げる代わりに、攻撃と防御を一段階上げていく。このまま攻撃と防御を限界まで上げて、物理的にまるころを受け止めるのだ。

 

 アカネも俺がヤドランに『のろい』を指示したことで、こちらの策を見抜いたのだろう。

 ミルタンクにヤドランへ突撃するように指示を飛ばしている。こちらの体勢が整う前に倒すつもりのようで、ヤドランが二回目の『のろい』を積む前にミルタンクがヤドランにアタックしてきた。

 

 物理耐久が高いヤドランだが、ミルタンクのまるころは防ぎきれないようで、弾かれるように地面を転がって行く。

 ミルタンクも吹き飛んでいたが、転がったまま上手く体勢を立て直していた。ってか、どんだけまるころ極めてんだ。普通は弾かれたら一度止まって立て直すもんだろう。

 

 だが、これはあまりよろしくない状況である。いくら『まるくなる』で威力を上げているとはいえ、一段階目の『ころがる』すら受け止められなかったのだ。ここから威力が倍になっていくことを考えると、『のろい』を六段階積んでも受けられるか怪しい。

 

 ヤドランが起き上がるのと同時に、ミルタンクが二回目の『ころがる』を仕掛けてきた。

 こちらに『のろい』を積む余裕を与えないつもりなのだろう。こうなれば、最終手段に出るしかない。ヤドランに『かなしばり』を指示して『ころがる』を封じ込める。

 

 最後に使った技を使えなくする『かなしばり』によって、『ころがる』が失敗に終わり、ミルタンクが強制的に通常状態に戻された。当然、そんなことになればバランスを崩し、違う意味でミルタンクが転がって行く。

 結果論だが、こんなことなら最初から使えば良かったな。『かなしばり』は一度に複数の技を縛れる訳じゃないから一度使うと死に技になりやすいし、『アンコール』程使い勝手が良い訳ではないのでニューサトシ的にあまり評価の高い技ではなかったのだが、それでもこうしてヤバい技を確定で封じられるなら悪くない。

 

 ミスだったな。と、思いつつ、『サイコキネシス』でミルタンクに追撃をかける。

 しかし、ここでされるがままではないのがジムリーダーだった。即座に『メロメロ』を指示し、『サイコキネシス』を受けながらこちらに『メロメロ』を飛ばしてくる。

 

 今回、俺がジム戦に選んだポケモンは全員♂だ。ミルタンクは♀しか存在しないし、当たり前のように『メロメロ』がヤドランにブッ刺さった。

 性別が違う相手をメロメロ状態にし、50%の確率で技を失敗させる『メロメロ』によって、ヤドランの『サイコキネシス』が中断させられる。完全にちょっと前のワニノコと同じ顔でヤドランがミルタンクにラブアタックをかけていた。

 

 こうなればアカネの独壇場である。最後の技に『のしかかり』を指示し、ヤドランにダメージをプレゼントしてくれた。流石にどうにもならないので一度ヤドランをボールに戻す。

 だが、ヤドランの頑張りは無駄ではなかった。もし、『かなしばり』で『ころがる』を封じていなければ、アカネは四つ目の技に回復の『ミルクのみ』を選んでいただろう。そうなっていれば、持久戦に持ち込まれて負けていた。

 

 こうなれば、こちらもなりふり構っている場合ではない。再びカビゴンを出し、勝負を着けに行く。

 もしもの時の為に、技を一つ残しておいて良かった。アカネが当然のように『メロメロ』を指示してきたので、こちらは『あくび』を指示する。

 ジムリーダーはポケモンを交代できないという明確な弱点を再びつかせてもらったぜ。当然だが、プクリンが最初に使った『しんぴのまもり』は既に効果が切れている。

 

 こちらもカビゴンがメロメロ状態になってしまったが、ミルタンクも『あくび』により、眠り状態に入った。

 

 カビゴンを再び戻し、ヤドランを出す。一度ボールに戻ったことで、メロメロ状態は解除されていた。

 眠っているミルタンクに『サイコキネシス』をくらわせ、ダメージを与えていく。ダメージで目を覚ましたミルタンクが再び『メロメロ』をしてくるが、こちらも最後の一つの技である『あくび』を使う。

 

 当然、ヤドランはメロメロ状態になるが、再びミルタンクが『あくび』により、眠り状態へ入って行った。

 

 ヤドランを再び戻し、カビゴンを出す。一度ボールに戻ったことで、メロメロ状態は解除されていた。

 眠っているミルタンクへ『アームハンマー』をくらわせ、ダメージを与えていく。ダメージでミルタンクが再び目を覚ましたが、当然こちらは『あくび』一択である。これぞ、『あくび』による無限ループ。ポケモンを交代できないジムリーダーには対応しようがない禁じ手のようなコンボである。

 

