廃墟に響く残響   作:ブルーな雛菊

1 / 10
絵師さんからのイラスト!
エマ&シエラ
【挿絵表示】


*グロテスクな表現、暴力描写、誤字脱字等々含まれています。
大丈夫!という方は楽しんでいただけたら幸いです(*´ω`*)


day0・不思議の国にはどうやって行くの?

まるで砂嵐の中に居るかのようなノイズの中、イヤホンからわずかに聞こえる人物の声。

 

「…ている・・・・を…」

 

通信状態が悪いのか無線越しの人物が()()訴えかけているのかは判断できない。

しかし、会話の裏で断続的に聞こえる発砲音、薬莢が床に落下して転がる音が無線の先では激しい戦闘が行われているのを雄弁に物語っている。

 

「・・・・此方チャーリー!現在攻撃を受けている。shit!!待伏せだ!!」

 

次第に鮮明になっていく無線。

絶え間なく響く銃撃音。

無線越しに響く切迫した叫び声に近い状況報告。

 

「状況は劣勢‥包囲されている。至急、増援を「shit!shit! ケベックがやられた。」

 

救援要請、そして別の隊員からの被害報告。

 

「救援はまだか!?」

 

一際何所か幼い印象を与える声が無線から響く。思い返すと他の隊員達も同じであった…

成人男性の声としては高く、女性としては低い・・まるで声変わりのしてない子供のように…

 

「此方チャーリー、被害は甚大。このままでは全滅します。「カバー!!」

 

隊員同士の援護要請に応えるように無線に響く発砲音。

 

「此方司令部、救援部隊が2分で到着する。持ちこたえろ。」

 

先ほどまでの声とは一変して成人した男性と思われる低い声が隊員達に応答した。

気がかりに思うのは・・・まるで機械のように声の抑揚が無く極めて冷静であるという事だろうか。

 

「聞こえるか!?救援だ!助かるぞ!!」

 

無線越しにかすかに聞こえるジェットエンジンの音

 

「違う・・・・」

「・・・・どうやら私達は…使い捨てにされたようですね…」

 

響く爆発音。そして音声ファイルはここで終了した。

 

 

・・・・・・・・・・

 

day0 8:10

合衆国 コロラド州 ウィラメッテ Middle school

 

「おっはよ~!何見てるの?戦争映画??しかも音声だけ?」

 

「おはよ~・・・まぁ‥似たようなもの・・かな?」

 

イヤホンで音声ファイルを視聴してたところ

背後から忍び寄ってきたシエラにイヤホンを奪われて許可なく視聴される少女。

思いのほか学校に早く到着してしまい、暇つぶしにとネットで見つけたファイルを開いたところであった。

 

「中々渋い趣味をしてますね~()()()()?うちとしてはアダルトサイトを開いてて赤面しながらごまかそうとしているエマちゃんの顔が見たかったのだけど~」

 

「学校で堂々とアダルト動画を視聴するほど私には度胸はないわ!!というか…どうやって私の居場所がわかるの!毎回毎回!!?」

 

日本と違いこの国では、生徒の為の()()()()()()というものが存在しない。

生徒は自身の取った教科に合わせて、先生の待つ教室に移動することになっている。

したがって、始業時間よりも少し早く学校についたから誰も居ない空いてる教室に忍び込んで時間をつぶそうとしている私を見つけ出すのはシエラにとっては骨のかかる作業のはずだった。

 

「うちを誰やと思ってるんや~?うちは探偵の娘やで?」

 

「はいはい~」

 

少なくても個人が特定の場所に居ないということは探し出すのは大変だ・・・と思う。

エマの居る場所は分かって当然とばかりにドヤ顔になっているシエラ(友人)に半ば諦めじみた感想を抱く。

 

「この規格外残念少女め!」

 

「そこは規格外美少女に訂正しといてな~!そういうエマちゃんも規格外ってこともちゃんと自覚してはります?」

 

「?」

 

いまいち理解が出来ないというエマの表情に気づいたのか溜息がてらにシエラが話し始める

 

