オバロに参加できると思った奴が、SCP財団に見つかったようです   作:ulo-uno

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き、九万……。UAが九万……。いぃやったぜぇぇぇぇええええ!!!!!!!!!

マジでありがとうございます!!!!!!!!!

それでは、「オバロに参加できると思った奴が、SCP財団に見つかったようです」

第三十五話どうぞ!


第三十五話

 

 

<side クラフター>

 

 

 

 

此処に来るまでに使った通路を来た道とは逆の方向に進む。

 

そこにあるものはすでに手遅れとなってしまった肉塊とその傍らに転がっているクソ虫。

 

どう考えてもまだ新しい死体だ……それにその職員の手には拳銃が握られている。

 

壁に付いている飛沫の跡からこの職員は自分の未来を察し自身の手で自決したのだろう。

 

『悔しいな……優秀な人材であっただろうに』

 

どうやら全ての職員を助けることはできなかったようだ。

 

これだけの力を持っていたとしてもその手からは零れ落ちる命がある。

 

そのことがあのクソ虫への怒りと自身の不甲斐なさに対する怒りを混ぜ合わせにさせる。

 

……この感情はあの機械の体では感じることができなかっただろうな。

 

こんな所で今の状態(人化)のデメリットを知ることになるとは……。

 

ゲスト1-1(クラフター)……大丈夫か?」

 

『ああ、……戦闘行為に支障はない』

 

「それを判断するのは俺だ。……厳しい言い方になるが今のお前は正直新兵と同じだ。自分のできること以上の事に気を割いている。そんなもの気にしたってしょうがない……今お前がするべきことは自分にできる事をすることだ。それ以上のことを考えるのは後で酒飲みの場とかで考えればいい」

 

『……』

 

「リーダー、探知(サーチ)に反応……2体です」

 

「分かった。α1-2お前は右をやれ。俺が左をやる。…………まあ、要するに戦場でそこまで気負う必要はない。できるだけ軽くして行け。身も心も、な。お前は……まあ、装備は別に大した問題じゃないだろうけどな」

 

そう言って射撃体勢を取るα部隊リーダー。

 

……彼の言う通りだな……戦場では身も心も軽く……反省や振り返りは後の話だ……今する事ではない。

 

ああ、なんだ……そう言う事か。

 

俺は自身への不甲斐なさを感じるよりも先ずは目の前のことを如何にする方が先だ。

 

反省会を先にしても意味がない……何も得られないだけだ。

 

ならば先程の彼が言ったように“今”できる事をした方が遥かに良いに決まっている。

 

……つまりはゲーマーの俺と本業のα部隊(彼等)とでは考え方からして違ったわけだ……敵わないな。

 

…………はぁ、……俺もまだまだ学ぶことは多いようだ。

 

そう思いなおし俺は再び自身の持つ銃をしっかりと握りなおした。

 

 

<side out>

 

 

 

 

 

<side α部隊隊長>

 

 

 

 

 

……お、ちょっとはマシになったようだな。

 

先程までは何か悩んでいたようだがもう心配しなくてもいいだろう。

 

まあ、任務中の新兵じゃよくあることだ……奴の場合は人化が関係していたのだろうが。

 

初めは人化を解除させようかとも迷いはしたがそれではO5-10の言う機密防衛ラインとやらには届かない。

 

正直あんな重装備に身を包んでいて顔なんて確認できないのに必要であるかは疑問ではあるのだが、そこはそう言う命令だ……従うほかない。

 

だが、もし奴の悩みが原因で仲間が負傷することは避けたい…………だからこそ助言をしたのだが……どうやらその効果はあったらしい。

 

顔が見られないから正確には把握できないが雰囲気でもわかる……いい兵士だ。

 

これなら背中を預けてもよさそうだな。

 

因みにだが今の俺達は本来四人規模の小隊であるところを2人ずつに分けて行動している。

 

SG(ショットガン)持ちのデックとLMG(軽機関銃)持ちのチェスは万が一の為にO5-10の護衛を任せている。

 

