ようこそ第0護衛隊群へ   作:/Null

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ギャップ...萌え?


思い出は想像してから創造するもの 51/?

ゆったり目な彼のシャツ一枚をまとい、長風呂後特有のふわふわとした浮遊感に包まれつつ、梳かされる髪に目を細めていると、ポンポンと頭に手が置かれる。

 

「ほれ。終わったぞ」

 

いつの間にかドライヤーの音は消え、代わりに残ったのは終わりを告げる聞き慣れた彼のささやき声。お風呂上がりいつもの日課も、どうやら終わってしまったらしい。

 

「風邪引く前に、ちゃんと服着ること」

 

「んー...分かってるって...」

 

回らない思考で曖昧に返事をしたけど、ちゃんと忘れてはいない。この後はお義母さんが置いていってくれたものを使ったお楽しみ会?であるということを。

 

 

――――――――――――

―――――――――

 

 

「で、なんだこれ?」

 

「何って、見りゃ分かるでしょ」

 

パジャマに着替えると思っていたであろう彼の目の前にあるのは一つの紙袋。その中身はどこから仕入れたのか彼の継続高校時代の制服。

 

「お義母さんがニッコニコで置いていってくれたわよ」

 

「やっぱりか母。というかこの展開、なんかデジャブ感がすごいんだが...」

 

そしてまたしても何も知らない彼。前のホスト?服の時もそうだったが、捨てずに残してくれているお義母さんは流石なのである。

 

「さ。はやく着替えることをお薦めするよ?時間は有限だからね」

 

「いや別に着るのはいいけどよ...なにも出んぞ?」

 

「ふふっ。それを決めるのはきみじゃなくて私たちさ」

 

「えぇ...」

 

「なんだかんだ言っても着てくれるんでしょ?なら早く着替えなさいよ」

 

「へいへい」

 

案の定早く折れてくれて彼は昔の制服に袖を通し始める。今では見られない継続高校の、それも男用の制服。十数年近くも前の服なのに、体格が変わっていないのか上着もズボンもスルスルと難なく入る。

 

その光景は女性としてちょっと腹が立ち、似合ってなかったら笑ってやろうかなとも思ったが、彼がネクタイを締め終えた瞬間、そんな感情は消え失せた。

 

淡い水色をベースに少し太めの白いラインが縦に入るブレザーに、ズボンは無地のグレー。黒いネクタイを締めて、下地は白のカッターシャツ。

 

服装だけは一丁前に学生のくせに、その顔つきと中身からは彼特有の大人びた雰囲気を感じさせられる。

 

そのギャップの破壊力たるや───...。

 

「んー。なんとか着れたのはいいが、この歳になって制服とか流石に似合わんな。2人ともすまんな期待外れで」

 

「「...」」

 

「...いや、なんか言えよ。恥ずかしいだろ」

 

「...ふふっ。きみとの高校時代に紡いだ、甘ーい思い出を振り返っていただけさ」

 

「いやいやいや、俺の高校時代とかお前産まれて間もないだろ。ありもしない記憶を創り出すな」

 

「なら、今から創ろうじゃないか。一先ずは校内デートから...だね?」

 

「なんでやねん。もう風呂入ったんだから外には出ねぇよ...って、おい。制服に着替えようとするな。わざわざこんな格好で学校なんて行くわけないだろ。というか、そもそもいい歳したおっさんがこんな格好して外歩けねぇよ。通報されるわ。エリカもいってやr───...って、エリカ、お前...」

 

「あっ!べっ、べべべべ別に学校で会えないからって、ゲーセンで会おうみたいなシュチュエーションでデートしたいなんて思ってたわけじゃないから!」

 

「妄想はげしすぎだろ!欲望ダダ漏れなんだが!?」

 

彼のジトっとした目線で、黒森峰の制服に着替えようとしていた手は止まり、しかし無意識に口が動く。

 

ミカさんの後だからというのもあるが、こんな気持ちが伝わっても不思議と恥ずかしさはない。代わりにあるのは少しの残念さだけ。

 

いいぞって言って欲しかったなぁ、っていう。本当は制服デートしたかったなぁ、っていう。

 

...まぁ、現実的に考えて無理なのは流石に分かってるけど。

 

だから。だから、決して本気で言ってたわけではない。ちゃんと理解もした上で思っていただけ。

 

そう自分に言い聞かせながら、諦める気も無さそうに...というか行く気満々に、彼に腕を絡ませるミカさんを見て、一つのため息と苦笑いを。

 

───ミカさんの場合、この状況でも本気でここから押し切るからなぁ。

 

「...お前も大概本気っぽかったけどな」

 

「う、うるさい!」

 

「まぁ、前にも言ったけど黒森峰には今度きちんと行ってやるから。それでいいだろ?」

 

「この服で?」

 

「んなわけあるか。ちゃんとした服装でだよ」

 

「ふぅん...」

 

珍しい彼の姿。ここで終わらすのは残念に思えるけど、けど今回が最後な訳じゃ無い。こうしてお義母さんが持ってきてくれて、ここに保管される(ミカさんが絶対する)ってことは、また見る機会もあるし、おそらく、デ、デートの機会だってある。

 

だって、昔の服なんて恥ずかしくて着れないって言っても、結局のところは、ミカさんのように押し切れば彼は絶対折れてくれるから。

 

だから、今はこの目に焼き付けるだけでいいんだ。お楽しみはまた、ということで。

 

「おい。またなんか企んでねぇか?」

 

「べっつにー?」

 

それに、彼はまだ知らない。今回の件とは別に、私と隊長がひっそりと彼用のパンツァージャケットを調達しているということを。

 

「ふふっ。確かにそれも見てみたいけど、けどまぁやっぱり継続の服が1番似合うよ」

 

「いいえ!黒森峰の服の方が似合います!」

 

「どっちも合わないし、黒森峰の制服とか着ないからな!?」




イド(fgo)のジャンヌオルタ ロストで小説書く気力が出ない...。
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