僕の運命アカデミア   作:乙子

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第07話~職場体験その1~

 

 

 

 

大激闘の体育祭を終えて二日後

 

 オールマイトから称賛と共に貰った一位のメダルを部屋の棚に飾り、Twitterに上がってた心操との写真や最後の気絶爆豪とのWスタンディングポーズを現像し同時に飾っておいた。メダル授与時の爆豪は悔しさで目が90度くらい釣り上がっていたが大人しく立っていた。オールマイトからのメダル授与の時に涙を堪えながらオールマイト超えを宣言する姿は印象深かった。

 外を歩くと雄英体育祭優勝者として人気者になってしまったようでコンビニに行くだけでも幾度も声をかけられた。約束してた梅雨ちゃんとのご飯も周囲からの微笑ましい目を送られながらなんとか二人で時間を過ごせた。繁華街には行けなかったが近くの公園でゆっくり話せた、好きな物や嫌いな物、家族のことや友達のこと、普段話せない事をいっぱい話せてもっと梅雨ちゃんの事を知れたのでお互いに良い時間を過ごせたと思う。

 

 雨の降る中教室に到着、二日ぶりの級友達と体育祭以降の反響などを話していると相澤先生が入ってくると同時にピタっと静まり席に着席して前を見る。

朝の挨拶を終えヒーロー情報学について伝えられる。

 

「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ」

 

「「「「「胸ふくらむヤツきたああああああああああ!!!」」」」」

 

 全員が一瞬でマックスまで騒ぎ、ブチ切れ一歩手前の相澤先生の前に一瞬で鎮静化した。だがこれはアガってしまうのも仕方ない。

 そして語られるプロからのドラフト指名についての流れ。体育祭で現場やTVでの活躍から休みだった二日間で入ってきていてそれが発表される。

 

「例年はもっとバラけるんだが、注目は偏ったな」

 

運命 9,101

爆豪 4,649

轟  2,626

 

勝った!勝利の右手を挙げて爆豪に満面の笑みを向けると罵声が届く。

 

「なんで決勝まで行ったのにこんなに差ァ付くんだプロの目は節穴かぁオイ!あと運命てめぇムカつくガッツポーズとにやけ顔やめろやぶっ殺すぞ!体育祭での写真も家のババァが現像して飾ってんだぞクソが!!」

 

決勝後の気絶爆豪との感動的なWスタンディングポーズは世間的にも大好評でミッドナイトも鼻血を出しながらグッジョブポーズをくれたほどだった。

 

「結果はもう出たから、吠えるのやめてもらって良いですか?」

 

「テメェえええええええええ!!!」

 

「個性の有能性見せつけたからなぁ運命は、そりゃダブルスコアもつくわ」

 

「ダブルスコアじゃねぇ目ついてんのかクソ髪ァ!!」

 

「誤差じゃねぇか…」

 

 殺気満々の睨みを無視しながら後ろの尾白や砂藤障子達からも小突かれて笑う。梅雨ちゃんにも20の指名がったのを見てそちらにも笑顔を向ける。ピースしつつ嬉しそうな梅雨ちゃんにピースを返しているとさらに相澤先生が続ける。

 

「これを踏まえ…指名の有無関係なく、いわゆる職場体験ってのに行ってもらう。お前らは一足先に経験してしまったが、プロの活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった」

 

「それでヒーロー名か!」

 

「俄然楽しみになってきたァ!」

 

「まぁ仮ではあるが適当なもんは…」

 

「付けたら地獄を見ちゃうよ!!この時の名が世に認知されそのままプロ名になってる人多いからね!!」

 

大きな声で説明しつつ入ってきたミッドナイト先生がそのまま檀上を相澤先生と代わる。

 

「その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう「名は体を表す」ってことだ、将来の自分をよく考えろよ、オールマイトとかな」

 

 

 フリップの様なボードが配られる、オレも以前から考えていた名前を書きだす。4大精霊からも許可をもらって精霊お墨付きだ。

 

そして15分が過ぎ出席番号順に発表の時が来た。1番はもちろん青山

 

 

 

輝きヒーロー ”I can not stop twinkling(キラキラが止められないよ)

 

 

 

 まさかの短文に驚愕が走るがミッドナイトは的確にアドバイスを出し呼びやすく省略された。

2番の芦戸もエイリアンクイーンと映画で有名な名前を使うが流石にストップがかけられ悔しさと共に席に戻って考え直す。

皆が変な感じの流れを感じながら戦々恐々としていると次は3番の梅雨ちゃんの番になる。

 

「小学生の時から決めてたの、フロッピー」

 

 

 

梅雨入りヒーロー”FROPPY”

 

 

 

「カワイイ!!親しみやすくて良いわ!!皆から愛されるお手本のようなネーミングね!」

 

