天羽響は奏者である   作:折り紙のユニコーン@UNICORNぬ

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次の話がなかなか上手く思い浮かばないので息抜きを兼ねてふと思い浮かんだ小話を載せます。
お茶を濁すとも言う。

時間軸とかは気にしないでください。

アドバイスや誤字脱字など、感想は歓迎してます。


幕間 絶唱しないシンフォギアちゅるっと!
幕間 小話集


友奈と響の合体技

 

「ん……昨日遅くまでゲームしてたから、もうお昼になってしまったわ」

 

 

「――、――?」

 

 

「―――!――。」

 

 

「……?なんだか、少し騒がしいわね。この声は……高嶋さんと天羽君かしら?」

 

 

 太陽が真上にまで登ってきた時間帯。夜更しをしていた千景が目を覚ますとなにやら外で2人の声が聞こえてくる

 少し気になって外に出ると、なんと変身した状態の2人が何かを話し合っている

 

 

「高嶋さん……天羽君……何をしているの?」

 

 

「あっ!ぐんちゃんおはよー!」

 

 

「よう!千景!」

 

 

「ええ……おはよう。……それで、2人は何を?」

 

 

「あのね、ぐんちゃん!私達、合体技の練習してたんだ!」

 

 

「そうだ、千景に見てもらうか?」

 

 

「おー、ナイスアイデアだね!ぐんちゃん見てて!」

 

 

 勇者服の友奈とイチイバルの響に詰め寄られて、嬉しいながらもタジタジになる千景

 

 

「う、うん……」

 

 

「じゃあ、まずは1つめだな。これは簡単なヤツだ」

 

 

 響はアームドギアをスナイパーライフルに変形させ、友奈と少し距離を取る

 

 

「いつでもいいよー!」

 

 

「よーし、行くぞ!」

 

 

 勢い良く駆け出した響に対して、友奈はバレーのレシーブのように手を組んで構える

 

 そして、千景はこの時点で何をするか察した

 

 

(なるほど……)

 

 

「そーれっ!」

 

 

 走る勢いをそのままに、友奈の手に響が足を掛けたタイミングで友奈は腕を跳ね上げる

 当然、勇者の強化された膂力で打ち上げられた響は高く飛び上がった

 

 

「バァーンッ!ってな!」

 

 

 空中で銃を構えた響は、当然ながら撃たずにそのまま着地する

 

 

「どうどう?ぐんちゃんどうだった!?」

 

 

「簡単だけど結構いいと思うんだよな!」

 

 

「そうね、確かに天羽君が空中から狙撃できるというのは、狙える場所が増えて大きなアドバンテージになる。……うん、いいと思う」

 

 

「やったー!」

 

 

「よーし、じゃあ次は友奈が攻撃のヤツな!」

 

 

 次いで響はガングニールへとギアを変える

 そして今度は隣に並び立ち……

 

 

「行くよ!」

 

 

「おう!」

 

 

 響が先に駆け出し、遅れて友奈も走り出す

 すると響がスライディングをした。そのまま頭の位置が反対になるように体を回し、手を頭の横で地面につけ、両足の裏を空に向ける

 そこに勢いをつけた友奈がジャンプして足の裏を合わせるように響に乗った

 

 

(ま、まさか……!)

 

 

 千景は察した。結構古い作品だが、リメイクされたゲームをやった事がある千景は見覚えがあった

 

 

「「行くぞ!俺(私)たちの新空中技!!」」

 

 

 響が脚部のジャッキスパイクを稼働させながら足を伸ばして友奈を空中へ跳ね上げた!

 

 

「「スカイラブ、勇者パーンチ!!」」

 

 

 空中でパンチを繰り出す友奈を見て、千景はポツリと呟いた

 

 

「それ、アウトじゃないかしら……」

 

 

 

 

響の特技と苦手なこと

 

「響って、けっこう何でもできるよな」

 

 

「いきなりどうした球子?」

 

 

「確かに。響先輩って色んなことを卒なくこなしてるイメージがあります」

 

 

「杏もか?」

 

 

「だよなー!それで気になったんだけどさー。響って特技とか苦手なことってあるのか?」

 

 

「うーん、別に俺だって普通の人間なんだから、苦手なことの1つや2つあるぞ?」

 

 

「へぇ。例えば?」

 

 

 球子に聞かれて少し考える響。そんなに待たずに答えが出た

 

 

「ふむ……絵、かな」

 

 

「絵……ですか?」

 

 

「そう。絵を描くのは素直に苦手だと言えるな」

 

 

「ちょっと描いてみてくれよ!……そうだなぁ、とりあえず猫でも描いてみるか?」

 

