オバロに参加できると思った奴が、SCP財団に見つかったようです 作:ulo-uno
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ふぅ……今回も何かと5000字以上……。
マジで最近1話ごとの文字数が増えてきた……。
それでは、「オバロに参加できると思った奴が、SCP財団に見つかったようです」
第38話どうぞ!
<side クラフター>
――――――――――――タッタッタッタッ……
今回の本当の意味での任務、“小さな魔女”の鎮静化。
鎮静化と言えば響きが怖いが要するに落ち着かせるという事だ。
……カームダウン、ネ!
「Dr.ロッシ。SCP-239の場所はこちらです」
『了解した。……ああ、……なんとまあ、よく此処まで破壊できたものだ』
此処では言えないけど一応施設の強化ってのをしたことがあるような気がするんだけどなぁ…………まあ、あの時はこの世界のSCiPがどのくらいの強さを誇るかなんて知らなかったし何ならSCiPそのものを知らなかったからな。
だが、そんなものは知らんとばかりに一部の壁が崩れ収容室はがれきが飛び交い竜巻がそこにあるかのような光景が広がっていた。
『なるほど……ここに来てようやく暴走の意味を理解した。……確かに並みの人間では近づけもできないだろうな。……無暗に近付くのは危険すぎる』
「へぇ~、分かってるじゃないか。そんな君にお願いがッ!!……あるんだが、このッ!!……コンドラキ博士少しの間抑えてもらえないかなッ!!?そしたらその間に俺がッ!!……終了させよう」
いや、その前にあんた誰だよ?
ここに来ていきなり話しかけてきたけどさ……。
そして、今アンタが戦ってる奴も誰だよ?
「てめぇ、やらせるかよッ!!……お前もッ!!……クレフの野郎と同じことをッ!!……しようってんなら、此処でッ!!……殺すッ!!」
あの~、なんだろう……二人で戦いながらこっちに話しかけて来るのやめてもらっていいですか?
とは言え、このままにしてたらいずれどっちか死んでしまいそうな気がするなぁ……。
まあ、とりあえず拘束しておきますか……。
《
勿論かけたのは2人だけ……此処で“魔女”にかける必要はない。
『あ~、済まないが私にも任せられた“任務”があるのでな。……少しばかりそこでじっとしていてくれ』
「……これは、君のせいかな?……ロッシ博士?」
『ああ、そうだとも。そこで暴れられては困るからな。…………そして、先程から私の後ろから忍び寄ってきている奴……私の仮面を取るのはやめておくことをお勧めする』
「な~んだ、気付いてたのか。……いつから気付いていたんだい?足音も立ててなかったと思うんだけど……」
『なに、足音を立てていなくても気付くさ。……君が生きているのならな』
まあ、嘘なんですけど。
本当は、今は見えていないけど実際は付けてる対暗殺者用の指輪が後ろからスニークしてくるのを察知してだけだったりする。
「わぁお……そんな理由で気付かれるとは思いもよらなかったよ。……まさか、君生きてる人間探査機だったりする?」
『なんだそれは。……まあ、答えは心音だ、とだけ答えておこう』
「なぁるほど……興味深いくらい耳がいい訳だ。…………
…………ん?
今なんか面倒くさそうなやつに目を付けられた気がしたような……まあ、気のせいか。
でも、この世界なら多少耳が良過ぎるくらいの人間ならどっかに良そうだと思うんだけどな……。
O5だって……いやあの人たちは例外か……。
まあ、なんにせよこのくらいは許容範囲内だろう。
「おい、ジャック。そいつと戯れてないでさっさとそいつを如何にかしろ。……先程から体が全く動かん」
「いやいや、その必要はないぞジャック。……そこの君、え~と、……ロッシ博士だったな。そこにいるウクレレ野郎……クレフ博士
「オイそれだけはマジでやめろ、お前俺の首をまた圧し折るつもりだろう」
「ハハハ……クレフ、キミハナニヲイッテイルンダイ?」
「片言になってんじゃねぇよ。……オイマジでそれだけはやめろ」
「ねぇ、ロッシ博士。面白そ……実は仲良さそうだからしばらくこのままにしておいたらどうだい?」
『う、うむ……そのほうが良さそうだな。私にもやることがあるしな』
「「オイふざけんな、ジャック!!俺と此奴のどこが仲いいって!?」」
「そういうところじゃないかな?…………で、ロッシー君。この後はどうするつもりだい?」
『ロッシー君……まあいい。……で、この後か?』
と言うか君は彼等を煽るだけ煽ってそのまま放置とか……いや、まあ、……うん。
後で殺されたりしないよな?