とミッドナイトからも絶賛される名づけだった。オレも似合ってるしカワイイし最高だと思う。

皆も同じだったのかフロッピーコールが起こる。流れ変わったな。

飯田と麗日がまだとパスしたのでオレの番となる。

 

 

「さぁ運命君ね、体育祭優勝者のヒーローネームは皆注目してるわよ」

 

「オレが考えた名前はこれです」

 

 

 

精霊ヒーロー”エレメンタル”

 

 

 

「地水火風を操る貴方にピッタリの名前ね!」

 

他の面子からも概ね好感触だったのでこれで決まりと席に戻る。

 

「似合ってると思うわエレメンタル」

 

「ありがとうフロッピー」

 

「むぅ隙あらばいちゃいちゃしてない?フロッピーエレメンタル?」

 

「み、三奈ちゃんそんなことないわ?」

 

「ないない、ネーム決めようぜ芦戸?」

 

「何か前から感じるんだよねー”ラブの波動”を」

 

「「気のせい気のせい」」

 

「ムムム…」

 

「芦戸さん自分の事に集中しなさい?」

 

「はーいミッナイせんせー」

 

 

 その後も明確にダメ出しされたのは爆豪の”爆殺王””爆殺卿”くらいだろうか

他の皆はそれぞれ自分に合った名前を決めていきひとまず終わりを告げた。

 その後に名付け中は寝袋で転がっていた相澤先生が復活し最後のしめに入る。

 

「職場体験は一週間、肝心の職場だが、指名のあった者は個別にリストから渡すからその中から自分で選択しろ。指名の無かった者はあらかじめこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件。この中から選んでもらう。それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なる、よく考えて選べよ。今週末までに提出しろよ」

 

「あと二日しかねーの!?」

 

という声を無視して先生たちは教室を後にした。

オレの目の前には相澤先生から渡された指名が書かれた書類約200枚、分厚いそれをぱらぱらーっと流し見していると右後ろから声が掛かる。

 

「うっわーアタシ達のぺらぺらとは違うねー」

 

「期待の裏返しだけど流石に多すぎるわね」

 

「有名所は名前だけでも分かるけど流石にこんだけあるとどうしていいやら…」

 

「うわ、ウォッシュにエンデヴァーにエッジショット!もうビルボードランキング上位からこんなに…」

 

「こんなにあると困るわね、そうだ、緑谷ちゃんに教えてもらうのはどうかしら?」

 

「お、ヒーローオタクの緑谷は良いね、対価もあるしちょっと聞いてみるか」

 

緑谷の席に紙の束を持って行く。

 

「緑谷ーちょっと良いかー?」

 

「うん、どうしたの?って凄い量の指名だね…僕は0だったのに…」

 

「緑谷は轟戦の指の損傷率がなー個性使う度に怪我は事務所側も躊躇しちゃうかもな」

 

「ははは…リカバリーガールとオールマイトにもそこは言われたんだ、改善しなきゃ。でこの指名書がどうしたの?」

 

「そうそう、多過ぎるんで緑谷の知識貸してくんない?対価にオールマイトの土人形でどう?」

 

「本当!?やったー!僕で良ければ全力で力になるよ!あ、ポーズとか服装って選択可能?理想のポーズとかあるんだよね」

 

「が、頑張るよ…で、オレの候補なんだけど」

 

「軽く全部目を通したけど凄いねトップ10から何人も…エンデヴァーにエッジショットにギャングオルカ、ホークス、それにミルコまで!豪華すぎる…」

 

「……」

 

緑谷の前の席の爆豪の耳が後ろの声を聞いて動いている。聞きたいなら入ってくれば良いのにと思うもそんなキャラじゃないよなーと納得しながら望みを出す。

 

「それで条件なんだが、個人として強い、幅広い環境にも対応して、日本全国色んな所飛び回る感じ。こんな事務所が良いなーって思ってるだがどうだろう?」

 

「うーんそれだと強さはトップ10面子は当然強いし、トップヒーローは色んな所から呼ばれたりして結構日本中回ってると思うけどね。移動力もホークスとエッジショットは抜群だし…」

 

ペラペラと紙を捲りながら考えてくれる緑谷にオレは紙に違和感を感じ止める。

 

「ん?この事務所表記無いのは間違いかな?」

 

「え、運命君知らないの?ラビットヒーロー”ミルコ”は事務所を持たない新感覚のプロヒーローとして今人気爆発中なんだよ!女性No1ヒーローとも噂されてるし」

 

「ほー」

 

「他にも例えばそうだなーホークスは速すぎる男として有名だし………」

 

緑谷が長い説明をしてくれているがオレの興味はもう一人に決まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

職場体験当日

 

