一之瀬帆波といちゃいちゃしたいだけの話   作:砂糖

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オリ主のデータベース欲しいですか?特に需要ないかなーって思って書いてなかったけど、欲しいなら次回くらいの前書きか、後書きに書きます。
要らないなら要らないって感じで無視してくださいー。


9話 自分に必要のないことはやらない主義

 Cクラスのベースキャンプを後にしたオレ達が次に向かったのはBクラスのベースキャンプだった。

 神崎にそれらしい場所は教えてもらっていたので、特に苦労する事なく辿り着く。

 Bクラスのベースキャンプにはオレと堀北の知る人がいた。

 

「あ、綾小路くんに堀北さんじゃん。どーしたの?偵察?」

 

「粟瀬。遊びに来ていたのか」

 

 軽く手をあげ答えつつ、オレは粟瀬を見た。

 髪は濡れていて、どうにもシャワーを浴びた後の様な感じ。海で遊んでいたのか?

 

「今、Bクラスの人呼んでくるよ。帆波は後、数分は出てこれないと思うしね」

 

 にやにやしながら粟瀬はそう言ってBクラスの人を呼びに行った。

 出てこれない?どうにも不自然な言い回しだな。それに、にやにやしている粟瀬の様子も気になる。まあ、気にしたところで理由がわかる訳ないのだがな。

 

「Bクラスの神崎だ。そちらは初めましてだな」

 

「えぇ、そうね。Dクラスの堀北よ。それより、一之瀬さんは今は不在なのかしら」

 

 神崎が堀北と軽く握手を交わす。

 一之瀬が不在かと問い掛ければ、なんとも微妙な顔を神崎はした。

 

「あー、3分だけ休憩が欲しいと言って一度テントに戻った。まあ、原因は言わずもがな、あいつだろう」

 

 神崎が視線を送った先には粟瀬がいる。粟瀬はBクラスの人たちと楽しそうに会話をしながら作業に取り組んでいた。

 その様子から見るに、Bクラスの面々とは仲良くしているのだろう。

 一之瀬が来るまで神崎と雑談をしながら時間を潰していると一之瀬がテントから出てきた。その様子はいつも通りで特に体調不良というわけでもなさそうだ。

 

「一之瀬。Dクラスから堀北と綾小路が来ている」

 

 神崎がそう伝えると一之瀬はこちらに駆け寄ってきた。

 

「あはは。ごめんね、待たせちゃって。様子を見に来たのかな?」

 

「えぇ。一之瀬さん、私たちは前回から協力関係にあると思っていていいのかしら」

 

「私は少なくともそう思ってるよ」

 

 そうして、この無人島試験でもお互いが協力することになった。

 情報交換をしていると、粟瀬がこちらに来る。作業にひと段落ついたのだろう。

 

「なーに話してんの?Aクラス?」

 

 一之瀬の後ろから姿を見せて、肩に顔を置きながらこちらに問いかける。その体制はいわばバックハグというものだろう。

 

「Aクラスのベースキャンプを知っているか聞いていたの。粟瀬くんは知ってる?」

 

「あー、二宮くん達が見つけたんだっけ?」

 

 粟瀬が一之瀬の方を向いて確認するかの様に言う。一之瀬は頷いてから答えた。

 

「『恐らく』で良ければ場所は分かるよ。でも情報を得るのは難しいと思うけどね」

 

 一之瀬は嫌がる素振りもなく、方向を指差し掴んでいるキャンプの場所を教えてくれた。

 話を聞くと、どうにも秘密主義らしい。

 

「俺もついてくよ。一応Aクラスにも知り合いいるし、話聞くくらいならできるかも」

 

「それは助かるわ」

 

 こうして、粟瀬を連れてAクラスのベースキャンプに向かうことになった。

 別れ際、一之瀬の耳元で粟瀬は何か呟いていた。それを聞いた一之瀬の顔は真っ赤になっていたので、何か恥ずかしいことでも言われのだろうか。

 堀北はそんな2人の様子にも全く動じてなかった。すごい。

 

 

 

 

 

 Aクラスのベースキャンプは一之瀬の言う通り、秘密主義だった。

 

「ここからじゃ中の様子は何も分からないわね」

 

 木の影から様子を伺うが、文字通り秘密主義。洞窟の入り口はビニールで覆われていて全く分からない。

 

「んー、俺が声かけてくるよ。いい?堀北さん」

 

