ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#064 『歯を食いしばれ』

 11歳 ι月σ日 『占いってそんな面白いか?』

 

 ナットタウンという街で、ポケモン大道芸フェスティバルなる祭をしていたので覗いていくことになった。

 エイパムの竹馬乗りやストライクの紙切り芸など、なかなか面白い催し物があったが、その中でもネイティの占いがかなりの人だかりが出来ている。占い大好きのカスミさんに引きずられながら占い場所に行くと、イサミという少年が父の手伝いをしていた。

 

 しかし、イサミはあがり症のようで、なかなか人前で芸をすることが出来ずに居る。目立つことが大好きなニューサトシとはまるで正反対なので解決策が全く分からないが、とりあえず見られることが気になるならお面でもつけたらどうかとカスミさんがアドバイスしていた。

 

 落ち着いたことで芸は上手く出来るようになったようで、親父さんからもそのままでいいから舞台に出て見ろと言われている。数をこなして慣れれば、そのうちにお面なしでも人前に出られるようになるだろうということだ。

 そのままイサミが主軸で占いを始めたのだが、途中でロケット団が現れ、ポケモン大道芸のポケモン達を奪おうとしてきた。いつものようにやなかんじーにしてやろうと思ったが、ネイティを奪われそうになったイサミの活躍で無事にロケット団の悪事は阻止される。

 

 また、そのことで自分に自信が出たのか、その後の占いも大成功し、気がつけばお面なしで、人前で芸をすることが出来ていた。

 ラティとイエローがおめでとうとばかりに拍手を送ると、少し恥ずかしそうにしていたが、それでも嬉しそうな顔をしている。

 何だかんだいろいろ上手く行ったということで無事に問題は解決したが、街を離れた後、カスミさんが占いしてもらうのを忘れて大騒ぎする一幕があった。まぁ、またの機会に占って貰えばいいだろう。

 

 

 

 11歳 ι月υ日 『ぐぬぅ』

 

 ポケモン気球レースなるものがあるということで、飛び入りで参加していくことにした。

 どうも、ロケット団もこのレースに参加しているようだが、どうせあくどい手口を使ってくるであろうことは読めている。気をつけて様子を見ていたが、どうやら今回は純粋に気球乗りとして対決するようで、長年気球に乗り続けている腕前を披露していた。

 

 こればかりは向こうに一日の長もあって、優勝はロケット団に持って行かれてしまったが、大会景品は気球用の高性能バーナーだったので良しとしよう。しかし、ロケット団に負けたのはこれが初めてだ。ちょっと悔しい。

 

 

 

 11歳 ι月φ日 『歯を食いしばれ』

 

 映画スターのキタオとかいう奴がムチュールを預かって欲しいと声をかけてきた。

 聞けば、ムチュールと一緒に居られる所を見られるとファンからのイメージが悪くなるから事務所から手放せと言われているらしい。

 とりあえず、そんな身勝手なことを聞いて許せるはずもなく、キタオの顔面に一撃お見舞いし、ファンとムチュールのどちらが大切かを問いかけた。キタオも、駆け出しの頃からこれまで自分を支えてくれたのはムチュールだと言うことに気付き、やはりムチュールと一緒にいると決めたようだ。当然である。

 

 

 追記。どうやらムチュールと一緒で益々人気が出たようで、ポケモンセンターで見たテレビのCMにキタオとムチュールが出ていた。リポビタンDかよ。

 

 

 

 11歳 ι月χ日 『なみのりサイドンかぁ』

 

 湖のほとりで水の中を泳いでいるサイドンを見つけた。どうやらこの辺りでは『なみのり』を覚えたサイドンが生息しているらしい。

 俺は既にドサイドンを持っているのでゲットする気はないのだが、水に浸かっても平気なサイドンというのはちょっと魅力である。たまたま知り合ったエリコという女性は岩盤を掘ってトンネルを作っているようなのだが、上からにじみ出る地下水にも耐え、固い岩盤を砕くことの出来るサイドンをゲットしようとしているらしい。

 

 しかし、どんなに勝負を挑んでも返り討ちにあっている。サイドンも、これ以上は無駄だと言わんばかりの表情をしていたが、それでもエリコは諦めずサイドンに勝負を挑み続けている。

 その心意気に感動したのか、ラティとイエローが身を乗り出してエリコを応援していた。相手が女性と言うことで、タケシも最初からエリコを応援していたが、こうなれば自棄だと言わんばかりにカスミさんも応援を始める。

