ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#074 『教科書、394ページを開け』

 12歳 λ月ρ日 『青春の味!』

 

 火山地帯を通りがかったのだが、道の真ん中にマグカルゴが眠っていて通れない。どうも、この辺りのボスのようで、他のマグカルゴに比べて体が大きかった。カスミさんが退くように声をかけているが、聞こえないとばかりに無視している。

 

 ならば、仕方ないということで、スターミーの『ハイドロポンプ』でお仕置きしていた。

 マグカルゴもすぐに応戦してきたが、百戦錬磨のカスミさんスターミーに勝てるはずもなく倒されている。

 

 そんなカスミさんのバトルを見て、ヤケイシとかいう奴が声をかけてきた。「まさか、こいつをKOするとはやるじゃんか」と笑っている。

 どうも、ヤケイシはこのマグカルゴを狙っていたようなのだが、カスミさんに先を越されてしまったらしい。しかし、みず系トレーナーのカスミさんは、ほのおタイプを捕まえるつもりはないようで、ヤケイシにマグカルゴを譲っていた。

 

 あまりにもあっさり譲られて「いいのか?」と気が引けているヤケイシ。しかし、カスミさんは特に気にした様子もなく、「どーぞ」と言って笑っていた。

 ヤケイシもマグカルゴをゲットしたかったこともあって、有難く倒れたマグカルゴをゲットしている。「いつか、こいつを強く育てたら、俺とバトルしてくれるか?」と問いかけてくるヤケイシに、カスミさんも「いつでも相手になるわ」と言って笑っていた。

 

 うーむ。青春である。

 

 

 

 12歳 λ月σ日 『教科書、394ページを開け』

 

 森の中を歩いていると、ポケモン魔法使いを名乗るリリーと出会った。どうもリリーはポケモンの気持ちがわかる魔法を作ろうとしており、そのために魔法に必要な材料を集めているという。

 ぶっちゃけ、それは魔法というより錬金術では?

 と、思ったが、面白そうだったので材料探しを手伝うことにする。ポケモンの考えは俺のボディランゲージで大体わかるが、やはり普通に会話できるならその方が楽だしな。

 

 殆どの材料はもう揃っているようで、後はエイパムの涙が必要らしい。AG編でサトシ君もエイパムを捕まえていたような気がするが、残念ながら今は手持ちに居ないので野生のエイパムが頼りだった。

 

 しばらくして、ようやくエイパムを見つけたのだが、どうやらロケット団が話を盗み聞きしていたようで、エイパムとリリーの道具を奪っていく。いつもの俺を狙った真っ向バトルと見せかけ、マタドガスの『えんまく』で一撃離脱していったようで、完全に油断した形である。

 

 とはいえ、このままやられたままでいるつもりはなく、ヨルノズクを出してロケット団を探してもらう。どうやら、そこまで遠くには行っていなかったようで、そこではロケット団がいろいろな手段を使ってエイパムを泣かせようとしていた。

 どうも、このエイパムはようきなのか、全然泣く気配がなかったが、まぁ下手に材料が揃っても面倒くさいことになっていただろうし、むしろ有難いか。

 

 そのままいつも通り、サクッとロケット団をやなかんじーにすると、その姿が滑稽だったのか、エイパムが腹を抱えて笑っていた。なかなか良い性格してるなと思ってみていると、想像以上にツボにはまったようで、笑い泣きしている。

 

 想定外だが、涙が手に入り、これで材料が全て揃った。後は誰かに魔法をかけるだけだが、当然俺が志願した。そのために手伝ったようなもんだしな。

 

 リリーの魔法がかかる。何か変化が起きるか、楽しみにしているといきなり俺の視点が低くなった。

 何が起きたと思って自分の体を見てみると、やけに体が黄色い上、カスミさん達が巨人になっている。巨人になったラティが嬉しそうに俺を抱きかかえると、苦笑いのカスミさんが手鏡を見せてくれた。

 

 どうやらピカチュウになったらしい。

 

 ポケモンの気持ちをわかるにはポケモンになれということだろうか? と、思っていると、リリーが失敗したと嘆いている。まぁ、失敗したものは仕方ない。リリー曰く、時限式の魔法のようだし、このまましばらくピカチュウを楽しもう。

 

 

 

 12歳 λ月σ日 『電気が使えるようになった』

 

 しばらくピカチュウの姿でいると、やはり人間とは違うことがわかった。いつもピカ様が電気をどうやって出していたかも体験できたし、いろいろ収穫があったな。

 そんな長い時間もかからず元に戻ったのだが、ピカチュウになっていた時の後遺症か、電気を作れる体質になったらしく、ピカ様のように電撃を発生させることが出来るようになった。

 

 カスミさんが怖がって近づかないが、確かに体をバチバチさせている人間の近くには居たくないだろう。

 

 いろいろ試していると、性懲りもなくまたロケット団が現れたのでニューサトシ必殺のザケルをお見舞いした。

 やなかんじーになっていくロケット団をみて、意外と火力があることがわかり、カスミさんが「こっちに向けて使わないでよー」と言ってタケシの後ろに隠れている。

 

 流石に仲間に意味もなく電気を使う程、ニューサトシは鬼畜ではないぞ。バリバリー!

