僕の運命アカデミア   作:乙子

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第08話~職場体験その2~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

職場体験四日目

 

「今日は昼から移動だ、出れるように荷物まとめておけ」

 

「わかりました、次はどこへ?」

 

「着けばわかる、飯行くぞ」

 

「はぁ…」

 

朝も蹴飛ばされながら起きるのにも慣れて来た今日この頃。

 

「ところでミルコ」

 

「なんだ?」

 

「どうしてパーキングビルを毎回覗くんです?犯罪率高いんですか?薬系とかですか?」

 

「ふっよく見てるじゃねェか、良いか。こういう所にはなァ…」

 

「所には…?」

 

「ファイトクラブがある」

 

「…ファイトクラブ?」

 

「そうだ、非合法での個性ありありの喧嘩クラブさ」

 

「楽しそうに言いますね、潰したことがあるんですか?」

 

「昔から私の狩り場さ、鍛錬にもなるし蹴飛ばすにも丁度いいのさ、数もいるしな。結構非合法でどこにもあるから、覚えておけ」

 

 そう言いながらミルコは楽しそうに笑っていた、絶対混ざって戦ってそうだな。

ピクピクとミルコの耳が揺れたのを見て用意をし、何も言わず、後ろすら見ずに跳びたつミルコの後ろを追いかける、本日のお仕事の始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2件ほどの敵を蹴り倒し、さらに街を周っていると初めてミルコの携帯が鳴った。

メールだったのか中身を確認した後いつものように歯を剥き出しにして笑う。

 

「大物だな、駅の反対側だ!気合入れとけ!」

 

「了解!」

 

爆発的な脚力で近くのビルの屋上まで跳んだミルコはそこから屋上伝いに一直線に目的地へ走り出した。

 

着いていくとすぐにビルより大きい熊の異形型の敵が大暴れしていた。

 

「でけぇ!」

 

「蹴り甲斐ありそうだな!運命!お前は近くの逃げ遅れを救助だ!」

 

「了解!神衣!シルフ!!」

 

ミルコの指示に従い近くのビル群からの逃げ遅れの市民を助けに飛ぶ。

 

 ミルコが早速巨大熊敵の身体を駆けあがり蹴り飛ばす、だが相手も巨体に似合った耐久力か一撃とはいかないようだ。

 

その攻撃で彼女の存在に気付いた周囲のヒーロー達が敵を彼女に任せて即座に声を上げる。

 

「ミルコだ!ミルコが来たぞー!!」

 

「本当か!?助かった!救助早めるぞ!」

 

プロヒーロー達は飛べる人がいないのでオレは屋上で助けを待つ人達に駆け寄る。

 

「おお!助けてくれ!」

 

「わかりました!3人ですね、背中と両腕につかまってください、離れた場所まで飛びます!」

 

「君は雄英体育祭の!」

 

「その翼覚えてるわ、凄かったよ」

 

「ありがとうございます、さぁ今は直ぐ離れましょう」

 

3人抱えたまま離れた道路まで滑空して降り立つ。そこには既に警察による規制線が張られていた。

 

「3人です!怪我はありません」

 

「了解しました!こちらへ」

 

 全員を降ろし即座に戦闘場所に戻るが敵の無秩序な暴走に被害は大きくなっているようだ。

ミルコが人の少ない方へ注意をひきながら戦っているが敵は怒りで正気ではないのか暴れ放題だ。

 

「ビルが崩れるぞ!逃げろおおおおおおおおおおお!!!」

 

「ダメだ要救助者が多すぎる!誰か止めろ!!」

 

 近くのビルが倒壊し、不幸にも人が多い方へ倒れていく。

ダメだ、巻き込まれる!

救助?多すぎる、ならビルを止める!そう、あの時見たホークスの様に!!