……言ってて不安になってくる構成ではあるがあいつ等も俺と同じ《機動部隊α-1(レッド・ライト・ハンド)*1の隊員である奴らだ……自分達の不利を言い訳にするような戦い方はしないことくらいは分かっている。

 

「O5-10、こちらα1-1(アルファ・ワン-ワン)。フロアB-4,第5~第1区画クリア。これよりB-3にある7区画の調査を開始する」

 

[こちらO5-10、フロアB-4,第5~第1区画クリア報告了解した。こちらにある端末からフロアB-4への上からの道を遮断しておく。フロアB-3に入ったら伝えろ]

 

「α1-1了解。……O5-10、フロアB-3を制圧するのに少し提案が……」

 

[なんだα1-1。言ってみろ]

 

「はい、……そちらの端末で可能な限りフロアB-3,第4区画まで誘導をお願いします。このフロアは他のフロアよりも区画数が多くまたClearance level 3以下の財団職員の居住スペースや待機している機動部隊の武器庫、研究者職員のラボやオフィスが存在します。そのためそこでの戦闘が発生すると考えられます」

 

[なるほど、つまりお前が言いたいのはそのラボやオフィスにあるものを破壊される危険性があると言う事か。……確かに一部のラボには揮発性可燃物を扱っているものもあるな]

 

「それに武器庫には《サーキック・カルト》からの報復に備えナパーム弾や神経ガスグレネードが大量に保管されています。もし誘爆なんてしたら区画の一つは火の海になりかねません」

 

[だから一つの区画に集めようと?確か第4区画は……食堂か]

 

「ええ、あそこならフロアB-3にいる職員全員を集めることもできます」

 

[なるほど、α1-1その作戦で行こう。他の者にも伝えろ“元の作戦よりもその作戦を優先しろ”とな]

 

「了解。……お前達も聞こえていただろう。俺達の目的地は第4区画だ。そこにあの虫けら共が集まってくる予定だ。だが発砲には気を付けろ……そこにはただの財団職員も大勢いる。……ゲスト1-1、フロアB-3全域に《探知(サーチ)》をかけてくれ。俺達に掛けてくれたやつじゃ全域が見渡せん」

 

『了解した。……《魔法範囲拡大・探知(ワイデンマジック・サーチ)》。…………全部で22体。ついでにフロアB-2,B-1共に0』

 

「まあ、B-2はお前たちが倒した数が8体……B-1は職員もほとんど立ち入る必要はない場所だ。餌が近くにいなけりゃ捕食者もいない……か。……これは次のフロアで片が付きそうだな」

 

「リーダー、虫共を一か所に集めるのは賛成だがそれだとSGとM134は戦い辛いんじゃないか?」

 

『俺の心配はいらない。M134(コイツ)で殴り倒すもよし、壁際に集めてまとめて処分してやるもよしだ』

 

「多少暴れても構わん。……財団にはクレフ博士*2やコンドラキ博士*3のような前例がある。多少暴れたとしても後からもみ消しがきく。だとすれば問題はD_46157だが……」

 

「ああ、俺なら問題ねぇ。0距離から撃てば散弾だって飛び散らねぇ。スラッグ弾だってある。それにあのクソ虫共が化けてるのはほとんどが警備員や機動部隊……まあ、武装してる奴らの可能性が高いっていう話だろ?ならそいつらの装甲ごと打ち抜ければ後ろには飛び散らねぇだろうし問題ないだろ」

 

「……確かその銃はゲスト1-1のものだったな。……どうなんだ、ゲスト1-1……威力は大丈夫なのか?」

 

『……おそらくだが……貫通するだろうな。確かに私にとってはそこらの銃と大して変わりはないがお前たち人間目線で考えると…………威力が強すぎる可能性が……いや、強すぎる。まあ、と言っても装甲を貫通しているだろうから貫通弾に当たっても死にはしないだろうが』

 

「…………D_46157、これを一応持っておけ。CZ75-Bだ。その拳銃なら貫通はしないだろう」

 

「弾種は?」

 

