僕の運命アカデミア   作:乙子

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第11話~期末試験その2~

 

 放課後のリカバリーガールによる特訓を受けて二週間が過ぎ、期末テストの一週間前に入った。

テスト一週間前からは普通科などのクラブ活動などの使用は制限された。

運命も一旦勉強に専念しろと回復訓練を中断することになり、普通の生活に戻っていた。

 

 ただハイレベルの授業に様々な課題を突き付けてくるヒーロー系授業、そこに精神を追い詰めてくる回復特訓が追加され流石に精神が逼迫されてきていた。

回復訓練により出来ることが増え、出来ないこともはっきりわかってきてより高度に、消費も減ってきていた。

 

 

 

 梅雨に入り雨が降り注ぐなか傘を差しながらトボトボと帰途につく運命。

諸々の特訓が中断され張りつめていた緊張の糸が切れた彼はボーッと足を進めていた。

 

「お疲れのようね、運命ちゃん」

 

呼ばれた声に振り返るとそこには蛙吹梅雨がいた。

 

「あぁ、梅雨ちゃん…」

 

「あら、本当に元気ないわね。最近まともにご飯も食べてないんじゃないの?」

 

「ちゃんと食べてるよ、相澤先生お勧めの10秒チャージ。箱で買ったもん…」

 

今発売されている全ての商品を食べ比べした結果のお勧めを教えてもらった運命であった。

 

「それちゃんとしてないわよ」

 

「固形物まだ厳しいんだわ…うっ」

 

連想するように思い出してしまい胃がキュッとなり慌ててリューキュウ印の胃薬を飲み干す。

 

「職場体験以降お腹抑えることと薬飲むこと増えたわね…大丈夫?」

 

背中を擦りながら労わる蛙吹は周囲を見渡し、運命の手を取り引っ張って歩き出す。

 

「ちょっと寄り道しましょ」

 

「え、うん」

 

 そこは雄英から駅までの間にある大きな自然公園、普段なら人気の多いそこも雨の降る今は人もいなかった。

 

蛙吹はそこに入っていき大きな池がある場所まで来ると手を離して振り返る。

 

「私ね、蛙だから雨も好きなの。運命ちゃんはどう?」

 

「オレも好きだよ、雨の降る音とか、傘をさした時の喋り声なんかも普段とちょっと違うし」

 

「あら、それじゃ一番良い所わかってないわ」

 

「一番良い所?」

 

 池の囲いまで歩いた蛙吹は荷物を近くのベンチに置き、その上に傘をさして残すと囲いを飛び越えて池のほとりにたたずむ。

服や髪が濡れることを厭わず、むしろ歓喜に近い表情で雨を浴び、笑った。

 

 

 

「雨を浴びると気持ちいいのよ?」

 

 

 

「…っ!」

 

ドクンと痛いほどに心臓の音が鳴り、思わず顔が熱くなってしまう。

 

「あら、顔が赤くないかしら?もしかして風邪だった?」

 

心配そうに近づく彼女に慌てた運命は鞄と傘をその場に置き、囲いに足をかけ、跳んだ。

 

池に跳んだ運命は予想と違い池の水の上に立った、雨の波紋とは違う大きな波紋が広がる。

 

当然のように水の上に立ち、両手を広げて雨を浴びる。顔の熱さに冷たい雨が丁度いい。

 

高鳴り続ける鼓動を無視して振り返り近づき手を出す、蛙吹はその手を取ろうとしたが一瞬躊躇する。

 

「私は水面には立てないわ」

 

「任せてよ!」

 

伸ばされて止まった手を取り水面に引っ張る。

 

落ちると思った蛙吹は水面に立つ己に驚く。

 

「凄いわ、これも運命ちゃんの個性、いえ、精霊の力?」

 

「そうだよ、水の大精霊ウンディーネの力を借りてるんだ。手を離すと落ちちゃうから気を付けてね」

 

本当に落ちないのかと少し不安そうな顔と水面に初めて立つ興奮を混ぜ合わせながら歩を進める二人。

 

歩く度に増える波紋が楽しくて、真上から見る水中を楽しみながらゆっくりと。

 

「本当だね」

 

「?」

 

「雨に濡れるのも気持ちいいね!」

 

笑う運命に笑い返す。

 

「ふふ、やっと笑った。最近いつも難しい顔していたわ」

 

「あー、ちょっと回復術の訓練が厳しくて余裕なかったかも、肉もまだ食べられないくらいね」

 

「いつもの授業にプラスでリカバリーガールから訓練受けているんですもね。頑張っているのね」

 

「治せると嬉しいんだけどさ、治せないってことが分かった時の患者さんとか見ると辛くてさ…」

 