駅の広間に1ーA全員がコスチュームや泊りの準備を用意し集まり、相澤先生の最後の指示を持って全員が各々の職場へ向かう。

 

「梅雨ちゃんは海難ヒーロー”セルキー”の所で海か」

 

「私にピッタリの所から指名が入ってて嬉しかったわ、お互いに頑張りましょうね」

 

「うん!怪我無くしっかりやろう!あとさ…たまに電話していい?」

 

「ふふ、そうね。待ってるわ」

 

 出された手を軽く叩きながらお互い違うホームへ向かう、他の皆ともハイタッチを交わしていき、しようとしなかった爆豪には気当たりで殴るフェイントを出し防衛の為に出した手を無理やり叩いておいた。憤慨する爆豪の罵声を聞き流しオレは一路広島へ向かうのであった。

 

 

 

 そして広島に降り立ち指定されたビジネスホテルのロビーで座っていると声をかけられる。

 

「お前が運命だな!?」

 

 呼びかけられた声に立ち上がり振り返る。そこには白いレオタード型のコスチュームを纏ったラビットヒーローミルコがいた。個性”兎”を持ち長い兎耳や後ろの丸い尻尾などがある異形型。白い長髪と鍛え上げられた身体はもはや芸術的だ。

 

「はい、ラビットヒーローミルコ。お会いできて光栄です。本日から宜しくお願いします!」

 

「長い!そんな堅苦しい挨拶なんていらん!ここは仮宿だ、この部屋に荷物置いて服着替えて来い、私は飯食っとくから手早く済ませな」

 

挨拶を一刀両断され自己紹介すらまともに出来ずホテルの部屋のカードキーを投げ渡される。なんて豪胆な…

 

「はい!」

 

 すぐに部屋に向かいコスチュームに着替えマントを被り装備品を確認して一階に戻るとそこには既に食事を終えたのかニンジンを丸かじりしながらTVを見ているミルコがいた。

 

「準備終わりました」

 

「よし、ん?体育祭とは違う姿だな?」

 

「あれは変身なので自然と上に着用されます」

 

「ふーん、まぁいい。それじゃあ着いてこい。それだけだ」

 

「へ?」

 

「私は手取り足取り教えるなんて無駄な事はしない、ただついてこれるなら少しは構ってやろう。遅いなら邪魔だ、好きに帰っていい」

 

「ええええええ!?そんな無茶苦茶な…」

 

「さぁヒーロー開始だ、悪い奴蹴りに行くぞ!!」

 

 そう言い残し一度大きく伸びをしたと思ったら大きく跳躍し街の壁を足場に消えていく。こちらなんていないかの如く気にせずに。

 

あまりの態度に呆気に取られるが遅れてはならないと最初から変身せざるを得ない状況になる。

 

「うそでしょ…やっば!神衣!シルフ!!」

 

 翼を展開し即座に飛行状態へ移行、すぐにミルコが跳んで行った方向へ向かう。個性使って良いのか知らないけど職場体験先のプロに着いてこいと言われたので良いのだろう、多分。

街中だが空は好いているのですぐ追いつくかと思ったが想像以上にミルコは速く既に大通りに出た敵を蹴り飛ばして失神させていた、周囲の人達はそのミルコに歓声を上げていた。

 

「私のナワバリで悪事は許さん!む、遅いぞ、次行くからな!」

 

市民にポーズを決めていたミルコはオレを確認するも大して気に留めず弾かれた様にどこかへ向けて走り出す。

 

「お、君は雄英体育祭の優勝した子じゃないか!その翼は覚えてるよ!」

 

「ミルコに弟子入りってこと?キャー頑張ってねー!」

 

集まった観衆からオレ自身にも声をかけられるが今はそれどころではなかった。

 

「え、あ、職場体験です!どうもー!って追いかけますのでこれでー!!」

 

 即座に消えていくミルコを追いかけ街を飛び回る。空飛んでるオレより地面や壁を跳び回っているミルコの方が速い。速度的なものもあるがまず立ち上がりが段違いだった、0から即座にトップスピードに乗っている。それにその長い耳で索敵しているのか耳を動かした後はすぐそちらへ駆けていく。そして悪いことをしている敵を見つけたら容赦も躊躇もなく蹴って失神させている。なんて速度だ。

泥棒強盗当て逃げ等見つけ次第手当たり次第に蹴って決着だった。それに街の人達からの人気も凄い、通行人も店の人も子供達も皆彼女に笑顔で声をかけていた。それに気さくに答える彼女はまさにヒーローだった。

 

 午前中だけで5件も解決して昼食に入る。

顔見知りなのか店主とも仲良くしゃべっているミルコ。流石に地元なだけあって大人気だ、定食に追加で人参がそのまま数本出て来てそれをボリボリ食べているのも圧巻だ。

あとツケ払いしてる人を初めて見た、店主さんも慣れたようだったのでいつもの事なんだろうけどなんというか豪快さが溢れている。

 