「うん、だって君は財団の保有する資料内では本来財団が決して場所を明かすことを良しとしない極秘のサイトから出ることはないはずだ。そして、君の担当SCiPは《SCP-001》……それも
「オイ、ジャック。……どういうことだ。どうして今ここでSCP-001の話が出て来ることになる?」
「何、簡単なことさクレフ。SCP-001は様々なダミーが存在することは君も知っているだろう?だが、その中で《ゲートガーディアン》や《壊れたる神》の類……つまり、
『……因みに黙秘権は?』
「それ自体が答えのようなものだよ?」
『……はぁ、……流石だな。ブライト博士』
「あれ?僕、君に名乗ったっけ?」
『人伝いに聞いたことがあるだけだ』
「おお、流石は僕!!まさか、SCP-001を担当してる博士にまで知られているとは思いもよらなかったよ!」
まさか、職員だとは思いもよらなかったが。
と言うか、SCiPだと思っていた……いや、でもグラスはブライト博士はSCiPだとか言ってた様な……あれ?ネックレスだったか?……まあいいや、後で、また教えてもらおう。
「で、そろそろ本題に入ろうか。……どうやって止める?……明確なイメージはあるのかい?」
突然真剣な表情になったな……まあ、先程と言い普段との温度差が凄い人と言うのは分かった。
……それにしても明確なイメージか……。
『ブライト博士……それは簡単なことだ。あの子が今暴走しているのは“恐怖”によるものだ。ならば先ずはそれを取り除く。…………こんな風にな』
《
怯える“魔女”から恐怖を取り除き、辺りに飛び交う瓦礫は花弁となる。
……見栄と言うのは大事なものだ、確かそう言っていたな彼は。
《ユグドラシル》時代、圧倒的不利を覆した《【AOG】対【2ch連合】戦》。
その立役者の一人である《るし☆ふぁー》の言っていたことだ。
何でも人と言うのは効果よりも“見栄”に左右されやすい。
ならば、恐怖が無くなった眼差しで奇麗な花々を見せて差し上げよう。
そうすればこちらにも心を許してくれる…………筈だ。
床に落ちた花弁の道を進みながら“魔女”の下に歩を進める。
……さて、ここからが本番だ……気を付けろよ、俺。
『やあ、シガーロス君。私と会うのは初めましてだね』
「……貴方は?……もしかして“こわい魔法使い”さん?」
『いやいや、私はアッボンディオ=ロッシ。君にこれを渡すためにここに来たのさ』
そう言って懐から一つの封筒を取り出しそれを彼女に渡す。
彼女はその封筒と俺の顔を交互に見てから封を開ける。
「拝啓、親愛なるシガーロス=ステファンスドッティル殿。この度は合衆国魔道魔術学校にめでたく入学を許可されましたこと心よりお喜び申し上げます……って、え、え、……ど、どういうことですか!?」
『まあまあ、……ほら、続きを読んで』
「え、え~と、…………これなんて書いてあるんですか?」
“魔女”が此方に聞きかけてくる。
読めない字でもあったのだろうか?
彼女の持っている手紙を覗いてみるとあちらこちらに文字がばらばらに散らばっているのが見えた。
ああ、そう言えばさっきここに来るまでにこんなギミックも織り込んだっけ…………
『ん?……おっとこれは……。ここら辺に息をそっと吹きかけてごらん』
「……?」
彼女は言われたとおりに息を吹きかける。
すると、バラバラに散らばっていた文字は紙の上を滑り今度は一つの文章を作り出した。
「わぁ!!すごい!!魔法使いってこんなこともできるんだ!!…………えっと……新学期は4月1日より開始いたします。2月21日までに同封筒を用いてお返事ください。……これは何と読むんですか?」
あれ、まだ分からないところがあったのか?
もう一度覗いてみると彼女が指で指示しているところにはちゃんと文字があった。
今度は普通に読めなかった様だ。
『それは敬具って読むのさ』
「あ、そうなんですか!ありがとうございます!!敬具……合衆国魔道魔術学校校長アッボンディオ=ロッシ……え?このおなまえって……」
『どうも、シガーロス。現合衆国魔道魔術学校校長アッボンディオ=ロッシ……改めて入学許可、おめでとう』
それを聞いた彼女はしばらくの間呆けた後にその眼に大粒の涙を浮かべた。
……って、ええええええええええええ!?!?!?
ちょっとその反応は予想外過ぎるんですけどぉォオオ!?!?
ああ、もうほら泣かないで……。
「……わ、私は……」
ん?