「何でもは精霊の力があっても出来ないのね」

 

「…うん、でもありがと。梅雨ちゃん。なんか元気出て来た!」

 

「良かったわ、それに私も初めて水の上に立てたもの、素敵な体験だったわ」

 

荷物を置いたほとりに戻り、ゆっくり名残惜しそうに手を離す。

 

「あ、ちょっと待って。それじゃ電車で困るでしょ。目は瞑ってて」

 

「?ケロ」

 

「お願い、風よ、火よ」

 

パチンと指を鳴らすと二人に熱風が吹き抜ける。

 

濡れていた服から水気が吹き飛ぶ。確認するように服を触る蛙吹に置いていた自分と彼女の傘を渡す運命。

 

「精霊の無駄遣いじゃない?」

 

「大精霊だからね、その御心もどでかいよきっと」

 

「天罰落ちないと良いけど…」

 

「ははは、あ、そういえばテスト範囲の古典さ…」

 

傘とカバンを持ち二人は駅へ向かう、その足取りは先ほどよりずっと軽かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

実はその自然公園には一人の男がいた。

 

その男は運命達と同じヒーロー科の制服を纏い池の近くで一連の行為を見ていた。

 

スクープ的な二人の行動に一瞬携帯で録画しようと思ったが彼の中の一滴の良心がそれを許さなかった。

 

大きな木にその小さな体を隠しながら傘をさす男、峰田実は血涙を流しながら、口から血も流しながら。

 

「峰田実はクールに去るぜ…」

 

前の二人に追いつかないように、ゆっくりと雨を楽しみながら帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして各々が努力して筆記試験の三日間が過ぎた。

 

次の日、実技試験会場中央広場に1-A全員とプロヒーローであり職員である先生8人が揃っていた。

 

相澤が口火を切り説明を始めるが、切島と芦戸は事前に入手した情報からロボを用いた戦闘に余裕を見せる。

 

そこに相澤の捕縛布から校長の根津が飛び出し待ったをかける。

 

「残念!諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ!」

 

ひょこ、とう擬音が出そうな登場に切島と芦戸は声が出ず固まる。

 

他の生徒もここに校長が出てくることは予想外だったようだ。

 

ずるずると捕縛布から降り地面に立ち説明を続ける根津校長。

 

「これからは対人戦闘・活動を見据えたより実戦に近い教えを重視するのさ!というわけで…諸君らにはこれから二人一組(チームアップ)でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう!」

 

バン!と両手を広げ教師陣を見せつけるその姿に生徒達も息を呑む。

 

そこで相澤が前に出て続ける。

 

「なお、ペアの組みと対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度…諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから発表していくぞ。まず轟と八百万がチームで、俺とだ」

 

轟と八百万がお互いを見合う。

 

「そして緑谷と爆豪がチーム、で相手は」

 

 この組み合わせに当人達はもちろん周囲もざわめく。幼馴染でずっと学校も同じだった二人、だがたった二ヶ月見ただけで二人が普通の幼馴染の良い関係には見えないことはわかる。その二人がチームなことに明確な作為を感じたのであった。

 

そこに空気を切り裂くように頭上から飛び降りてくる平和の象徴。

 

「私が、する!」

 

「「オールマイトが!?」」

 

「協力して勝ちに来いよお二人さん!!」

 

いつもの笑顔に迫力を乗せてオールマイトが立ちふさがった。

 

そしてさらに続々と組み合わせと対戦相手が発表される。

 

 

 

1戦目

 

セメントス VS 砂藤力道&切島鋭児郎

 

 

2戦目

 

エクトプラズム VS 蛙吹梅雨&常闇踏陰

 

 

3戦目

 

パワーローダー VS 飯田天哉&尾白猿夫

 

 

4戦目

 

イレイザーヘッド VS 轟焦凍&八百万百

 

 

5戦目

 

13号 VS 麗日お茶子&青山優雅

 

 

6戦目

 

根津 VS 切島鋭児郎&芦戸三奈

 

 

7戦目

 

プレゼントマイク VS 口田甲司&耳郎響香

 

 

8戦目

 

スナイプ VS 葉隠透&障子目蔵

 

 

9戦目

 

ミッドナイト VS瀬呂範太&峰田実

 

 

10戦目

 

オールマイト VS緑谷出久&爆豪勝己

 

 

 

 そこまで発表し相澤は一度口を閉ざす。

 

一人呼ばれていないままに他の生徒と組み合わせが発表されたことに慌てて問いただす。

 

「先生!オレまだ呼ばれてません、あれ、おかしいな。どこかのチームが3人ってことですか?」

 