 

そして午後もミルコの好きなように街を走り周り見つけ次第敵を蹴って事件を解決していった。

 

 ここで一つオレに問題が出て来た、変身が長時間持たないのだ。

午前中はずっと変身していられたのだが午後も同じペースで飛び回っていると精神力が尽きて来たのだ。

今まで訓練でも数時間は変身を維持出来たが丸一日ずっと走り回るミルコのペースには移動だけで力尽きてしまった。

 

「ちっ、なんだ?もうバテたのかぁ!?若いくせに体力ねぇなー。…そこの公園で休んでろ、飯前に回収に来てやる」

 

「ぜぇ…ぜぇ…は、はいっ…」

 

 疲れた…ベンチに座り呼吸を整えながら考える。

過去最長に変身していたと思う、思えば変身での戦闘も長くて数十分が最長だった。戦闘ほど他の術や技は使っていないが変身を維持するだけでも精神力は使ってしまう、特に今回はミルコの速度に着いていこうとがむしゃらだった。

 ミルコも常に走っているわけじゃない、敵がいない時は街を歩いて周っているし携帯で情報収集をしている時もあった。そして見つければ即座に駆け出していた。要はオンとオフだ。

置いていかれないように常に変身を維持してしまったオレのミスだ、ここは学ばないと。等と反省しているともう夕方になり周囲の人もまばらになっていた。

 そしてミルコが疲れも見せずに帰ってきた。朝から夕方まで動きまくって疲れも見せないその姿に明確な差を感じてしまう。

 

 

「おーしいるな貧弱小僧!飯行くぞ!」

 

「はい、着いていけずすみませんでしたミルコ…」

 

「なんだ、萎れてんのか?しゃーねーな、ほら、こっちこい」

 

ミルコは公園の中の広いスペースへ足を向ける。そして振り返ると

 

「構えろ」

 

「え?ぐっ!?っつ…いきなり何を!?」

 

いきなり腹を蹴られた、激痛に思わず膝をつく。腕で防御したが関係ないとばかりに貫かれる。今まで食らったことのない重さがあった。

 

「ガードがあっても軽いな甘ちゃん、敵にも速攻で殺される気か?」

 

 そう言いながらもさらに蹴りのモーションに入るミルコ、オレも今度は受けずに避けて風の神衣を展開し飛び上がる。休んでた分少しは回復している。

 

「そうだ、受けか避けるか即座に判断しろ、あと別に空を飛べるのは無敵じゃない!」

 

 素早く隣の木を蹴り上がりこちらに突撃して踵を振り下ろしてくる余りの速さに腕を交差し受け止める、が威力が強すぎて上空から地面へ叩きつけられる。ミルコは着地しオレの身体に足を乗せながら嗤う。

 

「うーん、雄英の体育祭だからって見たけど所詮学生レベルか、派手さだけだなお前もあの爆発小僧も」

 

「舐めやがって…ゲイルファントム!」

 

「お、怒ったか?良いぞ!」

 

「幻影空散!ウェザリング!!三顧、斬壊!ディープグラッジ!!嵐界、霊陣!ラストフレンジー!!がっ…!?」

 

「ほう、風か、風使いは大体蹴ってきたがこういうのは多少のダメージ覚悟で突っ込んで蹴れば終わる!こんな感じでな?」

 

 自分を覆うようにだした風の台風でミルコを吹き飛ばし、即座に作り上げた風の刃から風属性の光線を幾重にも出し薙ぎ払うが完全に避けられてまた腹に鋭い蹴り上げを受けてしまう。それだけでオレの意識は暗くなっていった。

 

「…だが私に少しとはいえ傷付けるか、まぁ初日にしては赤点くらいやろう?ん?おーい吐きながら気絶は危ないんだぞーまったく…」

 

 

 

 

 シャーという水の音に目を覚ます。次に来る腹への痛み…さすっているとそこは荷物を置いた部屋だとわかる。運ばれたのかと周囲を見回しているとガチャと風呂場から音が聞こえてくる。

 

「おー起きたか弱虫、いや吐いたからゲロ虫か?ははっ」

 

「ミルコ!?って服は!?ふふふ服着て下さい!!!?」

 

 頭をバスタオルで拭きながら生まれたままのミルコが出て来て普通に話しかけてくる。鍛え上げられたその肢体はまさに芸術で、煙や光が隠してくれるなんて事はなくもう18禁だった。

 

「うるせー私は寝る時は全裸だ、邪魔なもんはつけん主義だ!」

 

「オレがいるでしょうが!男ですよ!」

 

「いっちょ前な発言は卒業してから言おうな?童貞君?」

 

