ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#071 『俺はガキだからやりたいようにやる』

 12歳 λ月θ日 『ヨーギラスじゃなかったわ』

 

 タマゴが孵ってゴマゾウが生まれた。そういえば、サトシ君のゴマゾウっていつ捕まえたか覚えてなかったが、タマゴから生まれたものだったのか。

 トゲ様ぶりのタマゴポケモンだが、随分生まれるのが早いな。おまけに、ゴマゾウはトゲ様と違って生まれた時からやる気に満ち溢れている。タマゴが孵ったことを聞きつけたロケット団が現れると、自分が倒すとばかりに『ころがる』でバトルを仕掛けていった。

 

 とはいえ、いくら好戦的でもレベル1では流石に勝つのは難しいのでピカ様にサポートをお願いする。

 ピカ様ももうロケット団相手は百戦錬磨なので、上手いことゴマゾウをアシストして、ロケット団をやなかんじーにしていた。初バトル勝利の上、格上に勝ったゴマゾウは大喜びしており、これからに期待が持てそうだ。

 

 

 

 12歳 λ月ι日 『狐に化かされるをこの世界ではキュウコンに化かされるという』

 

 スリバチ山という霧深い場所で、ロココという女性とキュウコンに出会った。しかし、ニューサトシはこの手のペテンに強いので、すぐにこのロココという女性がキュウコンの見せた幻なのを丸っとお見通しする。

 すると、バレてしまっては仕方ないとばかりにキュウコンが襲い掛かってきたので、とりあえずピカ様のまんボルでお仕置きした。

 

 落ち着いたキュウコンに事情を聞くと、どうも200年位前にキュウコンのトレーナーが旅に出たまま帰って来ないらしい。

 キュウコンはずっとトレーナーの帰りを待っていたが、全然帰ってこないので、諦めてここから去ろうとしたようなのだが、どうもモンスターボールが自分を引き寄せるせいで遠くに行くことが出来なかったと言っている。

 

 実際に、実物を見てみると、200年前だけあって年代物の陶芸モンボだった。大体、モンボから自由になれないならボールを壊すのが一番ということで、久しぶりのマサラ式肉体言語術――マサラ粉砕拳でボールを粉々にすると、キュウコンも自由になったようで、無事に野生へと戻って行った。

 

 

 

 12歳 λ月κ日 『P-1グランプリ? 俺優勝したけど?』

 

 スリバチ山を越えた先でイタズラ者のバルキーに出会った。どうも、近くにいた空手王のノブヒコによれば、このバルキーはトレーナーに捨てられて人間のことが信じられなくなったせいで、人間や自分よりも大きなポケモンにイタズラをするようになったのだという。

 

 こういう話を聞くたびに、捨てるくらいなら最初から育てようとするなと思う。まぁ、仕方ないので、今回はニューサトシがバルキーを捕まえて改心させてやろう――と、思ったのだが、どうやらこのノブヒコとかいう奴も、バルキーはいい奴だということを知っているので自分のポケモンに加えてP-1グランプリに出たいと考えているらしい。

 ふむ、どこかで聞いたことあるグランプリだなと思っていると、タケシがこっそり「お前とオコリザルが優勝したグランプリだよ」と耳打ちしてくれた。あー、ムサシがサワムラーパクったあのグランプリね。

 

 とはいえ、それを自慢しても何の意味もないが、とりあえず「俺優勝したことあるぜ」と、かつてP-1で優勝した時の写真をお見せした。大変気分がいい。

 

 気分がいいので、バルキーはノブヒコに譲ることにした。そのまま何だかんだあって、バルキーと一緒にいた仲間のマンキー、オコリザルは無事にノブヒコの手持ちになっている。

 

 聞けば、ノブヒコはタンバジムのジムリーダーであるシジマの一番弟子らしい。なら、ちょっとバトルしてみるかということで、ウソッキーでバトルを仕掛けてみた。

 

 ノブヒコはオコリザルを出してきたが、俺自身がオコリザルを持っているので、オコリザルには詳しい。ウソッキーはいわタイプでかくとうタイプには弱いので、真っ向から組み合うのではなく、『けたぐり』や『ふいうち』を駆使して相手の攻撃をかわしながら攻撃を仕掛けていった。

 オコリザルはこういう風に自分のやりたいことが出来ないと怒ることが多いので、育てる時は冷静さを身につけられるよう心掛けさせねばいけないのだが、ノブヒコのオコリザルはまだ捕まえたばかりでその辺りの対策が出来ていない。怒って隙だらけになったオコリザルに、『アームハンマー』と『ウッドハンマー』を組み合わせたアニポケハンマー殺法をお見舞いした。