挙手して発言する運命に相澤は数日前の会議を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

轟、八百万の優等生組の弱点を付ける自分が担当を。

 

緑谷、爆豪の仲の悪さにはオールマイトを。

 

そして残りの16人の相性と担当を決めて最後の一人の名を読み上げる。

 

「そして運命ですが…」

 

言い淀んだ相澤にすかさずミッドナイトが声を挟む。

 

「彼にハンデを持って追い詰めることが出来る先生なんて…この中でも少ないわ、どこに入れるの?」

 

個性の相性や実力を思い出す先生陣。

 

「能力的にはオールマイトさんが一番なんだが今回はあの二人の仲の悪さをついてもらうので除外、オレもあの二人で手一杯、そうすると他に混ぜてもアイツは今のままで上手くやれてしまうでしょう」

 

「評価しているね相澤君、だが彼は追い詰めると良い味出すと評判さ!」

 

ばさっと職場体験記録と書かれた紙を取り出し回す根津。そこには運命クロスの名で書かれた記録の数々。

 

手に取りそれを読むと気付く。

 

「まさか…」

 

「外部からの招集になってしまうが彼女にも良い体験ということでお願いしたよ、快諾だったのさ」

 

「えぇ、受験からトップを続けるモノにもっと高い壁を用意します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相澤がニヒルに笑いながら手を挙げる、それは誰かへの合図のようで。

 

「喜べ運命、お前は独りだ」

 

「え!?チームアップで戦うって…」

 

「受験、体育祭とトップを取り続けたお前に雄英からのサービスさ」

 

「一体何を言って…ッ!?」

 

突如上から人が降り立つ。

 

 

着地の態勢からピョンと跳ね勇ましく右手を上に掲げながら叫ぶ。

 

「誰が呼んだか謎の絶世の美女マスクマン!!タイガァーーッ!バニィーーーーッ!!!見参ッ!!!!」

 

 

 

 

 

オールマイト同様に現れたその人物を見てクラス中が沸き上がる。

 

「「「「「ミルコだ!!」」」」」」

 

「キャー女性ナンバー1ヒーローじゃん!」

 

「トップ10入りのヒーロー呼ぶとか雄英すっげぇえええええ!」

 

「そうかミルコ!運命君の職場体験先で彼を訓練で新たな段階に導いたって聞いたからそこから呼ばれたのか、凄い筋肉だ、ボディバランスを含めて芸術さすら感じる。実物を見れるなんてお金払っても良いレベルだ。特筆すべきはあの脚なんだろうけど…」

 

「レオタード兎エッッッッ!!オイラも蹴ってほしいいいい!!」

 

「あ、あの、私は数十年間ナンバー1なんだが…あ、緑谷少年まで…なにこの感覚…」

 

 

 

 

 クラスメイトが沸く中で運命はただ一人膝をつきお腹を抑えていた。

 

「終わった、オレの林間合宿は終わった。チームアップさせてくれ…仲間との連携させてくれ…後胃薬持ってきてないのも終わった。まさかミルコが出てくるとは、今後は常備しよ、ヒーロースーツに専用のポケット作って…あー胃が熱い、酸っぱさもこみあげて来た…回復効くかな、ハハハ…」

 

「ウチこんな運命君初めて見た…うわちょっと泣いてる」

 

「運命ちゃん、ミルコのこと語る時いつもお腹に手を当ててたけど本人に会うとここまでなのね…大丈夫?」

 

麗日と蛙吹がミルコをそこそこに崩れ落ちた運命に近寄る。そこで生徒達にポーズを決めていたミルコが運命に近づき声をかけようとしてそれに気づく。

 

「ん、お前は…蛙か?」

 

「え、あ、はい個性蛙です」

 

「ふーーーーーーーーーーーーーん?」

 

蛙吹梅雨を見たミルコの脳裏にリューキュウ事務所での言葉が過る。

 

【「いーえ!兎よりドラゴンですし、なんなら蛙の方がもっと好きです!…あっ」】

 

 そしてその少女をクルクルと見回し、最後に跪いて見上げる運命と目を合わす。運命は満面の笑みのミルコに冷や汗が止まらない。

 

「えーっとなんだっけ?兎よりドラゴンですし、なんならかえ「さぁやりましょう絶世の美女!タイガーバニー!!全力でやってやりますよおお!!!」調子戻ったようで安心したよ」

 

慌てて立ち上がり大声で遮りながらミルコを教師陣まで押し戻す運命。

 

麗日と蛙吹はいきなり元気になった運命に首を傾げる。

 

 

 

 戻ってきたミルコに相澤は目線で周囲を黙らせ続ける。

 