「どどどど童貞ちゃうわ!」

 

「青いねーんじゃ私は寝る、明日朝早いから用意しとけよ」

 

「え、あ、はいってここでオレも寝るんですか!?」

 

「ベッドの空きでも地べたでも好きな所で寝ろ、命賭けて良いなら襲ってきても良いぞ?」

 

「ごはん買って地べたで寝ますーー!」

 

 カードキーと財布を持ちダッシュで部屋を出る。色々とドキドキが止まらない、ロビーを出て近くのコンビニへ行き軽い夜食と明日用にいくつか飲食物を買い夜の公園のベンチに座り食べながら今日を振り返る。

 

 何もかも上手くいかなかった…ついていけばいつも終わっている、突然の手合わせだったがまともな対応も出来ずに技もすり抜けられてゲロ吐かされて気絶させられた。そういえばミルコが処理してくれたのだろうか。

手も足も出ないとはまさに今の状況だ。体育祭で優勝しても所詮プロヒーローの足元にも及ばない…増長してたか…夜空を見上げてみるが星が綺麗なだけで何にも思い浮かばない。

ふと梅雨ちゃんの事が思い浮かんだ、向こうは上手くやってるだろうか。彼女は冷静沈着でメンタルも強い、きっと大丈夫だろう。オレの今の状況じゃ情けなさ過ぎて電話も出来ないなぁ…。声聞きたいなぁ…目から水が溢れてくるけど涙じゃない、こんな事で泣いていられるか。ひとしきり反省を終え明日に備えて風呂入って寝ようと部屋に戻って寝た、床で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜が明けた。

 

 ミルコに蹴飛ばされながら起床し服を着替えて荷物を持ち朝食を食べ駅へ。どこに行くのかと問えば九州は福岡、予定があるのかと聞けば「勘だ!」との一言。この人どうやってプロヒーローしてんだろ…いや一日見たけど敵蹴っ飛ばして警察に引き渡してすぐ次の敵見つけに走り回るくらいしかやってないんだが。逮捕協力や人命救助とかの申告で歩合制ってヒーロー情報学でやったけどこの人事務所持ってないんだよな、事務とかどうしてんだろ?見てない所でちゃんとやってるんだろうか…心配になってその辺聞いてみたが「男が細かい事気にすんじゃねぇ!」って腹を蹴られた。昨日ほどの威力ではなかったが痛かった。手より先に足が出るタイプって本当いいるんだってこっちはドン引きだ。ヒーローは副業が認められてると聞くしこの人の人気は抜群だ、カリスマ性があるし女性のみならず男性人気も高い。でもこの人が企業広告とかに出てるって見たことないし…その辺聞いたらまた蹴られそうだなぁ…

 福岡までの新幹線で座って即寝たミルコは途中跳ね起き現れた新幹線ジャック犯を問答無用で蹴飛ばし「私の睡眠時間を削る奴はこうだー!」とポーズを決めて車内から喝采を受けていた。起床から索敵、攻撃までが短すぎて脳がバグる。兎の個性ってそういう敵意とかへのセンサー付いてるのだろうか。着いた福岡駅で呼んでいた警察官に敵を引き渡しミルコは大きく伸びをしてこちらを向いて歯を見せながら笑う。

 

「さぁ今日もヒーローしていくぞ!貧弱弱虫ゲロ虫赤点君は着いて来れるかな?」

 

「やってやりますよ!昨日の用には行きません!」

 

「口だけじゃなきゃ良いけどなっと!」

 

 会話もそこそこに突如走り出すミルコ。直前に耳が動いていたからやはり耳が良いのか超感覚みたいものがあるのだろう。オレも即座に神衣を展開し地面を大きく蹴りながら飛ぶ、初速から最高速へのラグを小さくする方法を試しながら飛ぶ。自分より速い教材はいるのだ、見て学ぼう、自分のモノにしてやろう。昨日は見えなかった背中を小さいながらも捉える。どんどん壁を蹴り街灯すら蹴り街中を縦横無尽に跳びはねるミルコ、市民の歓声も置き去りにして敵を発見しては蹴り倒す。よし、今日は見れたぞ。

 

「お、今日はちょっと間に合ったな」

 

「ずっと張り付いて見せますよ」

 

「生意気言うにはまだ遅いな!」

 

「!?まだ上がるのかよ!!」

 

 また何か見つけたのか耳をぴくぴく動かしたかと思ったら今までとはさらに速いダッシュで跳びはねていくミルコ。今までのでもトップギアじゃないのか!?慌ててオレも地面を大きく蹴り飛び上がる。速度を、もっと速度を、それも小回りも聞く鋭角さも持ち合わせて、飛ぶと跳ぶ、どちらも合わせて、判断だけじゃ足りない、予測も含めてあの速度に追いつかないと!!見えた!しかしそこには敵を失神させ警察の到着を待っているいつものミルコ。市民の写真などにポーズを決めている。その後ろに降り立つ。

