※追記
誤字修正しました。
報告ありがとうございます!
長かったボコの鑑賞会(普通に映画ぐらいあったんだけど)も終わり、夜もいい時間。元気に応援していた義妹ズの2人は、ウトウトと舟を漕ぎ既におねむ状態。
いつもであれば寝室へとこのまま向かうのだが、流石に5人がセミダブルに入れるわけもなく、ならばと、いつも使ってるベッドは義妹ズに譲ると言ったが、愛里寿がこれを拒否。結局5人揃ってリビングで寝るということで現在に至る。
「敷き終わったかー?」
「うん。大丈夫よ」
「おーし。じゃあ各々自分の布団決めろー?」
並べられた布団は計5枚。人数分として当然のことだけど、きっと両端の2枚は使われる事はないと思う。
「───いや、ここ俺の布団だから」
だって(ミカさんが意図的に真ん中に置いた)彼の布団の周りに、皆が集まるのは分かりきっていた事だから。
「何年振りかなぁ、お兄ちゃんとパジャマパーティーするの」
「お兄様とパジャマパーティー...懐かしい」
「あっ。やっぱり愛里寿ちゃんも?」
ほわわんとした義妹ズは彼の両隣に。
「ふふっ。昔はボコのパジャマも着てくれてたよね?」
「何やってんのよあんた...」
「待て待て。あれはミカが俺の寝着盗んだからだから!仕方なくだから!」
そして、その両隣にミカさんと私が。私の間に挟むのが愛里寿なのは正直ホッとはしている。
「というかな?2人ともな?一緒にパジャマパーティーしたいのは山々なんだけどな?流石にこれ以上は千代さんが許さないというかー...しほさんも許さなさそうというか」
「お風呂一緒に入ってるのに、今更でしょ」
「」
そしてそして、私の正論に軽く論破されるのは真ん中の彼。お風呂に一緒に入るという最上限の事をやっていながら、正直言って今更感甚だしい。
「ほら。もう諦めて寝るわよ」
「うごごご、これが一夏の過ちか...」
「過ちになるような事はしてないでしょうに。それとも何?そんな事なんてあったわけ?」
「あるわけないだろ」
「ならいいじゃない。別に。あんたがネチネチ言われるだけだし」
彼に関しては何も起こるはずもない。両家元だってそれは分かってるはずだ。ただ羨ましさからネチネチと小言を言われるだけのこと。
私には全然甘えてくれないのにーとか、連絡すらくれないのにーとか。
後者は本人にも問題があるとしても、前者に関しては母よりも義兄に懐く娘として、妬みの混じった気持ちを延々と言われ続けることになるだろう。
愛里寿も何だかんだで思春期なのだ。親離れは必然。ただ―――義兄なら喜んでお風呂も一緒に入る、というのも確かにおかしな話で、そこには島田流家元に対する待遇に涙を禁じ得ないとろこではあるが。
「...お兄様。これ、着てほしい」
「え゛?」
そんな愛里寿の声に気付き視線を落とすと、どこから取り出したのかもう1着、ボコのパジャマがあった。
大事そうに抱えるそれは、着ているのよりも大きめのサイズ。先ほどの話にあった昔のパジャマパーティーの時のものだろうか。
「い、いやぁ...。今日は自分の寝着もあるし...」
せがむように両手でパジャマを広げる愛里寿の姿に、彼もタジタジではあるが、一応羞恥心?はあるらしい。
「わ、私も。お兄ちゃんのボコ姿、見てみたいなぁ...」
「んー...2人が喜ぶならヨシ!」
なるほど、羞恥心なんてものはなかったようだ。ほんと、いい歳して何やってるのやら。
「まだアラサーですぅ!」
「そんな口尖らしても可愛くないわよ。というか、私たちと比べたら十分おっさんの年齢よ?」
早くもボコへとフォームチェンジを始める彼は、私の言葉を意にも介さず、義妹ズ2人にキラキラとした視線を送られてご満悦の様子。
全く。2人に激甘なのはもうわかったけど、流石に理性は失ってほしくないものだ。
「...ちなみに、お姉様とエリカさんの分もある」
「わ、私は着ないわよ!?」
「そう...。2つともお兄様のお古だったのに...残念」
「...!!」
...
...
...
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「すまんエリカー。電気消してくれ」
「はいはい」
カチッと電気を落とした暗闇の中、慣れた部屋の中でもいつもとは違う格好のせいでどこか歩きづらい。
夜目が利き始めてなんとか戻った先、ぼんやりと見えたのは、横たわる薄茶色で包帯を巻いた熊...もといボコ4人衆。
2人のお願いにミカさんはあっさりと陥落し、そして自分のパジャマを持ってきたみほも、わざわざ上からボコを羽織る?という運びとなり現在に至る。
どうしてこうなったと自問自答を繰り返すが、禁煙もそこそこの時期だろうちょっとタバコ臭い、どこか昔の雰囲気を感じられるこれと、中に着ているいつも通りのシャツに私の思考は削がれていく。
───はッ...!ダメダメ!
これは決して...決して!邪な思いがあったわけではないし、決して!2人のお願いに負けた訳じゃないんだから!
皆が着る中で、私だけ着ないのもおかしいと思ったから仕方なーく着ただけなんだから!
そんな無駄な言い訳を1人しつつも私は、先ほどの自分に頬を赤らめて、けれど暗闇の中だからと気付いて、火照った顔のまま空けられた寝床へと潜っていく。
間に愛里寿を挟む珍しい構図ではあるが、身体の小ささもあり、横になっても何とか彼まで手が届いた。
───ふふっ。よかった。
「エリカさん...。イチャイチャし過ぎると寝れない」
「うっ...。ご、ごめん」
「あと、頬赤くなってるのもみんな気付いてる」
「いやちょっと、あんたたち鋭過ぎ」