ニューサトシのアニポケ冒険記   作:おこむね

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#078 『エキシビションマッチ 第一試合』

 12歳 μ月ρ日 『エキシビションマッチ カントーVSジョウト 第一試合』

 

 カントー同様に聖火ランナーが走るのを見届けると、開会式が始まり、お偉いさんの有難いお言葉を聞かせられる。

 本来なら、すぐに選考会の流れのはずだが、参加者はそのまま観客席へと誘導された。そのついでにラティをボールから出してやる。流石に一人で観客席に置いておくのは怖かったので、俺の身が空くまではボールに入っていてもらったのだ。

 

 会場から参加者が居なくなると、今度は司会の紹介によってカントーとジョウトのジムリーダー達が入場してくる。

勿論、カスミさんとタケシの姿もしっかりあった。ラティが大喜びで手を振っている。

 結局、タケシとカスミさんは昨日遅くに帰ってきて、朝も早くに出かけてしまったのでろくに話もしなかったが、どうやら問題なく本番を迎えることが出来たようだ。

 

 そのままルールが説明される。対戦形式は二対二のシングルバトルで、交換あり、どちらかのポケモンが一体でも戦闘不能になった時点で敗北という、どこかのポケスペに似たようなルールだった。つか、思えば、このエキシビションマッチもポケスペにあったな。忘れてたわ。

 

 どうやら対戦相手はランダムに決定されるらしく、誰と当たるかは完全に運らしい。ルーレットによって、第一試合の組み合わせが決まると、カントー側はマチス、ジョウトはシジマだった。

 こりゃ予想外な組み合わせだが、でんきタイプとかくとうタイプなら相性としては五分である。どうなるか楽しみだぜ――と、思ってみていると、何やら視線を感じた。

 

 ふと、カントー側のベンチを見てみると、ナツメがにっこり笑って手を振っている。成程ね、相変わらずのようで何よりだ。

 

 そのままカントー側のベンチを見ていると、見慣れない顔が何人かいた。トキワのジムリーダーをクビにされたサカキ様の代わりとしてグリーン、またジョウト四天王になったキョウの代わりにアンズらしき少女が座っている。

 アンズは確かキョウの娘だったはずだが面識はない。とはいえ、あれだけ忍者っぽい恰好をしていれば、キョウの娘だと言われても納得ではあった。

 

 対するジョウト側は何も変わっていないが、どうやらエキシビションマッチは本気で臨んでいるようで、アカネを筆頭に皆がシジマを応援している。

 対するカントー側はやる気はあるようだが、応援という空気ではない。静かに見守るという感じで、カスミさんとタケシも緊張の眼差しでバトルが始まるのを見つめていた。

 

 いざ、第一試合が開始されると、マチスはエレブーを、シジマはカイリキーを出してくる。どうやら、どちらも本気のようでポケモンを見ただけでかなりのレベルなのがわかった。

 

 シジマのカイリキーとは戦ったことがある。だが、あの時はジムのルールで交代制限があって俺側が有利な状況だったし格闘戦がメインだった。ガチのバトルとなるとまた話は変わってくるだろう。マチスに関しては完全に未知数でどうなるか読めなかった。

 

 エレブーは特殊の方が高い種族値をしているが、育て方によっては物理型にするトレーナーも多いのでどちらか読みにくい。シジマも遠距離の技を警戒しているのか、カイリキーを迂闊に突撃させないようだ。

 俺とのジム戦で使用したカイリキーならば、特性は『ノーガード』のはずである。自分の技が確定で相手に当たる強力な特性だが、その分相手の技も確定で当たるデメリットもある特性だ。下手に仕掛けてカウンターをくらえば不利になると考えているのだろう。

 

 ジムリーダー同士の無言の読み合いに、自ずと観客席も静まり返る。今回、観客席にはジョウトリーグ参加者も多くいるということもあって、ジムリーダーのプレッシャーを肌で感じているのか、ゴクリと喉を鳴らしている者さえいた。

 

 しかし、永遠に続くかと思われた静寂も一瞬で激しい爆音に変わっていく。

 

 マチスが『かみなりパンチ』を指示すると、それに合わせてシジマも『ばくれつパンチ』を指示し、エレブーとカイリキーが激突する。

 だが、エレブーは反対の腕で、カイリキーは残りの腕で完全な直撃は避けていた。ただ、『ばくれつパンチ』の追加効果でエレブーが混乱する。追撃の『インファイト』を指示するシジマだが、カイリキーもまた『かみなりパンチ』か『せいでんき』で麻痺状態になっていたようで動きが鈍かった。

 

 その隙にエレブーは自分の顔に拳を入れて無理矢理混乱を解除する。アニメの新無印編でアイリスが見せた技術だ。どうやらマチスも出来るようだが、そんなにメジャーな技術ではないようでシジマが驚いたような顔を見せている。

 まぁ、よく考えれば、混乱状態で自分を殴らせるというのもそう簡単なことではないし、自分を殴ったからといって確定で混乱を解除させられる訳でもない。やっていることは簡単に見えても、実践させるにはそこそこ技術がいるのだろう。

 

