一之瀬帆波といちゃいちゃしたいだけの話 作:砂糖
誰にでも楽しく読んでほしいと思うから、よう実で出てきた自分的にの下ネタワードは入れていいと思った。
だから許せ、冒頭から下ネタなのことを。
「なぁ、粟瀬は彼女ともうエッチした?」
珍しく綾小路くんに呼び出された先にいたのは池くん達だった。
それはいわゆる3バカトリオで女子の間では喋るだけで吐き気がするとこの3人の愚痴は止まらないほど嫌われている。
俺がしばらく黙ってると痺れを切らした池くんが喋り出す。
「あれだろ?粟瀬の彼女ってめっちゃ美人で有名じゃん。俺は顔見たことないけど」
「俺の彼女知らないの?しょうがないから写真を見せてやるよ」
やっぱり彼女自慢はしたくなるので、綾小路くんにも見せた帆波のとっておきの写真を見せる。これは中二の冬に撮った餅を食べてる帆波だ。めちゃめちゃ可愛い。
「うっわ、噂以上じゃん。で、もうエッチした?」
「え?綾小路くんはこの話をするためだけに俺を呼び出したの?」
「悪い。こいつらがしつこくて、つい」
まぁ、綾小路くんを責めるつもりはないし、怒ってもないけど。
「平田くんにでも聞けばいいじゃん。平田くんも軽井沢さんと付き合ってるしさ」
「平田が素直に話すと思うか?いいや、あいつは話さない」
まぁ確かに、平田くんがそういう話をするところは想像できないけど。
「俺も話さないよ」
「ってことは……?」
確かに、まだならまだと言うだけだから、隠すと余計に怪しくなる。……いや、犯罪犯してるわけじゃないんだからさ。
「俺と彼女は付き合いは長いけど、付き合い始めたのは2月だから。まだ3ヶ月も経ってないから」
「え?まだなの?粟瀬って意外とチキンだな」
「非リアに言われたくないわ」
妙に変な汗が流れたので自販機でミネラルウォーターを買うことにした。
「じゃあキスは?舌入れた?」
「……まだ3ヶ月だから」
「うっわ、チキン。俺なら1日でキスするぞ」
なんなんだこいつは、彼女いないくせに。まあ、彼女がいたら偉いとかそう言うのはないけどさ。
「綾小路くんだけが俺の味方だよっ!さぁ、教室へ戻ろう」
「そうだな。そうするか」
あっさりと池くん達を見捨てて教室に戻る。そういえば綾小路くんは堀北さんと付き合ってるんだっけ?
「綾小路くんは彼女とキスしたの?」
「彼女?俺に彼女はいないが」
「え?堀北さんは?」
「あぁ、あれはただの隣人だ」
随分あっさりとした関係なんだな。前に2人でパレットに入るところを見たもんだから付き合ってるのかと。それに、2人で喋ってるところをよくみるし。
「まぁ、彼女ができたら教えてよ。きっと綾小路くんの彼女は可愛いんだろうね」
「できることがあればな」
教室に戻り先に着くと堀北さんは何やら綾小路くんに辛辣な言葉を吐いていた。
あれ?やっぱ付き合ってる?