「ウィラメッテ。人口53,594人、特産物無し。目立つものは最近できた大きなショッピングモールのみ!掛値なしのしけた町やで!その中で大学生や専門学校とかの連中が参加するような情報処理・プログラムの試験や大会に個人で参加して優勝をかっぱらってくるのは後にも先にもあんさんだけや!教師達にも特例でPCの持ち込みを許可されている。それだけでも十分普通とは言えれんのにその上、美少女ときた!天は二物を与えないとか言いつつ不公平や!このチート系美少女め!」

 

賞賛してるのか貶されているのか判断がつかなくなってくる・・

そう言ったシエラも何処かの高校生探偵の様に射撃経験あり、船舶運転経験あり、カート大会入賞、運動系はサッカーはもとより格闘術すら「乙女の嗜み」とか軽口をたたく余裕すら見せるハイスパックさだ。チートという言葉はそのまま返した方が良いだろう。

 

予鈴が鳴る

 

「そろそろ移動しましょうか?」

 

「あ~時間たつの早いわ~このまま授業もさっさと終わってくれればな~」

 

いつも通りの日常。平穏な日々。

今日も何事もなく終わりを迎えると思っていた・・・

凄惨な銃撃事件が増え、対策で校舎の入り口に設置された金属探知機のブザーが授業中に鳴り響くまでは…

 

 

・・・・・・

day0 10:30

合衆国 コロラド州 ウィラメッテ メインストリート

 

[いやー。この事件もようやく終わりをむかえますね…犠牲になった方々には追悼の意をささげます。]

[今回の一件はどのように捉えますか?]

[この犯行は非常に残忍で短絡的と言っても過言ではないでしょう・・・・]

 

のどかな街中を疾走するSUV。

ラジオからは最近この国を騒がせた連続殺人犯のニュースが流れていた。

 

[この被告人は無力な少年・少女をターゲットに犯行を行ってきました。しかも、子供達の目の前で両親を拷問し恐怖を与えた後に徐々に嬲り殺すという卑劣極まりない残虐な方法をとってです!この手の犯罪者は犯罪を通して、自身の名前が歴史に残るという誇大妄想染みた思考をしていることが大半です。我々は外道の名前を一切出すべきではないと考えます。歴史に埋もれ、消えてなくなるという事を世に示さなくてはなりません!]

 

「クズが消えるんだ。喜ばしいことではないか。」

 

閑散とした住宅街。通勤ラッシュの時間帯は過ぎ去り今となっては対向車もまばらとなっている。

正に田舎町といった景色が車の窓越しに広がっている。

 

[しかし容疑者は裁判の最後に気になることを言ってましたね。たしか、「私にとって殺人は芸術だ。私は一流のエンターテイナーだ。だが上には上が

 

駐車場にSUVを停車させエンジンを停止する。ラジオから流れるニュースは途中で切れその先を聞くことはないだろう。

目の前にはスーパーマーケット。最近完成したショッピングモールではなく以前から利用しているなじみ深い店だった。

男は眠気が取れず欠伸をしながら店へと足を向けた。店の中は休日に比べ客もまばら、最近ではショッピングモールに客を奪われて閉店するのではないかと心配される声まで上がっている。

カートを押しながら食料品を物色している最中だった。

突然入口のレジ付近でまるで商品棚を薙ぎ倒したような大きな音が響く。

 

 

「誰か!コイツを引き離してくれ!」

 

 

 

男性の助けを呼ぶ声、悲鳴、罵声が店内に響く。

 

 

 

「誰か!保安官を呼べ!」

 

 

 

(強盗?)

 

非常に残念だがスーパーの入り口は1か所しかない。叫び声が響くレジを通過しないと外には出ることが出来ない。

男はそれしか方法はないと思いレジへと駆ける。好奇心は猫を殺すとはよく言ったものだ。

 

 

 

「保安官はまだか!?」

 

 

 

「駄目だ!通話中で繋がらない!」

 

 

 

店員が男に組み付かれ押し倒されている光景が目に入った。

 

2人がかりで男を引き剥がそうと奮闘している、予想以上に掴む力が強いようで押し倒した店員から離れる気配がない。

 

 

 

「コイツ!噛みやがった!」

 

 

 

店員の白い制服の肩口には、まるでリンゴをかじった後の様に歯形の様な赤い染みが付いており、どんどん広がっていく。

 

