S級ヒーロー 七曜のパチュリー   作:とんこつラーメン

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小悪魔は普通に好きなキャラです。可愛いですよね。

勿論、パチュリーも好きですよ。








落とし前を付けさせに行こう

 取り敢えず、ジェノスによってフルボッコにされた挙句、自分達の切り札だった筈の獣王が簡単に倒されたことで、アーマード・ゴリラ(あの後で名前を聞いた)に、どうして自分達を襲撃してきたのかの説明を聞くことにしたのだが、すると突然、ゴリラはとある天才科学者の話をし始めた。

 割と長くなるので大幅にカットォォォォォォォッ!させて貰うが。

 

「話が長げえんだよ! そもそも、俺には全く関係が無いじゃねぇか!」

「そうね。アンタ等の製作者の話をされても普通に困るんだけど」

「ちゃんと、要点だけを言ってくれますか?」

「先生は長話はお嫌いなんだ。20文字以内に簡潔に纏めろ」

「ひぃっ! す…すいません…」

 

 サイボーグ化したゴリラを本気でビビらせる4人。

 うち二人は女性であることを考えると、なんだか凄い光景に見える。

 

「えっとですね…つまり、ウチのボスがそちらの坊主頭の方の体に興味を持ったみたいで……」

「俺の体に興味って…別に俺はモーホーさんじゃないんだけどなぁ…」

「それは違うから。多分だけど、サイタマの超絶的な身体能力を自分の研究に利用しようと企んでるんじゃないかしら? そうでしょ?」

「た…多分、あってます…」

 

 最強状態のモスキート娘を一撃で倒したサイタマにも勿論ビビってはいるが、それと同じぐらいに自分達のナンバー2を一瞬で肉片にしてみせたパチュリーにも滅茶苦茶ビビっていた。

 アーマード・ゴリラ。現状、いい所が全く無い。

 

「先生。パチュリーさん。このまま放置しておいたら、また今回のように刺客を送ってくる可能性が高いです」

「でしょうね。というか、彼の話に出てきた『進化の家』って私、全く知らないんだけど。ジェノス君は知ってる?」

「噂程度ならば」

「教えて」

「分かりました」

 

 今度はジェノスからの簡単な説明。

 サイタマのお蔭で、言葉を短く纏める能力を身につけたのか、今度はイライラさせずに言う事が出来た。

 

「新世界の到来を唱える排他的な宗教団体って…別に俺は宗教になんて興味はねぇぞ?」

「そんなの知ってるわよ。でも、こいつらを見ている限りじゃ、もっとヤバいことをしているっぽいわね」

「どうしましょうか……」

 

 襲ってくるのであれば今回のように倒せばいい。

 だが、それが頻繁に来られては生活の邪魔にしかならない。

 

「このまま野放しにしておくには余りにも危険すぎる。先生! パチュリーさん! 今度はこちらから攻め込みましょう!」

「それには私も賛成ね。面倒くさい事はとっとと済ませるに限るわ」

「パチェの言う通りだな。よし、行くか!」

「はい! 分かりま…え? 今からですかッ!?」

 

 まさかの即断即決に、流石のジェノスも素で驚いてしまう。

 

「あぁ。明日は行きつけのスーパーの特売日だから、行くのは無理だ」

「そういや、そうだったわね。この機会に買い溜めしておかないと」

「さ…流石は先生とパチュリーさん…余裕ですね…」

「まぁね。理由はもう一つあるけど」

「え?」

「ここで下手に時間を置いてしまえば、相手に迎撃の用意をさせる猶予を与えてしまうじゃない。そうなると、もっと面倒くさいことになるわ。だったら、今すぐに向かって、準備が万端じゃない状態で叩いた方がいいと思わない?」

 

 パチュリーの補足を聞いて、ジェノスは感動に打ち震える。

 まさか、あの短い間にそこまでの事を考えていたなんて。

 

「お見逸れしました…! よもや、お二方がそこまでの事をお考えだったとは…!」

(…適当に言い訳をしてみたけど、効果覿面だったみたい。本当にジェノス君ってピュアよねぇ~…)

 

 ちょっぴりだけ罪悪感を感じつつ、歩き始めたサイタマに続くパチュリー。

 今度からは、ジェノスにはもっと誠実な態度を取ろうと思った。

 