「粟瀬藍です。今日は邪魔させてくれてありがとう。よろしくね」
「「「よろしくー」」」
なんとも暖かいクラスだこと。よそ者の俺をこんなにも歓迎してくれるなんて。
「藍くんには先生役お願いしてもいい?」
「おう、任せろっ」
こちとら、毎日予習頑張ってんだ。高校の範囲なんて完璧よ。
図書館の一部スペースを使い勉強をする。さすがはBクラスというか、切り替えがすごい。みんな真面目に勉強をし出した。これはうちのクラスにはできない。
「あ、あれDクラスじゃない?」
安藤さんがそう言った先には堀北さんや綾小路くんがいた。
なにやら須藤くんが堀北さんの胸ぐらを掴んでいて。もしかしなくても修羅場ですね、はい。
「お恥ずかしいところをすみません」
「あはは〜、Dクラスも大変なんだね」
どうやらそのまま池くん達は帰ってしまったようだ。堀北さんが勉強会を開いたということに驚きだけどまぁ、結果はあんな感じになったわけね。
俺じゃあどうしようもないから放っておこう。
と、思ってたのにさ。
数日後の今日。
「はい、ストップストップ!」
「んだ、テメェは、部外者が口を出すなよ」
Cクラスの山脇くんの胸倉を掴む須藤くんを帆波が止める。
「本当、同じクラスとして恥ずかしいからやめろよ須藤くん」
帆波についてきた俺が独り言のように呟くと須藤くんはさらに怒る。沸点が低いのは短所だよ。
「ま、山脇くんのような生徒が同じクラスよりマシだけどね」
そしてもう一度独り言のように呟く。今度は山脇くんが怒り出す。すぐ怒っちゃうようだと彼女できないよ。
「だめだよ、藍くん、煽っちゃ。山脇くん達も暴力沙汰を起こしたいのなら外でやってもらえる?」
帆波はその場をまとめる。須藤くんも少し落ち着いたようだ。
帆波に先に戻るよう言って、俺は少し堀北さん達と話すことにした。
「勉強会は順調?」
「順調とは言い難いけど、成長はできてるはずだわ」
それはよかったよ。俺は退学者が出てもあんま興味ないからなぁ。頑張れとしか言えん。
「それよりも、さっきテスト範囲が違うって言ってたの。粟瀬くんは知ってる?」
「変更されたんでしょ?え?知らなかった?」
「……職員室へ行きましょう」
確かに俺は帆波に言われて知ったが、Dクラスでも言われてるもんだと。俺が先生の話聞いてないわけじゃなくて、本当に言ってなかったんだ。
みんなはそのまま職員室へ向かった。俺は気にせず、Bクラスの人たちと勉強することにした。
時は少し遡る。
「粟瀬、生徒会の話だが面接は明後日だ。生徒会室に4時半から行われる」
というのを思い出したのは今日。面接の日だ。
「うっわ、忘れてた。どーしよ」
生徒会室の前で先に入った帆波を少し心配しながら、自分の心配もする。
なんて言うのか決めてないわ。でもまぁ正直に答えよう。やっぱ素直なのは大事だよね。
「藍くん、次だよ」
「おつかれ、先帰ってていいよ」
緊張の無意識で帆波の頭をポンっと撫でた後、ノックをして生徒会室に入る。
「1-D粟瀬藍です」
「座ってください」
抑揚のない声で指示を出され、椅子に座った。前にいるのは生徒会長だと思われる黒髪の男子と髪を二つのお団子で結んだ女子。
「会長の堀北学だ」
「書記の橘茜です。それでは、面接を始めます」
そして面接は始まった。なにを話すか考えてこなくても良かったな。だって緊張で結局忘れるもん。
「どうして生徒会に入ろうと思ったんですか?」
橘書記がそう聞いた。素直に答えると決めた俺は素直に答える。
「彼女が入りたいと言ったからです」
「ふっ、彼女のためか」
会長は笑ってそう言った。お?好感度上がった?