 

 総評としては、「動き自体は悪くはないが、このレベルじゃP-1優勝は夢だな(ドヤッ)」と、言う所だな。実際、レベリング途中のウソッキーに勝てないんじゃ優勝は無理だろう。

 

 

 

 12歳 λ月κ日 『占いなんてそんなもんだよな』

 

 久しぶりにロケット団の落とし穴に引っかかったら、何故かロケット団まで引っかかっており、底が抜けてさらに地下へと落ちてしまった。

 地面の下は何やら辺鄙な所で、ネイティオを使った占いをしている村がある。前にネイティを使った占い見たなぁと思いつつ、話を聞いてみると、どうもこの村では古くからネイティオの占いを信仰しているらしいのだが、どうも今回は占いが当たらなかったらしい。

 占いなんて当たらない日もあるやろと思っていたのだが、この村では珍しいことのようで、占い師の末裔であるミココは100年前にネイティオが予言した大洪水が来るのではないかと何やらパニックになっていた。

 

 そんなミココの推測を裏付けるように雨が降り出し、段々と強さを増していく。

 

 街の人々はネイティオの予言に従って我先にと逃げて行った。残った俺達、ロケット団、ミココだが、ロケット団が街の人達が置いて行った財宝をちょろまかそうとしていたので、いつものようにやなかんじーにする。

 

 予言では洪水はもう少し先の予定だったらしいのだが、ネイティオ達の新しい占いによると、これからすぐに洪水が発生するらしい。

 随分、急だなと思っていると、ネイティオ達が身振り手振りのボディランゲージで、ミココに最後の言葉を伝えていた。『占いとは勇気づけるもの。当たるも八卦当たらぬも八卦。けれど占いだけに頼るのは占いに引きずられていくだけ。お前は自分自身で決める生き方をしなさい』――そう告げて、ネイティオ達はテレポートでどこかに消えていき、俺達も安全な場所までテレポートしてくれた。

 

 街は水に流されてしまったので、ミココにこれからどうするのか聞いてみると、街へ行ってお天気お姉さんになると言っている。

 あんな閉鎖的な村でもお天気お姉さんなんて概念があるのかと少し驚いたが、目的があるなら心配いらないだろうということで、俺達はそのままチョウジ目指して旅を続けることにした。

 

 

 

 12歳 λ月μ日 『赤いギャラドスだ!』

 

 チョウジに向かって歩いていると、急にピカ様がぐったりしだした。どうしたんだと思って様子を見ていると、野生のポケモン達もピカ様同様体調悪そうにしている。

 そんな中、少し先で何やら大きな鳴き声が聞こえたので行ってみると、湖のような場所に出て、水の中から赤いギャラドスが飛び出してきた。赤いギャラドスってことは、まさかここはいかりの湖か?

 

 いや、考えるのは後だ。このまま赤いギャラドスを放置するわけにもいかないので、一旦ゲットしようとすると、何やらロケット団の幹部らしき人物としたっぱが現れ、「その赤いギャラドスを見られた以上、逃がすわけにはいかないな」と言いながらオニドリルを出してきた。

 

 オニドリルが相手なら、ピカ様と言いたいが、体調が今一つなのでこちらはバンギラスを出す。それを見て、何やら舌打ちをしているが、よくわからないのでそのままバンギラスでオニドリルをKOした。

 

 こちらが思った以上にやるとわかって、後ろのしたっぱたちもポケモンを出そうとする。

 そのまま、やってやろうじゃねーかとバンギラスで殲滅しようとした瞬間、空から『はかいこうせん』らしきビームと同時に、カイリューに乗った赤い髪のトレーナー――いや、ジョウトチャンピオンのワタルが現れた。

 

 ワタルが「サトシ君、ここは一旦引くんだ」というので、とりあえず一旦バンギラスを戻して引くことにする。少しすると、ロケット団をまいてきたワタルがカイリューに乗って再び俺達の前に現れた。

 

 カスミさんやタケシは大人なので、「危ない所をありがとうございます」とお礼を言っていたが、俺からするといい所で邪魔が入った形である。

 どうやら、ワタルはポケモンGメンとして、まだロケット団を追っているようで、今回の計画を調査していたらしい。俺としてはそんな計画はどうでもいいが、赤いギャラドスを放っておけないので、このまま湖に戻ろうと思う。

 

 しかし、ワタルが今回の件は危険だから関わるなと言ってくる。そんな言葉に素直に従うつもりはないニューサトシだが、ふと気づいたことがあったので、ここは一旦引いてワタルの指示通りにチョウジのポケモンセンターまで戻ることにした。