 

「…ずっと張り付いて見せますよ?」

 

「ッ!?」

 

「面白い冗談だな、次行くぞ」

 

「はい!」

 

 悔しさと無力さを滲ませながら後を必死で追っていく。ミルコが走るラインを全く同じようにトレースするも初速でどうしても差が付く、最高速だけならおそらく勝ってる、でもグネグネと入り組んだ道を入る度に減速を強いられ爆発的な初速で差がついてしまう。敵退治?対峙することも出来ないのに考えてられない。その間にもミルコは街で、ビル内で、道路で暴れる敵達を蹴り飛ばし全て失神させていた。そして遂に追いつけなくなり居場所すら分からなくなってしまった…こんなにも違うのか、トップヒーローとの差に愕然として思わず思いっきり高度を上げ、下からも分からないほど上昇して大声を出してしまった。

 

「ううううあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

ここから見える人なんて豆粒だ、苦悩も怒りも全部空に吸い込んで欲しかった。

 

 

 

 

 

「おや、大空で苦悩の叫びをあげている少年発見、空で迷子とは珍しい」

 

 

「!?」

 

「あら、君は雄英の一年生優勝者じゃないか」

 

「あなたは…プロヒーローホークス…」

 

「おや、知っててくれるとは光栄だよ確か運命くん?」

 

 

福岡のもはや名前も分からない地名の空で、オレは鳥に出会った。

 

 

 

 

 

 

「若い子の流行りって聞いたから、ほら飲みな」

 

「…ごちそうさまです」

 

「それでどうしたの?追い詰められた声出してたけど」

 

「実は…」

 

缶ジュースを奢ってもらいオレはミルコの速さに追いつけないことを打ち明ける。

 

「あはは、ミルコさんに追いつけないか…まぁあの人の速さはまた別だからねぇ学生さんには辛いよ」

 

「でもオレ何にも出来てなくて…悔しくて」

 

「空を飛ぶ者が遅さで悩むか、よし、ちょっと俺に着いてきなよ」

 

「え、でも」

 

「ミルコさんも遅れてくる学生待ったりしないでしょ、もう見つけるのも大変だろうし待ち合わせ場所くらいあるでしょ?」

 

「はい、晩飯時に仮宿のホテルで…」

 

「ふむ、なら数時間はあるね、おいで」

 

 ばさっと浮くように翼を広げたホークスが上昇していくのに慌てて着いていく。

ビルの上程まで上昇するとその鳥の様な大きな翼を広げて飛ぶホークス。

 

「空は良い、物事を俯瞰して見られるから、それに気持ちいいでしょ?君ならわかるはずだ」

 

 地上では敵が暴れようとしていたがホークスの羽根がその敵に刺さり近くのビルの壁に貼り付けにする。その技術の高さに絶句してしまう。話していたのに、いつ敵を発見していつ翼を放ったというのだ、見えなかった、解らなかった。

 

「いつの間に…」

 

「ハハハほら、行くよ」

 

 それからホークスは福岡の街を飛び回りながらその羽根を駆使し数十件もの事件事故を解決していった。羽根達が意思を持ったかのように動き回り攻撃に、救助に動き回る。全てを操っているこの人は異常だ、役目を終えた羽根がホークスの背中に戻り翼が元の大きさに戻る。同じ翼を持つがオレのはこんな繊細な動きは出来ない、近くに生み出して生み出して対象に刺す、そして風を暴発させる秘奥義シルフィスティアくらいか。

 

 どんどん飛びながら街を救っていくホークス時折通信機で相棒達に居場所を告げ後処理を頼んでさらに飛ぶ。オレはただ後ろで見ているだけ、その翼の運用も学ぶことができないほどに高度。また悔しさで手を握りしめる。

 

「あ、そうだ。君USJで敵の襲撃あってるよね?敵連合とかいうチンピラ集団、どう感じた?」

 

「え、あぁ多くは本当にチンピラばっかりで学生だけでも倒せたらしく、主犯の3人は死を覚悟するくらいの怖さを感じました。黒靄のワープの個性は脅威だったし脳無と呼ばれた怪人はオールマイトすら苦戦させるほどの化け物で…個性もショック吸収と肉体損壊すら治るほどの超再生持ちだったと聞きました…」

 

「なるほど、君でもそう思うほど、か。ん、ありがと、聞いてみたくてね。さぁもう帰る時間だ、最後に一言『地面に縛り付けられる必要なんてない』じゃバイ!」

 

「あ、ありがとうございましたホークス!ってもう見えない…速過ぎる男か…」

 

 

