ようこそ第0護衛隊群へ   作:/Null

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作り物感満載の丸太が落ちて来るのは逆に面白かった


イキサキ × ハ × ジッカ 2/4

今回の探検隊員は隊長を含めて3名。未知のジャングルに足を踏み入れるには少なすぎる。それを見越した隊長は現地で更に3人の協力者を要請している。

 

場所は広島。瀬戸内海に面するある町に目的地はある。我々探検隊は島田流家元の悪行から逃れるべく、その大地へと向かった!

 

「向かうも何も、もう目の前じゃないか」

 

「まぁな。てかよく覚えてたな」

 

「ふふっ。当然、かな」

 

ミカの言う通り、俺たちは既に実家の前にいる。残念ながら某探検隊のように、道中坂上から丸太が転がってくるなどと言う事はなかった。...まぁ逆に転がってきた方がやばいのだが。

 

「はいはい今開けるわねー」

 

呼び鈴を鳴らせば、懐かしい返事と共に玄関へと足音が近付いてくる。扉を開けて出てきたのはうちの母。

 

「あら」

 

「ただいま」

 

「おかえり。予定よりちょっと遅かったようだけど、大丈夫?」

 

「道中は大丈夫だったけど、ちょっと帰る準備するのに手間取っちゃってね」

 

3人で実家帰るなんて初めてだし、思った以上に時間が掛かった。あとミカがめっちゃ服選んでたせいもある。

 

そんなに気をつかう事なんてないでって言ったんだけど「お義母さんとお義父さんに会うんだからしっかりした格好で行かないと」だとさ。

 

どう考えても呼び方が早すぎる気しかしないが、まぁ色々な私服姿のミカを見るのは新鮮で、どれも可愛いかったのでスルーすることにした。

 

「大丈夫だったのならいいのよぉ。ちょっと心配だっただけだから。...それよりも、どうしたのこんな若い子連れて?まさか誘拐!?」

 

「んな訳ないだろ。よく見ろ」

 

誘拐なのに実家に連れてくる奴なんかおらんやろ。よく考えろ母。

 

「あら...?もしかして...この子!ミカちゃん!?」

 

「お久しぶりです。お義母さん」

 

「あらー!大きくなっちゃってもう。見間違えちゃったわ」

 

「おば様!おば様!私は?」

 

「あなたは愛里寿ちゃんね。可愛く育ってくれて安心したわ」

 

「えへへ」

 

そう満面の笑みを浮かべながら、うちの母に頭を撫でられている愛里寿。

 

普段実家では甘えれる相手もいないからな。ここなら思う存分甘えていい。むしろ俺にももっと甘えてほしい。

 

「なら私が甘えさせてもらおうかな?」

 

「お前は毎日甘やかしてるだろ?」

 

「むぅ」

 

全く。今日だって愛里寿の目の前で行ってきます?のキスとかやってたんだから。少しは自重してくれ。...といいつつ俺ものってたから人の事言えんがな!

 

「2人とも何年振りかしらねぇー。ほんと、成長するのが早いんだから。ミカちゃんなんか昔の千代ちゃんにそっくりよ?」

 

「ふふっ。中身は違いますので安心してください」

 

「それはよかったわ」

 

さりげなく2人にdisられている家元。まぁ当然の報いだな。

 

「ちょっとお父さんー?ミカちゃんと愛里寿ちゃんが来てるわよー」

 

「なにーッ!!」

 

母の一声から直ぐに、ドタドタとこちらへと急いで来る足音が聞こえてくる。

 

「おお?ミカちゃんと愛里寿ちゃん?」

 

「お久しぶりです。お義父さん」

 

「おじ様!お久しぶりです!」

 

「おぉ!2人とも大きくなったねぇ」

 

そう言ってうちの父はミカと愛里寿の頭を撫でた。

 

さっきと違い、自分も頭を撫でられたミカは少し戸惑いながらも嬉しそうに顔をほころばせている。

 

「あらあら。ミカちゃんはこういうのもう終わったのかなって思ってたけど、それなら私も撫でさせてもらおうかしら」

 