 

 珍しく俺が他人の言うことを聞くので珍しいという顔をしているカスミさんとタケシだが、俺がそんなに素直な人間な訳ねーだろ。ピカ様や野生ポケモンが体調を崩した理由に当てがついたから一度引くことにしただけだ。

 

 ピカ様や野生ポケモン達で体調不良を訴えていたのは進化前のポケモンだった。進化後であるバンギラスや、進化のないラティは体調不良を訴えておらず、またワタルのカイリューや敵のオニドリルも普通にしていた。

 そして、バトルの時、敵は俺のバンギラスを見て舌打ちをしていた。最後に、赤いギャラドスとゲーム的知識のロケット団による強制進化実験を考慮に入れると自ずと答えが出てくる。

 

 ロケット団は進化の実験をしており、その影響で進化前であるピカ様達は動けなくなってしまったのだ。

 つまり、進化後のポケモンを連れて行けば問題なしであり、ポケモンセンターにはポケモン交換のために来たに過ぎない。ピカ様とゴマゾウが固定メンバーなので、残りにドサイドン、リザードン、ジバコイルを転送して貰う。バンギラスはそのまま継続だ。ピカ様とゴマゾウ、ラティは今回お留守番ということで、カスミさんやタケシにお願いして預かっていてもらうことにした。

 

 そのままミュウツーのテレポートで、いかりのみずうみまで戻る。さて、ロケット団のみなさまー、戦争のお時間ですわよー。

 

 どうやら丁度、赤いギャラドスを捕らえようとしていた所だったようで、タイミングはばっちりのようだ。船の上でポケモンを全て出す。さて、ここから先は一方通行だ。

 

 バンギラスの特性『すなおこし』によって、視界を塞ぎ、ドサイドンとバンギラスを一気に突撃させる。暴れまわる二体に対応するロケット団だが、その間にジバコイルが隙を狙って『ロックオン』からの『でんじほう』をお見舞いしていた。

 当然、それだけで収まるわけがなく、後ろではリザードンがやりたい放題暴れている。その隙に俺はぐったりとした赤いギャラドスの所へ行き、すぐにモンスターボールでゲットし安全を確保した。

 

 そのまま全滅させてやろうとすると、ロケット団員の中にもなかなか骨のある奴がいたようで、リザードンが苦戦している。と、いうか、相手がカイリューだし、多分ワタルが変装しているんだろうが、面白いのでしらないふりしてそのままバトルに持ち込むことにした。

 

 とはいえ、流石にワタルのカイリューだ。オレンジリーグで戦ったカイリューよりワンランク上なのは間違いなかった。俺の指示がなかったとはいえ、リザードンの攻撃が簡単にあしらわれている。

 大方のロケット団は気絶させたし、後はワタルだけだ。このまま仕留めるつもりで、リザードンと仕掛けようとすると、慌てて変装を解いて正体を明かしてきた。

 

 ちえっ、つまんねーの。このままなし崩し的にバトルに持ち込もうと思ったのに。

 

 どうもロケット団員になりすまして中からいろいろ探る計画だったようだが、俺のせいで台無しになってしまったと口にしている。悪いが、俺はその計画のためにギャラドスを犠牲にするなら敵に回るぜ。

 

 最終的には助けるつもりだったと言っているが、俺はポケモンが苦しそうにしているなら一刻も早く助けてやりたいのだ。ワタルよぉ、アンタの方が大人で、いろいろ考えているんだろーが、俺はガキだからやりたいようにやる。俺はギャラドスを助けに来た。それだけだ。

 

 理屈ではないということを理解してくれたようで、困ったように「君は昔から変わらないね。ポケモンに対して真っすぐだ」と言われた。

 

 いやー、そんなに褒められると照れるぜということで、ここのロケット団の処理はワタルに任せて俺は一度みんなのいるポケモンセンターに戻ることにする。

 ワタルが、「そういえば、どうやってここまで来たんだい?」と聞いてきたので、こいつの力を借りたのさと、ミュウツーをボールから出した。流石にミュウツーが出てくると思わなかったようで、見たことのないポケモンに面食らっているワタルを見ながら、とっとポケモンセンターに戻る。いやぁ、いい顔だったな。大変気分がいい。

 

 そのままジョーイさんに赤いギャラドスを預ける。

 

 散々ワタルの邪魔をしてしまったが、何だかんだあの人のことだ。しっかりアジトの位置くらいは推測しているだろうし、後は任せれば問題ないだろう。俺は赤いギャラドスを助けられただけで満足しているし、これ以上邪魔をするつもりはない。

