Mixingfate(交錯する運命) 作:nao_japan_fourth
《救助した民間人を人質に取る、それが地球連合の正義か》
わざわざ全周波数通信で発せられたパイロットの怒りの声
良心が痛むけれどナタルの判断は結局正しい、若きマリュー・ラミアスは思わず顔を伏せた
この船に乗っている全ての人間の命を預かるものとして私達にはすで打つ手が無い
合流しようとした先遣隊は目前で消滅し他に手段が無い、卑怯と言われても生き残る為には
私もナタルの様にならなければ駄目なのだろうか
その頃、医務室の前に立ったフレイは何気なく担当看護師が閉め忘れていたドアを開いた
無言で医務室に入ると奥には一人患者が寝ている
年齢的には自分と変らない筈だ、髪の色はオレンジ色で少年と言うより青年
そう寝ていた患者はコーディネーターでヘリオポリスの戦闘で負傷し意識を失い捕虜となった
兵士だ
彼らの手によって私を愛してくれた父は目の前で死んだ、フレイの中で怒りが込み上げてくる
ふとベッドの脇にある戸棚が目に行く相変らず管理が杜撰で扉が開いている
手術用のメスが目に入り腕を伸ばしてメスを掴む
その時患者が目を覚ました
「俺を殺したいのか」
その言葉を聞いて私のスイッチが入った
「父は死んだのよ、あなたも死になさい」
動けない青年は何の反応も示さずただ一言
「いいさ気が済むようにすれば、どうせ助かっても捕虜となって処刑されるだけだろう」
「当たり前だわ、父を殺した奴の仲間のくせに」
「そうか事情は知らないが君の家族が死んだのか、だけど謝るつもりは無い」
「殺してやる」
私はメスを握り締め捕虜の青年に向け近寄ろうとした
「フレイ、何をしているの」
背後から声を掛けられ振り返ったらミリーが近寄って来てメスを取り上げられた
「フレイ、何を馬鹿な事をする気なの何をしようとしたか分かっているの」
「止めないで父は死んだの、だからコイツも死ぬのよ」
メスを奪い返そうとしてミリーと揉み合いになる
その時青年が声を掛けてきた
「家族や仲間が死んだら悲しいし怒りも湧くのは当たり前だが先に手を出したのは地球連合だ」
「何を言っているのヘリオポリスには民間人が何人居たと思うの」
今度はミリーが反論した
「あんな所で兵器を作っていた奴らが悪い、中立国といいながら地球連合の兵器を作ってた
オーブの自業自得だ」
「そんなの私達に関係ないでしょう」
「ユニウスセブン」
その一言に私もミリーも動きが止まった
「ユニウスセブンには軍の施設なんか一つも無く民間人だけで農業施設しかない無防備な
コロニーだったのにそこへ君達の同胞地球連合は何をした、核を打ち込んだのは誰だ」
兵士の声は高ぶってはいない、それだけに彼の怒りの大きさがわかる
そしてそれはコーディネーター全ての怒りなのだ
私は二組の女性達と子供達の事を思い出した
「俺、俺達だって好きで戦争したい訳じゃない、家族を仲間を多くの同胞を守りたいだけだ」
その言葉に私達は反論できなかった
いつもの自分なら反論できた、父が亡くなり怒りをぶつける相手が目の前に居るのに
ユニウスセブンの跡地であの女性達を見てしまった所為なのか
「ごめんなさい、フレイ行くわよ」
ミリーに腕をつかまれて出てゆこうとする私に捕虜の青年が再び声を掛けてきた
「別に謝る必要は無いその子の気持ちは十分に判る、俺達だって同じだからな」
その一言が与えた衝撃は強烈だった、私と彼等は何も変らない何処も違わないのだ
父を殺したのはこの青年ではないのにその言葉は私への謝罪だと感じ私は人として敗北を感じた
一旦ヴェサリウスに後退したイザーク達は隊長を含め今後を如何するか会議の最中である