 

「『風神招来!我が翼は碧天!天を覆うは処断の翠刃!シルフィスティア!!』」

 

 神衣状態での秘奥義、数多の風の刃をビルに突き刺し勢いを止める。何とか抑えれたことで下のヒーロー達も迅速に対応してくれる。抑えるだけなら何とかなったか、足場を作る練習が本来の使い方をさらに活かす結果になるとは。

 

「ビルが止まった!?今の内だ!全員避難させろ!!」

 

「よくやった上の奴!!ってアレは雄英の学生じゃないか!?」

 

「そんなこと今はいい!早く規制線まで下げろ!」

 

 ヒーロー達が全て救助し終えたのを確認して合図してくれる。それを見てこちらもビルをゆっくり接地させ刃達を消す。

 

即座に上昇し周囲を確認する。どうやら巨大熊敵が離れたらしくあとはレスキューだけでどうにかなるとミルコの方を確認しにいく。

 

そこは公園だったのだろう、水場や緑があったであろうことがかすかに確認出来た。しかし今は踏み荒らされミルコと敵が戦っていた。

 

「ミルコ!」

 

「おう!手出しすんなよ!もうすぐ終わる!!」

 

 器用に敵の身体を駆けあがり顎に4発蹴り込み脳を揺らす。ぐらついた敵だが最後の抵抗かがむしゃらに手を振り回す。

 

「ぐっまだ足りないか!」

 

空中に放り出されたミルコを見て瞬時にソレを展開する。

 

「手を出さないけど!足場出す!!」

 

「これは!刃の足場か!!良いぞ最ッ高に生意気だァ!!だから見せてやるよ」

 

 周囲に刃を展開し留める。ミルコなら勝手に使うと信じて。巨大熊敵を中心に展開する刃を縦横無尽に跳びはねる兎に熊は追いつかない。

 

 そして敵の頭上を取ったミルコは設置された刃を大きく踏み抜き最大限の威力を込めて敵の頭部に蹴りを放つ。

 

 

 

 

「『月堕蹴(ルナ・フォール)!!!!』」

 

 

 

 

「すげぇ…」

 

 それは一体どれほどの威力だったのだろう、一撃でビルをも超える巨体が地面に叩きつけられて身動き一つ取れなくなるほどだった。

 

 やがて巨大熊敵は気絶か時間経過かはわからないが巨大化が解け本来の熊と人の半分くらいの姿に戻っていた。

 

地面に着地し敵の意識を確認したミルコが髪をかき上げながら満足そうにしている。

 

汗を纏い上気を発しながら歯を剥き出しにして笑うその姿は思わず見惚れてしまうほどで、芸術作品とも思えてしまった。

 

「よくやった、あの足場は中々使えるな」

 

「すぐにこちらの意図に合わせられるのは流石トップヒーローですね」

 

「ヒーローに一番必要なモノを私は見せた、何か解ったか?」

 

「…必殺技ですか?」

 

「キック力だ」

 

「……………は?」

 

「脚の力は腕の5倍、どんな大男も脳天一発だ!ガハハ!!」

 

 腕を組み胸を張り楽しそうにニカっと笑いながら告げるミルコ。

あまりの力説に言葉も上手く出ない。

豪快すぎるその様に思わずこちらも笑ってしまう。

 

 

 

「あれー終わっちゃいましたー?」

 

そこに上空から声がかかる。二人で見上げるとそこには翼を生やしたヒーローホークスの姿があった。

 

「む、ホークス。”遅かったな”終わったぞ」

 

「トゲあるなぁ、まぁミルコさんが対応してたなら来なくても良かったですね」

 

「ホークス!一昨日は…」

 

感謝を意を告げようとするもそれよりも早く返してくる。

 

「見てたよ、良い翼の使い方だった。俺の真似でしょ?」

 

「!?はい!」

 

「たった二日で見違えたね、良い顔だ」

 

ゴーグルごしでも彼が笑っているのが見える。

 

「私の教えの賜物だゾ!」

 

 後方師匠面のミルコが自信満々に答えるがホークスは苦笑いだ。流石にトップ同士よくお互いをわかっている。

 確かにミルコに追いつく一端で学んだこともあるがホークスを見て学んだこともあるので50-50くらいだろうか、言ったら確実に蹴られるので言わないが。

 

「え~ミルコさんが教育とかしないでしょうに…じゃあ俺はこれで」

 

 言いたい事を言い終えたのかホークスは翼をはためかせ飛んでいく、彼のスピードにもいつか追いつきたいと思う。

 

警察が到着し敵を確保、ミルコに事情を聞いている所に見知った顔が走り込んできた。

 

「はっはっ、む。運命か」

 

「常闇!そうか、ホークスの所だったな」

 

 クラスメイトの常闇踏陰が二人のヒーローと共に現れたのだ、おそらく二人はホークスの相棒だろうか。

 その二人がミルコと警察の所に行き会話している横で少し会話する時間があったので話す。

 