結局、母からも頭を撫でられているミカ。

 

うちの家族に会うという事で少し背伸びをしていたミカだったが、思った以上にすぐ落ちたようだ。

 

まぁうちの親にかかればこんなもんよ。

 

「あれ?そういえば兄貴は?」

 

愛里寿と聞いて1番に飛んでくるのに、今ここにいないってことはまだ帰ってきてないだろうな。

 

「午後には着くって。ミカちゃんと愛里寿ちゃんが来てるって知ったら驚くでしょうねぇ」

 

「だろうなぁ」

 

というか、何故先に教えなかったんだと理不尽かまされる未来しか見えない。

 

「大兄様も帰ってくるんですか!」

 

「おう。帰って来るぞー」

 

「やった!」

 

まぁ、愛里寿の笑顔見れば兄貴も許してくれるだろ。

 

「ささ、立ち話もなんだから入って入って」

 

 

 

 

「それで?突然3人で帰って来るなんて何かあったのかしら?」

 

「んー。実は愛里寿が家出してなー」

 

「あらあら」

 

あらあらで済ましていいのか母よ。結構衝撃的な発言だと思うんだが。

 

「最近お母様がうざいんです。おば様」

 

「愛里寿ちゃんが反抗期よお父さん」

 

「うっ。愛里寿ちゃんには反抗期ないと思ってた」

 

いや、誰にでもあるだろ。俺もあったし。

 

「でもね愛里寿ちゃん。いきなり家飛び出しちゃダメよ?誰かに連絡するなり相談するなりしないともし事故とか誘拐にあったりしても分からなくなっちゃうでしょ?」

 

「うっ。それは...」

 

「頭のいい愛里寿ちゃんなら、分かるわよね?」

 

「...ごめんなさい」

 

「これからは私たちでいいから、ちゃんと連絡頂戴ね?」

 

「はい!」

 

まぁ実際愛里寿にとっても第2の実家みたいなもんだからな。何かあった時、うちの親に連絡すれば大概のことはなんとかしてくれるだろうから。

 

でもそれよりうちの母。家元よりも保護者してて草。

 

「それで。次はミカちゃんとうちの子の事だけど」

 

まぁそうなるよね。愛里寿の話ひと段落したのなら、こっちにくるよね。

 

しかしミカとの関係をなんて言えばいいのか。そもそも、まほとエリカのことも説明せんと考えると───あれ?これ結構ピンチじゃね?内状は違うものの側から見たら三股やでこれ。言えん言えん。

 

だが、そうこうと悩んでいても状況は常に移り変わるもの。

 

隣に座るミカを見ると既に三つ指をついていた。

 

「お義母さん、お義父さん。これからお世話になります」

 

「あらー!お父さん!今夜はお赤飯ね」

 

「ミカちゃん。おめでとう!」

 

いやその結論に至るの早すぎだろ。ミカ一言しか言ってないやん。

 

「ミカちゃん昔からうちの子大好きだったものねぇ」

 

「歳の差なんて気にせずに幸せになりなさい」

 

おいおい、気付けば公認もらっちゃってるよ。ミカめっちゃ嬉しそうだよ。

 

「それで、どこまでいってるの?」

 

「え?どこまでとは?」

 

「言わないでもわかるでしょ?」

 

「...んー。...あー。...同棲してます」

 

「あらあらまあまあ」

 

「おば様それだけじゃないです。朝から行ってきますのキスしてました。新婚です!」

 

愛里寿ぅー!ドヤ顔で言うことじゃないよそれ!お兄様曝露されて恥ずかしいよそれ!

