この貧乏ポンコツ店主に祝福を・・・ 作:黒音195(kurone)
「最高級の紅茶が入りましたわよ、カズマさん」
「うむ・・・お湯なんだけど、もしかして、紅茶を浄化しちゃったのかな?」
「あらあら、私とした事がうっかりしていたわ。ごめんなさいね、カズマさん」
皆さんこんにちわ、ミユです。実は今、私は絶賛家出中なんです・・・そろそろ治ったかなと思ってたんですけど・・・
「・・・」
「入れ直せばいいだけさ。ありがとうアクア、これはこれでいただくよ・・・・・・うん、お湯!」
「気持ち悪いですぅ!!!」
「はぁ、バニルから大金を渡すと言われてから、ずっとこんな調子だな・・・ミユもあれから帰って来てないし・・・」
そうなんです。バニルさんがカズマさんの持つ全ての知的財産権を買うって言ってからずっとこの調子で・・・正直見てるのが辛いので今はウィズさんの所で住み込みという形で働いてます。
そんな私を見兼ねてか、バニルさんがそろそろ屋敷に戻ると良い事があるぞ。と教えてくれ、戻ってきた次第なんですけど・・・
「最高級の紅茶がまた入りましたわよ、カズマさん」
「・・・お湯なんだけど、また浄化しちゃったね?」
「あらあら私ったら・・・」
「触れた液体を浄化して、ただの水にしてしまうとは。うちのプリーストはおっちょこちょいだなぁ」
「「あはははははっ!」」
まだ戻ってないじゃないですか・・・
「まぁ、お金に余裕がある事は素晴らしいです。さて、討伐にでも行きますか」
「え、嫌だよ何言ってんの?大金が入ってくるってのにどうして今更働かないといけないんだよ」
「・・・分かりました」
「お?今日はやけに素直だな」
「今からウィズの所に行って、ミユを連れてクエストに行ってきます。」
「今なんて言った?」
「ミユを連れてクエストに行ってきますと言いました。あの子なら快く受け入れてくれるでしょう!あぁでも爆裂魔法を使った私をミユは運べるでしょうか、それに私を運んでる時にモンスターに襲われたらいくらミユでも危ないかもしれませんね。けど仕方ないですよね、私とミユしかパーティを組まないんですから。えぇ仕方ない事ですとも。それでは」
「待てめぐみん、ミユを連れてくのは許さん。というか、ミユを引き合いに出すのはせこいぞ・・・それに俺は首がポッキリいって死んだばっかりなんだぞ?せめてこの古傷が癒えるまでは安静にさせてくれ」
「は!分かりました。カズマの傷を癒しに行きましょう」
「いや別に、暫くゴロゴロ遊んでれば治るから・・・」
「温泉に参りましょう!水と温泉の都!アルカンレティアに!」
「俺のことはお構いなく・・・温泉と聞こえたが?」
「ねぇ!アルカンレティアって言った?水と温泉の都、アルカンレティアって言った?なら私すぐ準備してくるわ!」
「俺達も強敵との連戦で疲れてるし、温泉も悪くないな!」
なんかアルカンレティアって所に行くという事になってたんですが・・・でも温泉かぁ・・・いいなぁ・・・
「折角だし、ミユも誘っていこうぜ!帰ってきた時に1人は寂しいだろうしな!」
「カズマはほんとにミユには甘いわね。だからロリコンって言われるのよ」
「違ぇから!なんつーか、ミユは妹みたいな感じなんだ。ほっとけないっつーか・・・」
「私もそれは分かる気がします。里に残してきた妹にたまに会いたくなりますよ」
「あぁいった小さな命を守る為に私達のような冒険者が居るのかもしれないな」
「よし!ウィズの店行って、ミユと合流するか!」
そうカズマさんがいい、扉を開ける。顔が熱くてその場からさっさと逃げたい私は、転移魔法を使ってウィズさんの店に転移した。バニルさん、待っててくださいね?今すぐ残機0にしてベルディアさん達の所に送ってあげます!