 

「わ、分かった」

 

 

ー数分後ー

 

 

「一応描けたが、本当に絵は苦手なんだ!」

 

 

 そう言いながら響が出したのは、本当に猫かも怪しく見える奇っ怪な動物の絵だった

 

 

「どれどれ……?ブハッ!!なんだコレ!アハハハハハ!」

 

 

「ぜ、前衛的で、ふふっ、いいと、思いますっ……!ふふふっ……!」

 

 

「球子はともかく杏まで……!……ふん。いいさ。下手なのは分かってたし」

 

 

「おいおい拗ねるなよー!」

 

 

「ご、ごめんなさ……ふふっ」

 

 

「ツーン」

 

 

 それから2人の笑いが収まって、響が機嫌を治すまで数分かかった

 

 

「はー、面白かった。じゃあ、逆に特技はどんなのがあるんだ?」

 

 

「特技か?そうだな……ギアを使ってから特技になったのはいくつかあるな」

 

 

「どんなのだ?」

 

 

「まずは格闘と射撃、刀だろ?」

 

 

「ガングニールとイチイバル、天羽々斬(あめのはばきり)だな!」

 

 

「新体操に、ヨーヨー……」

 

 

「あ、それってアガートラームとシュルシャガナですか?」

 

 

「そうそう。あとは……鎌と……ポールダンス?」

 

 

ぽっ、ポール……!?

 

 

 途端に顔が赤く染まる杏。対する球子はポールダンスが何かよく分かっていないようだ

 

 

「鎌はイガリマだな!……ポールダンスって何のギアだ?というか、ポールダンスってなんだ?」

 

 

「た、タマっち先輩は知らなくていいよ!」

 

 

「あんず知ってるのか!?というか、そう言われると気になるだろ!」

 

 

 ポールダンスに触れようとする球子を慌てて止める杏

 その態度がさらで球子が気になっていき、2人でわちゃわちゃし始めた

 

 

「ポールダンスって言ったって、別にやましいヤツじゃねぇんだけどな。杏は意外とムッツリ……と

 

 

 

 

戦場と7つの性格

 

「そういえば、前から思ってたんですけど。響先輩って偶に戦場(せんじょう)の読み方おかしくなるときがありますよね」

 

 

 響が用事により不在の教室で、唐突に杏が話を切り出した

 

 

「ふむ、確かにそうだな。バーテックスとの戦闘になると普段とは違う雰囲気になるな

 戦場の読み方がおかしくなるのもその時だ」

 

 

「そうなんですか?」

 

 

 若葉の反応に、戦闘ではお留守番のひなたが不思議そうに首を傾げる

 

 

「あー、タマにも覚えがあるぞ!イチイバルの時はちょっと口調が荒くなるよな!戦場の読み方もおかしいぞ!」

 

 

「天羽々斬のときは武士みたいな、少し仰々しい言い回しになるわね。戦場の読み方もおかしいわ」

 

 

「シュルシャガナの時は逆に静かになるよね!戦場の読み方もおかしかった!」

 

 

「イガリマの時が一番響先輩の口調が変わる気がします。語尾も戦場の読み方もおかしいです」

 

 

「響君、なんだか凄い言われようですね……そこまで言われると私も気になります」

 

 

 勇者達は口々に口調や読み方がおかしいと言い始め、ひなたもそんなに言われると響の口調について気になり始める

 そして、そんなタイミングで……

 

 

「ただいまー。やっと終わったー」

 

 

 響が教室へ戻ってきた

 

 

 

 

「えーっと?何で俺は訓練場に連れて来られたの?」

 

 

「すみません響先輩。ちょっと気になることがありまして……」

 

 

「響。これは何と読む?」

 

 

 そう言って若葉が取り出したのは一枚のプラカード

 そこには大きく

 

戦場

 

 と書かれている

 

 

「え?戦場(せんじょう)だよな」

 

 

「あれ、普通だね」

 

 

「え?何が?」

 

 

 困惑しながら答える響に友奈が思わず声を出す

 さらに困惑する響

 

 

「やはり、ギアを纏っているとおかしくなるのだろうか?」

 

 

「よーし!じゃあ響!ちょっとシンフォギアを使ってくれタマえ!まずはガングニールからな!」

 

 

「え?なんで?」

 

 

「いいからいいから、早くしタマえよ!」

 

 

「お、おう?」

 

 

 言われるままにガングニールを纏う

 

 

「では、もう一度これを読んでくれ」

 

 

戦場(いくさば)だよね!」

 

 

「ほら!ひなたちゃん、聞いた?」

 

 