「パチュリーさま~…私はどうすれば~…」

「当然、一緒に来るに決まってるじゃない。こあは可愛いんだから、こんなゴリラと一緒にいたら何をされるか分からないわよ?」

「俺ってどんな風に見られてるんですかねッ!?」

 

 こればかりは完全に冤罪だ。

 アーマード・ゴリラ。色んな意味で完全敗北。

 

「パチュリーさんの言う通りだな。それに近くにいれば、いざという時に俺達でお前を守る事が出来る」

「ジェノスさん……」

 

 弟子と使い魔の意外な展開。

 少しだけフラグが立ったかもしれない。

 

「そうだ。おい、お前」

「ま…まだなにか?」

「進化の家は4年以上も前からお前のようなサイボーグの開発を行ってきたのか? お前の他には何体ぐらい存在している? 過去に他の町々を壊滅させたりしたことはあるか?」

「お前が何を言いたいのかは分からないが…少なくとも、進化の家にいる戦闘型のサイボーグは俺だけだ。それは間違いない」

「そうか…ならもういい」

 

 聞きたい事は全て聞き終えたジェノスは、先を行く三人に追いつくべく走って行った。

 これでやっと解放される…と思いきや、最後に振り向きながらパチュリーが大声を上げた。

 

「そこの変態ゴリラ! ここを滅茶苦茶にした責任を取って、私達が帰ってくるまでの間にここら一帯を綺麗にして、ウチの天井とか壁を修理しときなさいよね!!」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 

 まさかの命令を言われてしまったアーマード・ゴリラ。

 もう完全にパチュリーの舎弟状態になっていた。哀れ。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 進化の家。

 そこでは、例の天才科学者と、そのクローンたちが驚愕の余り混乱状態になっていた。

 

「そんな馬鹿なっ! カマキュリーやナメクジャラス…カエル男にグランドドラゴン…挙句はクワガタイタンやアーマード・ゴリラに加え、あの獣王までもが…旧人類殲滅用最強精鋭部隊が僅か数分で全滅だと…!?」

 

 全く想定していなかった事態に、完全に浮き足立つ。

 だが、周りのクローンたちは冷静だった。

 

「アーマード・ゴリラの通信によると、どうやらあの4人組はここに攻め込んでくるつもりのようです」

「連中がここまで来れば全滅は必至…。最悪の場合、これまで長年かけて積み上げてきた研究成果を全て破壊される危険性もあります。早急に対処するべきかと」

「くっ……!」

 

 これまでの人生の中で一度も無かった、転生の絶体絶命の危機。

 もうなりふりを構っている場合ではないと判断した。

 

「こうなったらもう…こちらも『切り札(ジョーカー)』を使うしかあるまい…!」

「ま…まさかそれは…!」

「お前達…今すぐに『阿修羅カブト』を開放する準備を整えておけ…」

「な…なんだってっ!? 本気かッ!?」

「幾らなんでも、それは無謀過ぎる!!」

「私だってそれは分かっている! だがもう…これしか方法は無い…!」

 

 これは彼らにとっても最後の手段。

 だからこそ、使う事すらも躊躇われる。

 

「落ち着くんだ、お前達。これはあくまでも最終手段に過ぎない。地上に配置してある1階から4階までに存在している無数の罠…運が良ければそれで終わる可能性だってある。だが…それが失敗した時に自分がどうなるかは…私自身が一番よく理解している…!」

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 出発してから数時間後。

 四人は森の中を突き進んでいた。

 

「まさか、走って現場まで向かう事になるとは思いませんでした」

「いや…他にどうするんだよ?」

「てっきり、先生もパチュリーさんみたいに空を飛ぶのかと」

「俺は魔法使いじゃねぇから無理」

 

 人知を超越した速度で森林地帯を全力疾走するサイタマとジェノス。

 その横では、パチュリーがいつもと同じ表情で器用に木々の間を掻い潜りながら高速飛行をしていた。

 

「もうちょっと速度を落としてくれない? 追いかけるだけでも精一杯なんだけど」

「なんて言いながら、普通に付いて来てるじゃねぇか」

「私なりに頑張ってるだけよ。それに、ジェノス君の背中にいるこあの顔色が凄い事になってるから」

「はうぅぅ~…目がグルグルしますぅ~…」

 

 こあも普通に空自体は飛べるのだが、流石にこの三人ほどの速度は出せないので、今回は特別にジェノスの背中に背負って貰う形になっている。

 その際にジェノスとこあの顔がお互いに少しだけ赤くなったのは秘密。

 