「さて、諸君どうする?」
クルーゼの問いに簡単に答える事など誰も出来ない
沈黙が皆を包む
やがて、クルーゼは一人に尋ねた
「君の意見から聞こうか婚約者を人質にされたのだからなキラは」
全員がキラに注目する
そう人質に成っているのはキラの婚約者でもある
「攻撃してMSを破壊、人質解放を要求するのが一番かな」
「ラクス様を見捨てるつもり、キラ」
ニコルがキラを問いただした
「見捨てる事になるかも知れないけど冷静になって考えてみてよ、AAと呼ばれる戦艦は新型の
MSは一機しか無いようだからあのMSを落とせば、たかが戦艦一隻だよ抵抗できなくなるし
当然ラクスや月の姫に手は出せない筈、甘い言葉で人質を解放させて後は好きにすればいい
万が一ラクスや月の姫が死んだらその時は皆殺しにすれば良い事だよラクスは民間人とはいえ
プラントの代表者だしそれ位の覚悟はある筈だよ、月の姫は可哀想だけどあのMSが地球連合の
連中に渡ったらどうなるの?もっと犠牲者が出る国防委員会や評議会も反対は出来ないだろう」
キラの意見は正しい本当に正論で的確な判断、GAT-Xシリーズが連合で量産されればプラントに
危機が訪れるのは間違いない
だが政略的な婚約とはいえ婚約者の命を危険に晒す姿勢のキラに反感が募る
「だが君達にあのMSを落とす事が出来るのか4対1でも勝てなかっただろう」
「みんなが僕の指示どうりに動いてくれれば勝てたはずだよ」
「なんだとう、貴様ぁ」
「おい、止めろよ隊長の前だぞ」
「!」
相変わらず仲の悪さにクルーゼは思わずため息が出る
チームワークがデタラメでは勝てない、しかも相手はエンデュミオンの鷹ムウ・フラガ
こちらの攻撃を予測されて回避される相手だ
せめてチームワークが取れていれば勝つチャンスも有るだろうが今のままでは勝てない
思い切ってキラを囮にして残りでAAを落とすか無力化するかもう1つは俺も出て5対1で
攻撃する、確かにキラの言う通りあのMSを破壊してしまえばAA一隻では何も出来ないだろう
だが自棄を起こされて暴発、ラクス・クラインを殺されしたら俺の立場が不味くなる
今の段階でそれは不味い・・・そうでもないか、ザフトと議会の対立が激化するのは返って望む
方向に進むかも知れない
「イザーク、君ならどうする」
「ラクス嬢を犠牲にする覚悟が有るのならラクス嬢ごとAAを葬り去るのが一番だと思います」
イザークの発言にさすがのクルーゼも声が出ない
「イザークこそラクスを見殺しにする気?」
イザークの提案に流石のキラも驚いた
「お前の提案と対して変わらんだろう、お前の案でラクス嬢を保護できても人質を無視した事は
ラクス嬢自身が知る事になり、お前は婚約者を見捨てたと非難される、俺達もどうなるか判らん
ラクス嬢は議長の娘だそれを忘れたのか、そうなれば穏健派が出てきて俺達は良くて左遷
お前は確実に婚約は破棄され良くてもザフトから追放、最悪プラント追放だな
俺としてはラクス嬢を助けたいが無理なら仕方が無い、敢えてラクス嬢が危険になる覚悟が
有るなら戦艦ごと葬り去ればいい死人に口なしだ、連合だって卑劣な行為だ自ら暴露など
しないだろう、そしてあの戦艦を落としてしまえば一機のMSなどどうにでもなる」
ラクスの幼馴染であるイザークの言葉とも思えない非情さにキラも黙る
内心はどう思っているかわからないがイザークという男はプラントの為なら非情に徹する事が
出来ると表面的にはそう思われている
クルーゼはイザークの言葉に一理あると思う
確かにプラントに報告する人間が皆死んでいなければ何も変らず助ける事が出来なかった
