ようこそ第0護衛隊群へ   作:/Null

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セーラー服とミカ

お茶会に参加すると伝えてすぐのこと。私のもとに大洗の制服が送られてきた。どうやら一時的に大洗に転入して...そして大洗の生徒として参加するということらしい。

 

まぁ私達が普通に参加してしまうとそれは大洗...じゃなくて高校選抜になってしまうからだろう。

 

だからと言って制服まで着る必要はないと思うのだが、そこはまぁ雰囲気というもの。私も...折角だから着てみたかったしね。

 

そんな私の期待も込めながら荷物を開けば、そこには3着の制服が。

 

 

───え?何故3着なのか?

 

 

ふふっ、それはね?アキとミッコも参加してくれることになったからさ。

 

エキシビジョンマッチを見て、大洗の子たちを助けたいと思ったのか...それとも私が行くということを聞いて参加を決めてくれたのか...はたまた大学選抜相手と聞いて闘争心に火がついたのか。

 

彼女たちが参加してくれることとなった理由は私にはわからない。

 

...けど、やっぱり彼女たちがいてくれると心強いね。

 

もし2人が参加していなければ、私は慣れない空の上を飛んでいたかもしれない。

 

それもいいけど、やるならやっぱり自分の得意分野でやりたい。そう思ってたから。

 

いつも私のわがままに付き合ってくれてる。そんな彼女たちにはすごい感謝してるんだ。ほんとだよ?

 

 

 

「ふふん。なかなかいいじゃないか」

 

送られてきた制服に袖を通してみればサイズもぴったり。こうして他の学校の制服を着てる自分を見るのは、なんだか新鮮味がある。

 

 

 

───セーラー服も中々似合うじゃないか、私。

 

 

この場に彼がいないことをいい事に、そう一人満足げに鏡を見る。

 

 

しかしそんな時間も長くは続かずに、鏡越しに見える後ろのドアがいきなり開いて...

 

「「あ」」

 

入ってきたのは彼だった。...というか入ってきてすぐ目があったはずなのに、巻き戻し再生のようにドアの中へと戻っていってる。

 

「ちょッと、待ってほしい」

 

逃げる彼の手を慌てて掴み部屋の中へと引き戻す。

 

不本意だけど、何か物凄い誤解を生んでる気しかしない。

 

「いや...俺はいいと思うぞ?そういう趣味も。ただちょっと心の準備が出来てなかっただけだから」

 

やっぱり。

 

というか趣味とはひどいな。今回のは違うが、私だって他の学校の制服を着たい時だってある。それが女子高生というものだ。

 

「これは聖グロの隊長から送られてきたものだよ。参加するにあたって着て来てくれってさ」

 

「あー。なるほどね。って事は大洗の制服?」

 

「正解」

 

女心には疎いくせに、相変わらずそういうとこは察しがいい。

 

「それで。どうだい?似合ってるかな?」

 

彼に見られると思うと少し恥ずかしかったが、折角だしとよく見えるようにふわりとスカートを揺らしてみる。

 

「ん?お前が着て似合わない訳ないだろ。というかめっちゃ可愛い。写真撮っていい?」

 

「そ、そうかな?」

 

そう言って彼は屈託のない笑みを向けてくれた。

 

その視線がむず痒く、逆に私の方がたじろいでしまったのは内緒だ。

 

「でも最初はあまり肯定的じゃなかったじゃないか」

 

「いやいや、言ったじゃん。心の準備が出来てなかっただけって。男なら嫌いなやつはおらんよ」

 

「きみも、かい?」

 

「おう。どうせなら他の学校のやつとかも見たいわ。聖グロの隊長さんなら持ってんだろ?送ってもらってくれ」

 

「流石にそこまでは出来ないと思うけど、まぁきみがいうなら今度かりてみようかな?」

 

「お。やったぜ」

 

「ふふっ。これは、終わってからも忙しくなりそうだね」

 

別にコスプレの趣味はないが、着てみて正直楽しかった。それに、彼に喜んでもらえるなら...それもいいかな。

 

目の前で隠す気なくテンションを上げている彼を見て、密かに私もテンションを上げてそう思うのだった。

 

 

「失礼しまーす...ってあれ?ミカ、先に着ちゃったの?一緒に着ようって話したのにー」

 

そう言いながら入って来たのはアキとミッコ。制服が家に届くということだったので私が呼んでおいたのだ。

 

「彼に着てる姿を見たいと言われてね。仕方ないから先に着たのさ」

 

「おい、サラッと嘘つくなよ。というかお前らも呼び鈴ぐらい鳴らしてくれ」

 

「鳴らしたぞー?でもお兄さんとミカから一向に返事しなかったから、こうやって入ってきたんだろ?」

 

「マジか。それはすまん」

 

「ふふっ。私に釘付けだったからね。無理もないだろう?」

 

申し訳なさそうにする彼とは対照的に、自信満々にそう答える私。

 

しかし、それを見ていたアキは何故か呆れるような表情を浮かべている。

 

「もうミカったら。お兄さんの事になるとほんと人が変わったようになるんだから。少しは私たちといる時も同じように「え?何?初耳なんだけど。ミカって外じゃキャラ違うの?」」

 

そして、その話題に食いついてしまった彼。

 

むむっ、なんだか嫌な予感が...。

 

「違うってもんじゃないですよ。なんかこう発言がいちいち分かりづらかったり...気が付いたらいなくなってたりで大変なんですよ全く...。あ、でもお兄さんの話する時だけは「アキ!」え!?な、なによミカ」

 

「アキ。今度美味しいパスタを作ってあげよう」

 

「え!パスタ!?やったー!」

 

...ふぅ。危ない危ない。正直何を言われるのかまでは分からなかったけど、彼絡みの話なら私に分が悪いのは明白。

 

だから先手を打って食べ物で釣る。これが継続流の落とし方さ。

 

「...俺絡みの話だとどうなんミッコ?」

 

「ん?あー...お兄さん絡みの話になるとミカはな───

 

そうしてコソコソと話し出す2人。

 

しかしその会話に私が気が付くことはなかった。

 

アキの対処が成功してホッとしてしまっていたのもあるけど、大洗の制服を着た私を褒めてくれたことが嬉しくて気が抜けすぎてしまっていたようだね。

 

...まぁ気が付いていたらいたで、きっと恥ずかしい思いをしていたに違いないからそれで良かったのかもしれない。

 

けどそこで私の秘密は知られることとなり、少しの間彼からは温かい視線を送られることとなったのだった。

 

 

 

 

 

「それじゃ、お邪魔しましたー。今度パスタ楽しみにしてますねお兄さん!」

 

「おーう。...ってパスタ作るの俺かよ」

 

そんな彼の言葉を肯定するように、最後に私はカンテレを鳴らすのだった。

 

 

 

 

決戦まであと数日。

 

現地までは彼がLCACというホバークラフトで乗せて行ってくれるらしい。

 

まさに職権濫用じゃないかと思ったが、防衛大臣には許可は取っているらしい。

 

今回の件もそうだけど、戦闘機でうちの実家に来たりと秘匿艦隊の割には自由過ぎるような気がするんだよね、この艦隊。

 

...まぁ私が言えたことじゃないけど。

 

ちなみに明日は彼と一緒に彼の戦闘機の整備をすることになってる。

 

どうやって航空博物館から出すのかは知らないけど、久しぶりにあの機体に触れれると思うと少し...楽しみだな。




みっかみっかにしてやんよ
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