「す…すまない! 大丈夫かッ!?」

「だいじょうぶれすぅ~…おかまいにゃくぅ~…」

「いや…明らかに大丈夫じゃないだろ…」

 

 どう見ても顔面真っ青で吐く寸前になっていたこあ。

 もうそろそろ限界か。そう思われた時、遂に辿り着いた。

 

「先生。パチュリーさん。どうやら到着したようです」

「マジか」

「はい。ここがあの変態ゴリラからいつの間にか聞き出していたポイントです」

「ここがねぇ……」

「大きいですねぇ~…」

 

 四人の目の前には、高層ビルを彷彿とさせるほどに巨大な建築物がそびえ立っていた。

 山林の奥にこんな建物が存在しているだなんて、誰も想像もしていないだろう。

 

「こあ、その木陰で少し休んでおけ」

「はいぃ~…ありがとうございますぅ~…」

 

 ジェノスがこあを近くにあった木の根元に優しく降ろしてから、その機械の両手を前に構える。

 その掌からは超高熱のエネルギーが蓄積され始めた。

 

「ジェ…ジェノス? 何をする気だ?」

「このまま外から建物ごと破壊すれば効率よく一網打尽に出来ると思いまして」

「ちょい待ち、ジェノス君」

「パチュリーさん? どうしました?」

 

 攻撃をする寸前、パチュリーが彼の隣に並んで、凄く『良い笑顔』で答えた。

 

「私も混ぜて♡」

 

 両手に魔力を集中させながら、彼女もまた攻撃態勢を取った。

 その時のパチュリーの事を後にサイタマはこう語っている。

 『久し振りにパチェの事が本気で怖かった』…と。

 

「一撃で幕を引いてあげるわ…! 受けなさい! これが創世の輝き! 行くわよ、ジェノス君!!」

「はい! パチュリーさん!!」

 

 パチュリーの眼前に巨大な魔法陣が展開され、そこから超極太な光線が放たれた!

 それと同時に、ジェノスの両手からも超高出力の焼却砲が発射される!

 

「スーパーパチュリーレーザー!!!」

「焼却!!!」

 

 二つの光は一つになり、凄まじい爆発音を起こしながら、文字通り山の一部を抉ってから見事なまでに地形を変化させる程の威力を発揮した。

 となれば当然、ビル程度の大きさの建物なんて一瞬で消滅する訳で。

 

「やるじゃないジェノス君。見直したわ」

「そちらこそ。お見事でしたパチュリーさん」

「あーあ…やっちまった」

「ふぇぇぇぇ…お二人とも凄いですぅ~…」

 

 お互いを褒め合っている中、サイタマだけはいつも通りに呆れている。

 こあは自分の主人とジェノスの実力を見て純粋に驚いていた。

 

「敵さんも可哀想にな。時間が無かったとはいえ、出来る範囲で色々と準備をしてただろうに」

「私の生活を脅かす存在に遠慮なんて必要ないわ」

「ひでぇ……あ?」

 

 建物が完全消滅した跡地に何かを見つけたサイタマ。

 それは大きく分厚い鉄板のようだった。

 

「なんだこれ…あ、何か剥がれた」

 

 試しにいつもの馬鹿力で弄ってみると、簡単に鉄板が取れた。

 中には地下へと続く階段のような物があった。

 

「どうやら、地下室へと続く入口っぽいな」

「そのようですね」

「幕…引けなかったな」

「う…うっさいわね! あれは言葉のあやってやつよ!」

「へいへい。でも、見つけちまった以上は行くしかないよな」

 

 鉄板を全部剥がしてからポイ捨て。

 階段は相当に深いらしく、奥が全く見えない。

 

「先生、お供します。こあはどうする? ここで休んでおくか?」

「私も一緒に行きますぅ~…。森の中で一人は嫌ですから~」

「どっちみち一緒に来させる気だったから別にいいけどね。それじゃ、行きますか」

 

 まるで奈落の底を思わせる下り階段の先には一体何が待っているのか。

 …何が待っていようとも、サイタマとパチュリーには余り関係ないかもしれないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




このまま行けば、あと二話ぐらいで進化の家編は終わりです。

その辺は原作通りですね。

原作から変わってくるのは、ヒーロー協会が関わってくるようになってからだと思います。
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