 

 だが、その根性に負けたのは俺達だけではなかったようで、サイドンもまたエリコのことを認め始めていた。

 最終的にエリコのパートナーのマリルがサイドンを下し、ようやくエリコはサイドンをゲットする。早速とばかりにサイドンを呼び出すと、その力で岩山のトンネルを掘り進めていた。

 

 

 

 11歳 ι月ω日 『ポケダンだ!』

 

 巨大飛行船であるマンデーブルー号なる飛行船が停泊していたので、少し見学をしていたのだが、そこで通常のカクレオンとポケダンにしか出てこない色違いの紫色をしたカクレオンに出会った。

 まさか、ポケダン限定色違いポケモンがいるとは、こんな話はアニメにあったかもう覚えていないが、もしかしたら不思議なダンジョンがどこかにあるかもしれないな。

 

 

 

 11歳 κ月β日 『そりゃないだろう』

 

 みずポケモン使いにとって憧れの場所とかいうアラタマ池のポケモンセンターに着いた。

かつてここはベトベターすら住めないほど汚染された池だったらしいのだが、ジョーイさんの祖母や母が長い時間をかけて綺麗にしていったらしい。

 今いるジョーイさんも、二人に負けないように後を継いで行きたいと思っているようなのだが、子供の頃の出来事がトラウマでみず系ポケモンが嫌いだと言っている。それでも職務だからと言って、医者の仕事はしているようだが、自分の仕事に誇りを持っているとはいえ、みず系のポケモンを嫌そうに診るのはどうかと思った。

 

 カスミさんも同様のようで、納得のいかない顔をしている。確かに、苦手なものは仕方ないといえば仕方ないのだろうが、それを隠そうともせずに、「気持ち悪い、気持ち悪い」と言いながら診られては、診られる側もたまったものではないだろう。

 仮に、このジョーイさんが風邪になったとして、診てくれた医者が「女きもい、女きもい」と言っているのと一緒だ。診られる側は気分がいいものではない。

 

 自分のトラウマに負けず、みず系ポケモンが嫌いだから診ない――なんていう差別をしていないだけ、まだこのジョーイさんはしっかりしているが、それを貫くならとりあえず面と向かって気持ち悪いというのはやめた方がいい。

 ポケモンにだって気持ちがあるのだ。自分を嫌うような言葉を言われて嬉しいはずがない。

 

 と、いうことを面と向かって突きつけたら、困ったような顔をされた。ニューサトシは言葉を飾るのが苦手なのでハッキリ言うが、無理なら別のポケモンセンターに行った方がいいぞ。

 今は大丈夫でも、いずれ問題が起きる。

 心無い言葉に傷ついたみず系ポケモン達が暴れるかもしれないし、カスミさんのように、ジョーイさんの態度に疑問を持つ人間だって出てくるだろう。そうなれば、そんな人間がポケモンを見ていることへの問題だって表面化してくる。そうなれば、否応なくここには居られなくなるはずだ。

 

 トラウマがあるのは理解するし、みず系ポケモンを無理に好きになれとは言わない。だが、自分の心を隠して仕事をするのが本当のプロではないだろうか? 少なくとも、他人にみず系ポケモンが嫌いであることを吹聴したり、みず系ポケモンに酷い言葉をかけたりするのは止めることを勧めるね。

 

 

 

 11歳 κ月γ日 『え、相棒技ってあるんすか?』

 

 またいつものようにロケット団が襲ってきた。最初は悪さをするロケット団に驚いていたイエローも最近ではなれたようで、俺のピカ様が無双するのを笑顔で眺めている。

 今日は『なみのり』からの『10まんボルト』でやなかんじーにしてやったのだが、それを見ていたイエローが、ふと「そういえば、サトシさんのピカチュウは『なみのり』を覚えているのに『ざぶざぶサーフ』は覚えていないんですか?」と言われた。

 

 イエローの口にした『ざぶざぶサーフ』とは、ピカブイで登場したピカチュウとイーブイのみが覚えることが出来る専用技のことである。

 通称、相棒技ともいい、ピカチュウが覚えられる技だけでも、どれも破格の性能をしており、当然覚えられるのであれば覚えさせてやりたい所だ。

 

「名前は聞いたことはあるが、覚えさせ方がわからない」

「んー……僕もレッドさんが使ってるのを見て覚えたので、全部使える訳じゃないんですけど、とりあえず『なみのり』が使えるなら『ざぶざぶサーフ』は使えるようになると思いますよ。僕のチュチュも、『そらをとぶ』を覚えたおかげで『ふわふわフォール』を覚えられたので」