 

 

 

 12歳 λ月τ日 『ザケル ザケルガ テオザケル』

 

 前回の件があったせいか、ロケット団がまた機械に頼ってきた。俺とピカ様の電気を無効にするために、電気を吸収する装置を作ってきたらしい。

 すぐにロケット団はやなかんじーにしたのだが、不意打ちをくらったピカ様が電気不足でダウンしている。

 とりあえず、俺の電気をこまめに送って回復させているのだが、丁度そこに通りがかったツバサという女性が、山頂のカルデラ湖はでんきタイプのポケモンを回復させてくれると教えてくれたので、そのカルデラ湖に行くことにした。

 

 どうも、湖の底に電気を帯びたクリスタルがあるようで、そのおかげででんきタイプのポケモンはこの湖で回復するようだ。

 ピカ様もすぐにいつも通り元気になっていた。ついでに俺も足を付けてみたのだが、何やらエネルギーのようなものが体に入るのを感じる。

 

 たまたまロケット団が再び現れたので、そのエネルギーをぶつけるように放ってみた。ビームのような雷がロケット団のメカを貫き、やなかんじーと出オチさせている。うーむ、ザケルガみたいだ。

 

 我ながら自分の変化に驚いていると、遠くの空から伝説のポケモンであるサンダーがやってきた。どうも、前にオレンジ諸島で会った個体とは別物のようで、この湖に体を休めに来たらしい。

 

 伝説には迂闊に接触するべからずということで、さっさと次の街へ移動することにした。

 

 

 

 12歳 λ月υ日 『思えば、随分久しぶりだなぁ』

 

 森を抜けた先でチヒロという女性と双子のププリンに出会った。どうやら、チヒロは歌のお姉さんをしているようで、今日はコンサートがあるらしい。

 これも何かの縁ということで、コンサートを覗いていくことにしたのだが、ロケット団が現れていつものようによくわからないメカでポケモン達を奪おうとしてきた。当然のようにやなかんじーにしてやったが、やはり機械を使うあいつらは雑魚だな。

 

 とりあえず、何の被害もなかったということで、無事にコンサートは再開され、チヒロやププリン達の歌を楽しむ。とても良かったのだが、最後に歌に釣られたプリンさんが現れた。

 

 随分、久しぶりだったのでギリギリになったが、何とかすごいみみせんをしてプリンさんの歌を凌ぐ。

 

 さて、今日はどんな絵が描かれるのかなと思っていると、俺の他にカスミさんも起きていた。

 何で? と、思ってみてみると、カスミさんの耳にもすごいみみせんがされている。どうやら、コガネデパートで売っていたのをひそかに買っていたらしい。

 やるなぁと思いつつ、とりあえず変身の解けたラティをボールに避難させ、ピカ様を回収する。そのままカスミさんと二人でプリンさんのアートを楽しんだ。自分が被害にあっていないからか、カスミさんも大爆笑していた。

 

 

 

 12歳 λ月υ日 『悟りねぇ』

 

 ヤドン湖のほとりという場所で、一体のヤドンが釣りをしているのを見つけた。近くにあるヤドン寺で修行をしているらしいミヤビという少女によると、ヤドンは悟りを開くために日々釣りをしているらしい。

 

 どうやらシゲルもここで修行をしていったようで、俺も少し挑戦してみることにした。精神修行は昔からやっているので苦手ではないし、悟りを開けなくても何か得るものがあるだろうという判断である。

 

 どうも、ロケット団も思う所があるようで、何故か一緒に修行することになった。まぁ、修行と言っても釣りだけどな。

 正直、ロケット団がこんなことするはずないし、どうせまた何か狙ってんだろと思っていたのだが、思ったよりも真面目に釣りに取り組んでいた。何か、捕まえたいポケモンでもあるのか?

