「ウェェェェイイ!!!」「フゥゥゥゥウウ!!」
現在祝勝会の会場は、ラーズグリーズ隊によって混沌を極めていた。
もちろん彼女達とは違う部屋でだが
隊員たちは先に帰っていたが、ミカ含む継続3人共々ヘリで連れ戻した。
なに。旅は道連れって言うだろ?
隣では今回の主役である彼女達の祝勝会が開かれている。
こっちに出て欲しいと言われだが、流石に知らないおっさん達5人があの中に入るのもねぇ。
そう思って俺たちは隣の会場で静かに酒を嗜むつもりだったが、気付ば全員出来上がってしまっていた。
いやぁ。ほんとお酒って怖いわ。
「し、しつれいします」
そう言ってこの修羅場に入ってきた女の子が1人。
みほだ。
「おお、みほか。上から見てたぞ、よくやったな」
なんだ昔はあれだけ元気いっぱいだったのにおしとやかに育っちゃってもう
お兄ちゃん泣いちゃうよ?
「うん。それでね、お兄ちゃんに紹介したい人がいて」
何?紹介したい人?男か?男なのか?
お兄ちゃん可愛い妹をまだ嫁に出す気はないぞ?
「お兄様」
みほの後ろに居たのはロリータファッションで変なぬいぐるみを持った可愛い女の子。
「え?お、おおお!愛里寿か!?」
愛里寿だった。
あんなに小さかった愛里寿も今じゃこんなにも可愛く育って
お兄様泣いちゃうよ?
この男、親バカならぬ兄バカなのである。
ってかあれ?なんでここに愛里寿がいるんだ?
実家からここまで来るにしても大分遠いはずだけどな。
「愛里寿ー?どうしたんだーこんなとこまで。お兄様に会いにきてくれたのかー?」
「それもある。でも今回の目的は違う」
「お兄ちゃん実はね...」
そうみほが説明しようとしていた時、後ろから誰かを呼ぶ声が聞こえた。
「「(大)隊長!!」」
「「何(んだ)?」」
「え?」
隊長という呼び声に愛里寿も返事を返していた。
よく見れば俺を呼んだ隊員ともう1人大学選抜の服装をした女性が。
...ということは?
「もしかしてだけど、愛里寿って大学選抜の隊長やってる?」
こくこく
おうふ。俺、本気で大学選抜側の戦闘機ぶっ潰してたわ。
というかよく考えたら千代さん大学戦車道の理事長やってんだから気づくべきだったな。
「なんか、すまんな」
「あれはいい。関係ないところで勝手に決められた産物だから」
「それよりも、お兄様にお願いがある」
「ん?どうした?何でもいいぞ?」
この男、可愛い妹のお願い事ならなんでも聞いちゃう気満々である。
「今度みほさんと一緒に遊びに行くの」
うんうん。2人の仲が良さそうで嬉しいぞ
「だからお兄様も一緒に来て欲しい、ボコミュージアムに」
うん?
「愛里寿。最後なんて言った?ボコミュージアム?」
「そう。ボコミュージアム」
「お兄ちゃん、知らないの?ボコ」
なんだそれ。ボコ?全くと言っていいほど知らん
しかもその得体の知れないものの美術館?
行く気満々だったけど、どこに連れて行かれるか分からなすぎて怖くなってきたわ。
「もうちょっと何がわかりやすいのがいいんじゃないかなー。ほら遊園地とか、お化け屋敷とか」
その言葉に今度は首を横に振る2人。
「ボコじゃないと意味ないの」
「そうかー。意味ないのかー。それならお兄様じゃなくてもっと適任が―――
「「ダメ?」」
うっ。その上目遣いは俺に効く...。
結局2人の上目遣いには勝てなかった。
ボコミュージアムという正体不明の場所に行く以外の選択肢は無くなってしまったのである。
まぁ可愛い妹達のためだ。しかたないね。
◇
「大隊長。お兄さん誘えましたか?」
「うん。言われた通りにしたらころっと落ちた」
「でしょー?やっぱり男っていうのはああいうのに弱いんですよ」
おい。聞こえてんぞ大学選抜ども。
愛里寿に上目遣いを吹き込んだ事に関しては良くやった。あれはめっちゃ可愛かった。
ただ、その一言は余計だわ。
ちなみにみほのは多分天然だと思う。
まぁ、あれを天然で出すみほが1番恐ろしいけどな。
そういえばミカに聞いたが、大学選抜の3人組なんでもバミューダ三姉妹?とか呼ばれてる奴らの中に継続高校出身が1人いるらしかったな。
眼鏡かけて短髪の、確か...ルミだっけ?