 

 

「おい、あんた!見てないで手伝ってくれ!」

 

 

周りを見るが離れた位置で傍観する者。青くなりながらも写真を撮る者ばかりで一向に誰も動こうとしない。何組みもの客がこの場に立ち会わせているのにだ。

 

 

 

「クソッ!」

 

 

 

 

 

負傷している店員に更に追い討ちをしようとしている異常者。余裕なんて既にない。

 

 

 

「其処を退け!」

 

 

 

近くにあったショッピングカートを手繰り寄せてそのまま異常者へ向かって突っ込んだ。

 

 

 

精算前の商品が大量に載っているカートだった。

出だしこそ重量があるためゆっくりと動き出したが、成人男性の全力の脚力でカートは加速される。

勢いがついてしまったら最後、今度は自力で止めるのも困難な程の速度に達していた。

ガラガラというカートの音は加速と共に次第に騒音に変わり始める。安定せず蛇行し始めそうになるカートを腕力で無理やり進路を修正する。

振動でカート一杯に詰められた商品が少しずつ床へ零れ落ちているが、気にしてはいられない。

 

そして、派手な音が鳴り響きカートに載っていた商品が床に散らばり、カートの籠は捻じ曲がる。

弾き飛ばされた異常者はまるで映画かコントの様に宙を舞う。自身の血か・・それとも嚙みついた時に咬み切った店員の肉かもよくわからない赤い物体を自身の口からまき散らしながら‥

床材の上に叩きつけられる異常者。手ごたえはあった・・・その反面、男は違和感を感じる。(まるでマネキンを弾き飛ばしたかのようだったと)

 

 

 

「大丈夫か?」

 

 

 

「ああ、そっちは?」

 

 

 

「おかげさまで無事だ。」

 

 

 

「ヤツは?」

 

 

 

店員達の手を借りて立ち上がり異常者の方へ目を向けると

 

丁度何事もなかった様に立ち上がる姿が目に入ってきた。

 

 

 

「嘘だろ……まだ此方に向かってくるのかよ!」

 

 

 

異常者は武器を持っていない。

 

異常者はフラフラとした足取りで今にも倒れそうな雰囲気だ。

 

大勢の目撃者、そして今しがた手痛い反撃をくらって普通ならば逃走を考える状況だ。

 

それでもまるで『何も感じていない』様に此方へとフラフラと近付いてくるのだ。

 

 

 

言葉に表すなら…不気味

 

その一言につきる。

 

ソレに関わってはならない、逃げろと本能が強く訴えている。

 

 

 

「普通じゃないから異常者なんだろう……」

 

「武器になるような物はないのか?」

 

 

 

玩具コーナーからバットを持ってくる店員

 

散らばったカートの中から清算前の包丁を拾い上げて身構える客。

 

 

よろよろと足を引きずりながら近寄ってくる不審者。

その後に()()()()()()かは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 




前日章 平和な日常

現在の人物

エレノア・ウィルソン:12歳少女。愛称でエマと友人から呼ばれている。PCを使った情報処理やプログラムに長けていて暇つぶしに機密機関のデータサーバーに痕跡を残さずアクセスするなど色々とヤンチャしている。射撃センスには妖怪糞AIMがとりついており涙目、運動能力は高くない。自前のノートPCは部品を特注して自作した高性能端末。銀髪ストレート。PCを触っているときは「話しかけるな」オーラが出ているため友人以外は近寄れない

シエラ・ハドソン:エセ関西弁みたいな口調で話す少女。エマの親友。エマとは正反対で運動系で万能。どっかのメインキャラを思い出す?「ほんまか?工藤!!」

SUVの男:MOB枠 名前考えるの面倒ですの!!どうせ皆死ぬの!!

特殊部隊
チャーリー:無線で救援要請をしていた本人 声変わりのしてない子供のような声。生死は不明

???:一際幼い印象を受ける声の主(少女)。生死は不明。混乱の中でもパニックに陥らずに冷静、どこか諦めた音色を無線に響かせていた

司令官:とりあえず此奴が全部悪いんじゃない?

ブルーな雛菊:駄作を作っては逃走している作者 今回は完走させなきゃ!
書き馴れていないので誤字多め!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。