ようこそ第0護衛隊群へ   作:/Null

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その時、隊長に電流走る


長女はニュータイプの法則 12/?

管制塔からジープが近付いてきている。連絡もしていたし、おそらくは小梅が私を迎えにきてくれているのだろう。

 

少し前まではみほの件で色々と空気を悪くしてた私に、こうしてついてきてくれている。ほんと感謝しかないわね。

 

まぁそれを言ったら言ったで、何か変なものでも食べたのかと思われること間違いなしだから絶対言わないけど。

 

そう思いつつもジープに目を凝らせば、髪色は同じように見えたが小梅特有のほわわんとした雰囲気...はなく厳格な雰囲気で、それでいて似ている人を知っているというか...って、まさか!?

 

「おはよう。エリカ」

 

「お、おはようございます。隊長」

 

横付けされた車から降りてきたのは何故か隊長。

 

「てっきり小梅が来るものだと思っていたのですが...な、何かありましたか?」

 

焦る私とは裏腹に、隊長は何故か残念そうに空を見上げていて...。

 

「兄さんが来る気がしたのだが...少し遅かったようだな」

 

いや、どこのニュータイプですか。

 

あれですか?あいつが来たらキュピーンって電撃走るんですか?それとも某麻雀漫画みたいに“その時、隊長に電流走る”的なやつですか!?

 

まぁ後者に関しては完全かませ犬なので隊長は違うとは思いますが!

 

「ふっ、冗談だ。遠目からヘリが見えたからな。きっと2人だろうと思って来たんだ」

 

ですよね、冗談ですよね。すみません勝手にニュータイプなんて思っちゃって。

 

流石の隊長も彼の気配だけで電撃走るほど、人間をやめてないということよね。ほんとよかった。

 

...けど、何故かしら。そんな芸当を当然の如くやってのけそうな人物が一人居たような気が...。い、いや気のせいよね!気のせい!まさかミカさんだってそんな───

 

しかしどこかからか聞こえてきたカンテレの音色に顔を上げれば、その音は何故か遠ざかっていくヘリから聞こえてきているようで...いつのまに乗っていたのか分からないが、図らずもそれは私の推測の裏付けとなってしまっていた。

 

 

「...それよりも、だ。エリカ」

 

「へ?」

 

隊長の声に再度視線を向け直すと、隊長は無表情で...しかし心なしか背後からゴゴゴゴゴッという効果音が鳴っている気がする。

 

ま、まずい。この空気の変え方...昨日電話口でもあったやつだ。

 

思い出すのは、彼の家に泊まるという話を聞きつけた隊長からの一言。自分も泊まりたいと駄々をこねられたあの瞬間。

 

 

 

 

となると次に言われるのは───

 

 

 

 

「私を差し置いて兄さんとキスしてるなんてどういうことだ!!」

 

 

 

ですよね!!!というかなんでキスしてたのがバレてるのよ!

 

「しかも、抱き締めてもらってから2回もだと?ぐぬぬ...」

 

いやほんとなんでそこまで知ってるんですか!隊長来るまで10分ぐらいは時間ありましたよね!?

 

「私の見聞色をなめるなよ?」

 

やっぱり隊長も人間やめてた!

 

「と、というか!た、隊長も今度やってもらえばいいんじゃないですか!」

 

場所は選ぶだろうけど、彼ならいつでもやってくれると思うし!それなら隊長にいじけられることもないだろうし!

 

「むっ、そうか。なら...明日にでもしてもらうか」

 

ほっ...。

 

「...いや、やっぱり今日にしよう。だから今日こそは私も兄さんの家に泊まる!」

 

「えぇ!?」

 

腰に手を当てて名案だと自画自賛する隊長の雰囲気は、やはりどことなくミカさんに似ていて...というか何でそうなるのか。昨日みほに止めてもらったはずよね!

 

「?...何故エリカがその話を知っているのかは分からないが、それは昨日のことだろう?今日に関しては無効だ」

 

いやどんな解釈なんですか!?

 

悪い意味で西住流が出てしまっているというか、隊長が諦める気が無いというか。

 

...まぁ私も隊長と同じ状況だったら、その発想に至ってそうだから強く言えないんだけど。

 

「た、隊長?」

 

「ん?なんだエリカ」

 

「これ...」

 

しかし、我に策あり。

 

「...!!」

 

手提げ袋の中を見せれば、隊長に電撃走るッ...である。

 

「まさか...これは!」

 

「はい。あいつの手作りです」

 

「でかした!」

 

賄賂の如く見せた針に秒で食らい付いた隊長。まぁ何故か反応が彼○島だったけど、それは取り敢えず置いておこう。

 

 

お泊まりから気を逸らす作戦は見事成功。再度胸を撫で下ろした私はこのまま話を有耶無耶に出来ると勝利を確信したのだが、ここで一つ問題が起こった。

 

それは隊長が取ったお弁当箱。2つの手提げ袋から迷いなく取ったのは、私が食べる予定の...そう彼のお弁当箱である。

 

「隊長...そっちは私のお弁当なのですが...」

 

流石に見過ごせないと思い言ったその言葉に、隊長はキョトンとした表情で頭の上には?が浮かんでいる。

 

あ、これ言っても絶対分かってくれないやつだ。お弁当に優劣はないけど、私は兄さんのお弁当箱がいいから...というミカさん的発想だわこれ。

 

「あ、あの...一応あいつからもそう言われていますし...逆にこっちのは隊長のために作ったと」

 

「私に...か」

 

「はい...」

 

そう言ってもう一つのお弁当箱を渡す。

 

過程はどうあれ、彼が隊長のために作ったものだ。嘘はついていない。まぁこれで納得してくれるとは思って「よし。ならそれがいい」納得しちゃったよ!

 

「ふふっ。だって、私のために作ってくれたお弁当の方がいいに決まってる。それに、兄さんに美味しかったと直接言いたいしな」

 

あぁなるほど、それは確かにそうだ。けどその言い方だと、お泊まりの件は諦めてないんですね。

 

「むっ。当然だろう?」

 

うっ...。その自信に満ちた表情が眩しい...。

 

まぁ最悪、みほにまた止めてもらうしかないか。

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