「というわけで特別講師に来てもらった、お前は一人で受ける以上プラス15分の時間とお前の大好きな自然溢れるフィールドを用意してやる。多少の破壊は目をつぶろう」

 

続きを根津校長が告げる。

 

「制限時間は30分。君たちの目的は『このハンドカフスを先生に掛ける』それとも『どちらか一人がステージから脱出』することさ!」

 

「それぞれステージを用意してある、11組一斉スタートだ。試験概要については各々の対戦相手から説明される。移動は学内バスだ、時間がもったいない、速やかに乗れ」

 

相澤の言葉に名前が書かれたバスに生徒と担当が分かれて乗っていく。

 

運命もミルコに続きバスに乗り込み最後列の長椅子に寝転ぶミルコの少し前に座る。

 

付けていたタイガーマスクは登場時の小道具だったのかもう脱がれて捨て置かれている。

 

ミルコはニヤニヤしながら話しかける。

 

「蛙いたなァ?」

 

「その話本当勘弁してください!試験概要説明お願いします担当講師のタイガーバニーさん!!」

 

「ふんッ一丁前に青春してんねーがきんちょが。まぁいいこれ読んどけ、着いたら起こせ」

 

紙を一枚投げ渡し目を閉じるミルコ。変わらずの破天荒さに運命は大きく息をつく。

 

紙を広い見ると

 

担当を敵と考えさせ会敵したと仮定、戦いで勝てるなら良し、実力差が大きすぎる場合逃げて応援を呼んだ方が賢明か判断させる。

 

戦って勝つか逃げて勝つか生徒の判断力を試す。

 

担当はハンデとして体重の約半分の重量を装着する。

 

渡された超圧縮おもりを装着すべし。

 

担当は本気で生徒を叩き潰す様を見せつつ、そして生徒に勝ち筋も残すべし。

 

 

「これ生徒に読ましたらダメな紙でしょミルコ…」

 

呆れながら見ると確かにミルコの両手両足に重りの様なものが装着されていた。

 

あれ、これスピード下がっても重量分蹴りが重くなるんじゃ…と青ざめる運命。

 

同時に置かれていたハンドカフスを左後ろのポケットに入れておく。ミルコに付けれる気がしないが持っておく。

 

逃げの一択かと考えるも初期位置は決められているだろうからそんなに簡単じゃないしと思考に落ちていく。

 

 

 

 

 

 そして大自然が広がる実技試験場の森に到着する。

 

山が、川が広がる試験場は広大である。そしてこの森には多数の上空の監視ロボが飛んでいた。

 

指示されたフィールドの真ん中に立ち入ってきたゲート、すなわち脱出ゲートの位置を向きスピーカーからの放送を聞く。

 

『皆位置についたね。それじゃあ今から雄英高1年期末テストを始めるよ!レディイイーーゴォ!!!』

 

「やるしかない!神衣!シルフ!!」

 

飛び上がり速度を上げて突撃していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『タイムアップ!!30分経過でミルコ運命組を除く全ての期末試験終了だよ!!ミルコ運命組は残り15分だ!』

 

 

 

 時間終了の放送に受かった者、落ちた者達様々な顔で引き上げてくる。

 

リカバリーガールのいる出張保健所では各々がボロボロになりながらも取り付けられた多数のモニターを身体を休めながら見ていた。

 

そこに時間ギリギリで合格した峰田が瀬呂を寝かす為に戻って来ていた。

 

「いやー危なかったーでも合格だったぜーっておい皆どうしたんだよ、落ちたのか?」

 

近くにいた飯田に声をかける。帰ってきたのは驚愕の表情のままで声だけだった。他の保健所にいる面子もモニターに釘付けだった。

 

「いや、運命君が…」

 

「あ、運命まだ15分残ってるんだっけ。アイツなら飛べるんだし逃げるくらい…なら……ってなんだよこれ…」

 

残っていたモニターが全て切り替わっていく、残りの戦闘を見る為にミルコ運命組の森フィールドだった場所へ。

 

「地獄じゃねぇか!!」

 

大地は割れ、木々は燃え盛り、川は氾濫し、荒れ狂う風が吹き抜けるそれを見て絶叫した。

 

「こんなのミルコ死んだんじゃねぇか!?やりすぎだろ運命は!?」

 

「ミルコは死んでないよ」

 

保健所にあるベッドに寝かされながら緑谷が峰田に返す。

 

「むしろ運命君が…」

 

「えっ…」

 

モニターを探すもその姿はマントは千切れ、顔は血だらけ、隕石が落ちたかの様なクレーターの中心で辛うじて息をしているのが確認出来るほどの重症を負った運命だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は遡り試験開始直後

 