 

 と、いう訳でギャラドスの検査が終わるまで、ポケモン達をジム戦メンバーにチェンジすることにした。今回のメンバーは、デルビル、ウソッキー、金角のカイロスである。

 どうも、トゲ様が今回も出番がなくて不貞腐れている。すまない、お前の出番は多分、ジョウトリーグになると思います。ひかりの石があれば、もう文句なしなんだが、なかなか手に入らないんだよなぁ。

 

 

 追記。赤いギャラドスの検査が終わった。どうやら、強制的に進化させられたせいで体力を消耗しているだけのようだ。ただ、人間に対しての憎悪が大きく、ジョーイさんに対してもかなり威嚇していたらしい。さて、どうしたものかな。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・第229話『名探偵ジュンサー! 消えたタマゴの謎!!』より、ニューサトシがタマゴを守っていたため内容がカットされた。
 ロケット団が夜中に忍び込もうとしてきたが、普通にやなかんじーにしている。また、トゲ様がいないため、アニメのようにタマゴがどこかへ行くことはなかった。

・第230話『タマゴ、かえる』より、ゴマゾウがロケット団を倒した。
 アニメではピカ様の電撃がゴマゾウにもヒットして大混乱になるが、今回のピカ様は主にサポートとして動いていたためそのような事故も起きなかった。9割はピカ様がダメージを与えたおかげだが、ジャイアントキリングしてゴマゾウのレベルが爆上がりした。

・第231話『ロケット団とデリバード!』より、ロケット団がそこそこ実績を上げているので借金や除名されることがなかったため、内容がカットされた。
 アニメでは良い所がまるでなく、ここで除名されていたことが明らかになり、再入団するが、今作ではそこそこ実績があるのでスカウトと関わり合いにならなかった。借金もほぼないため、デリバードも借金鳥にならなかった。

・第232話『霧の中のキュウコン!』より、ニューサトシが開幕ネタバレした。
 アニメだとしばらく騙されて、タケシにの主人がどうこうという話になるが、幻覚耐性があるため、開幕でネタバレされ、キュウコンの事情を聞くことになった。とりあえず、即ボールを壊して自由にしている。ニューサトシはキュウコンも結構好きだが、流石に200年以上もボールに囚われていたキュウコンを捕まえる気にはなれなかった。

・第233話『バルキーと空手王ノブヒコ!』より、ニューサトシがノブヒコをボコった。
 捕まえたばかりのオコリザルで勝とうというのは甘すぎた。

・第234話『ネイティオの大予言』より、ニューサトシがミココの夢に少し驚いた。
 お、お天気お姉さんなんて概念があの村にあったのか。

・第235話『ワタルと赤いギャラドス!』より、ニューサトシが忠告を聞かずにロケット団を壊滅させた。
 ワタルはロケット団に潜入して情報を探ることを優先していたが、ニューサトシはギャラドスを助けることを優先させた。感情論で動いているニューサトシの方が悪いのだが、ワタルも気持ちはわかってくれたようでお咎めはなかった。

・赤いギャラドスをゲットした。
 助けるための一時ゲット。本格的な仲間になるかは、本人の意思を聞いてから決めるつもりでいる。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.55

 ピジョット Lv.51

 バタフリー Lv.51

 ドサイドン Lv.53→54

 フシギダネ Lv.51

 リザードン Lv.57

 ゼニガメ  Lv.51

 キングラー Lv.52

 カモネギ  Lv.51

 エビワラー Lv.51

 ゲンガー  Lv.52

 オコリザル Lv.51

 イーブイ  Lv.50

 ベトベトン Lv.50

 ジバコイル Lv.50→51

 ケンタロス Lv.51

 ヤドラン  Lv.51

 ハッサム  Lv.50

 トゲチック Lv.44

 プテラ   Lv.51

 ラプラス  Lv.51

 ミュウツー Lv.71

 バリヤード Lv.51

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.46

 カビゴン  Lv.45

 ニョロゾ  Lv.44

 ヘラクロス Lv.41

 ベイリーフ Lv.41

 マグマラシ Lv.41

 ラティアス Lv.30

 デルビル  Lv.41

 ワニノコ  Lv.41

 ヨルノズク(色違い) Lv.41

 カイロス(部分色違い) Lv.41

 ウソッキー Lv.41

 バンギラス Lv.55

 タマゴ→ゴマゾウ  Lv.1→15 NEW!

 ギャラドス(色違い) Lv.20 NEW!



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