「ラビットヒーローミルコ、そうか。この敵にはミルコとお前が」

 

「手出し禁止だったから補助だけさ、直接はミルコ。凄かったよ」

 

「トップヒーローの補助までしているのか…くっ」

 

「そっちは…そっちも厳しそうだな」

 

「あぁ、追いつけない、背中すらまともに見えない…」

 

悔しそうに拳を握りしめる常闇。やはりトップヒーローの所はどこも厳しいよなと感じてしまう。

 

「運命、帰ったら特訓に付き合って欲しい」

 

「…飛行?」

 

「流石にわかるか…ホークスやお前を見てると切に思う。飛行の有用性が」

 

「OK、帰ったら!」

 

「助かる」

 

「マタナ!ウンメー」

 

「ふふ、黒影もまたな!」

 

 お互いに拳を合わせて約束する。黒影も出てきて拳を合わせてくる、本当カワイイ。

オレもマスコット的な存在欲しいなぁなどとしているとちょうどミルコもホークスの相棒達も話を終え戻ってきて直ぐに次へ向かう。

 

「常闇君、次は総合体育館の近くだ、走るよ!」

 

「御意」

 

「運命!私達は荷物取って次の場所だ!バテてねーな?」

 

「勿論です!」

 

走り去る常闇達を横目にオレ達も仮宿に帰る、次はどこに行くのか、ミルコ次第であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、次は東京ですか」

 

「行く場所に寝床はあるから夕飯まではウロウロしながらだ、荷物は駅のコインロッカーにでも入れとけ」

 

「了解。にしても世間はヒーロー殺しステインの保須市襲撃事件で持ち切りですね」

 

荷物をロッカーに預け街を自由に歩く。

 

「あぁ流石に九州からじゃ無理だったな、私が蹴ってやりたかったが」

 

「…脳無も出たそうです」

 

「お前そういえば雄英襲撃事件の時にいたんだったな?脳無ってのは本当に噂通り複数個性を持っていたのか?」

 

「えぇ、四肢欠損すら治す再生能力とオールマイトと撃ち合えるほどの超パワーにショック吸収だったそうです」

 

「だったそうです?」

 

「全部は見れてないので…」

 

「ほーん、強いのは確かそうだな。私の前に出てこねェかなー」

 

 暇そうに手を後頭部に組み歩くミルコ、お得意の耳での感知も今は無いようだ。この周辺は時間帯もあるが平和の様だ。どこかトップクラスのヒーローが事務所でもあるのだろうか。

 

 大通りを連れ立って歩いていると何とも大物と大物は引かれ合うのかトップヒーローとよく知ってる顔と出会った。というか知ってる顔だったがなんか面白いほどに違っていた。

 

「おージーニストじゃねーか、そっかここお前の近くか」

 

「ミルコか、珍しいな根無し草の君がいるなんて、そっちは雄英体育祭優勝者の」

 

「運命クロスです、初めましてベストジーニスト!お会いできて光栄です」

 

「うむ、実に丁寧な対応だ。体育祭も見事だったよ。さぁこちらも挨拶だ」

 

 オレはNo4ヒーローベストジーニストに挨拶をして即座に携帯を取り出しカメラモードにしてソイツを撮影する。見た瞬間から笑いを必死に堪えていてもう限界だったのだ。

 

「テメェ何撮ってんだこのクソ野郎がおいこら殺すぞ!!」

 

「だってwww爆豪wwwお前髪がwww」

 

 普段の爆発頭髪はどこに行ったのか綺麗に8:2に整えられているその姿にオレはもう我慢できなかった、撮った写真は即座にクラスLINEにアップしておいた。

 

「何勝手にLINEにあげとんだこら全殺しだ糞がぁ!!」

 

両手から爆破を出し近づいてくるがジーニストの個性か動きを止められる爆豪、流石トップヒーロー、爆豪すら簡単に止めるのか。

 

「腹痛いwww死ぬwww」

 

「好評のようだなバクゴー」

 

「目ェついとんのかぁ!!」

 

「雄英の決勝戦の爆破の奴か!良いぞ生意気盛りだな!!」

 

 ミルコも目を釣り上げて怒る爆豪にいつもの笑みを浮かべて観察している。気の合いそうな二人だと思う。

 