 

 どうもイエロー曰く、この世界の相棒技は元の技からの派生らしい。『ざぶざぶサーフ』は『なみのり』から、『ふわふわフォール』は『そらをとぶ』から、『ばちばちアクセル』は『しんそく』から、『ピカピカサンダー』は『おんがえし』から派生するとのことだ。

 特に『ばちばちアクセル』と『ピカピカサンダー』は習得難易度が高く、イエローもレッド以外で使える人間を見たことがないようだが、『ざぶざぶサーフ』と『ふわふわフォール』は元の技である『なみのり』と『そらをとぶ』さえ覚えられれば、意外と習得できると言われた。

 

 ぶっちゃけ、技レコードが使える『なみのり』はともかく、『そらをとぶ』や『しんそく』はそう簡単に覚えられる技ではないので、今の俺が習得できるのは実質一択だが、本音を言えば『ばちばちアクセル』を覚えさせたい。

 何せ、『ばちばちアクセル』は『しんそく』並の速度で攻撃が出来る上に、確定で相手の急所に当たるという理不尽技である。この技があれば、でんきを無効や半減されない限り、威力112の先制攻撃を仕掛けることが出来るのだ。

 

 だが、イエローの言葉通りなら、まずは『しんそく』から覚える必要がある。『でんこうせっか』を超える先制技である『しんそく』、習得は諦めていたが、この機にチャレンジしてみるのもありかもしれない。

 

 とりあえずは『ざぶざぶサーフ』習得のための特訓を開始することにした。イエロー先生のふわふわした説明を聞きながら、何とかチャレンジしてみるも、なかなか『ざぶざぶサーフ』は成功しない。イエローはすぐに覚えられるようなことを言っているが、本当かどうか疑問が出てきた。

 

 

 

 11歳 κ月ε日 『ミカンちゃん、なんか性格違くない?』

 

 ようやくアサギシティに着いた。早速、ジム戦とアサギジムに行ったのだが、よくわからん小娘がジムリーダーを自称している。「いいから、さっさとミカンを出せ」というと、「よく見抜いたわね! でも、あんたの相手なんか私で十分よ!」とイワークを出してきた。

 まぁ、バトルをするというのなら受けて立とう。

 何やら、やけにテカテカ光っているイワークだが、俺のイワークなんて全身クリスタルだしそういうこともあるか。とりあえず、最近はロケット団の相手くらいしかしていなかったピカ様に久しぶりにバトルをしてもらうことにした。

 

 相手はいわ、じめんタイプだし、ここで『ざぶざぶサーフ』をものにしてやるぜ。

 

 開幕で『ざぶざぶサーフ』を指示するも、失敗したようで普通の『なみのり』がイワークを直撃する。ピカ様がみず技を使ったことに驚いた小娘だったが、イワークはまさかの無傷だった。

 みずタイプの技が効かないということは、このイワークも俺のイワークと同じ『クリスタルボディ』の特性を持っている可能性がある。

 

 みず技が効かないのでは仕方ない。『ざぶざぶサーフ』の練習は一度中断しよう。

 

 でんき技、みず技が封じられたが、それで降参するほど俺のピカ様は優しくはない。『くさむすび』を指示して、イワークにダメージを与える。みずと同等にくさ技もイワークには四倍弱点だ。

 おまけに『くさむすび』は相手の体重が重いほどダメージが出る。重量級のポケモンであるイワークには最大ダメージが出ており、小娘のイワークは一撃で戦闘不能になっていた。

 

 みず技が効かなかったのは少し驚いたが、それだけでは宝の持ち腐れである。イワークは弱点が多いので運用が難しいポケモンだ。みず技が効かないくらいで粋がっていたらこのようにボコボコにされるぜ。

 

 と、ご高説を垂れていると、今度こそ本物のジムリーダーであるミカンちゃんが現れた。

 今度こそジム戦だと意気込んでいると、何やらミカンちゃんが小娘を叱っている。どうやら、小娘のイワークにみず技が効かなかったのは特性ではなく防水ワックスでコーティングしていたからだという。

 成程、そういう対策もあるのか。

 と、少し感心したものの、当然だが反則である。とはいえ、別にそれで何か被害を被った訳でもないし、小娘もまだ子供なんだから許してもいいだろう。むしろ、それを気にするのであれば、さっさと俺とバトルしてくれ。

