オバロに参加できると思った奴が、SCP財団に見つかったようです   作:ulo-uno

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さ、三、万…………??????な、何が起きた!?!?!?!?

マジでありがとうございます!!!!!!!

それでは、「オバロに参加できると思った奴が、SCP財団に見つかったようです」

第十七話どうぞ!


第十七話

 

 

 

<side クラフター>

 

 

 

今俺は夢を見ているのだろう。

 

荒涼とした大地が続く。

 

空は腐敗したかのように赤黒く、空気は瘴気で満ちている。

 

そこに吹く風は腐敗臭が付き添っている。

 

また、奥には薄っすらと街のようなものが見えていて《マナエッセンス》と《ライフエッセンス》で確認するとそれはいくつもの生命を歪に繋いで作られた街のようだ。

 

だがどうやらこの空間は本物とは少し違うらしい。

 

どちらかというと今俺が居るのは幻覚のようなものだ。

 

つまりはこれが誰かが俺に対して見せたいと思っている光景なのだろう。

 

……誰かはわからないが…………。

 

足元を見てみるとそこにあるのは土ではなく泥、…………いや、腐敗した肉。

 

…………この世界を俺に見せる奴は芸術というものがないのだろう。

 

俺から言わせてもらうとこの世界は只々不快感を感じるだけだ。

 

……………………もし人間のままだったら間違いなく吐いていただろうが…………どうやら俺も若干人としての感性が薄れていたようだ。

 

……人としての感情をある程度保つことができる、ってテキストに記入していたんだけどなぁ……。

 

もっとしっかr――――――――――――

 

「やあ、……ここに誰か来るのは初めてだな…………。君は誰だい?どうやってここに…………いや、分かり切ったことか……」

 

『ッ!?』

 

いつの間に!?!?

 

声をかけられた方向に勢いよく振り向くとそこには小さな丘の上からこちらを伺っている男がいた。

 

何かの被膜を法衣の様に来ている男。

 

この男が俺にこの幻覚を見せている張本人だろう。

 

男はこちらを伺うだけで何もしてこようとしない。

 

ならば、

 

「……他者に名前を聞くときはまず自分からというのが礼儀というものだと思うが?」

 

「ああ、そうか……。すまないね、僕は元々奴隷の身分だったからそこらの事情には疎いんだ。もし君が気分を害したというなら謝ろう」

 

「いや、そういうことはない。……いきなり話しかけられたから警戒しているだけだ」

 

「なるほどね、…………で、僕が誰だかについては……そうだな……うん、《イオン》と呼んでくれ。今の僕はただのイオンだ」

 

《イオン》、か……。

 

聞いたことのない名前だ。

 

だが相手も名乗ったことだ……こちらも名乗り返さなくては。

 

「私はクラフター、まあただのクラフターだ。…………それで?イオンとやら、私にこの光景を見せた理由は一体なんだ?まさかあの見苦しい建造物を見せるためだけ、ってことはないよな?」

 

「…………まあ、アレも理由の一つには入っているんだけどあくまで理由の一つにだ。本題とはまた違うよ」

 

あ、良かった。

 

もしも彼奴が俺をここに呼んだ理由があんなものを見せるためだけだったら正直ブチギレ案件だ。

 

俺だけでなく俺が居たギルドのほとんどがそうであったと思う。

 

…………まあ、全員と言い切れないところがアレなんだが……まあ、人の趣味なのかもしれない。

 

「もうあまり時間が残ってないから単刀直入に言わせてもらう。君に僕を、アディトゥム帝国を終わらしてくれないか?もう僕には時間もそれをする力すら残っていない。だから、…………だからこの通りだ……どうか僕の最後の願い、聞き届けて、…………貰えませ、んか?」

 

……。

 

まあ、なんとなくだが此奴も色々と問題を抱えているようだ。

 

だがそれはそれとして、

 

「自分ができないから他者にお願いします、って言うのは少々都合が良過ぎるんじゃないかな?」

 

「ッ!!じゃぁ、……じゃぁ、僕の願いは間違っていたというのか、君は!?!?!?確かに今僕は後悔している。だけど、あの時僕が行動を起こしたのは全ての人々を《ダエーバイト》から、そしてその過ちを認めぬ神々からの解放するためだった!!!そのことについては今も後悔などしていない!!…………していないんだ。……彼等は救われるべきだったんだ…………そうでなくては、ならなかったんだ……………………だから、僕の何がいけ、なかったのか…………教えて……くだ、さい…………」

 

そう言いながらイオンは泣き崩れる。

 

蹲り、後悔していないと言いながらもさめざめと泣いている。

 

……。

 

ちょー、めんどくさい人じゃん!!!

 

そりゃあ俺だって他人に丸投げはよくないよね!って言ったさ!!

 

でもその後できることならば、って感じで了解しようとしたんだよ!?