「G2R RIP……まあ、もし機動部隊や警備隊以外の奴らに化けていた時に使え」

 

「ヒュ~、ワンショットストッパーか。……確かにこれなら“人間は”一撃だな」

 

「予備のマガジンも2つだけだ。慎重に使え」

 

「分かってるよ。これでも銃の扱いにゃ慣れてるからな」

 

だろうな、お前の罪状じゃ銃の扱いに慣れていない方がおかしい。

 

こと銃の扱いや部隊の規律に関してだけならそこらの軍隊の兵士よりも遥かに上だ。

 

……だからこそSCiP関連の任務も外されていないんだろうが……。

 

「よし、お前等……そろそろ職員共が食堂に集まる時間だ。さっさと仕事を終わらせよう」

 

「「『了解』」」

 

 

 

<side out>

 

 

 

 

<side グラス博士>

 

 

 

 

ふぅ……なんだか久しぶりに一息付けたような気がします。

 

フロアB-3,第4区画へ向かえとは……これは誰が送ってきたものなのでしょうか……。

 

しかし、メッセージの送り主を見るに僕よりも立場的に上の方だと思うのですが……。

 

まあ、今は一息付けたことですしそれでよしとしますか。

 

……僕にとっては素晴らしいことにあの問題児達*4もここにはいませんし。

さて、今回は上からの頼みでとあるSCiPのメンタルチェックや財団(僕たち)に対する感情を聞き出したいとのことですし……それにできれば過去に何があったのかも。

 

……まあ、今回のSCiPも《Object class_Euclid》とのことなのでそれほど人間に対して恨みと言った感情はそこまで持ち合わせていないのでしょう。

 

と言っても今回の相手は2週間前の例の戦いでかなりの戦果を出していたと言う。

 

……とは言ってもその時僕はあの異次元?……まあ、どこかの組織が用意した空間に避難してたんですけどね。

 

非常に近未来且つ独創的な都市……絵の切れ端のようなものに触ってからあの世界に吸い込まれるように移動したので恐らくあの世界を創ったのは《AWCY》かもしれませんね…………非常に考えにくいことではありますが。

 

……おっと思考がそれていました……やはり最近働き詰めですね、これは。

 

しかし、メンタルチェックの仕事は明日……やはり今のうちにもう一度SCP_■■■■に関する報告書を読み直しておきましょう。

 

……ん?何だろう、向こうの方がうるさくなってきたような……それに人の数も増えてきている。

 

一体何をしているのか……流石にクレフ博士やコンドラキ博士のような殺し合いはしていないでしょうがもし誰かの喧嘩なら適当なところで仲裁をした方がいいでしょう。

 

…………っと、今誰かの悲鳴?これは、もう流石に止めた方がいいですね!!

 

「君たち何をそんなに争って――――――

 

――――――ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!!

 

――――――え?」

 

じ、銃声!?

 

とっさに身を屈め近くにあった机を横に立て身を隠す。

 

……ふ、普段からあいつ等(クレフ博士とコンドラキ博士)の喧嘩に巻き込まれないように、と身に着けた技がこんなところで発揮されるとは…………世の中何が必要になるか分からないものですね。

 

って、そんなこと考えてる場合じゃないですよ僕!?

 

何とかしてこの場から――――――

 

――――――――――――ガシャン!!

 

あ、…………隔壁が閉じた……。

 

え?……ちょっとちょっとまだ大勢中にいるんですよ!?!?!?一体誰が……あ、そうか!!手動レバーで閉められたのか……ってもっとやばいじゃないですか!!!

 

手動レバーでわざわざ閉めたって言う事は僕たちを逃がす意思はないってことじゃないですか!!!