殺されていたとそう証言すれば納得されるだろうし、イザークの言う通り連合側からもれる事も
無い筈だ
「作戦を決定する、キラ、ニコルと俺はストライクと戦いながら奴をAAから引き離す
注意は俺が惹きつけるから隙を見てキラとニコルは奴を攻撃せよ、奴がAAから離れたら
イザークとディアッカはAAを攻撃、撃沈するのも捕獲するもその場で判断せよ」
「「了解」」
了解の返事をしたのはイザークとディアッカだけだった
「クルーゼ隊長、あんな奴僕一人でも落とせます」
「キラ、お前には無理だ」
「どうしてですか隊長」
「そうならどうして今まで落とせなかった」
「それは、あいつが逃げてばかりだから」
「お前にはまだ無理だ、アイツはエンデュミオンの鷹だぞ」
「・・・」
さすがに隊長の言葉に逆らうわけに行かずキラは渋々承知したのだが
キラが承知したと思ったら今度はニコルが反対した
「クルーゼ隊長、編成を変えて下さい」
「なぜだニコル」
「キラとは組みたくない、キラの身勝手でまだ死にたくはありません」
一番大人しいニコルの発言にクルーゼは驚いた
「どういう意味だよニコル、いつ勝手な事を僕がした」
「何時も勝手な事ばかりしている癖にもうキラの我が儘に付き合う気は無い
隊長、僕はキラとは二度と組みたくありません組ませるのなら出撃を拒否します
査問会に掛けられても文句は在りません」
この瞬間キラにクルーゼ隊の仲間は一人も居なくなる
今までチームを組めていたのはニコルが他の二人や他の隊員との橋渡しをしていたからだ
そのニコルがキラと組む事を拒否した、直接の引き金はラクスを見捨てた事だろうが
遠因は仲の良かったラスティーの死である、キラの独走に巻き込まれ死んだラスティー
そして音楽家志望のニコルはラクスと面識があり憧れの存在でも在った
そのラクスを婚約者のキラが見捨てるような行為に走った事で我慢の限界が来たのだろう
では何故イザークの事を非難しないのか、ニコルにはイザークの葛藤が判っていたからだ
(人徳の差というものだろう)
だがキラは躊躇せずラクスを見捨てた
もちろんキラにも葛藤が有った筈だがそれを感じさせないキラに反感を覚えたのだ
「どうしても嫌かニコル」
「はい、隊長」
クルーゼは本当に頭が痛くなってきた
キラを基準にと思えば三人が反発し三人を基準に考えればキラが独走する、一番の原因は仲間を
見下すような態度のキラで本人に自覚がない分余計に始末が悪い、キラの事を仲間と認めない
他の二人いや三人になった
これではどんな有能な指揮官でも勝てない
「判った俺とキラだけでストライクを相手にする、ニコルはイザーク達と組め、いいな」
「はい、了解しました」
ニコルはイザークやディアッカと打ち合わせをしながら部屋を出て行く
残ったのはクルーゼとキラの二人
「隊長なぜあんな勝手を認めたのですか指示は完璧の筈だった着いて来れないニコルが悪いのに」
「まぁ仕方が無いさ天才は理解されないものだよキラ、そう腐るな」
「ハイわかりました」
だがクルーゼは本気で悩んでいた、このままで行けば必ず破綻してしまう
あの三人を他の隊に出して別の人間達を補充するべきかキラ・ヤマトを出して誰かを補充するか
それとも全員を出して再編成するか
何処で狂った?キラ・ヤマトを受け入れた時からか?
自業自得かな、本来赤服を認められない成績のキラを裏から手を廻して赤服を認めさせた報いか
まぁどうにかするさとにかく結果さえ出せればいい
それにしても俺はキラ・ヤマトをどうする気だろう、憎い筈なのに何故か哀れんでいる俺が居る
なぁレイよ俺はキラ・ヤマトを知りすぎたのか?知らない方が良かったのか?