風の神衣を展開した運命は脱出ゲートを視認して周囲を見渡すが誰もいなかった。ゲート周辺は木々が少なくぽっかりと見やすい広場があったがすぐ周囲には木々がひしめいており地面は見にくい。

 

どこかにミルコが潜んでいるいるのかと訝しんだがゲートを通り過ぎてしまえばと警戒を忘れないままに潜ろうと高度を下げた瞬間だった。

 

後方の木が大きく曲がり白き兎を射出した。

 

もの凄い速さで運命に激突しゲートと逆方向に蹴り飛ばす。

 

「ッ!?ミルコおおおおおおおおおおお!!!」

 

「悪ィ、重り慣らしてたら楽しくなってきてな。良い訓練になりそうだなァ!おい!!」

 

吹き飛ばされながらも風を制御し態勢を立て直す。ミルコが地上の木々の上を跳び回り追いすがる。

 

「近づかせない!『嵐界、霊陣!ラストフレンジー!!』」

 

距離を取りながら剣の翼をさらに召喚し剣から光線を放ち左から右へ薙ぎ払う。

 

ミルコのいた位置の木々が切り倒されていくがミルコは冷静に速度を上げ別の木々へ避けていく。

 

「『幻影、双霊、蹂躙、踊れ!ビジュゲイト!』」

 

ミルコの斜め後方に出現した二つの風の真空波がミルコを起点に交差し広範囲を切り刻む。後方からの風にもミルコは笑みを失わず耳で感知し跳び避ける。

 

「おぉ、まだまだ新技あるのか?当たんねぇけどよォ!」

 

「『薙ぎて斬刀!裂きて旋風!!衝きて刹陣!!!』」

 

 跳び上がり蹴りを放つミルコに足先のブレードで鋭くなぎ払うように回し蹴りをし、真空刃を生み放つ。空中で巧みに態勢制御を行い躱しながらさらに上段からの蹴りを見舞う、運命はその上段に見た瞬間に背中の剣を広げ、体を回転させて切り刻みつつ旋風を巻き起こし上昇する。ミルコは剣の旋風に足を合わせ一枚の剣を足場にさらに上空へ跳躍する。その超人的な動きに目を見開きながらも襲い来る跳び膝蹴りに空中で風の霊力を爆発的に開放し、球状のかまいたちの渦に巻き込んだミルコを無残に切り刻もうとする。かまいたちで幾分が威力が減少した跳び膝蹴りを腹に受けて一瞬呼吸が止まるが、ミルコも上空に放り出され着地までの足場が存在しない時間が出来た。超人的な動きをするミルコも足場が無ければ落ちるのみ、その一瞬が運命の欲しかったものであった。

 

「ここだ!『風神招来!我が翼は碧天!天を覆うは処断の翠刃!シルフィスティア!!』」

 

上空に百を超える風の刃を生み出し射出する、それは足場のないミルコを確実に空中で仕留める…はずだった。

 

ミルコが空気を蹴り移動しなければ

 

「お前の風の移動方法見てな、あれ私も出来れば便利だなァって思ったわけよ。そんでやってみたら出来たぞ!」

 

移動したミルコは降り注ぐ風の刃を足蹴にしながら駆け上ってくる。その姿に狼狽してしまう

 

「嘘だろ!?いつ!?」

 

「今だ馬鹿野郎!!地に足付けて生きろや!『月墜蹴(ルナフォール)!!』」

 

「ぐぁあああああああああああああああああ!!」

 

防御姿勢を取ろうとするさらに上から回転しながら蹴りを叩き込み大地に蹴り落とす、木々を巻き込みながら運命は叩き落される。

 

着地の衝撃を脚で緩和しつつミルコは粉塵巻き上がる所を見やる。

 

粉塵を蹴りで吹き飛ばすとそこにはボロボロになりながらも無傷の運命がいた。

 

「お、無傷か?やるじゃねェか!」

 

「…無茶苦茶な…神衣!ノーム!!」

 

冷や汗を流しながら運命は神衣を切り替え大地のアームを構える。

 

「次は硬いやつか、いいぞ。ここなら思う存分出来ていいな!」

 

まだ戦意の衰えないその姿に笑いながらトントンっとリズムを刻み、いつもとは少し遅い速度で、しかし力強い踏み込みで襲い掛かる。

 

「『流動の大地!霊命の脈動!!土流の碑文!!!』

 

アームを撃ち下ろし地面を激しく揺らす、円系の範囲にダメージを与えつつひるませようとする。ミルコは地面からの衝撃を脚で緩和しさらに踏み込もうと脚を曲げる、そこにさらにアームが地面を殴りミルコの踏み込む足元から石柱を隆起させ過剰に跳ばせる。