「私は、……学校に、通っても……いいんですか……?…………私は、……やっちゃ、ダメな、魔法を使って……」
あ~、なんかそんなこと報告書にもあったな。
まあ、でもそれは此処に来るときに確認している。
その質問に対しても予想済みだ。
『なに、シガーロス。君がその魔法を使ったのは11歳以下の年齢だ。つまり君はその規定に引っかからない』
「き、規定……ですか?」
『ああ、そうだとも。魔法界における規則、え~と、第何条だったかな……まあいいとにかく、11歳になるまでの間に本来特別な資格なしに使ってはいけない魔術であったとしても使ってしまうことを大目に見られている。……まあ、また君が同じことをしようとするなら君は11歳だからこの規則は適応外になるけどね』
「で、でも!!財団の先生達が……」
『あ~、それはたぶん何かの伝達ミスだろう。本来であればよほどの事じゃない限り大目に見られるし、よほどの事であったとしても魔法省から通達が君に直接届くだろうからね』
「そ、そうなんだ!!…………ところでその魔法省って言うのは?」
『まあ、その辺は追々学校の方で習うことになると思うよ?』
「あっ、そうなんだ……」
『そうさ、……学校での楽しみを此処で奪う訳にはいかないだろう?…………それよりもあそこで固まっている彼らに言う事があるんじゃないかな?彼等は君が健やかに育ってくれるように色々と衝突していたようだけどそれでも君の為を思って行動していたんだから。だったら、迷惑を掛けたらどうするか、わかるね?』
「…………はい」
『よろしい。……では行ってらっしゃい』
彼女はそのまま固まっている彼らの元へ向かう。
…………もういいだろう、捕縛を解除してやろう。
……あれ?何か大事なことを忘れている様な……。
「クレフ先生、コンドラキ先生、約束を破ってつかっちゃいけない魔法を使ってごめんなさい。……そのせいで迷惑かけてごめんなさい……」
そういって彼女はぺこりと頭を下げる。
その姿を見ていたクレフ博士が近寄り……ん?クレフ博士?
……。
ああああああああ!あの人最初に“魔女”を殺そうとしてた人じゃん!!!!
ヤベェ!!今すぐ止め―――――――
「はぁ……。俺の方こそ怖い思いをさせて悪かったな。……その~、なんだ……お前はまだガキなんだから迷惑かけるくらいがちょうどいいってのにな……一々怒ってた俺の方が大人げなかったよ……ごめんな」
あれ?……殺そうとしてない?
どういうことだ?
「そうそう!!シガーロス、悪いのはぜ~んぶクレフのせいだって!!気にすんな!俺はそんなに怒って無かったろ?」
「んだとぉ!?おい、コンドラキ!!お前それどういう事だ!?……怒らないから言ってみろ!?」
「…………僕、実は空気だった……?」
う~ん、……どういうことだ?
さっきまでの殺伐とした空気は一体どこへ?
「ああ、ロッシ博士……ちょ~っとこっちに来ようか?」
『ゑ?』
クレフ博士にいきなり腕をつかまれ隅っこの方へと連れていかれる。
そして、肩を組んでコッソリとこちらに話しかけてきた。
「ロッシ博士、アンタがSCP-239……シガーロスを管理下に置くってんならそれでもいいが少しでも彼女を“壊す”ような真似をしてみろ。……例えそこが極秘の場所だったとしてもお前を見つけ出してその仮面のど真ん中に風穴を開ける。……いいな?」
『……それについてはしっかりと責任を持つつもりだ。……それはそうと先程のは?てっきり貴方は彼女を殺したいものかと』
彼はそれを聞いた途端とても言いにくそうに頭を掻き再び肩を組んできた。
「それについては、まあ、……あんな“封印”紛いのことをするよりもいっそのこと楽にしてやった方がいいと思ったのさ」
『……嘘ではないな』
本当のことも言ってないだろうが……。
「そうそう、
そう言い残して彼は再び何処かに去って行った。
……気になる点は幾つかあるがそれは今考えてもどうしようもない。
さて、……彼女を連れて帰る前にこの部屋を直しておかなくてはいけないな。
<side out>
この度は、この様な小説を読んで下さり誠にありがとうございます。
只今、ワクチンの接種を終わらせてクソほどシンドイ筆者です。
もう皆さんはワクチン接種を終わらせましたか?
もし、これからと言うのなら先に解熱剤を飲んでおいた方がいい気がします……。
ブライト博士
ブライト博士の人事ファイル
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クレフ博士
クレフ博士の人事ファイル
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コンドラキ博士
コンドラキ博士の人事ファイル
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小さな魔女/Object class Keter/SCP-239
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