自問自答するクルーゼだったが悩んでる時間は無く出撃の為、思考を切り替える
「さて、行くか」
問題のAAの中ではラクスとシャロンが恐怖心を和らげる為か話をしていた
「シャロンさん、大丈夫ですか」
「はい、大丈夫ですラクス様」
「ご免なさいね、私の為に貴女まで巻き込んでしまって」
「運が悪かっただけですラクス様の所為じゃない」
「静かになったようですね、戦いは終わったみたいですわ」
ホッとするラクスとシャロン
「でもザフトの皆さん諦めてくれるのかしら?ラクス様が此処に居るのに」
「大丈夫ですわ、先ほどの通信を聞きましたらイザークの声が聞こえました、彼がいると言う事は
あの方も居ると言う事ですわ」
「あの方?もしかしてラクス様の恋人?」
シャロンが興味津々な顔をしてラクスに尋ねる
「恋人では有りません、将来私はその方の妻になります」
「婚約者?」
「そうです、とても優秀な方ですの」
「軍人さん?」
「ぇぇ、そうですわ」
何故か望んでないと漠然とだがそう感じたシャロン、ラクスには何か蟠りがある気がした
「十六歳なのにプラントの女の子は大変ですね、相手の方を強制的に決められてしまうの?」
「それは誤解ですよ勿論選択の自由くらい有ります、私達コーディネーターは出産率が低いので
婚姻統制で出産率を上げようとしていますが受け入る事を出来ない方も居ますからその時は
拒否する事も出来ますわ」
「と言う事はラクス様はその方と相思相愛なんだ良かったですね」
その言葉にラクスは複雑な顔をした、二人は婚姻統制で決った訳でも無くましてや恋愛関係が
有った訳でも無い
ラクスがキラの子供を宿す事は統制局の判定で100%無いと判明している
キラの優れた遺伝子の所為で受精した卵子が耐えきれず細胞分裂を起こす前に壊れてしまう
そしてラクスにも問題があった
ラクスは第二世代コーディネーターだが彼女の両親は受精卵の時に容姿や声質意外には特別な
遺伝子調整をしておらずある意味に置いて自然的なコーディネーターであり遺伝子に適合する
人が極端に少ないのだ
「あの方と私は婚姻統制で決められたのでは有りませんわ」
「え」
シャロンはラクスの顔を見て聞かなければ良かったとテーブルの上に出されていたグラスに手を
出そうとして止めた
水を持ってきたのはナチュラルの人だったけどこの水が何を意味するのか彼等は理解してない
見ればラクスも喉が渇いている筈なのに手を着けてない
聖なる墓標でもあるユニウスセブンから補充した水だ、自分はともかくラクスがその水を飲める
筈が無い
彼等は何も理解してない気付いて当然なのにその神経を疑う、何処まで罪を冒せばいいのだろう
その罪に対する罰は必ず自分達へ返ってくるのに
沈黙の続く中でラクスは別の事を考えていた
二人の置かれた状況はとても悪い事だと、あのMSは強くザフトの皆さんが放置する?
幼馴染の性格とキラ様の性格を考えればどうなるかは明白な気がした、しかし
「大丈夫です何があってもシャロンさんだけは守って見せます」
自分一人だけではないシャロンもここに入るのだ
彼女こそこの戦争とは関わりが無いのだから彼女だけは何としても守ると考えていたラクスに
シャロンが
「大丈夫ですラクス様、私が困った時は必ずお兄様が助けに来てくれますから」
もちろんその言葉がラクスの気休めになる分けも無い、民間人の青年一人では何も出来る筈無い
それでも信じているシャロンの為に笑顔で返事をした
「そうですね、きっと来てくれますわ」
当たり前だがラクスはシャロンの言葉が現実になると思ってもいなかった
予定の宙域に向かう途中でアスランは慣れないMSの操作を必死に習得していた
まずMSのOSを改変する理由は搭載されていた作業用OSでは思った通りに動ごかないからだ
しかし改変自体は思ったよりも時間が掛からなかった
初期プログラムがオーブ製作業用モービルのシステムに似てた事でその癖に気が付いたから
