ようこそ第0護衛隊群へ   作:/Null

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黒猫とパンケーキつくる♪みゃん♪


継続高校ホスト???(クラブ) 4/5

「それで、お嬢様方。ご注文はどうされます?」

 

撫で撫でフィーバータイムもひと段落つき、ようやく本日のメインイベント。薄青のブレザーを羽織る彼のコーヒーを満喫する時間である。

 

ちなみに彼の淹れるコーヒーの味、私は知ってる。いつもは私が淹れてるけど、彼に淹れてもらって一緒に飲む時だってあるから。

 

...まぁ私はブラックじゃないけど。

 

まほやエリカはそこまで彼に淹れてもらう機会が多いわけじゃない、ノンナに至っては初めてなんじゃないかな?

 

だから、この中でなら私ほど彼のコーヒーを飲み慣れた人は居ないだろうね。(むふーっ)

 

「ミカさん。そうやってさりげなくマウントを取るのはやめて欲しいのですが」

 

「ふふっ、“事実”なのだから仕方がないじゃないか」

 

「“事実”というならば、その豆を厳選したのは私だ。兄さんの嗜好は熟知しているし、黒森峰は他の学園艦と比べてコーヒーが主流だからな。いつもわざわざ買いに(会いに)来てくれる兄さんとの買い物は楽しいぞ?」

 

「む」

 

「先程私の淹れたコーヒーを同志は美味しいと言ってくれました。それに私はプラウダにいた時は何度もロシアンティーを淹れてましたので、同志の嗜好に合う淹れ方は熟知しています」

 

「「むむ」」

 

「わ、私も。いつも戦闘機の訓練で部隊にいる時はよくコーヒー淹れてもらったりして。デブリーフィングの時もコーヒー飲みながら───えへへ」

 

「「「むむむ」」」

 

 

 

「「「「...」」」」

 

 

 

 

「「「「はぁー...」」」」

 

結局いつもの締まり方。今回はその光景にノンナが加わっただけだったようだ。

 

まぁそれだけみんなが彼のことが好きって事かな。

 

「おいやめろ。恥ずかしい」

 

「ふふっ、いいじゃないか。それだけ愛されてるってことなんだから」

 

そう。これは私たちが、それだけきみを愛してるって事の現れなのさ。そしてその逆も然り。...まぁ、それに関しては言わなくても皆わかっているけどね。

 

「そうだ。折角だし、今から皆でコーヒーを淹れるというのはどうかな?彼だけ飲めないってのも不公平だろう?」

 

「いや、まずは俺がやるから注文しろし」

 

「あ、いいですねそれ。私も、私が淹れたコーヒー飲んでみてもらいたかったですし」

 

「私も賛成だ。いつもは淹れてもらう側だからな。兄さんのために淹れるというのも新しい」

 

「私としても、もう一度同志のために淹れることは問題ありません」

 

そう言って3人ともが一様に頷いている。

 

ふふっ。決まり、のようだね。

 

「いや、注文わい...」

 

「あぁ、それと。1番美味しかった人には彼になんでもお願い事を一つ聞いてくれる券という賞品付きにしよう」

 

「俺許可してないんだけど!?」

 

 

――――――――――――

―――――――――

 

 

「という事で、私たちも着替えました」

 

雰囲気は大事。淹れる側になるのならそれ相応の格好をしよう。という事で着替えたのは前に見せたココスのウェイトレス服...の別バージョン。

 

「何故にチアリーダー?」

 

そう。ウェイトレスとは程遠いチアリーダーの服装である。

 

ちなみにではあるが、ココスで着た服は3種類あるのだ。(今度もう1着も着てあげよう)

 

「てかポンポン持ってどうやって料理運ぶんや」

 

「あくまでも広報の時だけだったからね。流石にポンポン持ってウェイトレスの仕事はしないさ」

 

まぁ、ここにいる4人なら問題なく出来るとは思うけど。他の子たちは...まぁ...うん。無理だろうね。特に大洗の副生徒会長とか。あまり知ってるわけじゃないけど、どことなく漂ってくるおっちょこちょい感がすごいし。

 

「ちなみに、この服装の時は確か“ココス道応援します”だったかな」

 

「確かに応援ではあるが、それでいいのかココスよ」

 

良いか悪いかは知らないさ。でも経済効果は上がってたと思うし、それに

 

「きみだって好きだろう?こういうの」

 

「否定はせんし、4人ともめっちゃ可愛い」

 

「ふふっ。だろう?」

 

見ればまほは私と同じように自信満々に、そしてエリカとノンナは少し恥ずかしげに頬をかいている。

 

というか最近のノンナはキャラ変わりすぎじゃないかな?この服着た当時は“何も問題ありません”的な顔してたくせに、今日は頬を赤くして恥ずかしがっている。...問題ありありじゃないか。

 

置かれている環境だけでこうも変わってしまうものか。見ているこっちが恥ずかしくなるよ。

 