指定時刻少し前に仮宿の前でミルコの帰りを待つ。

 

「お、なんだいたのか?追いつけなくて帰ったのかと思ったぜ」

 

「……ミルコ、一手お願いします」

 

土の神衣を展開する。

 

「今度は別の変身か、まぁ良いだろう。着いてこい、良い工事場所があったな」

 

 ビルの解体工事途中らしい場所に入り人がいないことを確認してミルコは何も言わずに蹴りを繰り出す。身体の正面にアームを動かし盾とする。これでミルコの攻撃範囲を絞れば…

 

「ほう、流石に呼んでたか、にしても硬いなそれ、蹴り甲斐があるぞ」

 

硬さを確かめるように何度も蹴るミルコにアームでの掴みかかる。しかしあまりの速さにかすりもしない。

 

「これなら!一撃必沈!デッドキャプチャー!」

 

「まァ無駄とは言わない、でもイージーだな。でけェ盾運用だと視界塞がれるんだよ、だからこうなる」

 

盾を昇ってきたのか上から踵落としが防御ごと吹き飛ばされる。

 

「ぐふっ!!?」

 

「防御必死に固めても良いけどな?こういうのは一点集中で気合込めて蹴ればほら、砕けるもんなんだよ!」

 

アームを二枚重ねてさらに防御を固めたが貫かれ腹を蹴られた、大地の力が、こうも簡単に…

 

「今日もゲロ虫ってことで。お、意識あるなら自分で処理しとけ?明日もこうならもう学校帰れ。ホークスと飛んでたのも見たからそっちに鞍替えしても別に良いぞ?」

 

「うぅっ…」

 

 ミルコは言うべきことを言い跳び去って行く。

震えるに膝に力を込め立ち上がり吐しゃ物や破壊された地面を大地を操り整えて綺麗にする、泥だらけの身体には水を生み出し洗い流す、火と風で乾燥させ近くの廃棄予定だろう建材に力なく座る。

 

 

 完敗だ、スピードもパワーもテクニックもスタミナも全て上だ、トッププロだから当たり前、学生とプロの差、鍛えて来た年月や経験が違う。言い訳だけはいくらでも出てくる。学校帰ろうかな…ただ1週間ミルコの後ろで見学だけしてましたって言えばバレないかな。何の収穫も無く、ゲロだけ吐かされてましたなんてどう報告すればいいのか…

 ホークスの所にお世話になるか…指名は来てたんだし悩みも聞いてくれた、事情話せば…いや、逆の立場なら何の役にも立たない学生なんてお荷物だよな…ホークス、あの翼捌き凄かったな、一枚一枚が思い通りに動いていて、攻撃も救助も…俺にもあんな動きが出来れば…出来ないか?あれ?出来るのでは?やってみるか…

 

「神衣シルフ」

 

 腰から契約時に想像した風の短剣を取り出し集中する。風の刃を生み出す技はいくつもある、その感じでまずは刃を作成、出来た。あとはこれをあの解体予定のビルの壁の手前まで飛ばして…失敗。もう一度作成、飛ばす、止める。大分手前だが止める事は成功。そうか、その空間に突き刺したと思えば止まるのか、これなら。試す、失敗。試す、成功。違いを検証。改良、改悪、改善。これは新しい感覚だ、なんか楽しいな。今度は二つの刃を作成、飛ばす、止める。出来た、そうか、大事なのは明確なイメージ。あれ?よくよく考えれば自分のマナと精霊への呼びかけさえあればイメージ通りなんて今までもしてたことだよな…これ神衣化しなくても出来るんじゃ…変身を解除して、風の刃を作成、…出来た!

 

 

 

『よーーやく分かったようだね!クロスちゃんはメンタル弱弱の弱だからボク達もすーーーっごいやきもきしたんだからね!!』

 

精神の奥からシルフが声をかけてくる。精霊達は普段は多弁なのだがこちらの悩みがある時なんかは試練と称して応えてはくれないことが多い。まぁ要は甘えるなってことなんだろうけど…

 

『今出てきて喋るってことはこの感じで正解ってこと?』

 

『答えを求めちゃダメ!自分で見つけて、考えて、挑戦しなきゃダメなんだよ!』

 

『ぐぬぬ…仰る通りで』

 

『キミは過去の英雄達に憧れ過ぎてるよ、自分の物語は自分で歩かないとダメ!』

 

『憧れ過ぎ…』

 

『でも分かったことがあるんでしょ、ボク達はキミと共にあるんだ、もっと信じてごらん?』

 

『信じる…そうだよな!もっと練習してみるよ!』

 

『昼の鳥の子も良い事言ったね、地面に縛り付けられる必要なんてない、風はどこにでも吹くのだから。やべ、ノームが怒ってる!それじゃボクは戻るから』

 