 

「ム!」

 

跳び過ぎたミルコが着地と同時に掛けてくるが今度はアームが地面をつかみ、土壁を引っ張り出して運命の前方広範囲に土壁を叩きつけ巻き込む。土壁があった場所には土砂が舞い上がっているがミルコの姿はない。

 

「上か!」

 

急激に大きくなる影に見上げる事もせず二つのアームを交差させ頭上に掲げる。瞬間衝撃が加わりアームに罅が入ったが砕かれはしなかった。その光景に以前アームを割られたことが思い出され焦燥を掻き立てる。

 

「やっぱかてーなそれ!」

 

「させない!!『地神招来!我が腕は雌黄(しおう)(かがやく)は瓦解の黄昏!アーステッパー!!』」

 

アームに乗って上空へ飛び上がり、ミルコめがけてアームを振り下ろし大地ごと叩き割る。地面一帯が割れるがミルコは苦もせずに範囲から逃れている。

 

「威力は高ェーな、でも当たんなきゃ無意味だ!」

 

大技を連発し息を乱す運命に走りより振り回されるアームをかいくぐり頭部を太ももで挟むように着地する。

 

「何を!?」

 

「敵以外にぶっ放すのは初めてだ、光栄に思え『月頭鋏(ルナティヘラ)』!!」

 

アームと両手を動かし剥がそうとするも身体全身の重心移動で体を捻りながら地面に叩きつけられる運命。

 

頭部の激しい痛みに苦悶する運命、ミルコは髪をかきあげながら観察する。

 

頭から血を流しながら運命は己に手を当てる。

 

「『キュア』!」

 

すると血の流れが止まり、傷口が塞がっていく。

 

「なるほど、回復能力持ちだったか」

 

ダメージが無かったのではなく回復があったことに納得し楽しそうに運命の次を見守るミルコ。

 

「ほら、次は?敵は待っちゃくんねーぞ?ヒーローしろ?」

 

「くっ!神衣!イフリート!!」

 

普段は使わない炎の大剣を振り回し強引にミルコを引きはがし距離を取る運命。

 

「お、初めて見る、火か!?良いぞ来い!!」

 

「舐めるなァ!『燃ゆる孤月!吼ゆる熱刃!!映ゆる煉獄!!!』」

 

炎を纏った大剣で左から右へ、返すように右から左へ薙ぎ払い更に炎の衝撃波を飛ばし、下がったミルコに大上段からの切り下ろしで炎の嵐を叩きこむ。

 

周囲の木々が燃え盛り大剣が振るわれる度に切り倒され燃え広がっていく。

 

「お前良い感じにキレてんなァ!」

 

戦場を移動しながらもミルコは大剣の振り終わりにカウンターを決めどんどんダメージを蓄積させていく。

 

炎も大剣も恐れず突き進んでくるミルコに炎の壁を叩きつける。

 

「『炎壁、推現!カラミティフレア!!』」

 

「しゃらくせェ!!」

 

炎の壁に嬉々とドロップキックで蹴り入り、驚愕する暇も与えず腹を蹴り上げる。

 

ゲロを撒き散らすその姿を見ながらすんすんと服や髪を気にするミルコ。

 

「少し焦げたか、私相手に大剣は不向きだな、振り回すだけで当たんねぇし」

 

のたうち回りながらもミルコを見やり、距離を取りさらに神衣を変える。

 

「はぁっ、かっ神衣、ウンディーネ!」

 

水の神衣を発動し長弓を引きながら飛び上がり距離を取る。

 

「最後は水ね」

 

水の矢を放ちながら戦場を横断する、目指す先には川があった。

 

「『蒼の四連!蒼海の八連!!蒼穹の十二連!!!』」

 

川からの水が運命の矢となりどんどん補充され次々に射出されていく。

 

「追尾すんのか!面白しれェ!」

 

数多の水の矢がミルコに殺到し避けても追尾していく。走り出し追いついてきた矢を蹴りで破壊しながら運命に跳びかかる。

 

「でもな、遠距離攻撃する奴ぁ、近距離弱ェと決まってんだ!『踵半月輪(ルナアーク)』!!」

 

高速で移動しながら前方へ跳躍し、かかと落としで全てをぶち破り運命を吹き飛ばし、川へ沈める。

 

「流石にやりすぎたか?途中から生意気度も減って来てたしなぁ…」

 

着弾地点に歩み寄り運命の姿を探すミルコだったがその必要は無かった。

 

「おぉ!まだ大丈夫そうかって…感じでもなさそうだな?」

 

神衣化が解かれ、能面のような無表情の運命が空へ飛びあがり、上空に4色の魔法陣が形成される。そしてさらに魔法陣が連結され激しく明滅する。

 