 

 ミヤビ曰く、この湖のポケモンには釣り人の欲を感じ取る能力があるようで、完全に無心にならないと釣れないらしい。

 無心になるだけなら別に出来なくはないのだが、無心になると釣りは出来ないのではないかとも思う。とりあえず、無心になってみようということで、目を閉じて精神を集中させてみる。

 

 どうも、俺が無心になっている間、釣り竿が揺れたり、隣で同じく無心になったヤドンが悟りを開いてシェルダーを釣っていたりしたらしいのだが、精神統一しすぎて全く気が付かなかった。

 

 結局、俺が目を開けた頃にはヤドンがヤドランになっていたし、ロケット団もいなくなっていた。結局、ポケモンは釣ることは出来なかったし、何かを得たわけではない。

 

 ぶっちゃけ、何の意味があったんだろうな?

 

 

 

 12歳 λ月φ日 『本物より偽物の方が川柳上手くて草』

 

 エビチャタウンという街に立ち寄ったのだが、どうやらこの街でオーキド博士とクルミのラジオが公開録音されるらしい。

 久しぶりに顔でも見ていくかと思ったのだが、何故かオーキド博士とクルミが二人いる。よくよく見ると、片方はムサシとコジロウなのだが、この世界あるあるのどちらが本物かわからない現象が起きていた。

 

 結局、本物を決めるためにクイズ対決が行われることになり、面白そうだったのでそのまま覗いていく。

 コジロウ扮する偽オーキドも、ムサシのサポートのためにポケモンの知識が増えていたこともあり、意外と博士に食らいついている。勝負は五分ということで、最後はポケモン川柳で勝負することになったのだが、博士よりコジロウの方が川柳が上手くて観客がコジロウを支持し出した。

 

 博士のことを良く知っているなら、ダジャレみたいなこの川柳が本物だとわかるはずだが、そこまで知らない人間にはコジロウの方が本物に見えるのだろう。

 

 このまま本物が追い出されても面白いな。

 

 と、思ってみていたのだが、ポケモン川柳五段とかいうジョーイさんが、何やら意味不明な理屈で博士の川柳の良さを褒めたことで、博士が本物だということが証明されてしまった。

 

 ちえっ、このまま追い出されそうな博士を助けて、貸しを作ってやろうと思ったのに、その前に助かっちまったな。

 せめて最後くらい助けるかということで、正体がばれたロケット団を速攻でやなかんじーにしてやる。そこで博士も俺達がいたことに初めて気付いたようで、「見てたなら早く助けんか」と怒られた。

 

 どうも、どっちが本物かわかっているのがばれていたらしい。まぁ、何だかんだ博士とは古い付き合いだし、バレてもおかしくはないけどな。

 

 

 

 12歳 λ月χ日 『こ、この宇宙船は……!?』

 

 満月の夜にお月見をしていると、空から何やら見覚えのある物体が現れ、そこからピィが落ちてきた。

 俺の見間違いでなければ、空を飛んでいたあの物体は、カントーでバッジを全部集めてマサラタウンに帰る前に見たピッピの宇宙船だったような気がする。

 

 とりあえず、ピィをこのままにはしておけないので、宇宙船らしきものが落ちた場所へ連れて行こうとしたのだが、ポケモン不思議クラブを名乗る二人組が現れ、変なメカで何やら邪魔をしてきた。

 おまけに、いつも通りロケット団も怪しいメカで現れて、場は大混乱。仕方ないので、ラティとゴマゾウにピィを連れて行くように頼み、目の前の連中をさっさと畳んじまうことにした。

 

 遅れて、ラティとゴマゾウに追いつくと、やはり前に見たピッピの宇宙船があり、ピッピ達が何やら困り果てている。どうやら、森の中に落ちたせいで、前のように材料を集めることが出来ないようだ。

 

 それならと、ピッピ達をついさっき戦ったロケット団とポケモンなんちゃらクラブのメンバーがいた跡地へ案内する。あいつらが使っていた変なメカの材料を使えば何とかなるんじゃないだろうか?

 

 どうも読みは当たっていたようで、ピッピ達は嬉しそうにメカを分解して部品を宇宙船に運び込んでいく。これで何とかなりそうだなと思っていると、いつの間にかラティとゴマゾウはピィと仲良くなっていたようで別れを惜しんでいた。

 

 宇宙船の修理が終わると、ピィはピッピへと進化し、別れを惜しむように手を振っている。ラティとゴマゾウも泣きながら別れを告げていた。いい話である。

 

 

 

 12歳 λ月ψ日 『うーん、迷うなぁ』

 

 フスベを目指す途中、久しぶりに手強いトレーナーに出会った。ヤスジという男なのだが、そいつが連れているニョロボンがなかなか強かったのだ。

 バトルでは勝ったが、かなり苦戦させられている。ワニノコで相手になったのだが、ニョロボンのかくとう技の猛攻にやられかけてしまった。最終的にはワニノコの踊りステップのリズムに巻き込んで『りゅうのまい』からの『かみつく』でKOしたのだが、最近ジムリーダー以外に苦戦しなかったこともあってちょっと驚いた。