 

「グラス博士ッ!こっちです、早く!!」

 

「わ、分かりました!!援護感謝します!!」

 

一人の()()()()の方が僕を助けようとして援護してくれます。

 

……あれ?……此処にいる機動部隊の方は今どっちに向かっている?そちらは僕たちに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?()

 

此処でいきなりだが少し人の心理のことについて説明したい。

 

人の心理とはその時その時、人それぞれであるがそれが状況下によっては当てはまらない時もある。

 

それは、その人がある重度パニックに陥っている場合である。

 

人はパニックを起こすとある程度の思考はできるがのそれを実際に行動に起こすことが難しくなる。

 

そうなった時に誰か他人が大きな声で指示を出すと咄嗟にその指示に従ってしまうと言うものだ。

 

つまりはそう言う事である。

 

……この人は……味方じゃない!!敵だ!!ッ!?まずい!?

 

ある程度のところまで来た途端機動部隊に成りすましている誰かが僕の方に向かって振り下ろされるナイフを間一髪のところで避ける。

 

「へぇ……。流石は心理学者ってところか?これで殺れると思ったんだが。……だが手遅れだったな」

 

「……貴方は……貴方達は何者ですか?一体何が狙いで?」

 

「お、まだそんなこと聞く余裕があったのか?まあ、どうせ死ぬんだ……教えてやるよ。俺達はお前らがSCiPとか言って呼んでる奴らさ……。で、狙いだが……まあ、この世は弱肉強食ってやつだ。今の俺とお前みたいにな。……だがこの財団とか言う組織を知ったことで俺達は気付いた……俺達はまだ食物連鎖の頂点じゃないってな。だからこそこの財団の他のSCiPを喰らう事で俺達はさらに強くなることにしたんだ」

 

さもそれが素晴らしいことかの様に機動部隊に化けている男はそう語ってくる。

 

……なるほど、先程から幾人かの方が拳銃とはいえ応戦しているのに一向に倒れる気配がないのはそう言う事ですか。

 

それに、人を食い、人に化ける……そしてどうやら話の内容から定かではないが喰らった人の記憶が引き継がれているようです。

 

……この特徴……一度耳に挟んだ記憶があります.

 

確か……そう、《SCP_3333_1》。

 

…………皮肉ですね……僕にとっての初めての《Keter》との接触がこの様な形になるなんて。

 

まあ、いいでしょう……これでもしあの世とやらに行ったとしてもクレフやコンドラキ、ジャックにKeter童貞だのと笑われることはなくなりました。

 

……とは言ってもここで死んでやるつもりも更々ないですが。

 

先ずは時間稼ぎからでもしましょうか。

 

「それで?先程僕の名前を知っていたようですが何故知っていたのです?僕は名乗った覚えはありませんよ」

 

「ああ、それの事か。何、簡単だ。この体の元の奴の記憶にあった。お前を捕食するのは足掛かりに過ぎないんだよ」

 

「足掛かり?何のですか?」

 

「なんだ……それでも時間稼ぎのつもりか?安心しろ誰も来やしないさ。……まあ、答えてやるとコンドラキ、ジャック・ブライト辺りへの足掛かりだ。なんでも片やSCiPを飼いならしている。片や不死身ときた。どっちもお前の同僚で……どうやらそれなりに接触する機会があるようじゃァないか。俺達にはうってつけの存在だ」

 

…………如何やら記憶を引き継げるのも完全ではないらしい。

 

コンドラキを相手するなど馬鹿げた話だ……そんな余裕をこいて勝てる相手じゃない。

 

それにジャックの不死の力はあのネックレスによるものだ。

 

ジャックを食べたところで不死の力は得られない。

 

「ク、フ……フフ……」

 

あ、ヤベ……無理なことを盛大に語っている姿を見ていたら笑いをこらえきれなかった。

 

「ほぉ……貴様この状況で笑うか。……死ぬ時も精々笑えたらいいな」

 

ですよねぇ!!

 

やっぱり怒らせちゃったか……。

 

もうこっちに銃口を向けている状態。

 

……一応はボイスレコーダーを回していたが……如何やら必要になりそうだ。

 

もしこのサイトの異変に誰か気付いて人をよこしたのなら僕の仇を討ってくれると有難i――――――

 

 

 

――――――――――――ガァン!!

 

 

 

――――――もう……次は一体何ですか?

 

「おい、今のは何の音だ?」

 

「分からん。……隔壁の方から聞こえた」

 

あれ?こいつ等じゃないのか?