少しだけ雑談して別れる。トップヒーローの二人がいるせいか周囲に人だかりが出来てしまったからだ。

 

「ジーニストのナワバリならもっと遠く行っていいな、じゃ私らは行く」

 

「うむ、またなミルコ、運命も雄英の後輩としてより一層の努力を期待するよ」

 

「はい!頑張ります!爆豪もまたなww」

 

「お前は確実に全殺し確定だぁ、学校で覚えてろよ…」

 

 ミルコも次の方向を決めたのか人だかりを一気に跳び越えてビルを駆けあがる。オレもそれに続いて大きく跳躍し空中に風刃を展開し飛び立つ。爆豪がそれを見て驚いていたがアイツはどんな風にジーニストの所で成長しているのか今度見るのが楽しみだな。

 8:2爆豪の写真へのクラス連中の食いつきは凄かったようだ、瀬呂、切島、上鳴なんかは爆笑のアイコン使ってるし、他の面子も興味深そうにコメントしている。文字に殺意を乗せてる奴が一人いるが概ね皆に好評で良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてミルコの気の向くままのパトロールが終わり荷物を回収したオレ達はあるヒーローが持つ事務所の前に立つ。

 

 今日だけでホークス、ジーニストとトップ10内のヒーローに会っているが最後にまた大物が出て来た。

 

「おーい来たぞー!」

 

 勝手知ったる事務所なのか無遠慮に扉を開けて入っていくミルコ。オレも遅れずに着いていく。すると奥から出てくるまたもやトップ10内ヒーロー、しかも女性だ。

 

「あら、珍しく時間通りに来たじゃないミルコ」

 

「前の遅刻根に持つんじゃねェよリューキュウ、謝ったろ」

 

「あら、あなたは…雄英の体育祭で見た顔ね」

 

 ミルコの後ろに控えていたオレはその女性からの視線を受け挨拶をする、ミルコが紹介なんてしてくれるわけないのだ、わかってる。

 

「初めましてドラグーンヒーロー・リューキュウ。お会いできて光栄です、ミルコの職場体験で付いてまわってます雄英高校1年運命クロスです」

 

「ええ、初めまして。リューキュウよ。ミルコ!貴方ようやく後輩育成も始めたのね!事前に連絡はしてほしかったけど…」

 

「別に部屋は一緒でいいし飯も好きにさせてるぞ?」

 

「ミルコまさか今まで部屋一緒に過ごしてたの!?未成年の男子相手になんてことを…」

 

 あぁ、大人の対応が身に染みる、涙も自然と流れるがそれを見たリューキュウがそっと懐からハンカチを出し拭いてくれる、天使だ、竜だけど。

 

「貴方も苦労したのね…ミルコの破天荒さがプロの普通だと思わないでね」

 

「ぐすっ、はい、ありがとうございます。リューキュウ」

 

 真っ当な対応に感動していると事務所の奥から見慣れた雄英の制服を着た女性が降りて来た。その女生徒はミルコを見つけると駆け寄り抱き着く、ミルコも笑いながら好きなようにさせ、頭を撫でながら対応している。

 

「あれーなんでミルコがいるのーまたチームアップー?」

 

「おうネジレ!相変わらずぶっ飛んでんな」

 

「?今飛んでないよーなんでなんでー?あー!雄英の子だー!しかも男の子!もしかして体育祭の決勝で勝った子かなーねーリューキュウ?」

 

「ええそうよねじれ、丁度いいわこのまま晩御飯食べながら話をしましょうか」

 

「そーだな、おい運命、喜べ。リューキュウん所の飯は旨いぞ!」

 

「なんでミルコが自慢げなのよ…運命君も疲れたでしょう?まずは3階にミルコと別室で部屋があるから荷物を置いて服に着替えて来なさい、ご飯もここで食べれるよう手配してあるから」

 

「ご配慮くださりありがとうございます!ここは天国です!!」

 

「私と同室じゃないからって寂しくて泣くなよ?」

 

「床でマントに包まれながら寝ない日が来るなんて…感動的だなぁ」

 

「…ミルコ貴方本当雄英から苦情来るわよ?」

 

「やべ、さっさと荷物持ってこい運命!」

 

「はい…」

 

 ミルコとリューキュウの以外の仲の良さに驚きつつも荷物を各部屋に置き、ヒーロースーツ以外の服として唯一持ってきていた雄英高校の制服に着替え下に降りる。

 