愛里寿と話してる3人組の中にそれっぽいのがいるな。
んー。要はあれだ、継続出身ってことは俺たちの後輩だろ?
だから少し親睦を深める分には悪くはないよな?
そう思って俺はそれっぽいやつの肩を叩いた。
「何ですかー?今大隊長と話してるので後にして...」
「よう後輩。飲めんだろ?」
「ギャー!悪魔ー!」
「悪魔とはひどいな、先輩として君たちとお酒が飲みたいと言ってるだけなのにねぇルミ君ー」
「ひゃ、ひゃい!」
やっぱり後輩くんだったな。これは色々と教育してやらんとねぇ。
そう、決してからみ酒ではないのだよ?
「それで?飲めるんだよなぁ?」
「え?いや、あのぉ皆さんに比べたら...」
「あん?強さ聞いてんじゃねえ。飲める年齢だろってきいてんの」
「それともなにか?先輩の酒がのめねぇってかあん?」
やっぱりからみ酒だったわ。
「の、飲めます!」
「よーし、それじゃあ3名様地獄へごあんなーい」
「大丈夫大丈夫、一気飲みはさせないから。急性アル中には気を付けてるから。安心していいよぉ?」
そう言って、うちの隊員たちの中にぶち込んでやった。
折角の祝勝会なんだ。みんなで楽しもうじゃないか。ねぇ?
「お兄ちゃん、楽しそうだね」
「まぁな」
酒入ってるってのもあるが
その原因の一つとしてお前たちの成長を見れて嬉しいから。なんて言葉は恥ずかしくて言えないけどな。
「そういえばみほ、よく愛里寿が俺の知り合いって分かったな」
「あははは、お兄ちゃん島田流にいたしもしかしたらって思って」
「なるほど」
まぁ確かに昔は俺たちも島田流みたいなもんだったし。
そのせいで西住流にはめっちゃ毛嫌いされてたけどな
「それで、お姉ちゃんともう話はしたの?」
「ん?ああ。少しはな。後は家で聞くってさ」
「ふーん。じゃあ私は当分帰れないかな」
「なんでよ?みほもいた方がいいだろ」
そう言ったがみほは首を横に振った。
「だってお姉ちゃんの邪魔しちゃ悪いし。私は今度で大丈夫だから」
「それに、私は昔からこの立ち位置が気に入ってるの。だからお姉ちゃんには頑張ってもらわないと」
「お姉ちゃんの事お願いね。お兄ちゃん」
そう言ってからみほは唐突に頭を下げた。
「みほさんずるい。だから私もお願いする」
「これからもお姉様のことお願いします。お兄様」
「お、おう?」
「んもう!そういう時は任されたって言うんじゃないの」
「任されました!」
「「うん!」」
結局みほと愛里寿の真意は分からずじまい。
だが、今回の試合。愛里寿には悪いが
「よくやったな、みほ」
「えへへ」
1時間後
「はい!はい!はーーーい!青かった頃の家元のモノマネやりまーす!」
『徹底的に叩きのめしなさい。私たち島田流を侮辱した報いを受けさせるのよ』
「「「「ゲハハハハ」」」」
大学選抜の3人組を含め飲み直した俺たちは、さらに酒が回り宴会場は混沌を極めに極めていた。
「あらぁ?よく似てるわね」
「でしょう?うちの隊で盛り上がること間違いなしの鉄板ネタですからね」
「そうなのねぇ。ということはあれにはあなたも関わっているということかしら?」
「当然ですよ。細かい癖とかは私がミカに聞いてましたから」
そう言って声主に振り返るとそこにはご本人が
「...あ。俺ちょっと用事思い出したんで帰りますわ」
「そんなので逃げられるとでも?」
「」
その後、その場には笑いを抑えきれていない西住流家元と
島田流家元に説教されているラーズグリーズ隊、そして何故か継続高校隊長の姿があったそうな