一之瀬帆波といちゃいちゃしたいだけの話 作:砂糖
放課後デートとはなんて素晴らしいものなんだろうか。
「あっ!あそこ行きたいっ!」
「俺は帆波となら宇宙へでも行けるよ」
「にゃっ//……宇宙じゃなくて、カフェだけど」
「じゃあ、あそこ入ろうか」
握った手を離さないままそのカフェに向かう。少し並んでいたが30分も待たないだろう。
え?冷静に考えてみてなんでこんなに可愛いの?
え?なんでなんで?制服似合いすぎでしょ!?もう罪だよね。可愛い罪。
「あれ?どうしたの?」
「かわいい」
ぷっしゅ〜という効果音が付きそうなほど顔を赤らめて帆波は横を向く。
俺は手を離して帆波のほっぺを優しく挟んでこっちを向かせた。そして目が合う。
いや、ほっぺもちもち過ぎんだろっ!てか顔可愛過ぎでしょ!?ちょっと照れてる!?恥ずかしくて目を逸らしたの!?かわいいっー!
「かわいい」
「……にゃはは、言い過ぎだよっ」
「かわいい」
そして強く目と口を閉じて顔が真っ赤になる。うっわ、可愛い。やっぱり天使じゃ言い表せない。なんて可愛いんだ。
「ごめんっ、ちょっと意地悪し過ぎたかも。でも可愛いって思ったのは本当だよ」
「……そういうところ、昔から変わらないよね。—————よくないと思う!私もかっこいいって思ってるよ!」
「かわいい」
「ほらまたっ!」
そろそろ、同じ列に並ぶお客さんからの視線が気になり始めたのでやめる。……ほっぺを挟むのをやめると同時に手を繋ぐ。
はぁ、俺たちが羨ましいか?ふんっ、もっと羨めば良いさっ!なんてったって俺の彼女はこんなにも可愛い一之瀬帆波なのだからなっ!
店員さんに案内されて席に座る。窓側の席に案内されたが、俺はこんなことを聞いたことがある。
窓側は外から中が見えるためお店にとって好印象になる人を窓側に案内すると。と、いうことは、俺たちはお店公認でいちゃついて良いというわけだ!
うん、常連になれるよ、このお店には。ありがとう、パレット。
「何食べる?結構色々あるね」
「うーん、迷うなぁ」
帆波はパンケーキの味で迷ってるようだった。
「あ、じゃあ俺がこっち選ぶから帆波はこっちにしたら?そうしたら二つ食べれるよ」
「藍くんはいいの?」
「当たり前だよ。俺は帆波と食べるなら、どんな料理でも最後の晩餐にしても良いと思ってるからね」
「いや、藍くんってハンバーグ大好物でしょ?最後の晩餐はそれにしたら?」
帆波っ!俺の大好物を覚えててくれたなんてなんて優しいんだ。俺も帆波の大好物知ってるよ!帆波はパスタが好きだよね!可愛いっ!
「あ、帆波はこの学校どう思う?普通じゃないよね」
「うん、確かに気になるところはたくさんあるよね。至る所にある0ポイントのもの、とか」
他にも、たくさん設置された監視カメラ。それぞれのクラスで違う授業態度。
「まぁ、帆波がいれば俺はなんだって良いけどね」
「にゃはは〜、恥ずかしいな。でも、嬉しい」
口元を隠すように手で覆う。顔はまた赤くなってる。帆波は赤面症じゃないから照れているんだろう。本当かわいいな。
「あ、この学校でも生徒会に入ろうと思ってるんだよね。藍くんはどうする?」
「帆波が入るなら入るし、入らないなら入らない」
「じゃあ一緒に面接受けよう!一緒に受かると良いね」
クラスが離れてしまった分、生徒会の仕事でいちゃいちゃできるかもしれん。うん、素晴らしいな生徒会。
パンケーキがくるまでの間、お互いのクラスのことや友達のことを話す。あっという間にパンケーキはきた。
「美味しい?」
「うん、美味しいよ!……藍くんは食べないの?」
帆波の食べてる様子が可愛すぎてついつい見てしまった。なんでこんなに可愛いんだろうか。大学生になったら論文でも書いてみようかな。
「はい、あーん」
「あーん」
さすがは幼馴染というか、お互いにあーんが今まで通り過ぎて免疫がある。だから帆波も躊躇なく俺が出したのものを食べるし、それがまた可愛い。いや、俺って今すぐ死んでもおかしくないくらい幸せじゃね?