どうしてと疑問に思ったがその事に時間をとられる訳にも行かずMSの武器リストを見る
標準装備の武器は戦闘用の実剣が両脇に一組と掃討用の頭部に詰められた実弾が少し
熱エネルギィー系の武器、艦橋修理に必要無いからビームライフルは当然だから持って来てない
代わりにデブリを破壊す為に用意されたビーム砲が一基ある
《アスラン本来複数対1は避けるべきだけどそうなってしまう事もあるわねその時はまず乱戦に
持ち込むの、そして飛び道具や長い武器を持っている人を最初に倒し次は動きの早い人を倒すの
例え強そうな人がいても後回しにする》
《どうして?いつもは強い人から倒せと言ってるのに》
《それはね状況にもよるけどアスランが戦闘に巻き込まれたて複数対1になってしまったらまず
体力を温存する事が一番、いきなり強い人と対決してしまうと体力や気力が持たないでしょう
それともう1つ、戦っている相手と会話はしない事》
《どうして?》
《殺し合いになったら手加減はしない、アスランは優しすぎるから手加減するかも知れないの
相手を人間と思ったら本気になれない性格だから貴方はね、だから知らない方がいいのよ》
マイさん、どうも自分から馬鹿な状況を作りそうだよご免なさい
戦争する為に武道を教えたのじゃないと言われたのに、僕が助けなければシャルが危ないんだ
終わって生きてたら殴っても叩いても抱きしめてもいいから(?)だから今回だけは許して
下さいとアスランは心の中でマイに謝った
急がないとシャルがどうなるか判らないから再びシステムチェックを再開したが何だ?
Mirage Colloid?そんな事が出来るのかこのMS
やがて来る戦いを感じながらムウ・フラガ大尉はAAの艦橋でタバコを吹かしていた
敵MSが去る前に残していった言葉が心に蟠りを少し産む、ふ惨めなものだな
だが俺達が生き残る為には利用できるもの利用する、アマちゃんの艦長も少し勉強しただろう
戦場では何があってもおかしくはない事を利用できるものは何でも利用して生き残り最後に
生き残った方が勝者だ
それにしてもザフトの連中は強いな、シグー、イージス、デュエルは注意が必要だ
シグーはいつもの奴でイージスは特に注意が必要だな
ただ残念ながら性能と能力が合ってない俺が乗ってるストライクにアイツが乗っていたら
無駄な事は考えるのは止めよう
その時警報が鳴るザフト軍接近の知らせだ
どうやら人質を無視する作戦だな、そうだ俺が奴らなら同じ事をした
さて行くか
ムウはタバコの火を消していまや愛機となったストライクに乗り込み操縦席に座り
出撃準備が終わる頃、艦橋から連絡が来る
接近中の機体は2機、シグーとイージス?2機だけ?おかしい
「ブリッジ、本当に敵は2機だけか」
「そうよ2機だけ、だから怖いのよ」
さすが艦長に抜擢されるだけはある
敵は俺と2機を戦わせてる間にAAを攻撃するつもりか
「俺が出たら高速で後退してくれ、少しでも冒険はしたくない」
「そうね、集合地点は?」
「君のベッドの中でどうだい」
「セクハラですね大尉殿生き残ってその気になれたらいいわよ、L3方面でどうかしら?」
「了解、その気にさせて見せるさ」
「そう?私は安くないわよ、がんばってね」
AAは高速で後退したのでMSの戦闘状況が分からないほど離れデブリ地帯に隠れようとした
だが其処にザフトのMS3機が先回りしていた
「さすがイザーク、ドンピシャだ」
「ふん当たり前だろう、俺はキラの馬鹿と違う」
「でどうするんですイザーク、ラクス様の事」
「仕方が無いだろう汚名は俺が受けるからニコルとディアッカは知らん顔をすればいい」
「降伏勧告してみませんかイザーク」
「無駄だ、ここで降伏するくらいならとっくにしているさ」
「分かりましたイザークが指揮官です、でも僕達も共犯ですよ」
「!」
「そうだぞイザーク、俺達は一連托生ってやつだ、イザーク一人にカッコ付けさせるか」