「いや、昔から考えて1番変わったであろうあなたにだけは言われたくないですね」

 

「?」

 

「...なるほど。無自覚ほど恐ろしいものはないな。私たちも気を付けようエリカ」

 

「そ、そうですね隊長...」

 

むむっ、失礼な。私だってちゃんと、昔と比べて変わった自覚は持ってるさ。でも根本は変わってないし、きみたちにそう言われるのはなにか釈然としないかな。

 

───だってきみたちも大分変わったと思うし。

 

つい最近までは泣く子も黙る黒森峰の代表として、その鉄仮面ぶりを発揮していたのに。今では感情豊かな乙女顔のまほ。

 

エリカだって日に日に角が取れていって、今ではそれはもうほぼ球体だろと思うほどにデレしか残ってないんじゃないかな。

 

まぁ、恋というものはそれだけ簡単に人を変えてしまうものなのだろうさ。

 

かく言う私も、そのうちの1人だしね。

 

だから彼にはちゃんと責任をとってもらわないといけないと思うんだ。私たちを変えてしまった責任を、ね。

 

「もう十分取ってると思うんだけどなぁ」

 

「ふふっ。まだまだこれからっていうことだよ」

 

「さいですか」

 

少しだけ戯けながらそう言った彼に、再度私たちが視線を向ける。

 

「冷めるのもあれだし、そろそろ出してもいいかな?」

 

「ん?おう頼むわ」

 

コーヒーの温度にも気をつかえるデキる“婚約者”。それが私なのだ。

 

「「「いや、私も気付いて(たわよ)(ましたし)たぞ」」」

 

そんな声が聞こえたような気がしたけど、ここでは流しておこう。

 

「あれ?全員分のコーヒーが出てくると思ったんだが」

 

彼の目の前に置かれたのは絶対に美味しいであろう(←ここ重要)パンケーキと一杯分のコーヒー。

 

「流石に4杯も飲んでもらうのは同志に申し訳ないと思いましたので、全員で一品を作る。ということになったんです」

 

「パンケーキは私とまほ。コーヒーはノンナとエリカの担当さ」

 

「ほぅ」

 

「こういうのは不慣れでな。パンケーキなど作ったこともなかったが、いざやってみると中々楽しいものだったぞ。...まぁ終始ミカに頼りっぱなしではあったけど」

 

「まぁ、そこは仕方ないんじゃない?逆にカレー以外の料理が出来てて安心したわ」

 

実際のところまほの料理スキルは不可もなく、というぐらい。

 

それでも彼のために一生懸命慣れない調理をする姿は、生い立ちが私と似ているとはいえ、昔の私を見ているようで少し温かい気持ちを持った。今度ちゃんと作り方を教えてあげようと思うくらいにわね。

 

「んで、もう食べても良いのか?」

 

「あ、ちょっと待って欲しい。まだ萌え萌えパワーが溜まっていないから」

 

「いや、だからココスでそれやったら大問題だから」

 

「ここはココスじゃないんだからいい。ということにもなるね」

 

前やったのに今回は無し。なんて事はありえないのさ。

 

「ちゃんと私に合わせて言うよ?せーの」

 

 

『おいしくな〜れ、おいしくな〜れ、萌え萌えキュン』

 

 

ふぅ、今回も決まったね。5人の萌え萌えパワーが注入されたこのパンケーキはいつもの数倍のパワーが蓄積されており、今まさに世界で1番美味しいパンケーキになっているはず。

 

そしてそんな世界一美味しいパンケーキを、きみに食べさせてあげるのが私の───「ミカ。それは私の役目だ。そもそも調理の時は頼りっぱなしだったからな。ここは私引き受けよう」

 

む。

 

狙っていたのは私だけじゃなかったようだ。

 

でも私だってそう簡単には引く気はないよ?

 

「今回は料理長としての責任もあるからね。お客様から意見を直接聞くのも私の役目さ。だから私がやろう」

 

「いや、いきなり料理長が出ていったらお客様が萎縮するだろう。ここは副料理長である私の役目だ」

 

むむ。

 

「そんな事はないさ。このお客様は常連さんだからね。萎縮とかそういうのとは無縁なのさ」

 

「常連ならば尚更私が適任だ。いつもは言いづらい事もあるだろうし、そういうのを聞くことも考えると私が適任だな」

 

 

むむむ。

 

 

 

「あの...同志...。止めなくてもいいんですか?」

 

「ん?まぁいいだろ、そのうち終わると思うし。それよりもこのコーヒー美味いな。流石ノンナとエリカ」

 

「へ?あ、あぁ。ありがとう...ございます」

 

「私が淹れたんだもの。当然よ」

 

「パンケーキもコーヒーに合って美味いし最高だな。ほれ、お前らも食ってみるか?」

 

「ふぇ!?...い、いいの?」

 

そう言って恥ずかしがりながらも、彼にあーんしてもらってるノンナとエリカ。

 

どちらが彼にあーんするかで揉めている私とまほがそれを知るのは少し後のことであった。

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