 

「ふふっ。ミカちゃん、よかったわねぇ」

 

「はい!」

 

まぁお前からすれば、うちの親に認めてもらうってのは今日来た目的の一つだもんな。

 

舞い上がる気持ちもよく分かる。よく分かるのだが、ここからどうやってまほとエリカの話をすればいいのか俺にはわからん。

 

「あんたはちゃんとまほちゃんとエリちゃんのことも考えてあげてる?」

 

「ん?まぁな。今もどう報告しようかと悩んで...ってなんで知ってんねん」

 

「2人のお母さんから聞いてるわよ?」

 

どうなってるんだここのネットワークは。情報伝達が早すぎんだろ。さっきまで1人で悩んでた意味よ。

 

「子供が親に隠し事なんて出来ないってことよ」

 

「もう子供って歳じゃないんだけどね...」

 

「親の私たちからすれば、あんたはいつだって子供のままよ」

 

 

 

 

「それで、ミカちゃんはよかったの?」

 

昔から私の気持ちを知ってくれていたお義母さんの心配事。それは私1人を愛して欲しかったんじゃないかって事。でも───

 

「3人で決めたんです。誰か1人を選ぶことで彼の心にも傷が付くのなら、そんなことしたくない」

 

私たちは、この人に幸せになってもらいたいから。

 

「あっ、でも。ちゃんと私自身の幸せも考えていますよ。だからこそ、こうやって抜け駆けしてるわけですから」

 

そう。あくまでも抜け駆け禁止なんて取り決めはないからね。というか他の2人だって抜け駆けしてるし。

 

「私、昔は料理を作るなんてこれっぽっちも興味なかったけど、彼の為にって考えると不思議と挑戦してみようかなって思えたんです。彼に美味しいって食べてもらいたいと思って。本当ですよ?」

 

食べ専だった私は、彼との同棲生活の中で料理の楽しさを知った。彼に食べてもらう嬉しさ。美味しいと言ってもらえる嬉しさを。

 

彼と一緒にいるとそんな発見がいくつもあるんだ。自分が見落としていたものであったり、嫌煙していたものの中に新しい発見がある。彼が居たからこそ見付けれたものが沢山ある。

 

「だから私は、そんな彼と一緒に居たいんです。どんな苦難が待ち受けていても、いつも私に新しい自分を魅せてくれる彼の隣に居たい。それが私の答えなんです」

 

それは紛れもない私の本心。彼と一緒に居たいというこの気持ちは、今も昔も変わってないから。

 

そして、その気持ちはいつになっても変わらない。この先もずっと。ずぅーっと...。

 

「...ミカちゃん。今は幸せ?」

 

答えなんて決まってます。

 

「私は今、とっても幸せです」

 

毎日、夢のような新婚生活を送れる。それは、これ以上ないと思えるぐらいに幸せ。

 

その幸せを噛み締めるように微笑む私。

 

いつもは何も考えず、ふざけているように見えてるかもしれないけど、私の心の中はいつだって幸せでいっぱいなのさ。

 

「...そう。ミカちゃん改めてありがとう。うちの子を選んでくれて。この子の事、お願いね」

 

「はい!」

 

お義母さんに言われるまでもない。私はこの人を好きになった時から決めてたんだから。

 

「あんたも分かってるでしょうけど、幸せにしてあげるのよ?」

 

「ああ。言われなくてもそのつもりだよ」

 

「ふふっ。じゃあまずは式場の予約を取ろう」

 

「それは早すぎるだろ」

 

「大丈夫。その為の準備は、もう始めてるのさ」

 

そう言って出したのは一冊の雑誌。

 

「おい。最近やたらとなんか読んでんなって思ってたらゼク◯ィかよ」

 

「結婚準備ならこれって聞いたからね」

 

結婚準備といえばゼク◯ィ。いつの時代になってもこれは間違いないってどこかで聞いた。

 

「まぁ気持ちはわかるが、少なくとも大学卒業してからだな」

 

「まだ4年以上先になるんだけど」

 

「文句言うな。お前がちゃんと大人になってから」

 

「むぅ」

 

「いいじゃないのミカちゃん。婚約者って事なんだから。私たち公認よ?」

 

お義母さんとお義父さん公認...

 

「それでお願いします」

 

「変わり身早いなおい」

 

「どうせ結婚するんだ。だから今は別の形で楽しむのも悪くない、そう思っただけさ」

 

婚約者なんて肩書きは結婚すればもう味わえないからね。決して艦隊や高校中に広めようとしているわけではないよ?

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