烈海王が死んだ。これには日本の格闘士達を震撼させた。そして、震撼させたのは日本だけにどどまらず、中国、米国、そして英国にも。
イギリス カリオス刑務所 ここには最凶死刑囚であるヘクター・ドイルが収監されている。
97…98…99…ドイルは正拳を行っていた。勝己から教わったたった一つの技(繋がり)ドイルは約束を守っていた。視力を失い得た力、更には自ら鼓膜を破壊。それによって得た敏感な皮膚。全ては強くなるため。
ドイルはベッドに入り眠りに着いた。何時でも脱獄は可能。それくらいの力を彼は手に入れていた。しかし、彼はその時が来るまでここから出ようとはしなかった。
早朝 全身が、否、細胞が感じ取った。思わず起き上がる。なにかが起きた。謎の不安感。これは…自分自身のものでは無い。そう気がついた。
カツ、カツ、カツ…
看守が歩いている音が聞こえた。
「なあ、」
「どうしたんだね?ドイル君?」
毎日行ってきた正拳突きが看守の顔面に叩き込まれた。
行かせてもらう東京に
「こんな無茶振りはもうこれまでにして欲しいな」
空軍の飛行場でストライダムはそう言った。
「日本で何かあったか?」
「ビッグニュースが2つ。ムサシ ミヤモトがクローンにより復活したこと。そして烈が殺された。ムサシに」
「本当か?」
「ああ。君を倒した彼だがムサシには勝てなかった」
「…仇は私が討つ」
「…そういえば鼓膜を破ったと聞いていたが…」
「数ヶ月もすれば自然に治る。失いたくなったときにまた破れば良い」
「…体内の武器はどうなっている?」
「逮捕されたときに外されたがスプリングだけは残ってる。もっとも私には必要ないがね」
「…獅子とトンボの戦いだな」
「御老公大変です。武蔵と試合したいという者が海外から来てまして」
「だれじゃ?その者は強いのか?」
「そ、それが…」
「ッ…!ヘクター・ドイルじゃと!!!」
神心会本部
ドイルは愚地克巳と再会した。
「久しぶりだな。」
「ああ。セイケン毎日100回やってるよ」
「で、わざわざ脱獄して何しに来たんだ?」
「敵討ち。それだけで充分だ」
「やれるかどうか」
「ルールは問題ではない」
「そうだよな。死刑囚だもんな。手段は選ばなくていい。まあ、こんな話するよりも鍛えたんだろ?やるかい?組み手」
「ああ」
「待ってくれ」
鎬昂昇が遮るように話し込んだ。
「君は…空手家の」
ドイルは驚いた声で話した。
「君に破れたことに恨んではいない。しかし、我々を差し置いて武蔵と戦うことは許さない。君では無理だ」
昂昇は構えて言った。
「つまり戦…」
ドイルが言いかけたその時右の手刀がドイルの左腕を襲った。