「こっちの味も美味しいねっ!はい、藍くんも」
「あーん」
あ、俺は帆波の方のパンケーキの方が好きかな。めっちゃ甘いわけじゃないけど甘い。めちゃめちゃタイプの味。
「うーん、帆波は行儀がいいよね。もう少し悪くして良いよ?」
「え!?それって良くないよね!?」
帆波は行儀が良すぎる!ほっぺたにクリームをつけることもないから俺が拭き取って食べれないじゃないか!
まあ、帆波なら自分で気づいて自分で拭きそうだけどね。
「藍くんはもう少し行儀良くしたほうがいいんじゃない?」
帆波は笑いながらそう言った。ん?どういうことだ?と、首を傾げてると。
帆波の細くて綺麗な腕が俺の口に伸びてきて。
「私は藍くんの方のパンケーキの方が好きだったかな」
「ん゛〜〜かわいい」
帆波は俺の口の端についてたであろうクリームを取って、それを舐める。
行儀が悪くてごめんなさい。でもありがとう。行儀の悪かった俺、今日は許すぞ。
「あははっ、藍くん顔真っ赤」
俺は真っ赤になったであろう顔を手で隠したが帆波は見透かして笑う。
可愛い、俺の彼女可愛い。天使だ。いや、もう天使どころじゃないよ。女神だよ。
4月の終わりが近づいてきた今日の3限。担任である茶柱先生の授業だ。
「ちょっと静かにしろー。今日はちょっとだけ真面目に授業を受けて貰うぞ」
クラスが騒がしいのは毎回のことだが、どうやら今日はいけないらしい。いや、騒がしいのは今日じゃなくてもダメだろう。
「月末だからな。小テストを行うことになった。後ろに配ってくれ」
「えぇ〜聞いてないよ〜。ずる〜い」
「そう言うな今回のテストはあくまでも今後の参考用だ。成績表には反映されることはない。ノーリスクだから安心しろ。ただしカンニングは当然厳禁だぞ」
テストを見てみると一見すると中学生までの内容で簡単だった。
これなら平均点めちゃめちゃ高そうだな、とか考えてたら。うっそーん。めちゃめちゃむずいじゃん、俺予習してなかったら絶対わかんないもん。
ふぅ、帆波に釣り合うように勉強を頑張ってきた甲斐があったよ。凡ミスさえなければ90点以上は堅いだろう。
そしてテストが終わった休憩時間。クラスのみんなは全然できなかったと騒いでいる。……いや、薄々気づいてたけどうちのクラスってバカだよね。
「綾小路くん?さっきのテストどうだった?」
「まぁ普通だな」
「堀北さんは?」
「普通よ」
「じゃあ俺も普通で」
みんなあまり自信がないのか普通と答えるが、2人のことだから80点くらいは取ってそうだな。
そして、5月になった。
「——————って感じだったんだよね、うちのクラス」
「Dクラスも大変だったんだね」
なにやらパレットに新商品のパンケーキが出たらしくて、それを食べにきた。
「Bクラスは勉強会をすることになったよ」
「あ、うちのクラスもテストで高得点取ろうと頑張ってるよ」
「————ずっと言いたかったけど、なんでナチュラルにいるの?一之瀬の彼氏」
そんなに驚かなくてもいいじゃないか。パレットに来たら帆波とその仲間達がいたからお邪魔させてもらうのは当然だろう。
「彼氏としては、彼女の友達とは仲良くしておきたいものなんだよ。よろしく、柴田くん。俺は粟瀬藍」
「お、おぉ。よろしくな」
柴田くんと握手を交わす。これでまた一つ友情が芽生えたね。
「あぁ、羨ましいよBクラス。うちのクラス0ポイントだよ。やになっちゃうよ本当」
「言っても、俺らは普通に生活してただけだけどな」
本当そういうとこだよね、Bクラスな理由。根から真面目な生徒が多い。雰囲気はうちのクラスと似てるけど根本的に違う。羨ましーよ。帆波もいるし。あーずるい!