「は、はい。本当におかしくなるんですね。口調も少し違いますし……」

 

 

 はっきりと変わった読み方と、いつもと微妙に違う口調に、響以外の全員で円陣を組みながらコソコソ会話する

 響は頭にはてなを浮かべたままだ

 

 

「そ、それじゃあ響先輩。次はイチイバルになってもらっていいですか?」

 

 

「う、うん」

 

 

「そしたら、またこれを読んでくれ」

 

 

戦場(いくさば)だろ?というか、何でさっきからこればっか読ませるんだよ?」

 

 

「す、すまん響。ちょっとどうしても気になるんだ」

 

 

「いや、何がだよ?」

 

 

「えーっと!じゃあ、次は天羽々斬になってくれるかな!?」

 

 

「お、おう。分かった!分かったから離れろ!近ぇんだよ!」

 

 

 詰め寄って勢いで誤魔化そうとする友奈に顔を赤くし、ブツブツ言いながら流される響

 響が変身している間に再び円陣を組む

 

 

「やっぱイチイバルの時は口調が荒いな!」

 

 

「それに、今の友奈ちゃんへの反応を見ると、いつもより初心なのかもしれませんね」

 

 

「それに、イチイバルの時の響先輩は他のギアのときよりこっちを気遣うことが多い気がしますね」

 

 

「ツンデレ、というやつね」

 

 

 円陣を解いて響に視線を戻すと、既に変身が終わっていた為、若葉は再びプラカードを取り出した

 響も何度もやらされてパターンを覚えたのか、なにも言わずともそれを読む

 

 

戦場(いくさば)、だな」

 

 

「おや、口調は変わりませんね」

 

 

「いえ、ひなたさん。ちゃんと変わってるんです」

 

 

 読み方は変わったが、一見口調が変わったようには聞こえないひなただったが、杏に小声で言われ、首を傾げる

 

 

「響先輩」

 

 

「どうした杏。次はアガートラームか?」

 

 

「それはそうなんですけど、響先輩ってお祖父(じい)さんと組み手してる時ってどんな気持ちなんですか?」

 

 

「む?おじい様と?そうだな……おじい様と組み手をしているときは……そう、まるで、俺の中の跳ね馬が踊り昂ぶるような気持ちだな」

 

 

「なんだか、凄い独特な言い回しですね……」

 

 

 杏の質問により、ちゃんと口調が変わっていることが判明した響にひなたが苦笑いする

 

 

「それで、次はアガートラームだな?」

 

 

「はい、お願いします」

 

 

 そして、残るギアの口調も検証していく勇者達

 

 

戦場(いくさば)だな」

 

 

 アガートラームになった途端、通常よりハキハキ話し始める響。読み方もおかしい

 

 

戦場(いくさば)デェス!」

 

 

 イガリマの変化は劇的だった。語尾にデスが付いたのだ。ひなたも困惑した

 

 

「……戦場(いくさば)だよね?」

 

 

 シュルシャガナの響は少し静かで大人しめになった

 そして、最後のギア…神獣鏡(シェンショウジン)になった時、勇者達はとても驚いた

 

 

戦場(せんじょう)、でしょ?」

 

 

「「「「「「ふ、普通だ(です)!!」」」」」」

 

 

 読み方が普通なのだ。ギアを使っているのにも関わらず

 口調は少し変わっているものの、全くクセが無い

 

 

「……それで?何で俺は意味もなく戦場を連呼させられたのか、説明してくれる……?」

 

 

 クセが無くても、神獣鏡の響はやたらと圧力が強かった

 一見微笑んでいるように見えるのに、まるで猛獣に睨まれる小動物のような気分になった勇者達は事の経緯を話す事にした

 

 

「なるほど。ギアを使うと性格が変わるのが気になったのか」

 

 

 ギアを解除した響が呆れたように溜息をつく

 

 

「すまないとは思っているが、どうしても気になってしまってな。何か理由があるのか?」

 

 

「……まあ、実を言うとだな……ちゃんと意味があるんだ」

 

 

「教えてもらってもいいですか?」

 

 

「そうだな。これは俺がギアを複数使うことに関係があるんだ。例えば……ひなた。冬服やら夏服やら、色々な服がごちゃまぜに置いてあったらどうする?」

 

 

「ちゃんと種類に分けて別々の棚に仕舞いますね」

 

 

「だろ?これも同じことなんだ

 ギア毎に戦い方を分ける以上、瞬時に意識を切り替えるにはそれぞれの戦闘スタイルを別の引き出しに仕舞って使う時にすぐ引き出せるようにする必要がある」

 

 