 

 しかし、ミカンちゃんは灯台に住んでいるデンリュウが病気でジム戦が出来る状況ではないという。

 そういえば、ゲームでもあったな。アカリちゃんの看病で、タンバまでひでんのくすりを取りにいかないとミカンちゃんとはバトルできないんだった。すっかり忘れてたぜ。

 

 今回の反則の罰として、小娘がタンバまで薬を取りに行くということだったので、ついでに俺達もタンバシティに行くことにする。イエローは元々タンバに用があるし、タンバにもジムがあるので俺もジム戦が出来るので行かない理由がなかった。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・第201話『ネイティ占い! 未来予知の神秘!!』より、コイキング親父が現れなかった。
 この話でもコイキング親父がコイキングを売るシーンがあるのだが、前回成敗されたことで登場しなかった。

・第202話『ポケモン気球大レース!! 嵐を超えて!』より、ロケット団が優勝した。
 原作ではニャースの正々堂々と競いたいという意見を無視して小細工で勝とうとしたが、今回はムサシがニャースの意見を聞いたことで普通に優勝している。そりゃ、この二年毎日気球に乗っているのだ。操作はお手の物だった。地味にニューサトシが初めて負けた。

・第203話『ムチュールにもう夢中!!』より、ニューサトシの一撃で目を覚まさせた。
 アニメでは有無を言わさず預けてくるが、今回はニューサトシが話を聞いて納得できずにワンパンでわからせている。キタオも大事なのはムチュールだとわかってくれたので一撃で済ませた。もし、仕事を取っていたらボコボコにした上で、ムチュールを連れていくつもりだった。

・第204話『なみのりサイドンを追え!? 湖の戦い!』より、波乗りサイドンを見て水に強いサイドンに少し憧れた。
 ドサイドンを訓練してみず技のダメージを減らせないか考えている。

・第205話『カクレオンはどこにいる!?』より、普通の色違いと違う色違いを見つけて喜んだ。
 もしかしたら、どこかに不思議なダンジョンがあるかもしれない。

・第206話『水ポケモン嫌いのジョーイさん!? カスミの怒り!』より、ニューサトシが現実を突きつけた。
 そもそもアニメの話が納得できなかった。医者として仕事を全うしようとする姿勢と、水ポケモンを嫌う態度を隠さないのは別の話である。プロなら、そこら辺も徹底すべきだろうというのがニューサトシの意見。

・第207話『聖母ミルタンク! 砂漠の秘密!』より、ヒノアラシを手持ちに入れていなかったので内容がカットされた。
 トゲ様同様、ポケモンが主軸になる話はカットになりやすい。

・イエローから相棒技の存在をほのめかされた。
 とりあえず、ざぶざぶサーフから練習することにした。将来的にはばちばちアクセルを覚えさせたい。効果が異常。

・第208話『輝きの灯台! アサギシティの戦い!』より、ロケット団は普通に退治した。
 ニューサトシはカットしているが、灯台のデンリュウを狙おうとしていたので普通にやなかんじーにしている。

・バトルタワーには寄らなかった。
 まだ時期ではない。ような気がする。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.54

 ピジョット Lv.51

 バタフリー Lv.51

 ドサイドン Lv.53

 フシギダネ Lv.51

 リザードン Lv.55

 ゼニガメ  Lv.51

 キングラー Lv.51

 カモネギ  Lv.51

 エビワラー Lv.51

 ゲンガー  Lv.52

 オコリザル Lv.51

 イーブイ  Lv.50

 ベトベトン Lv.50

 ジバコイル Lv.50

 ケンタロス Lv.50

 ヤドラン  Lv.50

 ハッサム  Lv.50

 トゲチック Lv.43

 プテラ   Lv.51

 ラプラス  Lv.50

 ミュウツー Lv.71

 バリヤード Lv.50

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.45

 カビゴン  Lv.45

 ニョロゾ  Lv.43

 ヘラクロス Lv.40

 ベイリーフ Lv.40

 マグマラシ Lv.40

 ラティアス Lv.30

 デルビル  Lv.39→40

 ワニノコ  Lv.35→37

 ヨルノズク(色違い) Lv.36→38

 カイロス(部分色違い) Lv.39→40

 ウソッキー Lv.37→39

 バンギラス Lv.55


 前話から少しアンケートを取っていますのでご協力ください。
 詳しい経緯については、前回のあとがきに書いておりますので確認して頂けると助かります。



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