 

だとしたら一体……。

 

 

 

――――――――――――ガァン!!

 

 

 

また聞こえた。

 

次は目に見えるほど隔壁がへこんでいた。

 

……向こうに何かいる……いや、いるのは確実だ、一体何が?

 

 

 

 

――――――――――――ガァアン!!!!

 

 

 

 

様子を疑い隔壁に近づいていた何体かのSCP_3333_1が吹き飛ばされた隔壁に巻き込まれる。

 

砂煙が立ち上がりよく見えない……だが何かがいる。

 

「おい、お前。様子を見てこい」

 

そう言われた一人が煙が立ち込める隔壁付近に入って行く。

 

……あの煙中々晴れない……まさか。

 

「ガァッ……アアッ!?!?――――――――――――ガハッ!!?」

 

煙の中に入ったSCP_3333_1がいきなり苦しむような声を上げると反対側の壁まで物凄い勢いで跳んでいきそのまま()()()

 

今もなお立ち込めている煙の中から重装備を纏った兵士が表れる。

 

 

 

――――――――――――ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!!

 

 

 

 

その兵士が纏う雰囲気に何かを感じたのかSCP_3333_1の全てがその兵士に向かって発砲する。

 

しかし、その兵士は自身が多方から撃たれる中その場を動かない。

 

それどころかSCP_3333_1すら見ずに負傷者の確認をするかのように辺りを見回していた。

 

 

 

――――――――――――カチッカチッカチッ……

 

 

 

『ほぉ……撃ち尽くしたか。ならば次はこちらの番だな?』

 

 

 

――――――――――――ダラララララララララララララララララララララ!!!!!!!!!

 

 

 

次の瞬間聞こえたのは耳を劈くような……物凄い速さで弾丸を発射する音だった。

 

本来ならば制圧用に用いられる筈のM134(それ)……そのため精度も何もあったものじゃない……ないはずなのにその兵士(かれ)は正確に標的(SCP_3333_1)を撃ちぬいていく。

 

『むぅ……ぬぅんッ!!!』

 

背後を取られ後ろから数人に飛び掛かられてもそれをまとめて吹き飛ばす。

 

赤子と大人だってもっとましな戦いになると言いたくなるほどに戦力差は歴然であった。

 

それに彼だけじゃない……煙の向こう、力づくで破られた隔壁の影から正確にSCP_3333_1を撃ちぬいている者もいた。

 

物凄い技術(テクニック)だ…………見えない敵を正確に射貫くなんて。

 

そんな光景が少しの間続いていたがやがて動けるものは居なくなりひと段落着いたところで彼はこちらに来た。

 

『……大丈夫だったか?来るのが遅くなった。申し訳ない……』

 

「え……。いやいやいや、助けてもらったのはこちらさ。君たちが助けに来なければそれこそ僕は死んでいたしもっと被害は広がっていたはずだよ。命の恩人に謝られると落ち着かないよ」

 

『俺達が……俺がもっと早く来てさえいればもっと助かる命もあっただろうに……他の者も怪我をするようなことなどなかっただろうに……助けに来るのが遅くなってしまって本当に申し訳ない』

 

そう言って改めて他の職員の方にも頭を下げる彼。

 

……思ってたよりずっといい()じゃないか。

 

彼もまた他の所でも戦っていたのだろう……先ほどに付いた血痕や弾痕以上の傷があった。

 

その姿を見て怒る者はいないだろう……彼もまた必死に戦っていた証拠だ。

 

ふと、周りを見渡す。

 

あちこちに黒く大きな虫の死骸が転がっているが一つだけまだ人の姿をとどめている者がいた。

 

僕を殺そうとした奴だ。

 

既に虫の息のそいつに近づこうとしたが……

 

『あ~、そいつはまだ息をしています。もう虫の息ではありますが何をしてくるか分からない以上危険です』

 

「有難う……わざわざ忠告してくれる君は優しんだね。でも最期だからこそ言ってやりたいことがあるんだ……僕もこいつ等には怒っていてね」

 