「橘、俺が質問する」
「そ、そうですか。わかりました」
そして、質問者が堀北会長に変わり、また面接が始まる。
「会話だと思って答えてくれ。お前の彼女は一之瀬か?」
「そうです」
「お前は生徒会の仕事に責任を感じるか?」
どんな質問だよ。え?そんな質問帆波もされたの?いや、なんて答えよう。
「そうですね。正直に言えば責任を感じないかもしれません。彼女が入ろうとしなければ生徒会にも入ろうと思いませんでしたし」
「ふっ、そうか。質問は以上だ。退出しろ」
「はい。失礼しました」
「え、粟瀬くんは合格なんですか?一之瀬さんは分かりますけど……」
粟瀬が退出した後の生徒会室で堀北学と橘が立候補者の合否についてチェックしていた。
橘の予想とは反し粟瀬には丸がついている。
「あいつなら、南雲にも呑まれないだろう。動機が不純だったが、それが今の生徒会には必要だ」
葛木は真面目すぎた。だから南雲に取り込まれる。一之瀬も最初は不合格にする予定だったが、粟瀬となら大丈夫だと合格にした。
「粟瀬は運がいい。今期の生徒会じゃなければ即不合格だろう。いかに実力があろうともな」
「そうですね……運も実力のうちですか」
こうして粟瀬と一之瀬は生徒会に入ることになった。
「いぇーい!中間テストおつかれー!」
「いえーい!」
俺は今、俺の部屋で帆波と2人、中間テストお疲れ会をしている。
「無事、退学者も出なかったし。Dクラスにしては頑張ったよ」
まぁ、過去問があって退学者が出るようならもう手がつけられないけどね。
「うちのクラスもみんないい点だったよ。みんな藍くんにお礼言ってた。ありがとね」
帆波に誉められるなら頑張った甲斐があったよ。まあ、教えるのは好きだし、辛かったわけじゃないけどね。
「それにしても……相変わらず性格とは似つかない、優等生っぽい部屋だねー」
勉強机には、高3の問題集や資産配分について書かれた英語の論文が広がっている。
確かに、俺の性格って真面目っぽくないよな。この机は大学生の机って感じがする。
「資産家にでもなるの?えっ、こっちの本棚も問題集ばっかり。昔からだけど、たまには遊ばないとだめだよ?」
「俺の息抜きは帆波で十分。あったけぇ」
本棚を見上げる帆波を後ろから抱きしめながら言う。
俺が勉強を頑張るのは帆波に釣り合う男になるためだと昔から決まってる。ここで勉強をやめてしまったら、自分が自分を嫌になる。
「だってさ、俺が勉強できたら帆波に教えられるじゃん?それってすごくかっこいいと思わない?」
「にゃはは、自分で言っちゃうんだ。……まぁでも、勉強会の時もかっこよかったよ」
帆波にかっこいいと思ってもらえるなんて、これ以上の幸せはないね。
俺がくっついたままカーペットの敷いてある床に座る。身長差がある分だけ、後ろから帆波の顔が見えた。
毛穴一つ見えない肌は色白だけど、微かに紅潮していて言葉にできない気持ちになる。後ろから見れば特に、まつ毛だって長くカールしていて、それは美人の証拠なんだなぁって。
「あ、のさ」
「ん?どうしたの?」
帆波は首だけ振り向いて俺を見上げる。それが、なんとなくもどかしくて。
「……キス、しても…いい、ですか」
俺の顔はきっと赤くなっているだろう。なんてかっこ悪いんだろうか。もっとスマートに言えば良かったのだろうか。
だけどもう、言ってしまったことは取り消せない。
少しだけ紅潮していた帆波の顔はさらに赤くなっていた。
「……そういうのは、聞かないものだと思う」
帆波そう言って目を瞑った。顔は真っ赤で、目も微かに力が入ったまま瞑っている。……いっや、これはまずい。なんでこんなに可愛いんだ。可愛すぎだろ。前世で何人男を殺したんだ?本当に可愛すぎる。
えっと、これはいいよってこと?してもいいの?本当に?
少しずつ顔を近づけた。可愛すぎて、緊張する。
俺はチキンだと、本当にそう思った。近づいた俺の唇は帆波のほっぺたにあたる。
「……ヘタレ」
「ごめん……でも帆波が可愛すぎるのがいけないと思う」
俺の唇にはまだ帆波の柔らかくてすべすべなほっぺの感触が残ってる。俺は帆波の肩に顔をうずくめながら悶えた。
池くんにチキンだと言われた時はすごく不満に思ったが間違ってなかったよ。
「藍くんなんてもう知らなーい」
ささっと立った帆波はそのままキッチンへ向かった。ここに来る前に買ってきたピザを温めようとしているみたいだった。
ん゛〜〜、俺ってなんでこんなにチキンなんだよ。あ゛ぁ〜、俺の馬鹿ぁ。
俺は数分悶えてたけどその後は少しご機嫌な帆波と一緒にピザを食べた。多分、今まで食べたピザで1番美味しいピザだと思う。
この隣の部屋では池達が楽しく打ち上げをしているはず。きっと、大きな声を出すこともあっただろうよ。
防犯対策されてない部屋だったらこんな雰囲気にならなかっただろうね。ほっぺにちゅーするのでも池の大声が入ったら中断しちゃうよね。
よかった防音。ありがとう防音。
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