 最後の一体だから交代できないのは関係ないと思う奴もいるかもしれないが、俺が言いたいのはそういうことではない。

 仮にこれが一体目でも二体目でも、同じようなことが出来るというのが問題なのだ。交代出来ないというのは、それだけ大きなハンデになる。

 だから、交代なしのバトルは嫌なんだよな。

 もし、交換ありのバトルなら、アカネもまだポケモンを残していただろうし、こんな状況にはなっていなかったはずだ。逆に交換なしのバトルだと、こういうハメ手がいくつも使えるから、極端に言えば実力が関係ない勝負になる。そこが気に入らない。

 

 まぁ、ラス一催眠ループというハメ技を使わされた俺が言うべきではないんだけどな。

 

 おまけに、アカネは気づくのが遅かった。

 既にこちらの攻撃はかなりの回数決まっており、今回ももう『あくび』がミルタンクに入っている。こちらがこのままカビゴンをヤドランに交換し、『サイコキネシス』で攻撃を入れればミルタンクのダメージはもう限界に近いはずだった。

 

 仮に次起きた後に即攻撃を指示したとしても、攻撃技が『ころがる』と『のしかかり』しかない以上、ヤドランの『あくび』はまず避けられない。『ころがる』は『かなしばり』で防げるし、『のしかかり』に来るまでの間に、どうやってもミルタンクは眠りに入る。

 

 アカネも、もう自分に勝ち目がないことを察したようで、素直にギブアップしてコガネジムで勝利した証であるレギュラーバッジを渡してきた。

 こちらも本来であれば、こんなハメ技のようなことはしたくなかったのだが、想像以上にまるころが強い上に、『メロメロ』までされては勝機がない。もし最後の技が『のしかかり』ではなく『ミルクのみ』だったら、どうなっていたか想像するだけで恐怖だった。

 

 しかし、ジムリーダーがルールを悪用されて負けるような事態をこのまま放置するのもどうかと思ったので、アカネにはこれを機にルールを見直すように進言したらどうかとアドバイスを送っておく。

 ただ、アカネはそれも挑戦者の創意工夫によるものなので、わざわざ封じることではないと笑顔で答えていた。ゲームで大泣きしていた人物とは思えない大人な対応である。

 だが、それでも今回の『あくび』ループはズルすぎるので、もうジム戦では使わないようにしよう。いくら、ルールの裏を突いたとはいえ、こんなハメ手で勝っても真の実力とは言えないしな。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・アカネのまるころが強すぎた。
 アニメでもやばかったが、タイプ不一致とは思えない火力をしていた。この小説でのアカネは基本的に、まるくなる、ころがる、メロメロ、ミルクのみの最強技を使ってくる。まるころやメロメロされた上、回復までされてはもはや勝機はないも同然。今回は上手く別の技を使わせたおかげでどうにかできた。

・ルールの裏を突いた。
 交代なしの相手に、一番やっちゃいけないコンボをした。『あくび』連打をされると、相手は行動できずに死ぬ。ラス一催眠は悪い文明。アカネがもう少し早く動けていれば、まだ何とか出来たかもしれないが、未来予知でもしない限り動きを先読みするのは難しいだろう。ちょうはつやアンコールも交代なしだと厳しい技だが、動ける分まだマシな部類である。


 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.53

 ピジョット Lv.51

 バタフリー Lv.50

 ドサイドン Lv.52

 フシギダネ Lv.51

 リザードン Lv.54

 ゼニガメ  Lv.51

 キングラー Lv.50

 カモネギ  Lv.50

 エビワラー Lv.51

 ゲンガー  Lv.51

 オコリザル Lv.50

 イーブイ  Lv.48

 ベトベトン Lv.49

 ジバコイル Lv.50

 ケンタロス Lv.49

 ヤドラン  Lv.49→50

 ハッサム  Lv.49

 トゲチック Lv.41

 プテラ   Lv.49

 ラプラス  Lv.49

 ミュウツー Lv.70

 バリヤード Lv.49

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.44

 カビゴン  Lv.41→43

 ニョロゾ  Lv.42

 ヘラクロス Lv.35

 チコリータ Lv.32

 ヒノアラシ Lv.32

 ラティアス Lv.30

 デルビル  Lv.27

 ワニノコ  Lv.22

 ヨルノズク(色違い) Lv.24


 どうも書き方が悪かったみたいで、あくびループ時にラス一だから交代できないのは関係ないというのが気になる方が多かったので少し加筆しました。
 実際に伝えたいのは書いた通り、数の問題ではなく交代出来ないとこういうハメ手のようなことが出来るので、そういうルールが嫌ということです。基本的に気ままに書いているせいもあってわかりづらくてすみません。次からはなるべくわかりやすいように内容を確認しますが、また分かりにくい箇所があれば教えて頂けると助かります。
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