 

その前に泣き崩れるとかどうなってんだよ!?

 

あ~、これ慰めないといけないやつじゃん。

 

そうしないと話が進まねぇ。

 

「教えてくれ、と言っているがな《イオン》……人生において答えなんて言うものは存在しない。あるのは後世に続く者たちがどう判断するかという結果だけだ。だから、何も間違いなんてものは誰も簡単には付けられないのさ。できることと言えば精々間違いだと分かったことを次にしないためにどうするかということぐらいなのさ」

 

「だがそれでは奴を止められない……僕のしてしまったことは絶対にしてはいけない間違いだったんだ。僕にはもう時間がない。もう間違いを正すことも――――――――――――「だから」―――ッ!!!!」

 

「だから今回だけは君の、君が歩んできた人生を私が添削しよう。間違っていたらそこを訂正しよう。君の間違いを私が代わりに正しておこう。だから、今君ができることは次の生を受けた時同じ間違いを犯さないように気を付けておくことくらいだよ。生憎と答案の返却はしてないのでね」

 

呆けた顔でこちらを見てくる。

 

おっ、やっと泣き止んだか。

 

「だが、貴方は都合が良過ぎると先ほど……」

 

あれ?

 

此奴もしかして根に持ってる?

 

「ああ、どうやら私は誰かの夢を叶えることは得意らしいからな……。ほら、都合が良過ぎるだろ?」

 

「……」

 

そんな呆けた目を向けられてもなにもしてやらないぞ。

 

まあ、言葉の綾というやつだ。

 

奴も呆れたように、

 

「あなたという方は、…………。もっと早くにあなたと出会えていたならどれだけよかったことか」

 

「ハハ……それも反省のつもりか?なら次の生では早めに会いに来ることだな。まあ、俺が居るかどうかもわからんが」

 

「では、貴方がいる世界に生まれることにしましょう」

 

ハハ、ナイスジョーク。

 

まあ、こいつも冗談を言えるくらいには元気が出たようだ。

 

周りを見渡すと若干景色が白んできている。

 

イオンの姿も朧げになっている。

 

どうやら目覚めのようだ。

 

「では、さよならだ、イオン。もしまた会うとしたら君の来世か、君を倒すときになるだろう」

 

「そうですか、では来世で。因みに僕の体は既に乗っ取られているので倒すときの僕は僕じゃないと思いますよ」

 

「ほう、……なら心置きなくぶちのめせそうだ」

 

「ええ、…………ではまた来世で」

 

「…………ああ、そうだな……」

 

此奴の来世かぁ。

 

まあ、俺も転生者だし可能性としてはあるのかなぁ…………?

 

会ってみたい気はするが、此奴意外と泣き虫だしめんどくさそうな気がする。

 

でもまあ、待っておいてはやるか。

 

 

 

 

 

<side out>

 

 

 

 

<side Ion>

 

 

 

 

 

行ってしまったか……。

 

僕という残滓が残したこの空間。

 

先程までいたあの方の言っていたことを考える。

 

もし、本当に来世というものがあるのなら……僕はあの方に仕えたい。

 

あの方が言うには来世というものは存在するようだがどの世界に行くことになるかは分からない。

 

僕は力のほとんどを《ヤルダバオート》に奪われてしまった。

 

体も奴の支配下である。

 

…………あの方がどの世界の方なのかはわからない。

 

でも、あの方は間違いは次に生かせと言っていた。

 

なら、行こう。

 

僕が間違えた世界に。

 

そして間違いを正そう。

 

ここで残滓として消えるのではなく次に生かそう。

 

そうでなくては、あの方に顔見せすらできない。

 

もう力も及ばないが、できることを全てしよう。

 

備えることくらいはまだできるはずだ。

 

…………還り逝くものから感謝を……貴方と出会えて僕のやるべきことが見えました。

 

また会いましょう、クラフター。

 

また、いつか……。

 

 

 

 

<side out>

 

 

 

 

 

 




この度は、この様な小説を読んで下さり誠にありがとうございます。

これは、筆者の勝手な想像なんですが《Ion》って確か巨象の現実改変兵器で異世界?に飛ばされたんですが正直筆者は別の考えで巨象の現実改変に便乗して自分を乗っ取った相手を一時的に抑え込んだのではないかと考えています。

というか、原作の方の《Ion》ってかなりヤバイんですよね……。

だから、巨象たちが乗っ取られた《Ion》を相手してその隙に自分ごと封印したと考えたんですよね……。

まあ、筆者の稚拙な妄想なのかもしれませんが…………。

《Ion》がアイテム番号に居なかったので彼が立ち上げた宗教を張っておきます。
…………そうか、《Ion》を知っているのって《壊れた神の教会》だけなのかぁ……。

サーキシズム-ハブ
http://scp-jp.wikidot.com/sarkicism-hub


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