 マチスが、そのまま追撃の『かみなりパンチ』を指示する。しかし、シジマもただでは転ばないと、『じしん』を指示した。

 でんきタイプの弱点であるじめん技だ。おまけに『ノーガード』の特性で、ひこうタイプや『ふゆう』の特性でもない限り、ジャンプしても衝撃が当たる。マチスもこれは流石にまずいと思ったようで、『ボルトチェンジ』を指示して、一度エレブーをボールに戻そうとした。

 

 上手い回避だが、途中まで『かみなりパンチ』で攻撃を仕掛けようとしていただけに、カイリキーの『じしん』の方が早い。エレブーが衝撃でダメージを受けつつ、逃げるようにカイリキーにぶつかってボールへと戻って行った。

 それを見て、シジマもまた、一度カイリキーをボールに戻す。麻痺もしているし、一体でも倒れたらアウトの特殊バトル故に、無理はさせられないと判断したのだろう。

 

 まさに息をつかせぬバトルだった。

 

 ふと、周辺を見ると、あまりのレベルの高い応酬に騒然としている奴らが多いようだ。

 日頃、ジムリーダー達はバッジの数によって手加減しているということもあって、情弱トレーナーから舐められることも多いという話は聞いたことがあるが、本来ジムリーダー達は四天王に匹敵する実力を持っている。

 勿論、全員が同じ実力という訳ではなく、同じジムリーダーでも強弱は存在するが、それでも弱いジムリーダーでさえ、おそらく地方リーグチャンピオンと同等かそれ以上の実力はあるのだ。つまり、ここにいる誰よりも強いということである。

 

 こうした反応を見ると、日頃のジムリーダー達への批判などの払拭という意味でも、今回のエキシビションマッチはいい影響を与えそうだ。まぁ、カントーとジョウトが近いから出来ることであって、これだけ大規模のモノはおそらくそう簡単には出来ないだろうがな。

 

 視線をバトルに戻すと、マチスが二体目としてライチュウをフィールドに出している。対するシジマの二体目はカポエラーを出してきた。

 

 どうやら、マチスのライチュウは当然のごとく特殊型のようで、お得意の『10まんボルト』で先制を仕掛けていく。

 だが、シジマもまた『あなをほる』で地面にカポエラーを回避させた。頭からドリルのように回って、地中に潜っていくカポエラーに対し、マチスは前に俺に見せた『ほうでん』と『10まんボルト』の合わせ技でフィールド全体に強力な電撃を放った。

 

 これではどこから出ても電撃の餌食である。

 

 どうするのか見ていると、真下から出てきたカポエラーが電撃を放っているライチュウに突撃した。当然、電撃を受けるが、そのまま『トリプルキック』に繋げて、お得意の足技でライチュウにダメージを与えていく。

 

 しかし、マチスもただでは転ばない。『あまえる』を指示して、攻撃を二段階下げながらライチュウがカポエラーをだいしゅきホールドする。

 そのまま『10まんボルト』でフィニッシュかと思ったが、シジマも咄嗟に『こうそくスピン』を指示し、カポエラーも拘束を解除して逃げていた。

 

 お互いに距離を取ると、シジマは『ビルドアップ』を指示して下げられた攻撃力を一段階上げていく。だが、マチスも同時に『かげぶんしん』を指示して、シジマをかく乱してきた。

 

 シジマは再び『あなをほる』でカポエラーを地中へと送り、タイプ一致技で大ダメージを狙っているようだ。

 ダメージ的には、先程連続攻撃を決めた分、ライチュウの方が不利である。マチスもこの『かげぶんしん』を起点に、何とか大技を決めたいはずだ。

 

 ライチュウもまた、細かく動いてカポエラーをかく乱しようとしている。しかし、シジマは惑わされなかった。目を瞑り、音で敵の位置を把握したようで、しっかりと本体のライチュウに向けてカポエラーを突撃させる。

 だが、二度目ということもあって、ライチュウも攻撃をかわそうとしていた。体を捻って足技を避けようとするが、ギリギリでカポエラーの射程圏内に入っていたらしく弱点の攻撃が直撃する。

 

 決まったか――と思ったが、下げられた攻撃力のせいで、ギリギリライチュウの体力を削り切れなかったようで、ライチュウが再びカポエラーを捉えた。

 シジマもすぐに『こうそくスピン』を指示したが、一度見せていた行動故に、今回は『10まんボルト』が決まる方が先だったようで、ゼロ距離からの必殺の一撃が決まり、カポエラーがよろける。

 

 ただ、それでもまだ戦闘不能にはなっていなかった。お互いに後一撃という場面、一度戻すことも十分選択としては有りだが、どちらも戻そうとはしない。

 そのまま、ここで決めるとばかりに、マチスは再び『ほうでん』からの『10まんボルト』の全体攻撃でカポエラーを攻撃して行った。

 これで、カポエラーはフィールドを走る電撃をかわさなければライチュウの近くまで行けない。『あなをほる』ももう二回見せているし、先程も避けられそうになっていた。次はもうノーダメージで対策されてもおかしくないだろう。

 