『ありがとう、シルフ』

 

夜風が身体を吹き抜ける。あぁ世界が広く感じる。夜明けまでまだ時間はある、いっちょやってみましょうか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝、ミルコがビルの前に出てくるのを見て降り立つ。

 

「ん?その顔は徹夜したな?それでどうすんだ?帰るか?鞍替えか?」

 

「勘違いしないでくださいミルコ」

 

「??」

 

「オレは貴女の元で職場体験したいからここに来たんだ、選ばれたから来たんじゃない、選んで来たんだ」

 

「ほぉ、生意気な顔だ、今日はそれが続くか見届けてやるよ。追いつけたらな!」

 

 神衣は必要ない、安易に強大な力に頼っていたのではダメだ。そんなことしなくても風は吹く!身体に風を纏い、飛び上り足元に風の刃を生成し蹴ると同時に暴発させる。意思だけで風を操れるなら出来るはずだ、そしてそれはオレのイメージ通りに動く。

 

「!?てめェ!何があった!?」

 

 ミルコのすぐ後ろに追いつく、幾度も角を曲がり爆発的な蹴りで跳びはねるミルコを視界に収め続ける。今思えばなんてことはない、ミルコとやってることは変わらないのだ。

 

「さぁ職場体験始めましょうミルコ!学ばせてもらいますよ!」

 

「調子乗りやがって、良いぞ生意気だ!!」

 

 敵を蹴り抜くミルコを初めてしっかり間近で見ることが出来た。その中で気づく、ミルコは敵を相手によって蹴り分けている。言葉にしては当たり前だが、間近で見るとそのなんでもない蹴りに高度な技術が宿っているのが解る。敵が男か女か、大型か小型か、異形型でもどこを蹴れば良いか見極めている。そして見事に失神させている。思えばミルコが走る時に地面に窪みは早々生まれない。これも対象を壊さない上での最速を出しているということを示している。初日では全然気づかなかった。それに地面を走る時と壁を走る時でもダッシュに強弱がある、そうか、地面に人はいるが、空にはいないから自由に加速できるのか。力の強弱が敵にも移動方法にもそのまま当てはまるのか…トップヒーロー、どこまで考えてるんだ。ミルコは感覚でやってるとか言いそうだけどやっぱりすげーなプロヒーロー!

 

「車が暴走してる!!逃げろーー!!」

 

「ちっ、蹴り抜く!」

 

 運転中に何かあったのか気絶したドライバーが暴走する車に残されていた、そのまま直線すれば突き当りの店に突っ込んでしまう。ミルコは踵落としの姿勢を見せボンネットを蹴り抜いて強引に止める。その衝撃で車は止まるがタイヤが外れ歩道へと速度を保ったまま進んでしまう。その先には後ろからのタイヤに気付かない小さな子供が。それが見えた瞬間最大風速を発生させ爆発的な速度で子供を掬い上げタイヤを風の刃で地面に繋ぎとめる。

 

「ええ!?!?私浮いてる!?」

 

「急にごめんね、ちょっと後ろが危なかったから」

 

オレは抱き上げた子供の混乱を解きながら地面に降りる。

 

「よくやったぞ運命!」

 

 すると車からドライバーを救い出してベンチに寝かし、救急車を周囲に呼ばせたミルコがこっちに跳んでくる。

ミルコを見つけた子供がミルコに手を伸ばす。そしてその声で周囲もミルコに気付いて歓声を上げながら近づいてくる。

 

「あーミルコだーー!!」

 

「おお、ミルコが車止めたぞ!!」

 

「すげーぞミルコー!」

 

「あの子供を救ったのは相棒か?ミルコに!?写真撮らせてくれ!」

 

「良いぞ!来い!」

 

「うわ、何ですか」

 

「笑え!こうだ!」

 

「「ニカッ!!」」

 

肩を強引に組まされミルコに倣い歯を剥き出しにして笑う。爆豪的な攻撃味のある笑い方だなーなんて思いながらもカメラに応える。

 

「「「「おおおおおおおおおおおお!」」」」

 

「何なんですか?カメラ映りとか気にするんですね」

 

「馬鹿野郎、これもヒーロー活動だ」

 

「!?…はい!」

 

「よし、救急車も来たし次行くぞ!」

 

「はい!」

 

こうしてミルコに何とか追いつけるようになったオレは職場体験をミルコの元で続行するのであった。

 

 

 

 なお、この日の夕方の巡回終了後に前日に徹夜で訓練してたせいか夕食後即寝てしまい。緑谷から位置情報を一斉送信したメールが来ていたがオレは見落としていた。

次の日のクラスLINEを見ると切島が通報しておいたくれたらしいので位置的にも出来ることは無かったのだが。

 

 

 

 

 

 

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