ようこそ第0護衛隊群へ   作:/Null

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風呂上がりに外出すると何か勿体無い気がする。


最近ちょと忙しいので
次回から3週間か4週間隔投稿になりそうです。スミマセヌ


早速創っていくスタイル 52/?

ガラス扉を押すと軽快なメロディが私たちを出迎える。夜中の田舎特有の閑散とした店内には誰もおらず、レジの奥からは一ついらっしゃいませとの一言だけ。

 

軽い足取りの“2人”と重い足取りの“1人”は、それを聞いてゆっくりと店内へと入る。

 

「どうしてこうなった...」

 

「ふふっ。どうしても何も、仕方ないじゃないか。着る物がなかったんだから」

 

「いや、洗濯してたとしても、さっきまでは全然あったじゃねぇか...」

 

「風がね?全部飛ばしてしまったんだと思うよ?今は必要ないよってね」

 

「んなわけあるか。まさか本当にこんな服装で外出ることになるとは...。恥ずかしくて帰りたい...」

 

「もう。ここまできたんだから、いい加減諦めなさいよ」

 

服装だけは高校生。しかし違うのは1人、女子校のはずの継続高校なのに見慣れない男子生徒用の制服を着用している彼の姿。

 

そんな彼は肩をすくめて早く帰りたそうにしているが、私たちは当然すぐ帰る気なんてない。逆に帰りたくないまである。

 

一体何故こんなことになっているのか?

 

ことの発端はあの後、寝る前の歯磨き時まで遡る。

 

 

――――――――――――

―――――――――

 

 

「...あれ?歯磨き粉の替えって、買ってなかったっけ?」

 

「そういえば買ってなかったかもしれないね」

 

「あー、マジか。ちょっとコンビニに行ってくるわ」

 

「私も一緒に行くよ。きみと私、2人のミスだからね」

 

「いや。別にすぐ帰ってくるし、1人で行ってくるよ」

 

洗面台に向かい合っていた彼は、そう言ってリビングに顔を出してからいそいそと服を着替え始める。外は気温も低く、流石に寝巻きの状態で外に出る気はないみたい。

 

けど、いざ上を脱いですぐ、彼の手は早くも止まることとなった。

 

「俺の服...どこいった?」

 

彼の視線の先。いつも置いてあるはずの場所はがらんと1区画、彼の服のみ無くなっており、代わりに置いてあるのは、先程着ていた継続高校の制服のみ。

 

「おいミカ。俺の服は?」

 

「ないね」

 

「無いわけないだろ。さっきまでそこに───」

「ないね」

 

「いやだから無いわk」

「ないね」

 

「あ、ハイ」

 

有無を言わせないミカさんの笑顔に、今の彼には同意以外の選択肢などない。

 

発端の歯磨き粉。そして、その後の彼の私服についてはおそらくミカさんの仕業なのは間違いなさそうではあるが、流石の彼もこれでは着ていく以外の選択肢はなくなったはずだ。

 

「それで?きみは今から1人でコンビニに行くって言ってたけど、その格好のまま1人で行くつもりかい?」

 

「うぐぐ。一緒に来てください...」

 

「ふふっ。きみが望むのなら、やぶさかではないね」

 

「くそぅ、何故俺がこんな目に...」

 

どうやら今回は珍しく彼の負けのようだ。

 

いつの間にかパジャマ姿からフォームチェンジした継続高校の制服姿で、ミカさんはここぞとばかりに鼻を高くしながら、項垂れる彼の残りの服を脱がせ始める。

 

「エリカは行かなくていいのかい?」

 

「行きます!」

 

そんなミカさんからの計らいに乗らないはずもなく、私も一緒になって彼のズボンに手を掛ける。

 

もちろん当然ではあるが、既に私も黒森峰の制服へとフォームチェンジを終えているのは言うまでもないことなのである。

 

 

―――――――――

――――――――――――

 

 

「おいお前ら。あんまりくっつくなって」

 

「何を恥ずかしがってるんだい?いつもやってることじゃないか」

 

「今はいつもと服装が違うからに決まってんだろ」

 

「だからいいんじゃないか。ね?エリカ?」

 

「当然です!」

 

狭い店内。目立つ黒い制服を着ていても気恥ずかしさを感じないのは人がいないからというのもあるが、それよりも尚目立つ水色の制服が隣にいるから。

 

だから折角と、わざと日用品の棚には行かず店内を回る。

 

そんなあからさまな行動に、彼は絶対気付いているけど、両腕に絡む私とミカさんを振り解くなんてことはせず、私たちの赴くままに。

 

「だからって流石に遠回りしすぎだ。もう3周ぐらいしてんぞ」

 

「うるさいわね。あんたは黙って連れられたらいいの」

 

「へいへい」

 

 

───まぁ流石に4周目はやり過ぎか。

 

まだまだ楽しむ元気もあるが、珍しく居心地悪そうにする彼の意向をくんで仕方なく目的の棚へ。

 

 

「ふぅ...。ようやく帰れる」

 

「残念だね。折角の機会なのに誰にも会わなかったのは」

 

「残念なわけないだろ。寧ろよかったわ、誰にも会わんで」

 

お目当ての物を手に取りホッと胸を撫で下ろす彼に、ミカさんはどこか可笑しそうに、そして楽しそうに顔を緩ませている。

 

「なんだ。お前はそこまで残念そうじゃないな」

 

「ふふっ。確かに、見られることも重要だよ?けどね?こうしてきみを見て、そして一緒にいることの方が大事なのさ」

 

「それはそうですけど...写真の1枚ぐらいは欲しかったなぁ」

 

「セルフレジで店員さんも出て来なさそうだし仕方ないよ。心のシャッターで我慢しようじゃないか」

 

そう少し落ち込む私とは裏腹に、ミカさんは格好良く締め括るように片目をつむったけど、その視線の先は何故か店の天井へ。

 

対して私は首をかしげるだけであったが、後日。噂と共にその日の動画が瞬く間に継続高校戦車道内に広まったことを知って、私は色々と察したのだった。

 

 

 

 

...にしても、最近の監視カメラって画質いいわね。

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