「なるほど。その切り替えのスイッチが口調なのだな」

 

 

「そうなる」

 

 

「何気ない会話から始まったことだが、意外と大切な話だったのだな」

 

 

 響への理解がより深まった勇者達であった

 

 

 

 

響、特訓の思い出

 

 

「響は確か、ギアの武装の扱いの殆どは祖父から教わったと言っていたな」

 

 

「おう、そうだな。イチイバルとシュルシャガナ、あと神獣鏡はばあちゃんだったけど」

 

 

 訓練場にて、鍛錬前のストレッチを行っていた響と若葉

 ふと若葉が響に尋ねる

 もともとストイックな若葉は、同じ刀を扱う者として響の鍛錬方法に興味を持っていた

 

 

「どんな鍛錬をしていたのか、参考程度に聞かせてほしいんだ」

 

 

「あー……いや、じいちゃんの鍛錬って基本的に参考にならない方法ばっかりなんだけど……」

 

 

「そうなのか?」

 

 

 若干遠い目をして答える響。その様子に若葉は首を傾げた

 

 

「じいちゃんが言うには、『飯食って、映画見て、寝る!男の鍛錬はそいつで充分よ!』らしいんだけど……」

 

 

「それは、鍛錬と言えるのか……?」

 

 

「さあ?俺のこと鍛える時もこの3つは遵守させてたし……じいちゃんにとっては立派な鍛錬だったんじゃないか?」

 

 

「その、他には無いのか?」

 

 

「俺を鍛えた時にじいちゃんがやってたのは……映画で出てた鍛錬かな」

 

 

「映画……?」

 

 

「そう、映画。じいちゃん映画好きでさ。一番好きなのはアクション系。俺の鍛錬にも映画でやってた鍛錬法を組み込んでた。拳も刀も鎌も蛇腹剣も、ぜーんぶ映画と組み手でここまでやって来たんだ」

 

 

「それでこんなに強くなれるものなのか……?」

 

 

「まあ、じいちゃんは正直人間か怪しいくらい飛び抜けて強い人だったからな。俺にもその血が流れてるってことじゃないか?

 ひいじいちゃんも護国の鬼って言われるくらい強かったし、叔父さんは外交の重鎮っていうエリートだったし」

 

 

「はちゃめちゃな血筋だな……」

 

 

「俺はじいちゃんが生きてた間で、1度も組み手に勝ったことがないんだ。もっと言うと傷1つつけられなかった

 実を言うと、今でも勝てないと思う」

 

 

「そうなのか。響が勝てないと言う程なら、さぞ強かったのだな」

 

 

「ああ。ギア使っても手も足も出なかった」

 

 

「ギアを使っても!?そんなにか!?」

 

 

「組み手は基本ギアを纏ったままやってたんだ。じゃないと俺が死ぬ

 いや、ほんと。改めて思い出すと笑えるほどデタラメだな」

 

 

「い、いったいどれ程のデタラメなんだ?」

 

 

「ガングニールで殴り掛かった時はラッシュを片手で全部捌かれたり受け止められたりして……」

 

 

「そんなバカな……」

 

 

「天羽々斬で行けばことごとく避けられて、しまいには指二本で白刃取りだぞ!?」

 

 

「指で!?」

 

 

「イチイバルの時なんかぶっ放したミサイル全部キャッチされて投げ返されたし!」

 

 

「本当に人間なのか……?」

 

 

「他のギアでも手も足も出なかったよ」

 

 

「そ、そうだったのか。大変だったんだな……」

 

 

 思い出してその理不尽さに文句を垂れる響だったが、言い切ってスッキリしたのか落ち着きを取り戻して浮かせていた腰をおろす

 

 

「まあ、やると言い始めたのは俺だし。おかげで強くなれたから良いけどな」

 

 

「そうか。………おっと、長話をしすぎたな。では始めるか、響」

 

 

「そうだな。よーし、来い!」

 

 

 話を切り上げた2人は竹刀をその手に持ち、鍛錬を始める

 訓練場にはしばらく竹刀の打ち合う音が響いていた




いかがだったでしょうか、思い付きネタ集。
面白いなと思っていただけたなら幸いです。
これからも息抜きがてら、偶にこう言う小話集を上げていくつもりです。

ちなみに最初のキャプ○ン翼ネタは某眠れぬ奴隷系Vtuberさんのアーカイブを見て思い付きました。
面白いですよね、あの人の配信。
あとなんとなく察した人もいるかもしれませんが、花結いで友奈が2人になると『スカイラブツイン勇者パンチ』になります。響君は変わらず土台です。

それでは皆さん、またお会いしましょう。
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