「そうしてもらえると助かるわ」

 

 結論だけ言うと、Aクラスのベースキャンプの中を見ることは叶わなかった。粟瀬の知り合いもちょうどこの場にはおらず、話を聞くこともできない。

 堀北が強引に入ろうとしたが、途中からやってきた葛城という男に結果的に止められた。しかしこの場でも得られたものはある。無駄足ではなかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無人島試験は、スムーズに進んだ。もちろん何もなかったわけじゃない。Cクラスの伊吹さんがうちのベースキャンプにいることを始め、高円寺くんのリタイアなど。

 しかし、俺の当初の予定を遥かに上回るほど、上出来な状況。

 俺も問題なく帆波といちゃいちゃできているし、もはや不満もない。

 でもまあ当然そんな簡単に終わる事なかったわけで。

 

「あ、粟瀬くん。ちょっと男子を起こしてもらえない?大変なの」

 

 無人島試験5日目。帆波に朝起こしてもらうというイベントを心待ちにしている俺だが、早起きという習慣はなかなか抜けない。今日も6時に目が覚めて身支度を整えた後、焚き火の跡のある場所の前に座ってぼうっとする。

 そんな俺に篠原さんは声をかけてきた。慌てた様子だが、その中には怒りの感情も見える。本当に大変なことでもあったのだろう。

 

「わかった。ちょっと待っててね」

 

 俺はそう言って男子を起こしに行った。数分かかったが、無事男子が全員起きたのち、女子を代表して篠原さんが話し始めた。

 

「今朝、その……軽井沢さんの下着がなくなってたの。それがどういう意味か分かる?」

 

 やはり、この試験はそう簡単には終わらなさそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仕方がないとは言え、帆波と遊ぶ時間が潰れるのは嫌だなぁ。まあ、女子に信用してもらってるって考えれば悪い事じゃないんだろうけどさ」

 

「そうだな。粟瀬は彼女がいるし当然だが……」

 

「あ、その顔は。『オレは信用されていないのに、なんでここにいるんだろう』って顔だな」

 

「……やけに的確だな。顔に出てたか?これでもポーカーフェイスには自信があるんだが」

 

 自分の頬を触りながら綾小路くんはそう言った。

 ポーカーフェイスって言ってるし、やっぱりそう思ってたんだね。まあ、分かるけどさ。

 

 軽井沢さんの下着が盗まれた件は男女の生活スペースを分ける事で話がまとまった。

 そこで、平田くんと俺にテントの移動を要求する女子達。もちろん、これはクラスの問題なので、俺だけ知らないふりなんてしたくないので応える。が、せっかくなので綾小路くんも巻き込んだ。

 

『綾小路くんもどうかな?3人いればその分だけ人手も増えるし、3人でお互いに見張るようにすれば、酷い真似もできない』

『うん。僕も綾小路くんが手伝ってくれると嬉しいな』

 

 と言った感じで、平田くんと俺のダブルパンチで綾小路くんも巻き込むことに成功。

 そして現在に至る。平田くんは女子に引っ張られてどっか行っちゃったので綾小路くんと仲良くお喋りをしながら作業してるわけだ。

 

「本音で言うなら、下着が俺のところにあればよかったんだよ」

 

「と、言うと?」

 

 綾小路くんには、俺が軽井沢さんの下着を見てみたい変態のような発言に聞こえただろうか。

 断じて違うといいたい。彼女がいるのに、平田くんの彼女に手を出すほど俺は腐ってはない。

 

「もし俺のカバンから下着が出てくれば、俺という1人の犯人に女子の目は向くから男子という団体が女子に敵対されるようなことにはならない。俺はそれに合わせて、犯人のフリをすればいい。俺はクラスに居づらくなるだろうけど、Bクラスに遊びに行けば問題なし」

 

 犯人が調子に乗って次々に犯行に手を染める可能性もあるが、今回に限ってはないだろう。犯人は欲に塗れた男子()()()()

 俺が犯人役になれば、男女共に俺を非難してまた一丸となれる。俺はBクラスに入り浸る理由ができる。

 犯人は、綾小路くん辺りが懲らしめてくれると信じよう。

 まあ、所詮はあり得なかった未来の話だけど。

 

「犯人が誰か分かるのか?」

 

「俺に犯人が分かると思う?」

 

「————どうだろうな」

 