 

 

 

「………『巡り踊れ地水火風! 深奥に集いて我が鉄槌となれ! エレメンタルメテオ!!』」

 

 

 

 

「おぉ、やばそう!」

 

振り下ろされた両手を始まりに4色の魔法陣からはその色に属した隕石が降り注ぐ。

 

炎の隕石が、水の隕石が、風の隕石が、土の隕石が属性を宿したまま無差別に大地に降り注ぎ大破壊を行う。

 

無差別で広範囲に降り注ぐそれにミルコは迷わず後方に転進し最速で逃走する。途中で邪魔だった両手両足の重りを脱ぎ捨てる。

 

()ァーーッ()!!」

 

降り注いだ隕石がクレーターを作り、森であったフィールドは大災害の様相を呈する。

 

フィールド全体を破壊しつくして魔法陣は消え運命もボロボロになりながら地面に落ちる。

 

マントは破れ、頭からは血を流し息も絶え絶えでクレーターで倒れ伏す。

 

ここで30分の放送が鳴り、大音量で放送が流される。

 

 

 

 

『タイムアップ!!30分経過でミルコ運命組を除く全ての期末試験終了だよ!!ミルコ運命組は残り15分だ!』

 

 

 

 

 

 音が意識を戻したのかボロボロの運命が息を乱しながら立ち上がる。血を吐き咳き込みながら周囲を見渡し唖然とする。

 

「なんだこれは…?一体何が…」

 

そこにミルコが着地してくる。

 

「お前無茶苦茶するなぁ、絶対街中ではすんじゃねぇぞ?」

 

「これを…オレが?」

 

「無意識だったってのか?…まぁいい、でどうする?まだやるか?」

 

「頼みの綱の神衣も全部破られた、近距離も遠距離も全部負けた…」

 

下を向きながらフラフラと力なさげに歩む。

 

「……ふん、まぁ学生レベルにしては頑張ったt」「でもさ、ボロボロのフラフラなんだけど、…気分が良いんだ」

 

「あ?」

 

「…この溢れてくるもんが敗北感じゃないのなら…ぶつけさせてくれ。さぁ第二ラウンドだミルコ」

 

血だらけになりながら、足もフラフラになりながら、回復すらも使う選択肢が思いつかない中で

 

 

 

 

運命は笑った

 

 

 

 

 

「…足りなくて負けたんだ、”足せばいい”」

 

両手を広げて、胸の前で合わす。

 

「神衣『イフリート、ウンディーネ』」

 

バチィという音とともに両手が弾かれる。

 

顔を顰めるが再度手を合わす。

 

「神衣『ノーム、イフリート』」

 

白き衣装に赤と黄を纏う。

 

右手を前方に出し一周させる、炎が円を為しそこに大地のアームが生まれる。

 

”業炎を纏いしアームがミルコに射出される”

 

「くっ!」

 

”大剣を持ちしアームが大地を薙ぎ払う”

 

「なんだそれはァ!さっきとは似てるのに全然違うじゃねぇか!!」

 

流石のミルコも様子の違う攻撃に避けを選択する。

 

「神衣『ウンディーネ、シルフ』」

 

白き衣装に青と緑を纏う。

 

飛び上がりミルコへ向け手を振り下ろす。

 

”上空の数多の風の刃が濁流を伴い放出される”

 

「それは蹴りあがれないな!」

 

”数多の水の矢が嵐を纏いミルコに殺到する”

 

「なんだなんだなんだ!成長期かよ運命お前ェ!!!」

 

ミルコも最高速で大地を駆け、嵐を纏う水の矢の群を通り抜け空を跳び襲い掛かる。

 

体重を乗せた跳び膝蹴りを運命は己の両手で受け止める、今まで防げたことはなかったそれを、確かに受け止める。

 

「最ッ高に生意気だぞ!運命!!!」

 

受け止めたミルコの膝を振り払い、上空から高速で殴りかかる。

 

顔面に左拳を振るうが防御されミルコが力に抗わず右に衝撃を受け流しながら跳ぶ。

 

「脚で力を流した…?」

 

「よくわかったじゃねーか、赤点やるよ!」

 

繰り出される蹴りに蹴りを合わせるも力負けしたのか運命が弾かれる。

 

「ふふ、ミルコは赤点いっぱい取ってそうだよね」

 

今度は運命がミルコに蹴りを放つ。迎え撃つ為に蹴りが合わされる。

 

「私は実技が120点だったんだよ!!くっそれは!風の噴射を乗せたな!?」

 

蹴りの瞬間に風が噴射され今度は互角に持ちこまれる。

 