 沖縄出身のリューキュウの事務所は沖縄色を強く出したモノで柱に竜やシーサーが置いてありカッコいい事務所だ。

 

真ん中に置いてある円形の大きなテーブルに沢山の御馳走が並べられている。

 

 既に座っているリューキュウの両サイドに相棒とねじれと呼ばれた雄英の女生徒、上級生だろう人。ミルコも私服に着替えてリューキュウの相棒さんの隣に座って会話している。

 

 唯一空いているミルコの横に座るとリューキュウが手を一度叩き笑顔で会食の始まりを宣言しその豪華な料理に各々舌鼓をうっていた。ミルコ用に人参も用意されているのが実に気配りがされている。

 

 軽い近況報告などをしながらの食事を終え、本格的に今回の集まりの意図が説明されるのかと思ったのだが…

 

「ねぇねぇ運命君はなんでいっぱい個性使えるの?あと変身の時にポニーテール伸びるのは何で?趣味?本当は髪伸ばしたいの?ねぇねぇ?」

 

「え、あぁ個性は地水火風で…髪は自然とああなるというか…」

 

「ふーんそうなんだーそれとねそれとね?体育祭のあの雷の剣ってなんなの?自分で雲とかも呼んでたの?あとねあとね」

 

「うぅ…」

 

 雄英ヒーロー科3年生、BIG3と呼ばれる最強の一角である彼女、波動ねじれ先輩からの質問がマシンガンの様に飛んでくるのだ。彼女はリューキュウ事務所にインターンで来ておりもはやプロヒーロー顔負けの働きをしているそうだ。

天然というのだろうか、幼稚園児のように気になることにはガンガン質問してきて回答もそぞろに次々に質問してくる、圧が強いのだ…。ミルコといい波動先輩といい押されまくって胃痛が痛くなってくる、ん?なんだがオレの頭も悪くなってきた気がする。

 

「そんでよー、こいつ変身も丸一日持たねェしすっとろかったんだがよ?私がちょっと教育してやったらマシになってな、ガハハ」

 

「うぅ…胃が…」

 

「ほらほら、ねじれ、ミルコ、もうやめてあげなさい」

 

「リューキュウ…」

 

 助け船を出してくれたリューキュウは本当に天使のようだった、これで個性ドラゴンとかかっこよすぎる、好き。その優しさに思わず涙が溢れてくる。

 

「これを渡しておくわ、胃痛に耐えられない時に飲みなさい」

 

「これは…胃薬!」

 

「私も色々試してこれがお勧めよ、発売元も教えてあげるわ」

 

 懐から出された瓶には胃痛に効くと書かれていて少し減っている所から常用されていることが計り知れる、プロヒーローも胃痛とかあるんだなぁと知ってしまう。

 

「ありがとう、ございますぅ!今度貴方の元で働かせてくだざい!」

 

「ごめんね、ウチは女性で固めてるの…」

 

 くぅー、女性ヒーローとしてのトップ2は考え方もしっかりしてるなぁ…隣の女性トップはその辺り考えて無さそうだなぁと横を見るとこちらを見ていつもの攻撃的な笑みを浮かべていた。

 

「なんだァ?ドラゴンより兎の方が良いだろうが?えェおい?」

 

「いーえ!兎よりドラゴンですし、なんなら蛙の方がもっと好きです!…あっ」

 

「かァー生意気だ!」

 

「あらあら、蛙に負けるのは初めての経験ね、好きなの?」

 

「ねぇねぇ何で蛙なのー?あれー顔赤いよーなんでなんでー」

 

 自分の発言に思わず赤面し顔を両手で覆う、オレは一体ナニを言ってるんだ…つい思い浮かんだ言葉を言ってしまった。そういえば電話するって言って今まで出来てなかったな、元気にしてるかな、梅雨ちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしもし?今大丈夫?もう終わった?こっちも今日は終わりかな。うん、うん。船の清掃とトレーニングばっかりなんだ、海難系はやっぱり船が大事なんだね。こっちも跳び回るミルコに着いていくのに必死でさ…そうそう、速いんだよ。でね…」

 

職場体験四日目を終わりに電話をしてリフレッシュをしたオレは、残り二日を頑張ろうと心に決めるのであった。

 

 

 

 

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