 どうするのかと思って見ていると、シジマはまさかの『こうそくスピン』で発生する風で電撃を弾きながらライチュウへと向かって行った。

 予想外のスピンの使い方だが、実際に電撃を弾いている。それなら――と、マチスもまた拡散させていた電撃を一つにまとめてぶつけるという大技を見せつけてきた。

 

 だが、その間に射程距離に入ったカポエラーは、地面を蹴り上げ、空中へと飛び上がって行く。

 そのまま電撃を回避し、流星のように落下しながら『トリプルキック』を決め、ライチュウを戦闘不能に持って行った。

 

 ライチュウが倒れたことでマチスの敗北となり、ジョウトの一勝となる。とはいえ、どちらが勝ってもおかしくない素晴らしいバトルだった。

 

 お互いにポケモンを戻すと、マチスがシジマの勝利を称えている。しかし、その顔は少し悔しそうなものだった。

 シジマが勝ったことで、ジョウトのベンチは活気づいており、カントーのベンチではタケシやカスミさんがどんまいと声をかけているようだ。

 

 これで流れはジョウトになったな。カントー側としては次勝って、何とか雰囲気を良いものにしたいだろう。

 

 次は誰かなとばかりにモニターに目を移すと、第二試合はアンズVSツクシという組み合わせになった。

 どくタイプとむしタイプか。どくタイプはむしタイプを半減するので、若干ツクシが不利なように思える。まぁ、半減するだけで弱点という訳ではないし、戦い方一つでどうにでもなる差だけどな。

 

 ただ、俺はカントー、ジョウト含めて唯一、アンズだけ実力を知らない。キョウの娘だし、弱いってことはないだろうが、最近ジムリーダーに就任したばっかりならまだ経験も浅いと見ていい。どうなるか全く読めなかった。

 

 これがキョウならまだ展開が読みやすいんだが――と、思っていると、隣のラティが袖を引っ張りながら「すごいね、すごいね」と言ってはしゃいでいる。

 さっきからもう大興奮で困ったものだ。さらにおまけで、いつの間にかシゲルが来ていたようで、ドヤ顔でラティにバトルを解説していたらしい。お前ら、知り合ってそこまで時間が経ってないはずなのに随分と仲良くなったな。

 

 まぁ、ラティの相手をしてくれる分には有難い。俺だけだと疲れるし、その調子で解説役をしてくれると助かる――と、解説役で思い出したが、もしかしたらこいつならアンズのこと知っているかもしれないな。

 

「なぁ、アンズってキョウの娘だっけ?」

「らしいね。僕も会ったことはないから噂しか聞いたことはない。けど、父親の後を任されるだけの実力はあるようだよ」

 

 どうやら情報通のシゲルでも、アンズのことはそこまで知らないようだ。まぁ、ゲームの知識が正しければ、結構活発なキャラだったはずである。ポケスペだとかなり忍者に寄っていたが、どちらにしろどくタイプを使ってくるのは間違いないだろう。

 

 視線を戻すと、アンズとツクシが互いに中央で握手し、トレーナーゾーンに戻っていく。たったそれだけの普通のやりとりだが、どうもツクシがアンズを挑発したようでアンズの表情はかなり硬くなっていた。

 アニポケのツクシはかなり毒舌だからなぁ。アンズも強気なキャラではないようで言われるがままになっている。バトルに響かなければいいんだけどな。

 

 そのまま第二試合が始まり、互いにモンスターボールを投げる。アンズの一体目はアリアドス、ツクシの一体目も同じくアリアドスだった。

 

 

 

 




 原作との変化点。

・エキシビションマッチ第一試合が開始された。
 マチスVSシジマ。ルールはポケスペ基準の為、一体でもポケモンが戦闘不能になったらその時点で敗北。ギリギリの戦いだったが、シジマが制した。



 現在ゲットしたポケモン

 ピカチュウ Lv.55

 ピジョット Lv.52

 バタフリー Lv.52

 ドサイドン Lv.54

 フシギダネ Lv.52

 リザードン Lv.57

 ゼニガメ  Lv.52

 キングラー Lv.52

 カモネギ  Lv.52

 エビワラー Lv.52

 ゲンガー  Lv.53

 オコリザル Lv.52

 イーブイ  Lv.51

 ベトベトン Lv.51

 ジバコイル Lv.51

 ケンタロス Lv.51

 ヤドラン  Lv.51

 ハッサム  Lv.51

 トゲキッス Lv.46

 プテラ   Lv.52

 ラプラス  Lv.51

 ミュウツー Lv.71

 バリヤード Lv.51

 イワーク(オレンジ諸島の姿) Lv.47

 カビゴン  Lv.46

 ニョロゾ  Lv.45

 ヘラクロス Lv.43

 メガニウム Lv.43

 マグマラシ Lv.43

 ラティアス Lv.30

 デルビル  Lv.43

 ワニノコ  Lv.43

 ヨルノズク(色違い) Lv.43

 カイロス(部分色違い) Lv.43

 ウソッキー Lv.43

 バンギラス Lv.55

 ゴマゾウ  Lv.30

 ギャラドス(色違い) Lv.34


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