~ウィズ魔道具店~
「ふははははは!恥辱に塗れた最大級の悪感情!大変美味である!!」
「バニルさんこうなる事分かってましたね!!!?とりあえず最大級の水魔法喰らわせるのでそこを動かないでください!!」
「しかし家出娘よ!吾輩があの様にするのは珍しい事なのだぞ!」
「美味しいご飯の為なら何でもしますもんね!!・・・というか、ウィズさんはどうしたんです?まるでまた使えない魔道具を仕入れてきたからバニルさんがそれにキレてバニル式殺人光線を放った後みたいな事になってるんですけど・・・」
「花丸をやろう!当たりだ」
「・・・帰ってきたらまた大仕事ですね」
「ついでだ、こやつも連れて行くといい」
「店主が店員に厄介者扱いされてるってどうなんでしょうか・・・これは、返品するしか使い道がないですね・・・タダじゃないのに・・・」
「全くだ・・・」
「こんちわ〜、って何だこの状況・・・」
「へいらっしゃい!何やら屋敷で小っ恥ずかしい事を言った挙句それを聞かれているとも知らずに何事も無かったかの様にこの店に来たしがない冒険者よ!」
「長ぇよ!てか聞かれてたってどういう事だ!?」
「実は先程まで屋敷にこの家出娘が居たのだ。そして入ろうとした時に貴様達の小っ恥ずかしい台詞を聞いて顔を真っ赤にさせて転移魔法で帰ってきたのだ!ん〜!中々の悪感情!美味である!」
ちくしょう!この悪魔嫌いです!!
~アルカンレティア行きの馬車停留所~
魔道具店で1悶着起こした後、私達は、アルカンレティア行きの馬車停留所に来ました。
そこでもまた1悶着ある様です・・・
「・・・話が進まないので私が馬車の1番後ろに行きますよ?」
「それはダメだ、ここは公平にジャンケンで決めよう。アクア、俺と3回ジャンケンしようぜ。それで、お前が1回でも勝ったら俺が1番後ろな」
「それ公平なんですか・・・?」
「カズマカズマ!確率の計算って知ってる?「うん」カズマが全部勝つとか有り得ないんですけどぉ!プークスクス!」
「・・・俺、ジャンケンで負けた事ねぇから」
そして、皆さんご存知の通りとは思いますけど、カズマさんが3回とも勝って、アクアさんが1番後ろに行くことになりました。けどそれに駄々を捏ねたアクアさんがもう一度ジャンケンを仕掛けました。
推察なんですけど、アクアさんの幸運値は超絶に低く、カズマさんは恐ろしい程に運が高い。その時点で負けるはずが無いんです。けど、アクアさんはブレッシング、幸運値を上げる魔法を使ってもう一度ジャンケンを挑みました。それでもカズマさんに届く筈が無く、あえなく撃沈。後ろでは不貞腐れているアクアさんが座っています・・・
「えっと、アクアさん?場所交換します?私はそっちでも良いんですけど・・・」
「ほんと!?代わってくれるの?!」
「アクア、お前これでほんとに代わったらアクシズ教は子供相手でも容赦なく踏み台に使うって広めるからな?」
「なんでよぉ!!折角ミユが提案してくれたのにぃ!!」
「正直お前が近くにいるとウィズが苦しむんだ。悪夢に魘されてる様な感じがしてな。逆にミユの傍に置いとけば凄い安らかなんだよ」
「そりゃ、夢見の魔法掛けてますから・・・ん?カズマさん」
「カズマだよ?」
「何かがこっちに向かって高速で来てます・・・」
私がそう警告を鳴らすと、馬車の手網を握ってる人・・・面倒なのでおっちゃんと名します。その人が説明をしてくれた。
「ありゃあ走り鷹鳶だな、チキンレースっていう雌への求愛行動を取るから硬いものに強く反応して向かってくるんだ。まぁ、その辺の岩にぶつかっていくだろう」
「・・・硬いもの・・・?確かダクネスさんの鎧は・・・」
「あぁ、アダマンタイトを少量だが含んでいる。走り鷹鳶もこっちへ来るだろうな。ハァハァ・・・」
「お前、興奮しただろ」
「してにゃい!」
そんなこんなで、私達がアルカンレティアに着いたのは次の日の昼間でした・・・時々ウィズさんが消えかかったりしましたけど、なんとか生きてます。いや、リッチーだから死んでるんでしょうけど・・・
過去にミユがやらかした話・・・
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