 

 しかし、ニョロボンか。俺もいい加減、ニョロゾを進化させないといけないのだが、まだどちらに進化させるか迷っている。

 

 ニョロボン、ニョロトノ、進化アイテムは両方あるので、どちらにも進化出来るのだが、自由に進化できるというのが、どちらに進化させようか悩んでしまう原因でもあった。

 ニョロボンに進化すれば、物理型として育成する。かくとうタイプも取得するし、エビワラーやオコリザルが良い相手になるだろう。

 ニョロトノに進化すれば、特殊型として育成する。俺のポケモンはみずタイプが多いし、技の練習には何も困らない。それに、万が一、とくせいパッチが手に入れば、雨パ始動要因にすることも出来るかもしれないしな。

 

 どちらにも良さがあるが故に、どちらに進化させようか悩む。本人はこだわりがないようで、俺に任せると言ってくれているのだが、だからこそ迷っているというのが本音だ。

 

 ヤスジのニョロボンは強かったし、やはりニョロボンにするか? でも、ニョロトノも捨てがたいしなぁ。うーん、迷うなぁ。

 

 




 原作との変化点。

・第240話『マグカルゴ! 熱い心でゲットだぜ!』より、カスミさんが大人の対応を見せた。
 アニメではマグカルゴに返り討ちにあって、ヤケイシとひと悶着あるのだが、倒してしまったため、余裕を見せている。

・第241話『ポケモン魔法で大変身!?』より、ニューサトシが電撃を覚えた。
 アニメでは遊ぶだけだが、ニューサトシは電気を撃つ感覚を覚えて人間に戻っても使えるようになった。無意味にバリバリさせると、カスミさんが嫌がるので面白がっている。

・第242話『サンダーとクリスタル! 湖の秘密!』より、湖のクリスタルを奪われる前にロケット団をやなかんじーにした。
 よって、サンダーが襲われることなく、関わることなくフスベに向かった。

・第243話『双子のプクリンVSプリン! 歌うポケモンコンサート!』より、久しぶりにプリンさんの出番があった。
 どうも噛み合いが悪くて、ジョウトでは出番が殆どカットされていたが、久しぶりにコンサートを披露した。

・カスミさんがすごいみみせんをコガネデパートで買っていた。
 たまたま見つけて買っていた。おかげで、仲間内ではタケシのみが落書きされている。

・第244話『ヤドンの悟り! サトシの悟り!』より、無心になり過ぎて何が起きたかわからなかった。
 昔の修行でこういう精神修行は行っていたため、無心には余裕で慣れる。が、ガチで無心になるため、周りで何が起きたのかわからなかった。

・第245話『偽オーキド!? ポケモン川柳対決!!』より、ニューサトシはすぐに助けなかった。
 面白そうだったので、そのまま見物していた。原作以上にコジロウにポケモン知識があって少し驚いている。

・第246話『ピィとピッピと流れ星!』より、ラティもピィと仲良くなった。
 アニメだとゴマゾウだけだが、ラティも別れを惜しんでいる。

・第247話『ニョロゾの進化!』より、ニューサトシがニョロゾをどちらに進化させるか悩んでいる。
 アニメだとここでニョロトノになるが、今は手持ちにいないため、進化することはなかった。どちらに進化させるか、マジで悩んでいる。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.55

 ピジョット Lv.52

 バタフリー Lv.52

 ドサイドン Lv.54

 フシギダネ Lv.51→52

 リザードン Lv.57

 ゼニガメ  Lv.51→52

 キングラー Lv.52

 カモネギ  Lv.51→52

 エビワラー Lv.51→52

 ゲンガー  Lv.53

 オコリザル Lv.51→52

 イーブイ  Lv.50→51

 ベトベトン Lv.50→51

 ジバコイル Lv.51

 ケンタロス Lv.51

 ヤドラン  Lv.51

 ハッサム  Lv.50→51

 トゲチック Lv.44

 プテラ   Lv.52

 ラプラス  Lv.51

 ミュウツー Lv.71

 バリヤード Lv.51

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.46

 カビゴン  Lv.45→46

 ニョロゾ  Lv.44→45

 ヘラクロス Lv.42

 ベイリーフ Lv.42

 マグマラシ Lv.42

 ラティアス Lv.30

 デルビル  Lv.42

 ワニノコ  Lv.42

 ヨルノズク(色違い) Lv.42

 カイロス(部分色違い) Lv.42

 ウソッキー Lv.42

 バンギラス Lv.55

 ゴマゾウ  Lv.18→23

 ギャラドス(色違い) Lv.23→28



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