『……ならばあまり近づかないように。俺も一応銃を構えておきます』

 

「それはいいね。その銃なら一発で事足りるだろう」

 

それだけ言ってから倒れているSCP_3333_1に近づく。

 

そいつはこちらを睨んでいる……まあ、自分が優位に立っていると思ったら次の瞬間には逆転されたらそうなるだろうね。

 

そいつを見返しながら僕はそいつに話しかける。

 

「そういえば君は先程どうせ死ぬのだからと言っていたけどそれが誰か言ってなかったね。……だけど誰が死ぬのか今分かった。……君だよ……。まさか自分が死ぬ前に色々教えてくれるなんて君は親切なんだね……有難う」

 

「クソガァ……クソクソクソクソォオオ――――――――――――ダンッ!!

 

最期の力を振り絞って起き上がろうとするところで一発の銃弾が放たれる。

 

それを撃ったのは……僕だ。

 

僕が撃った弾丸は真っ直ぐとSCP_3333_1(そいつ)の胸に吸い込まれるように進み心臓を貫いた。

 

するとSCP_3333_1は一度だけ大きく跳ね動かなくなり他の奴らと同じように虫の姿となった。

 

「ほら、やっぱり死ぬのは君だったでしょ?」

 

事実かどうかは知らないが人には普段は怒らないが怒ると怖くなる人がいると言う。

 

…………今まであまり考えたことはなかったが……どうやら少なくとも僕はそうらしい。

 

目の前に転がる虫の死骸を見て僕はそう思った。

 

 

 

 

<side out>

 

 

 

 

*1
機動部隊アルファ-1はO5評議会に直接報告を行う部隊で、作戦上最も厳格に機密性を要する状況で投入されます。この部隊は財団の中でも最も忠誠心のある隊員で構成されています。機動部隊アルファ-1に関するこれ以上の情報はレベル5機密になっている。

*2
財団所属の問題児の一人。娘の為に元居た組織《GOC(世界オカルト連合)》から財団に籍を置いた。……エージェント・ウクレレはもういない。因みに現実改変能力者。事件239-B クレフ-コンドラキは有名な話。

*3
財団に所属する問題児の一人。《SCP_682/Object class_Keter/通称:クソトカゲ》を乗りこなしたことがある……。また、とあるSCiPを飼いならしている。事件239-B クレフ-コンドラキは有名な話。

*4
“主に”クレフ博士、コンドラキ博士、ブライト博士のこと。




この度は、この様な小説を読んで下さり誠にありがとうございます。

どうも、普段怒らない人を怒らして地獄を見たことがある筆者です。

……まあ、内容は全てが勘違いから始まるものだったので仲直りはしたんですが……1ヶ月後ぐらいに。

…………ふぅ……今回の字数は何と総数で言うと九千字超。

いや~、疲れた疲れた。

所で最近マイクラをやってて思ったことがあるんですが……エンダーマンっているじゃないですか。

で、あれの顔を見るとエンダーマンってプレイヤーを殺しにかかってくるじゃないですか……。

のっぽで顔(目)を見たら死ぬまで追いかけてくる……あれコイツSCiPにも似たような奴がいたような……。

某内気な男はエンダーマンの強化種だった……?


グラス博士
グラス博士の人事ファイル
http://scp-jp.wikidot.com/dr-glass-personnel-file


クレフ博士
クレフ博士の人事ファイル
http://scp-jp.wikidot.com/drclef-member-page


コンドラキ博士
コンドラキ博士の人事ファイル
http://scp-jp.wikidot.com/dr-kondraki-s-personnel-file


ブライト博士
ブライト博士の人事ファイル
http://scp-jp.wikidot.com/dr-bright-s-personnel-file


機動部隊アルファ-1 ("レッド・ライト・ハンド")
http://scp-jp.wikidot.com/task-forces


SCP-3333/Object class_Keter/塔
http://lafundacionscp.wikidot.com/scp-3333


SCP_foundationはクリエイティブ・コモンズ表示-継承3.0ライセンス作品です。(CC-BY-SA3.0)
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