 なんていう曖昧な答えなんだ。まあ、俺は綾小路くんがちゃちゃっと犯人を見つけてくれると考えているけどね。

 さっき平田くんと2人でテントに入っていた時の会話の内容は、『犯人を見つけてほしい』と言った感じだろう。綾小路くんは犯人を探すはず。

 まあ、俺の仮定してる犯人も確かな証拠がある訳じゃないけど。ただ俺は、BクラスにもDクラスにもCクラスの生徒がいる事を、偶然で片付けるほどお人好しじゃないってだけ。龍園くんが忍ばせているんだろう。BクラスにいたCクラスの金田くんにも見覚えがある。

 

「じゃあ、頑張れよ!応援してるわ!」

 

「お、おう。打つの手伝ってくれないのか?」

 

 ペグを打ちながらこっちを向く綾小路くん。そ、そんな顔をしないでくれ。俺は別に綾小路くんを置いてBクラスに行こうと思ってたわけじゃないんだ。

 俺はその場に座って作業を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう?Dクラスには馴染んできた?」

 

「は?急になに?」

 

 5日目の夜。テントから離れたところに座る伊吹さんに俺は声をかけた。

 

「冷たいなー」

 

 冗談っぽく笑いながらいうと、伊吹さんはばつが悪そうに俯いた。咄嗟に冷たく接してしまったんだろう。

 隣に腰を下ろす許可をもらい、隣に座る。

 

「アンタ、女子に信用されてんだ。女子から協力を頼んだ男子はアンタと平田って奴だけだ」

 

 今朝の下着泥棒のことを言っているんだろう。

 

「そうだと嬉しいけどね。……ところでさ。伊吹さんはリタイアしないの?無人島生活、正直しんどいでしょ」

 

 当然の俺の言葉に伊吹さんは目を見開いた。

 ずっと考えていたことだ。Cクラスに残ってるポイントはない。だからリタイアしてもマイナスはない。わざわざDクラスに迷惑をかけるより、とっととリタイアして豪華客船での生活に戻った方がいい。

 でも伊吹さんがそうしないのは、()()()()()()()()()()()があるからだ。

 

「そうだな。言われてみればリタイアするべきかもしれない。いつまでもDクラスの邪魔にはなりたくない」

 

「誰も邪魔だなんて思ってないよ。みんなほっとけないんだよ、伊吹さんを」

 

 俺がそういうと、伊吹さんはまた目を見開いた。俺は静かにその場から立ち去る。

 伊吹さんのその様子を見て確信した。伊吹さんはCクラスからのスパイで間違いない。下着を取ったのも伊吹さんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 試験6日目。空は灰色に染まった曇り。もしかすると大雨になる可能性もある。連日事件が起こることなく、今は一丸となって食材調達などにそれぞれが動き出した。

 俺は平田くんに食材調達に行くと伝えて森の中を歩きはじめた。

 

「うーん。暇さえあれば森を歩き回ってるのになあ」

 

 会いたい人物に会うことのできない数日間。今日、見つけられなかったのならもう諦めるしかない。木の上にいることも考えて、上にも視界を巡らせて探す。

 少なくとも、今日には動くと考えているのに、まさかハズレ?

 

 何時間か歩いても目的の人物には会えなかった。俺が探すのをやめたのはDクラスのベースキャンプがある方向から煙が上がっていたからだ。

 

「伊吹さんが混乱を生むために?じゃあ誰がリーダーなのかバレたって事か。雨も降り出したし、()も動きそうだな」

 

 来た道を引き返して俺は森の中に隠れ潜む。空は太陽の光をろくに通さないほど雲は分厚く、それに伴い視界が悪くなっていく。

 息を殺して待つ。遠くから足音が聞こえてきた。ゆっくりと姿を確認すると、その人物は俺が探していた人に違いなかった。

 

「(みぃーつけた。龍園くん)」

 

 彼の姿を確認した後、彼が離れていくのを待ち俺はベースキャンプに戻った。

 これで全て繋がったな。この後、伊吹さんと龍園くんは落ち合うはず。リーダーは龍園くんで間違い無いだろう。

 

 

 




粟瀬が無人島試験でやった事。
・一之瀬といちゃいちゃ
・Bクラスにいる金田の動向チェック
・Dクラスにいる伊吹の動向チェック
・森にいるであろう龍園探し

下3つの行動のおかげで龍園がリーダーだって気がついた。けど無駄骨。
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