 

 そこから数分間、ミルコの技術に運命の工夫が加わり激しい撃ち合いになりさらに大地は削れていった。

 

「今日は大盤振る舞いだ!見せてやる!これが私の全力のォおおおお!『踵月輪(ルナリング)』!!!」

 

「撃ち抜く!『獅子戦吼!!』」

 

高速で回転しながらの白兎の蹴りと青き力を纏いし獅子がぶつかり合い激しい爆発が起こる。

 

その中でミルコは立っており、運命は地面に叩き伏せられていた。

 

「良い一撃だった!だが最後はキック力だと伝えたはずだ!!ガハハ!!」

 

髪をかき上げながら満足そうにミルコは言う。

 

神衣も解かれ大の字に倒れた運命はその言葉にピクリと動き意識を戻しながら大きく息を吐いた。

 

もう出せるものは何も無かった、精も根も尽き果てるとはまさに今体現していると叫びたかった。

 

ここまでやったのだ、潔く負けを認めようと思ったその時だった。

 

ジャリっと左後ろのポケットから音がしてそのモノを思い出す。

 

まだ足掻ける、絞り出せとそれが催促してくるように感じた。

 

だから立ち上がりミルコに全てを叩きつける覚悟をした。

 

「はっ、はっ、まだだ、ミル、コ!」

 

「立てるのか…心が折れてないのか!?まだあるというのか!?!」

 

「最終、ラウンド、だ!」

 

運命は風の刃を二本地面に刺した、そしてその刃に踵を合わせ、右手を前に差し出した。

 

ミルコはその姿勢に一瞬眉を潜めたがすぐに気づき満面の笑みを浮かべる。

 

「……まさかワンハンドシェイクデスマッチにナイフエッジデスマッチか!?よく知ってるじゃねぇーか!!そうかお前もタイマンの良さがようやく解ったか!!!いいぞ!!良いぞ!!!」

 

嬉々としてその出された右手を右手で取り、左足を刃の前に置く。ここから下がれば足が切り裂かれて行くことに一つの怯えも見せずに足を置いた。

 

「じゃあ、あの奥の石柱が倒れたら開始な?」

 

ボロボロの運命が首をしゃくりながら右側を、ミルコにとって左側を示す。

 

だがそこには石柱なんてものはかけらも見えずミルコは訝しんだ、その瞬間だった。

 

掴んだ右手にハンドカフスが嵌められたのは。

 

「あ」

 

目を見開き止まるミルコ。運命はそれを見届け最後に全身全霊の笑顔で宣言した。

 

「オレの、勝ち……」

 

その言葉を最後に倒れていく運命。

 

それを抱きとめたミルコが頭をポンと優しく叩きながら小さく呟いた。

 

「あぁ、よくやった」

 

視界がミルコの白色に染まりながら満足に意識を失った。

 

『運命、条件達成!』

 

勝利の放送が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 運命を小脇に抱えたミルコがリカバリーガールの出張保健所に戻ってくる。

 

生徒は既に帰されておりリカバリーガールのみが座って待っていた。

 

「おう婆さん、これ頼むわ」

 

「あいよ、どうだい。楽しかったかい?」

 

運命の状態を確かめながら手当していく様を見ながら隣の空いているベッドに腰掛けるミルコ。

 

「まぁまぁ、だな」

 

「そうかい、最後のカフス取り付けられる瞬間耳が捉えてたのに見逃したね?」

 

「………ふん、どうだかな」

 

ボスンとベッドに横になりながらミルコは笑う。

 

「上ばっかり見てないでそろそろ下も見な、教えることであんたも教わることがあるはずさ」

 

「説教は嫌いだ」

 

「年寄りの言うことなんて大体は説教みたいなもんさ、であんたはB組の期末試験もあるけど大丈夫かい?」

 

「おぉ!次は格闘技めちゃくちゃやりこんでる催眠系のガキと個性のコピーしてくるガキだったな!いやー楽しみ」

 

「試験は午後からだから用意しときな、また頼むよ」

 

脚を振り上げ反動でジャンプしながらベッドから跳び立ち、隣で満足そうに眠る運命の鼻にデコピンしてから待機室へ向けて歩き出す。

 

「こいつくらい生意気なのばっかりだったらちょっと考えてやるかもな!」

 

「…やれやれ」

 

素直じゃないねぇとこぼしたリカバリーガールであった。

 

 

 

 

 





期末試験はアニメでは1組目から順にスタートなんですが、漫画版では一斉スタートなんですよね。

ここでは漫画版準拠で通します。

アニメでは一組目と最後の組みで作戦時間取れるのは不公平かなと思ったので漫画版で。

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