「あ、それよりも一之瀬!小宮達に指示を出してた生徒がいたんだよ!」
「指示?裏で操ってたってこと?」
Bクラスはその小宮と呼ばれた生徒達となんか問題があったのか、全員の顔つきが一斉に真面目になる。
おいおい、帆波のいるBクラスに手を出す奴は許さんぞ。
「あぁ、龍園って生徒だ。二宮がたまたま見つけたって。龍園には気をつけた方がいいかもな」
「詳しく聞いてもいい?」
俺がそう聞くと、誰も反論しないで素直に教えてくれた。なんて真っ直ぐなクラスなんだ。
なんでも、廊下とかでCクラスの生徒がBクラスの生徒に偶然を装って足を引っ掛けているらしい。その場には教師がいて、演技が上手いものだからCクラス側は何も注意を促されるだけだったらしいがそれが合計で5回も行われたらしい。
「あれじゃないかな。龍園って生徒は教師がどこまで関与してくるか知りたかったんじゃない?」
「確かにな。毎回教師がいるところでやってくるのも疑問だったんだよ」
話は一段落ついて雑談に入る。なんでも、女子の間で行われた男子のランキングがあるらしい。
「粟瀬くんってイケメンランキング1位なんだよ?えっとねー、『この前廊下ですれ違ったら柔軟剤のいい匂いがした』とか!すごいね」
「え!俺は俺は?俺はのってた?」
「柴田くんは、彼氏にしたい人ランキング2位だね。ちなみに粟瀬くんはこれでも1位。一之瀬さんといちゃいちゃしてるからだね」
「ふっ、柴田くんや。俺は二冠を達成しているぞ。まだまだだな2位」
「あ、粟瀬くんは三冠だよ。一之瀬さんと理想のカップルランキングで1位だね。カップルって爆発してほしいけどこの2人は推せるって人が多いんだ」
俺をベタ褒めしてくれるランキングだが、さっきからなぜか静かだった帆波をみる。
うっわかわいい。なんで顔真っ赤にしてるの?可愛い、天使かな?いや女神だったね、ごめん。
「本当、羨ましいぜ。一之瀬の彼氏なんて。粟瀬は男に後ろから刺されて死ぬんじゃない?」
「俺も最近そう思うよ。でも俺は帆波とおじいちゃんおばあちゃんになる夢があるから、刺されて死んでも蘇生して生き返ってみせるよ」
そういうと柴田くんや神崎くんは少し引いたような顔を見せる。帆波はさらに顔を真っ赤にさせて静かにジュースを啜っていた。白波さんと網倉さんはそんな帆波を見て頬を赤らめながらニヤニヤしてる。
なんて楽しそうなクラスなんだ。
「あ、Bクラスの勉強会。俺も参加していい?」
「ん〜、藍くんは頭がいいしこっちとしてはありがたいけど、Dクラスの方はいいの?」
「え?粟瀬って頭いいの?」
失礼だな柴田くん。俺はなんでもできるパーフェクトヒューマンだぞ。
「Dクラスにも頭がいい人いっぱいいるし大丈夫!Bクラスの人は俺が入っていいかな?」
「まぁいいんじゃないか?うちのクラスには無意味に喧嘩を売るような生徒はいないし。問題ないと思う」
それは全員がそう思ったようで全員頷いた。よかったよ。誰あいつ、きもーい。とか思われてたらしんどい。歓迎されてないのに参加する勇気はないからな。
「じゃあ、お邪魔します。高得点で中間テストが終わるといいね」
と、言っても。うちのクラスは退学者を出さないように勉強するだろうけど。
あーBクラスってなんでこんな頭いいんだろ。赤点取るような生徒いないんだろうなぁ。裏山。
評価とか感想くれたら爆速で次話書く。