「二人ともすまない」
「仲間だろ俺達は」
「そうですよ」
イザーク自身は外れて欲しかったのだがAAが後退することを見越して先回りしていた
「やるぞ」
イザークが作戦開始の合図をして3機のMSは散開しAAを待ち受けた
ディアッカのバスターが照準をAAの機関部に合わせ、まずAAの足を止める作戦
上手く行けば乗り込んでラクスと月の姫を助ける事が出来るかもしれないからだ
AAの病室で身を拘束され尋問されながら窓の外を見ていた捕虜の兵士がコーディネーターの
優れた視力がバスターを見つけて思わず口に出してしまう
「MS」
偶然、尋問に来ていたナタルが直ちにブリッジへ連絡、通報を受けたマリューは回避命令を出す
結果バスターは初弾を躱されて予定が狂い他の二機が飛び出した、これではラクスを助ける事が
出来無い、バスターは再度照準を合わせたがその時バスターのライフルが吹き飛ばされた
AAからの砲撃ではない、ディアッカは周囲を探索するが至近距離には反応が無い
バスターのライフルが吹き飛ばされたのを見て慌てて二人は周囲を探索するが見えない
次の瞬間にブリッツのビームサーベルが腕ごと吹き飛ばされた
「ミラージュコロイドだ」
イザークの叫びに二人とも驚く、ブリッツが持つ機能と同じいや更に進化した機能のようだ
「どこだ卑怯者、姿を現せ」
別にイザークの声に合わせた訳では無いだろうがデュエルから少し離れた所へイージスに似た
深紅のMSが現われる、根本的に違うのはイージスは青白いのに対してこのMSは深紅だった
イザークは登録されている全MSと照合する、元地球連合のMSである当然地球連合とオーブの
MSが実験機も含め登録されている、勿論現在はザフトのMSも登録されている筈なのだが
該当無しだ
「引き返せザフト」
所属不明のMSから通信、しかも電子ボイスだ
「ザフトと戦うつもりは無いけどシャルを傷つける事は許さない」
深紅のMSからの通信にイザークは逆上した
「ふざけるな先に手を出したのは貴様だろう」
デュエルが斬りかかる、しかし深紅のMSの動きはイザークの予想を遥かに超えていた
深紅のMSとデュエルがすれ違った瞬間にデュエルの両腕が吹き飛ぶ明らかにデュエルより速く
これほど強いパイロットをイザークは一人しか知らない、キラは確かに強いが対処の仕方はある
そしてこのパイロットは訓練された軍人では無い、もし軍人なら自分は既に死んでいた筈だ
現時点では勝てない気がしてイザークの背筋が冷たくなった
その時再び深紅のMSからの通信が入った
「ザフトと戦いをする気は無い、俺は母上を奪った卑劣な連合からシャルを助けたいだけだ」
卑劣な連合?
コイツはコーディネーターなのか、シャル?ラクス嬢から聞いた事がある月の姫の愛称だ
コイツも月の姫を助けたいのか
「歌姫も頼めるか」
イザークは軍人として言ってはいけない事を言った
「出来るだけの事はします」
深紅のMSからの返答を聞いた時なんとなくだが真面目で信用できる奴とイザークは思う
先ほどの会話に唖然としている二人に声を掛ける
「二人とも撤退するぞ」
「それは流石に不味いだろイザーク」
「本当に不味いですよ」
「仕方無い、3機とも武器が無いし剣で戦うにしてもバスターだけで勝てるのか」
「「!」」
バスターは遠距離戦で能力を発揮するように作られていて接近戦は機能的にも低い
不意を衝かれたとはいえ接近戦用に作られたブリッツや汎用のデュエルが勝てなかった相手に
バスターでの接近戦は無謀すぎる
無言の二人にイザークは
「アイツにデカイ顔をされるのはしゃくだがこの手でラクス嬢を犠牲にしなくて済んだ」
「それが本音ですか」
「まったくだ、お前も十分我が儘だよ」
「ふん、帰還するぞ」
「「了解」」
ザフトの3機は離れて行った
この宙域に残されたのはAAと所属不明のMS一機のみである
何度も書き直してるので文脈が多少オカシクなってるかも知れません